「犬神家の一族(2006年)金田一耕助」のネタバレあらすじ結末

犬神家の一族(2006年)の紹介:2006年公開の日本映画。横溝正史の同名小説を、石坂浩二と市川崑・監督のコンビで再び映画化。名探偵・金田一耕助シリーズの第1作のリメイクで、市川監督の遺作になった。豪華なキャスト陣でかためた作品。

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犬神家の一族(2006年)金田一耕助の主な出演者

金田一耕助(石坂浩二)、野々宮珠世(松嶋菜々子)、犬神松子(富司純子)、犬神竹子(松坂慶子)、犬神梅子(萬田久子)、犬神佐清〔青沼静馬〕(尾上菊之助)、犬神佐武(葛山信吾)、犬神佐智(池内万作)、犬神小夜子(奥菜恵)、等々力(加藤武)、古館恭三(中村敦夫)、犬神佐兵衛(仲代達矢)

犬神家の一族(2006年)金田一耕助のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①犬神家の莫大な財産をめぐり相続問題が発生、遺産は血縁のない娘・珠世に譲られることになったが、佐兵衛の孫・佐清、佐武、佐智の誰かと結婚する条件が付け加えられた。 ②それが発端で、佐武が菊、佐智が琴、佐清が斧で殺される。これらは犬神家の家宝に関係する品であった。 ③真犯人は松子で、自分の息子に財産を相続させたいから。しかし白い仮面をかぶった男は、佐兵衛が五十歳を越えて生ませた息子・静馬で、怒った松子は静馬を殺す。これが佐清の死体となった。 ④実は佐清は生きていた。母の犯した罪を隠すために奔走していた。愛し合っていた佐清と珠世は結婚することになり、松子は毒入り煙草で自殺した。

【起】- 犬神家の一族(2006年)金田一耕助のあらすじ1

昭和二十二年、信州(長野県)那須市。
犬神財閥の創始者である犬神佐兵衛が亡くなりました。その遺産は莫大なものです。
犬神佐兵衛は『犬神製薬』という会社で、戦争のたびに躍進を遂げていました。
表立って言えることではありませんが、戦地に赴く兵隊にアヘンやモルヒネ、コカインなどを与えて士気高揚させる手が使われていました。犬神製薬はそこに目をつけ、そういった薬剤を提供することで富を築いたのです。
地元の有志としても名を馳せた佐兵衛の死は、本家の人たちだけではなく地域の者の注目も集めました。佐兵衛の莫大な財産を誰が引き継ぐのか、誰もが知りたがりました。
佐兵衛の臨終の席で、遺言を急かしたのは長女・松子です。しかし佐兵衛は何も告げず、ただ顧問弁護士の古舘を指差しただけでした。古舘は「遺言書は預かっております」と告げます。
但し遺言状の開封は、「一族が揃った席で」と決められておりました。
さて、ここで少々ややこしい説明が入ります。
犬神佐兵衛は一生妻を娶らず独身を貫きましたが、妾(愛人)がおりました。それぞれ異なる母親に生ませた子どもです。いずれも女性で、松子、竹子、梅子といいます。
三人の娘たちはすでに婿(入り婿)をもらって結婚し、それぞれ子どもがいます。入り婿たちはそれぞれ犬神製薬の支社を任されてはおりますが、実質的な立場は、あってないようなものです(存在が希薄だという意味)。
・松子(本家に住む)…息子は「佐清(すけきよ)」
・竹子(東京暮らし)…息子は「佐武(すけたけ)」、娘は「小夜子(さよこ)」
・梅子(大阪暮らし)…息子は「佐智(すけとも)」
松子には既に夫がなく、次女・竹子と三女・梅子には夫が健在ですが、遺言状を読むには「松子」「竹子」「梅子」「佐清」「佐武」「小夜子」「佐智」「寅之助(竹子の夫)」「幸吉(梅子の夫)」ら9人が揃わないと、条件を満たしません。
そして…長女・松子の息子・佐清(すけきよ)が、生きてはいるものの内地(中国)から復員しておらず、半月前に博多に戻ってきたばかりでした。
莫大な財産だけに、揉めるであろうと踏んだ犬神家の顧問弁護士・古舘の助手・若林は、名探偵といわれる金田一耕助に助けを求めます。
依頼を受けた金田一は那須市に赴いて、若林の言われるまま、那須ホテルにチェックインしました。「ホテル」とは名ばかりの、実質的には旅館です。
若林は金田一に会うためにホテルに来ますが、会う前に旅館で死体にて発見されました。死因は肺臓から毒物が見つかったということで、殺人事件ということで等々力署長が捜査に参加します。
古舘も事情を聞き、改めて金田一に依頼しました。というのも、遺言状が誰かに読まれた形跡があり、そのために若林が殺されたものと目されたからです。
博多から佐清から戻って来ることが決まり、遺言状が読まれる日が来ました。しかし戦地から戻ってきた佐清は黒い頭巾をかぶっており、本当に本人なのか怪しまれました。一族は露骨に怪しみます。
黒い頭巾を外した佐清は、白いゴム製の仮面をつけています。戦争で大やけどを負ったため、白い仮面をつけているのでした。

