「狼男アメリカン」のネタバレあらすじ結末

狼男アメリカンの紹介:イギリスを旅するアメリカ人ヒッチハイカーが狼男に襲われ狼男となる悲喜交々を描いた、リアルな変身シーンが80年代以降の先駆となったホラーコメディ。劇場公開は1981年で、第9回サターンホラー映画賞受賞を受賞。監督/脚本は「ブルース・ブラザース」「大逆転」などのコメディで知られるジョン・ランディス。特殊メイクは「ヴィデオドローム」「メン・イン・ブラック」のリック・ベイカーが担当し、同年のアカデミー賞メイクアップ賞を獲得している。音楽は「ゴーストバスターズ」のエルマー・バーンスタイン。

映画「狼男アメリカン」のネタバレあらすじを結末まで解説しています。まだ映画を観ていない方は「狼男アメリカン」のネタバレあらすじに注意ください。

予告動画

狼男アメリカンの主な出演者

デビッド(デヴィッド・ノートン)、ジャック(グリフィン・ダン)、看護師アレックス(アレックス)、ハーシュ医師(ジョン・ウッドヴァイン)、パブ”虐殺の羊”の女主人(ライラ・ケイ)、ダーツの男(デヴィッド・スコフィールド)、年長の男(ブライアン・グローヴァー)など。

狼男アメリカンのネタバレあらすじ

【起】- 狼男アメリカンのあらすじ1

冬のイギリスの片田舎。荒野の一本道を羊を積んだトラックが十字路に停まり、荷台に乗っていた2人の若者ジャックとデビッドを降ろします。
彼らは3カ月の冬休みを利用してヒッチハイクにやってきたアメリカ人学生で、運転手はイーストプロクターはあっちだ言い、夜の荒野は危ないぞと言って去って行きます。彼らは荒野を歩き続け、日暮れにようやく村に辿り着き”虐殺の羊”というパブに入ります。
村の連中は彼らを見るなり黙り込んで訝しげに見つめ、彼らは酒しかないと言う女主人に特別に紅茶なら入れてあげると言われ頼みます。
やがてジャックが女主人に「『アラモ』を忘れるな」と呟いた事で、連中がアメリカ人をからかうジョークで盛り上がる中、彼は壁に描かれた五芒星が狼男の印だと言い出し、「あの印はなんなんですか?」と訊ねます。
連中は凍りついたように静まり、ダーツをしていた男が的を外したと絡みます。居たたまれなくなった2人は店を出ようとしますが、女主人は外に出しちゃだめよ!と止め、ダーツの男は道をまっすぐ行け、荒野は危ないと出ていくよう促し、年長の男は気をつけて行け、月には注意しろと警告します。
彼らが出て行った後、「出たらどうするの?」と言う女主人に年長の男が「今夜は始末をつける」と言いますが、ダーツの男に殺人になると言われ、「神の手に任せるんだ」と答えます。

彼らがパブを出た時には雷の音がしていましたが、雲間から満月が現れ、雨が降り始めた道を照らします。2人は五芒星をやっぱり魔除けだと話しながら道を外れ、荒野に踏み込んでいきます。女主人は雨なら大丈夫ねと言いますが、荒野に響く遠吠えを聞いた彼らは押し黙り、奴らが勝手に来ただけだ、何も聞こえなかったと動揺し始めます。
荒野を歩く2人も同じく遠吠えを聞いていました。雨が止み、満月の光が照らした時、警告を思い出した彼らは道に戻ろうと焦りますが、唸り声を間近で聞き、やみくもに走り出します。が、間もなくデビッドが転倒、助け起こそうとしたジャックが獰猛な何かに襲われます。
デビッドは一旦は逃げますが、戻るとジャックは体中を引き裂かれ血塗れで倒れていました。彼もその怪物に襲われますが、駆けつけた村人たちが怪物を射殺、デビッドは薄れゆく意識の中で、自分を覗き込む村人たちと、隣に倒れ血を吹き出している全裸の男を目撃します。

