「鬘」のネタバレあらすじ結末

ホラー映画

鬘の紹介:末期ガンで余命わずかな妹に姉がプレゼントしたのは、抗ガン剤によって妹が失ってしまった長い黒髪の鬘(かつら)だった。が、そのかつらには恐ろしい秘密が隠されていて…という、2005年公開の韓国のホラー映画です。監督/脚本は本作が長編デビュー作となる「セブンデイズ」のウォン・シニョン。妹スヒョンと美少年ヒジュの2役を演じた「亡国のイージス」のチェ・ミンソは役作りのため減量し自らスキンヘッドになったとか。その迫真の演技は一見の価値ありです。

予告動画

鬘の主な出演者

姉ジヒョン(ユソン)、妹スヒョン/ヒジュ(チェ・ミンソ=2役)、姉の婚約者ギソク(パン・ムンス)、姉の友人ギョンジュ(サ・ヒョンジン)、その妹(ナ・ヒョンジュ)、かつら製造工場社長(シン・ヒョンジン)、その娘(ソイ)など。

鬘のネタバレあらすじ

【起】- 鬘のあらすじ1

夜道を走る車のカー・ラジオから、バスに乗っていた女子高生が髪で窒息死したという奇妙なニュースが流れています。生き残った2人の高校生は被害者のかつらを探していると…。

女流ガラス工芸家ジヒョンは、余命わずかと言われた妹スヒョンを退院させます。それまでも献身的に看病していた彼女は、抗ガン剤の影響で髪が抜け落ち、無残に痩せた妹を見るに忍びなく、残された日々を外で過ごさせようと思い、本人には完治したと言って退院させたのです。
病室でぼんやりと姉を待つスヒョンは、ベッドの下に這い込む黒髪を見ますが、それは姉からの退院祝いで、人毛の長く美しい黒髪のかつらでした。けれど、スヒョンの体調は最悪で箱を開ける気にすらなれないまま、姉の車で自宅に戻ります。

家に戻り、ジヒョンは幼い姉妹を描いたガラスアートを見せますが、妹の背中に描かれた羽根を見たスヒョンは羽根なんて幼稚だわと呟いただけでした。
スヒョンは体調も悪く、自分の失った髪や痩せた体を見て死を想うばかりでしたが、夕食にギソクが来ると知り、かつらを着けてみたところ、顔色も戻り体調が良くなった気がします。
ギソクは姉の婚約者のアーティストで、3人は久しぶりに楽しい時を過ごします。彼は明るく振る舞うスヒョンを励ましますが、ジヒョンに見送られる時には、スヒョンが死ぬまで笑顔で会おうと冷たく言って帰ります。

ジヒョンは事故で声を失っていました。彼女のガラスアートがコンテストで優勝した日にギソクは現れず、帰り道の運転中、事故に遭い、声帯を失ったのです。優勝作品は彼が持っていた長髪の少年の写真がモデルで、彼女は居間に飾ってある作品を見るたび思い出し胸が詰まります。以来、ギソクからは連絡もほとんどありません。
また、その時追突した車に現れた長い黒髪の女子高生の霊の存在など、彼女が知る由もありませんでした。

スヒョンは寝る時もかつらを着けて過ごすようになりますが、日を追うごとに回復し、父のカメラで写真を撮りに行こうとジヒョンを誘うほど元気になります。
それまでの写真ではいつも、笑っているのは姉だけでしたが、今のスヒョンは明るく、声の出ない姉に代わり誰にでも積極的に声を掛ける活発な女性です。帰る車の中で生まれ変わった気分よと元気にはしゃぐスヒョンを見てジヒョンも微笑みます。

けれど、隣を走る路線バスを見てスヒョンが突然怯えだします。バスの後部座席に乗った女子高生の1人に髪が絡み、仰向けになって死んでいたと言うのです。ジヒョンが見ても普通の女子高生にしか見えませんでした。
家に戻っても怯え続けるスヒョンに薬を渡すジヒョン。スヒョンは姉に内緒で抗ガン剤だけ飲まずにベッドの下に隠します。

その後も順調に回復するスヒョンは、1人で家族の思い出の場所に出かけ、写真を撮ります。楽しかった家族や姉との思い出、そしてそれまで暗かった自分を払拭するように写真を撮り直し、父の墓前で、姉に元気な姿を残して逝きたいと語ります。けれど、帰りの電車の中の、窓に映った彼女の顔は、彼女を見てにやりと笑い異常に長い黒髪をなびかせています。