【承】- 犬神家の一族(2006年)金田一耕助のあらすじ2

疑った一同に対し、黙って佐清は仮面をはぎます。目や鼻や口はあるものの、顔の上唇より上は火傷で黒くただれているその顔を見て、驚きのあまり皆思わず絶句します。
声帯の熱傷で声も変わっており、佐清と断言できる者はいませんでした。
母である松子が息子・佐清だと保証すると言い、話はその日の一番の問題である遺言状に移ります。遺言状は長いので、割愛して大事なところだけ記します。
犬神家の全財産の相続権を意味する三種の家宝「斧(よき)」「琴(こと)」「菊(きく)」は、佐兵衛の恩人である野々村の孫娘・珠世に譲渡するという内容でした。
但し相続するには、珠世が佐清、佐武、佐智の誰かと三か月以内に結婚するのが条件です。珠世が三人との結婚を拒否した場合には相続権を放棄したものとみなされ、結婚相手の方が拒否したり死亡したりした場合にも無効となります。
珠世が3か月以内に死亡した場合には、全事業権は佐清に譲られて、財産は五等分し「佐清」「佐武」「佐智」と、残り五分の二は青沼菊乃の息子・静馬に与えるとされました。しかしその場合には、貰った財産の二割を犬神奉公会に寄付しないとなりません。
青沼菊乃という名を聞いて、松子らは気色ばみます。遺言状で全く触れられなかった竹子の娘・小夜子は泣き、やはり財産分与は予想どおり揉めました。
青沼菊乃というのは、松子らが成人して佐兵衛が五十歳を過ぎた頃に手をつけた、女工でした。
実子である自分たちをさし置いて、静馬や、さらには恩人とはいえ野々村の孫・珠世という血縁のない人物に財産が渡るのが腹立たしくてならないのです。
しかし一方で松子ら三人姉妹は考えました。自分の息子が珠世と結婚すれば、全財産は貰えるわけです。息子たちも同じ考えを巡らせました。
こうして珠世をめぐり、結婚相手候補三人の熾烈な争いが始まります。
ところでまだ佐清が本人かという疑惑は残っていました。DNA鑑定などない時代です。
戦争に出征する前に佐清が神社に納めた「奉納手形」があると珠世が指摘しますが、その日は松子が固辞しました。その夜、珠世は佐清だけが直せる金時計を佐清に握らせて、修理を頼みますが「そのうち」と佐清は答えました。
少し人間関係について触れますと、松子の息子・佐清と珠世は約束こそ交わさなかったものの、戦争前には「いい仲」でした。珠世の父が他界してから佐兵衛が引き取っていたので、珠世と佐清はひとつ屋根の下で育った仲で、いつしか互いを思い合うようになっていたのです。
梅子の息子・佐智は、竹子の娘・小夜子と結婚する予定でありました。しかし佐智は財産のことで頭がいっぱいになり、小夜子を邪険に扱います。
その頃、市の外れにある観音岬の近くにある宿屋・柏屋にひとりの復員兵が宿泊しますが、誰も知りません。
翌朝、次女・竹子の息子・佐武が花鋏で殺されて、首部分が菊畑にある「菊」人形の首とすげ替えられた遺体が発見されました。第一発見者は、珠世の使用人・猿蔵です。猿蔵は身元不詳の男ですが、常に珠世を守るボディーガードのような役目を担っていました。