【承】- 狼男アメリカンのあらすじ2

彼はロンドンの病院に運ばれ、意識が戻った時、ジャックが死んだと知り暴れます。担当となったハーシュ医師と看護師のアレックスが落ち着かせる間、大使館員のケスラーが来て、両親に知らせた、警察も事情聴取を求めてると言い憤慨して出て行きます。
彼はハーシュ医師から、君を襲ったのは怪力の異常者で、傷が深く出血もひどく3週間昏睡状態だったと言われ愕然とし、「あれは動物だった、狼だ」と呟きます。けれど、スコットランドヤードの刑事には、イーストプロクター警察からは人間が襲ったと報告があり目撃者もいる、君の証言は信じられんと言われます。
また彼は、森の中を全裸で走り、鹿を襲いその肉にかぶりつく夢を見るようになり、身体が順調に回復する半面、腹が減らないと言って食事を取らず、アレックスに食べさせられることも。
彼はハーシュ医師に異常な夢の話をし、ジャックは引き裂かれてた、人間にあんなことができるはずない、彼の遺体やパブは調べたのかと訴えますが、じきに退院だし事件は終わった、忘れなさいと往なされます。1人は嫌だと言う彼にアレックスが付き添うようになりますが、悪夢はより残虐にエスカレートしていきます。

またある朝病室に、引き裂かれ血塗れのジャックが現れ、彼のトーストを齧りながら、自分の葬式は盛大だったが恋人のデビーは悲しみのあまりマークのベッドに潜り込んだ、俺は死んでも笑い者よとこぼします。
デビッドは何度も夢かと怯えますが、ジャックは俺たちを襲ったのは狼男だ、俺の肉体は死んだが狼男の呪いで魂がうろついてる、呪いを解くためには最後の狼男を殺し血を絶たねばならない、それは君だと話します。ほっといたら君は誰かを殺す、止めるためには自殺しろ、そして「月に注意しろ」と。
アレックスが駆けつけた時にはデビッドは泣き、ジャックは消えていました。彼女は、突然キスをして死んだ友だちと会い2日以内に狼男になると怯える彼に、多分夢だと思うと言い、明日退院だけど泊まるところはあるの?と聞きます。
翌日、デビッドはアレックスのアパートに行き、愛し合い結ばれます。が、夜中トイレに起きたデビッドの元に、先日より腐乱したジャックが現れ、お楽しみじゃないかと冷やかします。そして、明日の晩は満月だ、現実を認めて自殺しろと説得します。
デビッドが怒って言い返すうちにアレックスが起き出しジャックは消えますが、彼女には好きだった友人を死なせた罪悪感による幻覚だと言われます。が、続けて彼はロン・チェニーJrとベラ・ルゴシによる映画「狼男」の話をし、ルゴシに噛まれたロンが狼男になるが、ロンの父親が最後に息子を殺すんだ、愛した人に殺されるんだよと話します。彼女は笑ってそんなあなたが好きよとキスします。

その頃、ハーシュ医師は雨の中、デビッドの話の真偽を確かめにパブ”虐殺の羊”を訪ねていました。店には年長の男とダーツの男の他に数人がいて、殺人事件など知らないと言いますがどこかぎこちなく、壁の五芒星の事を聞くと女主人が、200年前に書かれた古い物だからとってあるだけだと答えます。
やがて彼が自分はロンドンから来た医者で、事件の被害者がうちの病院に運ばれ、狼男の話をしていたから確かめに来たと言うと、年長の男はばかばかしいと言いますが、ダーツの男は顔色を変え出て行きます。
店を出たハーシュは、雨の中に佇みじっと見ているダーツの男に気づき、聞くと、「あいつをロンドンに帰したことが間違いだった、この町は呪われてる、あの男も殺され、他にも大勢死ぬ、あの男は危険だ」と怯えていました。しかし、彼は「今夜は満月だ、今夜にもあの男は…」と言いかけたところで年長の男に止められ、去って行きました。