【承】- 鬘のあらすじ2

ある日家に戻った姉は、これまで暗い花柄だった妹の部屋がシンプルな純白の部屋に改装されていたのを見て驚きます。戸惑うジヒョンに、スヒョンは明るく笑う自分の写真を渡します。が、ジヒョンは複雑な思いで姉妹を描いたガラスアートを炎に投じます。

ある夜、姉の友人ギョンジュが家にやってきます。彼女は、夫の浮気現場を目撃して殴られ、嫉妬と絶望で落ち込んでいました。が、スヒョンの入浴中に彼女のかつらをかぶり、美しくなった自分を見て持ち帰ってしまいます。
かつらを失ったスヒョンは狂乱し症状が急激に悪化、ジヒョンも寝ずの看病をしますが、なぜか翌朝には、再びかつらを着け、楽しそうに朝食の支度をしていました。スヒョンは、明け方、ギョンジュがかつらを返しにきた、変わった人ねと笑っています。

けれどその日、ジヒョンは警察の事情聴取に呼ばれ、ギョンジュが夫と心中死したことを知らされます。ギョンジュの遺体はトイレの便器に大量の髪の毛が絡まった血塗れの状態で座り、その頭上では夫が首を吊っていました。
彼女は、その葬儀の席でギョンジュの妹から、姉が心中なんてするはずがない、臨終の顔は10歳は老けて見えたと聞きます。

一方、スヒョンの変貌は著しく、ジヒョンは彼女から呼び出されたディスコで、妹がギソクと親密な関係になりつつある事を見せつけられます。スヒョンは、セクシーなドレスをまとい、ジヒョンの目の前でギソクを誘い、彼女を無視して踊り始めます。
トイレで声が出ないことを悔やむジヒョン。続いて入ってきたスヒョンは、そんな姉を見下して嘲笑い、ジヒョンは逃げるようにしてトイレを出ます。
が、1人残り悦に入るスヒョンは、コンパクトに映る自分の額に無惨な傷があるのを見て驚き、トイレで無惨なギョンジュ夫妻の心中遺体に髪が絡み付くのを見て、泣き叫び、結局姉に連れられ家に帰ります。

家でかつらを外したスヒョンは、病状がますます悪化しているように見えますが、翌日の検診で医師は、症状が改善したのは、完治した言う思い込みのプラセボ効果で、幻覚は強い鎮痛剤の麻薬成分による副作用、もしかしたらこのまま完治するのではとまで言い出します。

その帰りの雨の中、ジヒョンはギソクの工場を改装したアトリエを兼ねた住まいに寄りますが、彼はスヒョンを理由に引きとめられても何もできないと冷たく、彼女は傘も差さずに帰ります。
入れ替わりにスヒョンがずぶ濡れの白いワンピースで現れ彼に激しく迫りますが、彼はジヒョンに迎えに来るよう連絡します。

後部座席にスヒョンを乗せ帰る車中で、ジヒョンは「悪い女。まだ目を覚まさないの?」という声を聞き、バックミラーににやりと笑う妹の顔を見て急停車しスヒョンを睨みますが、後部座席のスヒョンは、顔色も悪く疲れ果て「私を殺す気?」と呟くだけでした。

家に帰り、スヒョンはバスルームへと向かいます。ジヒョンは、妙な気配を感じバスルームを覗くと、湯気の中でスヒョンがかつらの手入れをしていました。が、次第にそれがかつらではなく逆さにぶら下がった女の髪であることに気づき、愕然とし、これまでの凄惨な事件や妹の変貌が全てこのかつらのせいだと直感します。

彼女はスヒョンに掴みかかり、かつらを取り上げ、狂乱し泣き叫ぶ妹を部屋に閉じ込め、かつらを切り刻みます。スヒョンは「私の記憶を消さないで!」と叫びますが、全てを終えた時には意識を失っていました。

彼女は病院に運ばれますが、医師は症状は改善されているものの、問題は彼女の身体が急激に老化していることだと言い、再び入院となります。けれどスヒョンは姉を拒絶、ギソクに父のカメラのフィルムを現像してくれるよう頼みます。

皆が帰った後、やはり抗ガン剤を隠すスヒョン。茫洋と毛糸の帽子の下の頭を掻くうち、皮膚が裂け、傷口から次々と抗ガン剤がこぼれ落ちます。狂ったような笑みを浮かべた彼女は、ベッドに血溜まりを残し失踪します。愕然とするジヒョンを、ギソクはそっと励まします。
その後、病室に1人戻ったギソクは、現像した写真を見て何かに気づきます。