【転】- 犬神家の一族(2006年)金田一耕助のあらすじ3

犯行現場と思しき展望台で珠世のブローチが見つかって疑われますが、珠世は仔細に説明します。
前夜、珠世は展望台に佐武を呼び出しました。用件は金時計を渡すことです。佐清ににぎらせて指紋がついているから、指紋を手がかりに本人か確かめればよいと、佐武に時計を渡しました。
しかしその直後、佐武は珠世に乱暴(レイプ)を働こうとします。それを見た猿蔵が制止しました。ブローチは佐武に押し倒された際に落ちたものと思われました。
犬神邸から湖越しに少し離れた観音岬から、血のついたボートが発見されます。ボートは犬神家のもので凶器も積んであり、犬神家の誰かの仕業と思われます。等々力署長は出自不明の猿蔵を疑いましたが、金田一は別の思惑を持っていました。
その日の昼間に佐清が申し出て、掌紋鑑定をおこないます。警察の藤崎鑑識員が鑑定した結果、掌紋は佐清本人のものと確認され、白い仮面をかぶった男は佐清と断定されました。
佐武の通夜の日、珠世を呼び出した小夜子は、佐智の子を妊娠していると告げて、佐智と結婚するなと牽制します。
小夜子と別れて部屋に入った珠世は、見たことのない復員兵と鉢合わせをしました。復員兵は珠世を突き飛ばし、猿蔵がそれを受け止めます。
夜半、男の悲鳴がして、誰かに殴られて気絶したと思しき佐清が発見されました。
翌日、佐智がボートにひとりで乗る珠世を拉致し、別荘で乱暴しようとします。そこへ復員兵が現れて乱闘になりました。復員兵は猿蔵に電話し「別荘にいる」と告げて電話を切ります。
金田一は、最初の殺人である弁護士の助手・若林の死因は、煙草に盛られたアルカロイド系の毒物だと考えていました。犬神製薬なら戦争時に薬や麻薬を扱っていたので、入手可能です。
翌日、屋根の上で佐智の遺体が発見されました。「琴」糸で絞殺されたように見えますが、後で偽装されたもので、本来はもっと太い紐で殺されたのだと思われます。
「菊」「琴」…犬神家の殺人は家宝である「斧」「菊」「琴」になぞらえた「見立て殺人」と目されました。
この家宝はかつて本家にありました。しかし佐兵衛が五十歳を過ぎて生まれた子・青沼静馬に与えます。
それを知った松子、竹子、梅子らは怒り、ある夜文句をつけて青沼菊乃を竹刀で打擲し、上半身の着物を脱がせて水をかぶせ、家宝を取り上げたうえで追い出したのです。
菊乃と静馬はその後、富山の親戚の家を頼りましたが、病がもとで菊乃は死にました。
家宝はもともと神社のお守りとして作られたものでしたが、犬神製薬ができた折にお祝いとして贈られたものです。
神主から事情を聞いた金田一は、珠世の祖父・野々村は不能で子を持てなかったことを知ります。野々村の妻・晴世を深く愛した佐兵衛が生ませた子が珠世の親で、他の者には知られてはいませんが、珠世は佐兵衛の孫娘だったのです。
さらにその後、佐清の死体が発見されました。佐清は湖に上半身が突き刺さった状態で、足が開かれてちょうど「V」字形に見える格好で見つかります。「斧」で頭部を割られたのが死因でした。 この映画を無料で観る

