「AUDITION(オーディション)」のネタバレあらすじ結末

AUDITION オーディションの紹介:1999年公開の日本映画。村上龍の同名小説を原作とし、三池崇史が監督を手がけた。海外での評価が非常に高いホラー作品。再婚相手を探すために映画のオーディションを開いた中年男性が体験する恐怖の体験を描く。

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AUDITION(オーディション)の主な出演者

青山重治(石橋凌)、山崎麻美(椎名英姫)、青山重彦(沢木哲)、吉川泰久(國村隼)、車椅子の老人・島田(石橋蓮司)、青山良子(松田美由紀)、リエ(根岸季衣)、芝田(大杉漣)、酒場のマスター(斉木しげる)、ディレクター(光石研)、柳田美千代(広岡由里子)、テレビ局のプロデューサー(小日向文世)、高木美鈴(中村美里)、少年時代の重彦(有馬優人)、少女時代の麻美(泉綾香)、ホテルのフロント(棚橋ナッツ)、FMのナレーター(橘貴美子)、医師(遠藤たつお)、看護婦(神道寺こしお)、バーテン(津田寛治)、ギャング(パティー)

AUDITION(オーディション)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①7年前に妻を亡くした青山は高校生の息子に勧められ再婚を考える。映画のオーディションで結婚相手を探そうと言う悪友・吉川のいたずら半分の提案を受け、青山は履歴書をチェックし、麻美に魅入られる。順調に交際を重ね、プロポーズもしたが麻美は消えた。 ②麻美は幼少期に暴力を受けたトラウマがあり、愛する者に痛みを加える性癖があった。薬を盛られた青山は自宅で片足を切断されるが、息子が帰宅して麻美を階段から突き落とし、殺した。

【起】- AUDITION(オーディション)のあらすじ1

学校で作った工作を持ち、ランドセルを背負った少年・青山重彦が母・良子(よしこ)の見舞いにやってきました。
ところが同じ頃、個室ではその良子が臨終のときを迎えていました。良子の死に夫・青山重治は涙します…。

…7年後。
東京都で青山はビデオ制作会社を経営しています。
妻・良子の死後、青山は男手ひとつで息子・重彦を育ててきました。通いの家政婦の中年女性・リエがいるものの、ずっと父1人息子1人で暮らしてきました。
自宅は東京都世田谷区奥沢にある、大きな一軒家です。ビーグル犬・ギャングを飼っています。
重彦は恐竜や考古学に興味を持つ、素直な子に育っています。親子仲も良好です。
その重彦も高校生になりました。しかも最近、ガールフレンドなる存在ができたようです。
休日に2人で釣りに行った時、息子・重彦に「最近しょぼくれてるんじゃない」と指摘された青山は、続けて「なあ親父、再婚でもしたら?」と言われ、妻の死後初めて再婚を考え始めました。息子に背中を押された気持ちです。
周囲に再婚を勧められたことはありました。また会社の秘書をする女性・柳田美千代と、深い関係にあった時期もあります。しかし再婚はそれまで全く考えていませんでした。
その美千代も最近、結婚すると青山に報告します。結婚の報告をしながらも、美千代は青山にまだ未練があるようでした。
悪友、兼、昔の同僚で芸能関係の仕事をしている吉川泰久に、バーで呑みながら青山は再婚の話を切り出します。吉川は手放しで喜びました。
ところが肝心の再婚相手がまだ決まっていない、これから探すと聞いた吉川は、青山にいたずらめいた企画を持ちかけます。いわく、ラブロマンス映画の主役のヒロインを応募して、そのオーディションで青山の再婚相手を見つけるというものでした。
最初、青山は尻ごみします。しかし吉川が「最近はろくな女がいない」と言い、応募条件に自分の希望を入れればいいと言われるに至り、それも悪くないと考えるようになりました。いわば悪ふざけのような気持ちで、青山と吉川はオーディションを開始したのです。
企画は昔に2人が手がけた『愛を旅して』というラブロマンスで、映画の企画が途中でぽしゃることは多いから、結局映画化の企画が流れたことにして、オーディションだけしようということになりました。
相手に求める条件として、吉川が「20代前半から30代前半」と年齢設定をし、青山は「何らかの訓練を受けてきた人」というものを上げました。訓練とは日舞とか茶道などの稽古事のことで、何かに秀でていないと自信が持てないだろうというのが、青山の持論でした。
早速、吉川はオーディションの宣伝を打ち、大量の履歴書が集まりました。
吉川はそれを青山に渡し、来週の後半にオーディションを行うから、それまでに30人くらいに絞っておけ、オーディションには青山も立ち会えと言いました。
始まってしまった計画は、もう戻ることはできません。吉川の好意もありがたく、青山は大量の履歴書を前に、言われるとおりに30人に絞ろうと考えます。吉川は「写真はあてにするな」というアドバイスをくれていました。
コーヒーを淹れて飲みながら、履歴書に向き合い始めます。
そこへノックなしに息子・重彦が顔を覗かせて「友達が来ている」と言いました。青山は後ろめたいので慌てますが、重彦が連れて来ている子が女友達と知ってひやかします。
息子・重彦が去った後、青山はあせった折に履歴書の1枚をコーヒーで汚したことに気づきました。拭きながら取り上げたその1枚は、妙に青山の心を惹くものでした。
それは山崎麻美(やまさき あさみ)という24歳の女性のものでした。趣味の欄にはピアノとクラシックバレエとあり、バレエ歴は12年です。杉並バレエスクール所属とありました。
オーディションの履歴書についていた文章を読むと、麻美はバレエでロンドン留学が決まった矢先に腰を痛め、バレエへの道が断たれたことが書かれていました。
「ずっと自分の最優先事項だったことがある日突然崩れていってしまう、それは少しオーバーかもしれませんが、ある意味で死を受け入れることに似ています」
この文章に同感を覚え、と同時に惹かれた青山は、麻美を意識しました。
その後、書斎から居間に出た青山は、息子・重彦にガールフレンドの高木美鈴を紹介してもらいます。美鈴は溌剌とした好印象の少女でした。

