「赤い靴」のネタバレあらすじ結末

赤い靴の紹介:アンデルセン童話「赤い靴」をモチーフにした、2005年公開の韓国のサイコ・ホラー映画。原題である「粉紅靴(ピンクの靴)」を巡っての女の情念を描いた作品です。主役のソンジュ役「爆烈野球団!」「最後の約束」のキム・ヘスの鬼気迫る演技も素晴らしいですが、その向こうを張る娘テス役の子役パク・ヨナとの本気のケンカも凄まじい。監督/脚本は「炎のように蝶のように」「殺人漫画」のキム・ヨンギュン、音楽は「王の男」「母なる証明」のイ・ビョンウ。

赤い靴の主な出演者

ソンジェ(キム・ヘス)、その娘テス(パク・ヨナ)、インチョル(キム・ソンス)、ミヒ(コ・スヒ)、オギ(ソ・ハリム)、ケイコ(キム・ジウン)、地下に棲む老婆(イ・ヨンニョ)、女子高生(パク・ソネ、ホン・ヒヨン)、演出家チョン(ソン・セグァン)、ソンジュの夫ソンジュン(イ・オル)など。

赤い靴のネタバレあらすじ

【起】- 赤い靴のあらすじ1

韓国のコクソン駅で友だちを待つ女子高生が、ホーム端に並べて置かれたピンクのハイヒールを見つけて履きます。が、遅れて現れた友人がそれを強引に奪い、通路を満足げに歩くうち、不気味な気配に振り向くと、何かが彼女に向かって一直線に襲いかかり、両足首を切断されてしまいます。

ソンジェは裕福な家庭の専業主婦でしたが、夫ソンジュンがある日、家に女性を連れ込みセックスに耽っているのを目撃、幼い娘テスを連れ家を出ます。
彼女は眼科医の資格を持っていましたが、彼は、妻には目立たず家にいて家族に尽くすべきと言い冷淡でした。が、幼い娘のテスは溺愛し、娘も母ソンジェに対して不遜な態度を取ります。
また、彼女は靴が好きでコレクションしていましたが、夫は赤い靴を嫌い、お前には似合わないと言われ、浮気相手の女性も黒いハイヒールを履いていました。

家を出た2人は、古いアパートを借りますが、ビルの地下に棲む浮浪者の老婆が突然現れたりと環境は悪く、蛍光灯が割れ、右目を傷つけてしまいます。友人の眼科医ミヒにかかった彼女は、離婚して眼科医を開業することを打ち明けますが、ミヒは慰謝料も取らない彼女を鼻で笑います。
眼科医開業のため借りたのも予算が無いため廃墟同然の部屋でした。リフォーム会社から派遣されたのは若いインテリア・デザイナーインチョルで、完成までその部屋に住むと言い、工事期間も気分次第という芸術家気質で、担当を替えるようクレームしますが、聞き流されます。

その帰り、地下鉄の連結部でピンクのハイヒールを見つけた彼女は、つい魅かれて持ち帰ります。その夜、姿見の前でそれを履いた彼女は、その靴を履いたバレリーナが踊り、それを睨む赤い着物の女の幻影を見ます。
彼女は、テスに呼ばれ我に返りますが、テスは靴を履いた彼女を貶し、自分が履きたいと駄々をこねますが、ハイヒールは彼女のコレクションとして飾られます。

医院のリフォームは進まず、次に訪ねた時には壁に巨大な眼が雑に描かれ、インチョルがカップラーメンをすすっていました。けれど彼女は、彼が気さくで好みや利き手を考慮していることが解り、その自由で大らかな性格に好感を持ちます。

一方、バレエ教室でバカにされたテスは、母の留守にチュチュを着てピンクのハイヒールを履き鏡の前に立ちます。靴はぶかぶかでしたが、鏡にはぴったりの靴を履いた少し大人びたダンサーメイクのテスが映ります。彼女もまた、日本の統治下の韓国でハンサムな演出家に愛されるバレリーナを嫉妬の目で見る女の幻影を見て、母ソンジュと対等な態度をとるようになります。

