「家(1976年)」のネタバレあらすじ結末

家(1976年)の紹介:ひと夏の予定で借りた白亜の豪邸で起こる不可解な現象を描いた、1976年公開のアメリカのホラー映画。原作はロバート・マラスコのホラー小説「家」。制作/監督/脚本は「血の唇」「恐怖と戦慄の美女」のダン・カーティス。共同脚本は「未知への逃亡者/ローガンズ・ラン」のウィリアム・F・ノーラン。「ファイブ・イージー・ピーセス」「イージー・ライダー」のカレン・ブラックが世界中を恐怖のどん底に落としめた往年の名作です。1976年第4回サターン賞ホラー映画賞、監督賞、助演女優賞(叔母役ベティ・デイヴィス)を受賞しています。

予告動画

家(1976年)の主な出演者

マリアン(カレン・ブラック)、ベン(オリヴァー・リード)、デイビッド(リー・H・モントゴメリー)、叔母エリザベス(ベティ・デイヴィス)、家主兄アーノルド(バージェス・メレディス)、その妹ロズ(アイリーン・ヘッカート)など。

家(1976年)のネタバレあらすじ

【起】- 家(1976年)のあらすじ1

夏季休暇を過ごす別荘を探していたベンとマリアンは、格安の広告につられ、12歳の息子デイビッドと共に訪ねますが、東屋付きの広大な庭に建つ白亜の豪邸を見て息を呑みます。建物は老朽化していましたが、アンティークの家具も魅力的で、マリアンは納得の笑みを漏らします。けれど間続きの温室は荒れ放題で、居間には様々な年代の家の写真が飾ってありました。
やがて気難しそうな家主の老夫人ロズ・アラダイスと車椅子の兄アーノルドが現れ、マリアンに親しげに微笑み、この家は手間がかからないし、家を愛してくれれば、ひと夏900ドルでお貸ししますと話します。彼らは、74歳のベンの叔母も来る予定だと言うと高齢だと心配しますが、庭で遊ぶデイビッドを見て目を輝かせ、ケガをしたのを見てなぜか隠します。
また、この家には長い歴史があり、永遠の家だと信じてると深い思い入れを語りますが、格安の理由を疑うベンに不快感を露わにし、もう一つの条件を話し始めます。85歳の彼らの母親は、見た目は60代で大半は眠り、起きても音楽を聴くか写真の手入れをしているだけで手は掛からないが、部屋から出ないため、毎日3度の食事を運んで欲しいと言うのです。
それを聞いたベンは即答を避けますが、マリアンは不満そうです。そこにケガをしたデイビッドが戻り皆が席を外した時、アーノルドは枯れた花の鉢を捨てようとした下男をよく見てみろと叱ります。鉢には新しい葉が出ていました。
家に戻ったベンは、彼らは様子がおかしい、高齢の母親に死なれたらどうするつもりだと言いますが、母親は自分が責任を持つと言うマリアンに押し切られ、やむなく承諾することに。

7月1日。夫妻は滞在の準備をし、デイビットとベンの叔母のエリザベスを連れ、再び屋敷を訪れます。叔母は元気でお洒落な老婦人でベンにも口が達者だと笑われます。
けれど家主らは留守で、玄関にカギと説明書きや契約書、「どうぞごゆっくり アーノルド&ロズ」と書かれたメモが入った封筒が貼られていました。
マリアンは早速3階のアラダイス夫人に挨拶に向かいます。3階は正面玄関の真上から庭を見渡せる2間続きの部屋で、家具調度は全て重厚なアンティークでしたが、花は枯れ人気も無く、食事済のトレーと大きなオルゴール、年代や性別が異なるたくさんのポートレート写真が飾られていました。彼女は奥の間の扉をノックし挨拶しますが返事は無く、ベンと叔母に自分が責任を持つから3階へは絶対に入らないでと断ります。
また4人は、キッチンの冷蔵庫や冷凍庫に詰められた大量のシャンパンと食品に喜び、切れていた食糧庫の電球も、ベンが指を切った後にはなぜか直っていました。その日、アラダイス夫人に運んだ夕食は手付かずでした。

翌日、マリアンは広間に豪華なカーペットを広げ、掃除に精を出し、叔母は絵を描いたり編み物をしたりと気ままに過ごし、ベンとデイビッドはプール掃除をした後、森でアラダイス一族の古い墓地を見つけます。
始めは食事を取らなかったアラダイス夫人も、夜中に何か食べているのかと声をかけて以来食べるようになり、マリアンはオルゴールを聞き写真を磨き、デイビッドの声を無視します。
その頃、叔母が見守る中、プールで遊んでいたベンとデイビッドはマリアンを待ちきれず泳ぎ始めます。先に入ったベンはプールの底で壊れたメガネを見つけてぼんやりし、デイビッドとふざけ始めます。が、ベンは次第に狂暴になり、笑いながら何度もデイビッドを水に沈め、叔母が叫んでも止めません。デイビッドは水中眼鏡でベンの顔を殴り逃れますが、ベンは鼻血を出しながら泳ぎ続けていました。3階でうっとりと写真を磨いていたマリアンは、その事件に全く気づきませんでした。