【転】- 狼男アメリカンのあらすじ3

その日、アレックスが勤務で出掛けた後、デビッドは犬猫に吠えられ牙をむかれ、相変わらず食欲も無く、手持無沙汰で過ごしますが、満月が夜空を煌々と照らし始めた頃、明るい部屋で本を読んでいたデビッドは突然凄まじい熱さと激痛に襲われます。
彼は苦しみながら服を引きちぎり、見ると手の平や足が獣のように変形し、体毛が凄まじい勢いで伸び始めます。苦痛に耐えきれず四つん這いになった彼は、「悪かったよ、ジャック!」と呻き、背骨がメキメキと変形、歯は肉食獣の牙のように鋭く尖り、耳が尖って伸び、顔面が前方に伸びて動物のような口吻となります。彼の呻き声は叫びとなり、やがて動物の唸り声に変わり、ロンドンの街にオオカミの遠吠えが響きます。

街では、タクシーでとある屋敷の前に降りたカップルが、待ち人を脅かそうと屋敷裏に回って行きます。が、そこで彼らを待っていたのは、獰猛な牙を持った怪物でした。2人は怪物に引き裂かれ殺害されます。
一方、病院に戻ったハーシュ医師は、アレックスにデビットが彼女のアパートにいる事を聞き、電話をしますが応答はありませんでした。彼は、警察で事件を調べようとしたが資料は紛失、デビッドの手当も医者によるものじゃない、現地のパブで聞き込みをして2つの事が解った、犯人は異常者ではなく目撃者もいない、町ぐるみで事件を隠避してるんだと話します。また彼はどうなるの?というアレックスに、本当に狼男に襲われたのなら、彼が受け継いだ狼男の血が何をさせるかが心配だといい、警察に知らせます。
港近くの廃物置き場では、暖を取っていた浮浪者たちが、騒ぎ始めた犬を放した直後、怪物を目撃、地下鉄のホームに降りたスーツの男性は妙な唸り声にイラつきますが、その姿を見た途端血相を変えて逃げ出します。彼は必死で逃げエスカレーターに倒れ込みますが、熊ほどの大きさの怪物がゆっくりと彼に近づいて行きました。

翌日、デビッドは全裸のまま動物園のオオカミの檻で目を覚まします。彼は檻の天井から抜け出し、子供の客の風船で局部を隠し女性の赤いコートを盗んで着込み、バスに乗って何とかアパートに戻ります。アパートではアレックスが妙な格好で帰宅したデビッドを心配しますが、ケガも無く、昨夜はこの部屋にいて気づいたら動物園だったと普段より興奮して話すのを見て安心します。
ハーシュ医師は新聞で一夜にして複数の惨殺事件が起きた事を知り、アレックスに電話をしますが、彼が無事に帰宅し異常は無いと言う彼女にニュースを見たかと聞き、ともかく真っ直ぐ彼を病院に連れてくるようにと言います。
アレックスは爽快な気分だ!と興奮するデビッドと共にタクシーで病院に向かいますが、昨夜6人も惨殺された、遺体はメチャメチャで異常者の仕業だろうという運転手の話しを聞いたデビッドは、真顔になって降りると言い出し、彼女も後を追います。

【結】- 狼男アメリカンのあらすじ4

彼は「ジャックの言うとおりだ!僕は狼男だ!6人も殺した!満月が出る前に警察に話す!」と叫んで、観光客の相手をしていた警察官に昨夜の殺人は僕がやった!捕まえろ!と訴えますが、アレックスがかばったためスルーされます。
彼女は懸命に病院に行こうと説得しますが、殺人の記憶が無いのを恐れた彼は、愛してる、でも僕のそばにいると危険だと言ってキスをし、逃亡します。

ハーシュ医師とアレックスは、デビッドが行方不明になったと言い担当刑事を呼びますが、彼らは狼男の件を全く信じず、昨夜の事件とも関係ないとは思うと前置きし、ともかく行方不明の患者は探すと約束し、2人に病院で待機するよう言って出て行きます。
その頃、デビッドはピカデリーサーカス広場の公衆電話から実家に電話をかけていました。両親と幼い兄弟が留守だったため、彼は妹のレイチェルにパパとママに愛してると伝えてくれ、みんな愛してる、いい子にするんだぞと話します。そして手首にナイフを当てますが切れませんでした。
その時、ポルノ映画館の前にジャックが現れ、彼を誘います。
最後部の席に並んで座ったデビッドは彼に謝りますが、殺人の記憶が全くないと言うと、ジャックは今日は連れがいるんだと、デビッドの犠牲者6人と次々に引き合わせます。彼らはみな血塗れの惨殺状態で、地下鉄の男と浮浪者たちは皮肉たっぷりに恨み言を言い、またカップルは陽気に、彼に自殺を迫ります。君が生きている限り、我々の魂は浮かばれず、生きる屍のままこの世を彷徨うのだと。