【承】- 赤い靴のあらすじ2

医院の工事はようやく進み始め、てきぱきと指示をするインチョルを見直した彼女は、家の食事に招きます。
彼は笑顔で褒めますが、テスは彼に意地悪く接し、昼間パパが来たと言い張ります。ソンジェは、父親は遠くに行ってこの家も知らないから来られないと往なしますが、娘は反発し部屋にこもってしまいます。
食事の後、インチョルは飾り棚のピンクのハイヒールを見て、似合うと思うと言い、黒いハイヒールが片方しかない理由を聞きますが、そこに狂乱した夫の愛人が現れ、ソンジュンを返せ!とソンジェに殴り掛かります。女はインチョルが追い出しますが、ドアの隙間から見ていた娘の目は冷たく、ソンジュは心配する彼に礼も言わず帰します。

1人になったソンジェは洗面所で、娘の声で”パパもこのおじさんが嫌いだって”と呟き、血だらけの洗面所で魚が跳ね、アパートの長い廊下に白い軍服の男と白いドレスの女が立つ幻影を見ます。廊下の端にいたテスを追うと、彼女はメイクして屋上の柵に立ち、コクソン駅を指差していました。ソンジェがその足を掴んだ途端、足首から切断され身体が落下します。が、それは全て悪夢でした。

翌朝、ピンクのハイヒールを隠したとソンジェが激怒、テスは母と対等にやりあいバレエ教室に、ソンジェはベッドの下に隠してあったハイヒールを履き、濃いメイクで医院へと向かいます。彼女は自信ありげにインチョルに食事をねだり、2人は彼が初めてデザインを手掛けたレストランで食事をし、一番の自信作という自宅へと向かいます。
彼の自宅は郊外の古屋で、広い打ちっぱなしの壁面には女性のイラストが大きく描かれていました。彼は、その女性をかつて同棲していた元恋人だと言いますが、2人はそのイラストに見下ろされながら激しく求め合います。壁面のイラストは蛇を噛んだ醜い女の顔に変わって見えます。
また、テスは1人母の鏡台でメイクをしていましたが、部屋で血塗れの女性を目撃します。

夜、自宅に戻ったソンジェはエレベーターで地下に棲む老婆と出くわしますが、彼女はソンジュのハイヒールを見て異常に怯えます。
自宅では玄関にテスがいて、私の靴を返せ!と異常に絡み、2人は取っ組み合いのけんかになります。そこへアンティークドールを抱えてきたミヒが来てケンカは終わりますが、テスは靴を持って自室に逃げ込んでしまいます。
ミヒはメイクをしたソンジュにイヤミを言い、彼女が目を離した隙にテスにドールを押し付け、強引に靴を奪い取って勝手に持ち帰り、携帯で怒るソンジェを笑ってやり過ごし、あの靴を履いて通りを歩いています。
が、ウィンドウのウエディングドレスの陰に睨むテスを目撃、彼女は何かに持ち上げられ、片目をえぐられウィンドウに頭から投げ込まれ、ガラスで足を切断されます。

翌日、ソンジェは医院から何度もミヒに電話をしますが捕まらず窃盗だとイラつき、インチョルは化粧気のない彼女に昨日とは別人だと言い、雑誌の切り抜きを見せます。その女性が抱いているのはあの靴でしたが、ソンジェは別物だと言い張ります。そこに警察から電話があり、2人は警察署で惨殺されたミヒの遺体と対面します。
刑事は、ミヒと同様に足を切断された女子高生の現場写真を見せ、被害者の友人が自分の靴を返して欲しいと言ってきた、ミヒも素足だったのに、あんたも靴を探してるのかと不審がられます。また帰りそびれたインチョルは、サインを求められた際、彼女が離婚していないことに気づきます。

【転】- 赤い靴のあらすじ3

家に帰ったソンジェはミヒの幻を見て、テスがなぜかあのハイヒールを持っているのを知り、叩いて取り上げ、駐車場のゴミ捨て場に捨てに行きます。そこで再びあの老婆と出くわし、素足でうつむく女子高生を見かけます。
部屋に戻ると、テスは自室であのピンクのハイヒールで踊っていました。それをベッドに座った夫が黙って見つめています。
彼は混乱するソンジェの脇を通り過ぎて去り、テスは下半身から大量に出血して倒れ、泣き叫びます。