【転】- 鬘のあらすじ3

「髪は記憶を食べて延びるんだって」と微笑むスヒョンの言葉を思い出し、ジヒョンはそのかつらを買った店に向かいますが、シャッターには忌中の札が貼られ閉店、隣家の店主から、自殺した子の髪でかつらを作った社長は死に、その一人娘も失踪、かつら店の老婆は死人の髪で作ったかつらだと知って幻覚を見たと聞きます。そのまま彼女はそのかつらの製造元である工場へと向かいますが、廃墟となっていました。

彼女は恐る恐る中へと入りますが、人気は無く、工場は荒れ果て、髪の毛やかつらが無惨に打ち捨てられています。が、物音がしたロッカーを開けると、浮浪者のようになった一人娘が飛び出し、狂ったように怯え、いきさつを話し始めます。

彼女は高校生で、同級生の長髪の美少年ヒジュが好きでしたが、彼は美術の男性教師と同性愛関係にあって彼女には目もくれません。ムカついた彼女は、同級生の男子をそそのかし、ヒジュを苛め暴行させ、その髪をハサミで無惨に切り取り、かつら師である父親の髪の毛の素材に混ぜてしまったのです。
髪を切られ傷ついたヒジュは、ザンバラ髪のまま教師の元に向かいますが、追い打ちをかけるように教師の結婚を知り、美術教師のアトリエの最上階から身を投げて死んでしまいます。

その後、彼の髪が、それとは知らない父の機械に掛けられますが、ミシンが父の指を貫き、彼女に「これは死んだ人の髪の毛か?」と聞き死亡、会社は倒産、彼女は髪の毛に怯え隠れて暮らしていたと言うのです。
そして、少年が愛した美術教師はギソク、その婚約者はジヒョンだったのです。

ジヒョンの中で全てが符合します。コンクールで優勝した作品のモデルの写真は、妹に似た面立ちの彼が愛した少年ヒジュで、彼が自殺したのはコンテストの祝賀会の日、ギソクが会場に来なかったのはそのためで、車の中で悪い女と言って笑ったのもその少年に違いありません。
家で、優勝作品のガラスアートを破壊するジヒョン。

【結】- 鬘のあらすじ4

一方、ギソクのアトリエに、完全にヒジュとなったスヒョンが、姉が着るはずだった純白のウェディングドレスで現れ、「もう男じゃない、今の私を見せたくて…」と囁き、愛は永遠で後悔しないと言ったはずと責め、愕然とするギソクを押し倒し、口づけします。

そこへジヒョンが現れ、ベッドに倒れ込んだ2人を見て、声にならない声で叫びますが、ヒジュが彼女に掴みかかり、それを止めに入ったギソクと共に、鉄骨がむき出しの2階から突き落とし嗤います。彼はジヒョンを追ってその首を掴み「愛とは記憶する事よ」と言いながら絞め上げます。

そこへギソクが掴みかかり、ヒジュのかつらを取って倒れ込み、彼の身体に抑え込まれたヒジュは、スヒョンの顔に戻りますが、かつらを返してと狂乱しています。
ジヒョンはかつらにオイルをかけ焼こうとしますが、かつらは不気味に蠢き、階段を上ってギソクに這い寄ります。ようやくライターに火が付き点火し、髪は燃え上がります。
ジヒョンはギソクを抱きしめますが、彼はヒジュとの楽しかった過去を思い返していました。

続けて正気に返ったスヒョンを抱きしめますが、「私、髪が伸びてるの…」という言葉に、見ると彼女の髪がうっすらと生え始めています。
愕然としたジヒョンは、別人よ!と叫び、鉄製の物置に彼女を閉じ込めてしまいます。

出してと力無く呼んだあと、弱り切ったスヒョンは壁にもたれ、姉との暮らしを思い返します。
幼い頃、父と一緒に行った遊園地で、風船の取りっこをして空に逃がしてしまい大泣きするスヒョンに、ジヒョンは優しく「大きくなったら、お空に逃がした風船を取りに行けるよう、羽根を付けてあげる」と言ったのです。
あのガラスアートの妹の羽根は、死が間近と言う意味ではなく、大人になったジヒョンがスヒョンに与えた羽根であることを、彼女は知っていたのです。

「姉さん、羽根をありがとう…」

その言葉に泣きながら扉を開けたジヒョンが見たものは、凶悪に嗤うヒジュの姿でした。父のカメラで狂ったように殴りつけるジヒョン。何度も何度も殴るうち、気づくとそれは確かに妹で、すでに息はありませんでした。

声なき声で慟哭する姉の携帯に医師からの留守電が入ります。
抗ガン剤の投与を止めると一時的に回復し髪も伸びる、けれどガンはその分進行するので、早く病院へ連れてくるようにと…。

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