【承】- 家(1976年)のあらすじ2

嵐の夜、ベンは母親の葬式でサングラスをかけたノッポの運転手が自分に笑いかける悪夢で目覚めます。マリアンも起き出し心配しますが、彼はプールの一件を気にしてひどく怯え、あの時は狂暴な衝動が確かにあったしこれで終わるはずがない、アレが戻ってきたと打ち明けます。彼女はデイビッドも無事だったのだから忘れなさいと叱ります。
翌日、プールを見た彼女は、プールがイスやテーブルまで含めて美しくリフォームされているのに驚き、ベンに書斎をプレゼントしますが彼は浮かない顔です。そこに叔母に連れられ、怯えた様子のデイビッドがやってきますが、ベンに声をかけられ抱きつきます。彼はプールはもう嫌だと泣きベンと和解します。
その夜プールでは、ベンがマリアンを誘い、彼女は全裸で泳ぎ始めますが、ベンを拒みすぐに上がってしまいます。彼は庭まで追いかけ押し倒しますが、彼女は3階の灯りを気にして帰ってしまいます。残されたベンは落ち込みますが、彼女は3階に行き椅子で眠ってしまいます。
翌朝、ベンは仏頂面でキッチンにいましたが、マリアンは上機嫌で銀食器を運び込み、ソーサーで乱暴に煙草を消す彼にあからさまに眉を顰めます。

マリアンはその後も家中を磨き花で飾り立てますが、叔母は弱り寝坊や昼寝が増え急激に老け込んで行きます。
ある日彼女は、アラダイス夫人に会おうと思い立ち、自作の絵を持って息切れしながら3階に上がりますが、部屋にはマリアンがいて夫人は就寝中だと追い返されます。ストレスを発散するかのように庭仕事に打ち込むベンは、庭に入ってくる霊柩車と運転手の幻覚を見て怯えます。
夜中の12時、不調だった家中の時計が一斉に12時を差し、鳴り始めます。ふいに目覚めたベンは、デイビッドの部屋に行きますがドアが開かず、蹴破って中に入ると古いガスヒーターの弁が開きガスが充満していました。彼はぐったりした息子を夫妻の寝室に運び、戻って窓を開けようとしますが開かず、ガラスを割って事無きを得ます。
翌日、ベンがデイビッドを病院に連れて行く間、遅くに起き出してた叔母がマリアンに「私は何もしてない、ただ毛布を掛けてやっただけ」と言いますが、ガス栓をいじったかどうかは覚えていないと言うのです。マリアンは激しく問い詰め、窓が開いていて寒かった、ドアに鍵もかけてないと言う叔母の物忘れを疑い責め立てます。口が立つはずの叔母はうろたえるばかりで言い返すこともできませんでした。

【転】- 家(1976年)のあらすじ3

戻ったベンは叔母から、マリアンが彼女をボケたと罵った事や、この家は気味が悪い、あなたも解っているはずと言われ、下で一緒にカクテルを飲もうと励まします。彼女は、ベンが去った後起き上がろうとしますが、骨が砕け動けなくなります。
3階では、豪華なショールをまとったマリアンが、アラダイス夫人に会おうと言うベンを追い払おうとし、コレクションに触ろうとしても拒否します。ベンは全てを隠そうとするのかと冷たく言い、空々しく謝罪を始める彼女を置いて出て行きます。また、ベンは彼女がガラス鉢を落として壊したデイビッドを怒鳴り揺さぶるのも目撃、彼女は息子のケガの心配もせず、壊れた鉢の欠片を泣きながら集めていました。
夜、ベンはこれは君の家じゃない、家族と家のどちらが大切かと問い詰めます。彼女はこの家は今は私の物で、想像をはるかに越える家だと賛美します。が、デイビッドが何度も事故に遭ったのは家のせいだ、今すぐここを立ち去ろうと言うベンに言い返そうとした時、デイビッドの「叔母さんが大変だ!」と叫ぶ声が聞こえます。3人が駆けつけた時、叔母はベッドで動けず呻き声をあげ、瀕死の状態でした。
けれどベンが電話をかけても全て話し中で繋がらず、マリアンがかけると繋がり医者を呼んだと言われます。ベンは叔母の傍に残り、マリアンに言い訳をして追い出しますが、彼女は3階で平然と夫人の夕食を食べていました。
やがてやってきたのはあの霊柩車で、ベンは激しく怯え、部屋の隅に逃げ込みますが、階段を昇る足音と重いものを引き摺るような音がして、部屋にあの運転手が現れます。2人が絶叫する中、男はにやりと笑い、台に乗せた棺桶をベッドに突っ込みます。その時、マリアンは、温室に咲き誇る花々を見て微笑んでいました。

叔母は亡くなり、葬儀を欠席したマリアンは、哀しくないのか!と怒るベンにアラダイス夫人が心配だったと言い訳します。彼女は家で深紅のガウンをまとい、ディナーの席を飾り、デイビッドに銀の杯を使いなさいと叱ります。
3階に戻った彼女を追ったベンは、奥の間のドアに手を掛けますが、マリアンが立ち塞がります。今すぐこの家を出ようと言う夫に彼女は、夫人は自分だけが頼りだから出るのは無理だと言い、この家の悪霊に取り憑かれた、このままでは全員死ぬという彼に、この家が私たちが昔から望んできた全てだ、私たちの物になったのよ、永遠に…と口に出し戸惑います。彼は諦めたようにキスをし「明日は家に帰る。たとえ君が来なくとも」と言い去って行きます。