やがて夜になり、デビッドは館内で怪物に変身し、客や係員に襲いかかります。入口ではチケット売り場の女性が野犬が暴れてると悲鳴を上げ、警察官が駆けつけ大騒動になっていました。
調べに入った警官は館内に山積みになった遺体に愕然とし、怪物になった彼を目撃、必死で逃げてシャッターで入口を封鎖します。入口は駆けつけた警察官とやじ馬でごった返し、館内からは野獣の吠え声がし、怪物は何度もシャッターに体当たりしてきます。
そこに担当刑事が駆けつけた時、シャッターを突き破った怪物が、刑事の首を噛み千切り、路上を歩きだします。現場は怪物に驚き逃げ惑う車が次々と追突、数人が引かれ撥ねられ、ピカデリーサーカス広場は阿鼻叫喚の地獄と化します。

アレックスとハーシュ医師が駆けつけた時、怪物は数十台のパトカーと銃撃隊に囲まれ、行き止まりの路地裏に追いつめられていました。
騒然とする現場近くでアレックスはタクシーを降りて走り出し、ハーシュ医師が追いつく前に銃撃隊を振り切って路地に入って行きます。それには警察隊も手が出せず、一同は固唾をのんで見守ることに。
彼女はデビッドの名を呼びながら怪物に近づき、あなたを助けたいの、愛してるのよと語りかけますが、怪物は彼女に牙を剥き襲いかかろうとし、その瞬間銃撃されます。
駆けつけたハーシュ医師や警官隊が見たのは、全裸のデビッドの遺体でした。
アレックスは愕然とし、やがて静かに嗚咽していました。

みんなの感想

ライターの感想

本作の前年「ハウリング」が公開、特撮を後年「遊星からの物体X」で名を馳せる若き日のロブ・ボッティンが担当し、サターンホラー映画賞を受賞もしているのですが、そちらはあくまでもそれまでの特撮の進化系でした。
が、本作は、それまで暗い部屋の中でコマ取りアニメで見せていた狼男の変身シーンを根底から覆し、煌々としたライトの下で骨格までもが変形する特殊メイクとして具現した記念すべき作品なのです。
特撮は当時「スターウォーズ」で有名になったばかりの若き日のリック・ベイカーで、本作以前には「スクワーム」「溶解人間」「ファンハウス/惨劇の館」など特撮抜きには語れない数々の作品に参加、本作の翌年にも「ヴィデオドローム」で特撮ファンの心を鷲掴みにした名匠です。
若き日のランディスは、スタントマン経験があり、本作のクライマックスにもタクシーに撥ねられショーウィンドーに突っ込むバンダナ青年役で出演、「特撮は”特殊メイクという言葉を作った男”、かの「スターウォーズ」のリック・ベイカーだぞ!」と熱く語っていましたが、後年、数々のコメディで大ヒットを飛ばした巨匠としての彼は、特撮はきついライトの中でカットアウェイ無しだったから大変だったと思う、自分はカート・シオドマクのように(作中デビッドが語る「狼男」(1941年公開のモノクロ作品、脚本がシオドマク))憐れな狼男を描くつもりは無かった、デビッドは死にきれず次々と人の命を奪うマヌケなんだと爆笑するメイキングも印象的でした。
ちなみに、曲はどれも満月の夜にぴったりなSam Cookeの「Blue Moon」、The Marcelsの「Blue Moon」、Van Morrisonの「Moondance」、Creedence Clearwater Revivalの「Bad Moon Rising」等々。
しっぽりとした「Blue Moon」が流れる中、もんどりうって苦悶するデビッドの変身シーンは何十回見ても感動ものなんですが、ラストシーンも狼男のセオリー通りけっこう切ないので、ぜひとも通しで見る事をお勧めします。

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