ソンジェは病院のベッドで目覚めますが、胸にあの靴を抱いていました。テスは隣のベッドで意識を失っていましたが、医師はインチョルに異常無しと言っています。彼はソンジェからの留守電を聞いて駆けつけ、彼女はすでに靴を握っていたと言いますが、彼女には全く覚えがありません。
あの靴を履いたのに自分だけが無事だということ、またインチョルが見せた靴を持った女性の切り抜きの事も合わせ、彼を疑い始めます。
赤い靴の女性の写真は、街中に貼り出されている広告でした。広告会社では、写真は60年前の1944年に演出家のチョン・ハソブが撮ったもので、図書館で調べるとチョンの舞踊団はコクソンを拠点として活動し、プリマドンナのケイコと共に不審な死を遂げたことが解ります。

ソンジェは死んだ女子高生の友人を訪ね、拾ったのは彼女で靴を奪った子が死亡した事を聞き、泣きながらインチョルに電話します。靴を拾ったのは自分で、娘がそれを奪い、さらにそれを奪ったミヒが死んだ、次に死ぬのは娘だと。
ソンジェを乗せたインチョルは渋滞の車内で、チョンとケイコと写真の女の情念が原因だと言いますが、自分を引き合いに出されたソンジェは反発し口げんかになります。
自宅にテスを連れ帰ったソンジェは寝ずに付き添いますが、悪夢にうなされ、靴はいつの間にか娘の元に返っていました。

その悪夢の中でせむしの小間使いの少女がピンクのハイヒールを写真の女から奪い、それを妬んでいたケイコに奪われるのを見たソンジェは、老婆に思い当り、地下で彼女を問い詰めます。老婆は狂笑し、きれいだからって人の物を黙って取るとあの女のように死ぬ、あんたも早く返しておやり、キョンスン(ケイコ)が履いてたのはオギのもの、親日家の憲兵大将の娘ケイコととぎれとぎれに白状します。

【結】- 赤い靴のあらすじ4

オギは写真の女性で、ケイコに恋人のチョンを奪われ修羅場となりますが、ケイコに反撃され殺害されて、山中に埋められる際、ケイコはその足をスコップで切断し、ピンクのハイヒールを奪います。
チョンとの結婚式でケイコはそのハイヒールを履きますが、彼女の足は勝手に踊りだし、舞台のロープがチョンとケイコの首を絞め、2人は天井に吊るされ死亡したのです。
老婆の証言通り、山中からオギの遺体が発見され、ピンクのハイヒールは遺体とともに棺に納められます。
けれど、その様子を遠くから見ていたインチョルは、黒いハイヒールが片方しかない理由を考えていました。

インチョルの家に向かったソンジェは、彼の家から女性が去るのを目撃します。壁にソンジェのイラストを描きいていた彼を責めると、あなたは恐ろしい人だ、テスが黒いハイヒールを自分に渡し、パパが寒がってるから出してあげてと頼まれた、本当の君は偽善者でサカリのついた牝犬だ、なにを隠してる!君の全てが知りたいと彼女に詰め寄ります。彼女は開き直り、「娘はあなたに嘘をついた。彼は”来られない”の。知ってるくせに」と答え、黒い片方のハイヒールを持ってインチョルの家を出ます。

彼女は家に戻り、狂ったようにテスを責め、逃げ出したテスはコクソン駅に向かいます。
テスをホームの際に追いつめたソンジェは、電車が入ってくる一瞬、テスをかばって助けますが、電車の車内は真っ暗で、窓からは血塗れの女の亡霊が彼女を睨んでいました。
ホームの電灯が瞬いて破裂し、気づくとテスがいません。ママと呼ぶ声がし、見ると線路の先にテスがいて、あのピンクのハイヒールを抱えています。

娘を案じる悲劇の母の顔と、狂った女の醜い顔が交錯し、テスは亡霊の姿とかぶります。
「靴を奪ったものはみな命を落とすのさ。私はケイコ、おまえはオギだ…おまえがみんなを殺した…私もおまえに殺された…」と囁く声がし、彼女は全てを思い出します。
夫を黒いハイヒールで突き刺し殺害したのも、女子高生やミヒを殺害し足を切断したのも、そしてインチョルを永遠に黙らせたのも、全て彼女の仕業でした。

ピンクのハイヒールで華麗に舞うオギ。
完成した医院の受付に描かれた巨大な眼。
暗い部屋の姿見の前で一人バレエの練習をするテスは、あの日見た大人びたメイクの顔でにやりと笑います。

そして…
川辺の公園に置かれたピンクのハイヒールを、また一人の女性が手に取ろうとしていました。

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