【結】- 犬神家の一族(2006年)金田一耕助のあらすじ4

金田一は、被害者・佐清の掌紋を取れと指示します。
これで男の孫は全滅かと思われましたが、指紋を鑑定した珠世が、死んだのは静馬ではないかと考えます。
本物の佐清が現れました。顔はやけどを負っていない、正真正銘の本物です。
実は、顔をやけどしていた最初に登場した男性の正体は、青沼菊乃の息子・静馬だったのです。佐清は説明を始めました。
九歳の時に母・菊乃が亡くなるまで、静馬はずっと母から犬神家の三人の娘の仕打ちを聞かされます。静馬は犬神家へ復讐を考えました。
戦争時、ビルマの戦線で静馬は佐清と会います。ちょうど佐清は静馬と背格好が同じくらいでした。その後、佐清が所属した部隊が全滅し、静馬のいる部隊もダメージを受けて静馬は顔を大やけどします。
この時に静馬は佐清と入れ代わることを考えました。やけどを隠す白い仮面をかぶって松子の元へ登場したのです。
本物の佐清は生きていましたが、自分の失敗で部隊を全滅させたことを悔いており、そのせいで日本への復員が遅れました。
やっと日本へ戻ったものの本家に戻るのをしぶり、観音岬の宿屋・柏屋に泊まった佐清は、本家で自分のふりをした者がいると知り、会いに行きます。そこで相手が静馬だと知りました。
そして自分がすべての殺害をし、最後に静馬を殺した(湖の死体は静馬)という手記をしたため、警察に出頭しようとします。
しかし金田一は違うと考え、一族のいる席で解説します。
にせの自分・静馬に展望台で会った佐清は、そこで第一の殺人・佐武の殺害を静馬と共に目撃したのです。それが故に静馬に脅されて、以来、静馬と佐清は白い仮面を交互にかぶり、入れ代わりながら活動していました。
佐武が死んだ直後に一度入れ代わり(白仮面は佐清)、掌紋で佐清本人と確認されます(その前に金時計を触ったのは静馬)。そのままあくる日の夜まで入れ代わっていました。気絶した佐清の時に再び入れ代わります。
真犯人は松子でした。佐清は母・松子をかばうために自首しようとし、静馬に脅されて入れ代わりをしていました。また松子ではないと隠匿するため、見立て殺人を装います(首をすげかえる作業は女にはできにくいと、捜査の目をそらすため)。
松子は佐智も殺し、「自分は本当は佐清ではなく静馬だ」と勝利宣言され、静馬を斧で殺したのです。静馬の遺体を湖に投げ込んだのは佐清でした。
佐清が生きていたことを知った松子は喜び、珠世に「佐清の出所まで結婚を待っていてくれるか」と確認してから、毒入り煙草で自殺します。
佐清は殺人はしていませんが、共犯・事後共犯などの罪で実刑判決は免れません。ともあれ、愛していた男性・佐清が戻ってきたわけですから、珠世に異存はありません。
すべてを解決した金田一は、弁護士・古舘に礼金をもらいました。
見送りにやってくる、という声を聞きながら、にぎやかに見送られるのが苦手な金田一は、こっそり古舘事務所をあとにしました。
やってきた珠世、ホテルの女中・はる、猿蔵、等々力署長は、入れ違いになりました。

みんなの感想

ライターの感想

テーマソングが超有名。あと、ほぼ1976年版と同じ。
冒頭のシーンなんかモノクロにしちゃって(1976年版はカラー)、そのまま使っているという!
いやはや、日本のどろどろした家族関係、ねちねちとしたねばっこさ、全開の作品。
金田一シリーズを見るといつも思う。「たまには殺人を防いでみろ」と。いつも肝腎な時に金田一は、調査で留守にしているのだ。
(まあね、未然に防いでしまったら、そもそも事件にならんわけだけどもね)
こんだけ渦中に置かれていながら、珠世のなんと存在の希薄なことか。
松嶋菜々子を悪く言うつもりではない。富司純子の存在感が強すぎるのだ。いやほんと。
インパクトといえば、猿蔵がなーんにも喋らないのにラストに「あの人のこと、忘れられない(金田一をさしている)」といきなり喋る。ちなみに科白はこのときだけ。
吃驚仰天なのでついこの科白が印象に残ってしまう。どうせなら科白なしで通せばいいものを…。
ほんとは1976年版のほうが(当時)豪華キャストで見ごたえあり。但し私もだが、76年版の女優見ても判らんのだな(笑)。

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