翌朝はひどい嵐で、奇妙な物音で目覚めたベンは、屋根や外壁がバリバリと剥がれ落ち、古い殻を脱ぎ去るように生まれ変わってるのに気づき愕然とします。
彼は泣き叫ぶデイビッドを連れ車で逃げ出しますが、木立が倒れて道を塞ぎ、どかそうとしても葉が生物のように巻きつき手に負えません。彼は車で何度も突っ込みますが抜けられず、マリアンに連れ戻されてしまいます。ベンには彼女があの運転手に見えていました。
彼女は医者を呼び、ベンを鎮静剤で眠らせ、入院が必要という医者の話を聞き流し、デイビッドに、パパはこの家で安静にしてれば治るから帰れないと話します。
数日後、デイビッドは車椅子の父親を励ますように泳ぎ始めます。マリアンもそれに気づき、デイビッドを止めようと懸命に叫びますが、なぜか窓もドアも開かず家から出られません。やがてプールは波打ち、溺れるデイビッドを見ていたベンが懸命に地面を這いずるうち、窓ガラスを割って脱出したマリアンがプールに飛び込み、デイビッドを救出します。
「た…助けようとしたんだ…すまない」…数日ぶりにベンの声を聞いた2人は喜び、固く抱き合い、マリアンは今日中に家を出ましょうと言います。

【結】- 家(1976年)のあらすじ4

3人は荷物をまとめ車に乗りますが、運転席に座ったマリアンが、夫人に挨拶をしてくると言い出します。ベンはすがるように引き止めますが、彼女は連絡先を置いてくるだけだからと家に入ってしまいます。彼女は戻らず、クラクションを鳴らしても返事はありません。ベンは意を決して家に入り、彼女を呼びながら3階へと上がって行きます。
部屋は暗く彼女はおらず、ベンが奥の間の扉に手を掛けると、勝手に扉が開きます。部屋に入ると窓辺に白髪の老女が座っていました。
彼は恐縮しつつも、マリアンを知りませんか?ここに来たはずですがと言いますが、ひじ掛けを掴んだ赤いマニキュアの指が音を立てるだけでした。
恐怖を感じた彼は堪えきれず、イスに手を掛け乱暴に振り向かせますが、椅子に座っていたのはアラダイス夫人ではなく、恐ろしい形相に変わったマリアンでした。
彼女は、慄然として悲鳴をあげるベンに「お待ちしてましたよ」と言って襲い掛かり、彼は3階の窓を突き破り、デイビッドの乗った車へと落下し、死亡します。
デイビッドは母親を呼びながら逃げ出しますが、屋根にある古い時計塔が突然崩壊して瓦礫が降り注ぎ、死亡します。

ほどなくして屋敷は輝くばかりの純白の大豪邸へと生まれ変わり、芝生は鮮やかな緑に、噴水の水は豊かに流れ、庭には色とりどりの花が咲き乱れています。家主たちの声は、その美しい姿を心から賛美し「母も戻った。昔通りだ」と囁きます。
3階部屋の写真コレクションにはベンとデイビッドと叔母の写真が加わっていました。

みんなの感想

ライターの感想

不気味な地下室とか壁から流血とかはありませんが、住人が災難に遭うたび少しづつ生まれ変わり、やがては脱皮するようにメキメキと生まれ変わる恐怖の館に魅入られた母親と、それに翻弄される家族を描いた、70年代当時、何度もTV放映された名作です。劇場公開時は家主兄役がバージェス・メレディスだったためか「ロッキー」と併映されたのだとか。
主演のマリアン役カレン・ブラックは「ファイブ・イージー・ピーセス」「華麗なるギャツビー」ではゴールデングローブ助演女優賞を獲得し、普通の映画にも数多く出演している名女優ですが、今作と「恐怖と戦慄の美女」(TVM)は中でもダントツ1位のインパクトを残しています。
また家に取り殺される憐れな叔母役のベティ・デイヴィスもかつては美貌の女優で、「何がジェーンに起ったか?」でも個性的な役を演じアカデミー主演女優賞を獲得、本作でも第4回サターン賞の助演女優賞を獲得しています。次第に弱って言葉がおぼつかなくなり、起き上がろうとして骨が折れるシーンは今見ても恐ろしく、それを特殊メイクに頼らず演技で魅せるところにも凄まじい女優魂を感じさせられます。
何度も鼻血を流しつつ奮闘する夫役を「Tommy/トミー」(ロック・オペラ)でも怪演を見せてくれたオリヴァー・リード、やんちゃな子供デイビッドを「ベン」の心優しい少年役だったリー・H・モントゴメリー、霊柩車の運転手を「夜の大捜査線」「荒野のストレンジャー」のアンソニー・ジェームスが演じています。

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