吉川と青山が面接官の、オーディションが始まりました。横でカメラも回しています。
ところが吉川が質問してばかりで、青山は心ここにあらずでした。というのも、青山は28番目の山崎麻美にしか興味がないからです。
吉川には「緊張している」と答えながら、青山はトイレに立ちます。控室を覗くと、麻美が背筋よく座っているのが見えました。
やっと麻美の番になります。それまでとは打って変わって青山が積極的に質問を重ねるのを見て、その露骨な豹変ぶりに吉川は驚きながら、これが本命かと気づきます。 この映画を無料で観る

【承】- AUDITION(オーディション)のあらすじ2

麻美は白い上下のツーピースを着て現れました。ストレートの長い髪を胸上まで垂らした麻美は、一見すると清楚な和風美人です。
吉川は念のため(身上調査も兼ねて)、所属事務所を質問しました。エースレコードの個人預かりで、邦楽二課の芝田さんと、麻美はよどみなく答えます。
また普段は週3回、銀座にある友人の小さなバーを手伝っていると答えました。そこで生活費を稼いでいるそうです。
身元を確認するため冷静に質問を重ねる吉川に対し、青山は麻美に、添付していた手紙について触れて「あなたみたいな若い人が悟っていると知って、感動したんです」と感想を述べました。本来は面接官が作文への感想を述べることはないので、吉川は驚きます。
実際に麻美と会って、青山の気持ちはすっかり麻美に傾いていました。
吉川は「いやに緊張させる子だ。確かに真剣に生きているようだが、気になる。うまく言えないけど、ひっかかっている」と、さりげなく青山を牽制しますが、青山は夢中になります。
青山は早速その夜に麻美へ電話をかけ、「もっと話がしたい」と誘いました。
その直後、吉川から電話があり「エースレコードの邦楽二課の芝田は1年半前に行方不明になっている」と告げますが、もう青山の耳には入りません。
昼間に店で会った時、青山はそれでも芝田の話をしました。その日も上下ともに白い服で現れた麻美は「実は芝田さんとは一度も会ったことがないんです」と答えます。
別れ際、麻美は「今後も会っていろいろ相談に乗っていただかませんか。相談できる大人の男の人がいないから」と青山に告げ、青山は有頂天になりました。青山は携帯の電話番号を教えます。
青山の心はすっかり決まりました。吉川が「綺麗で上品で真面目で素直で…できすぎだ。裏があるのではないか」と警告しますが、青山は聞き入れません。
そんな青山に、吉川は「しばらくお前から連絡するな。少し頭冷やせ」と1つだけ約束させました。麻美の出方もみようというわけです。不承不承、青山は頷きます。
吉川との約束を守り、その日から電話器を前に青山は煩悶します。
いっぽうその頃、別の和室でも、部屋の中央に置かれた黒電話の横に大きな頭陀袋が置かれている部屋がありますが、これについては後に触れます。

吉川からOKサインをもらった青山は、すぐ麻美に電話をしました。その和室では、にやっと口元をゆるめた女性の横で、巨大な頭陀袋が大きく横に跳ねます。
青山と会った麻美は、電話を待っていたと言いました。吉川に「誰とも連絡がつかない。身元が分からない」と言われている青山は、さりげなく麻美に実家のことを質問します。
麻美は、実家は東京にあったのだけれども、千葉に家を買って先月引っ越したと言いました。
また手伝っている友人の店も「銀座4丁目の『石の魚』という店」とすらすらと答えますが、ママがプライベートまで干渉する人なので来てほしくないと匂わせます。
映画の件はスポンサーと折り合いがつかなくなって制作延期になったと青山は告げますが、麻美は「いいんです。こうして青山さんに出会えただけで」と答えました。
青山は帰宅後、息子・重彦に話をします。重彦は「今度会わせてよ」と言って父の再婚を喜びました。
重彦も喜んでくれることから、青山は話を進めようと決めます。週末に旅行へ誘い、そこで麻美にプロポーズしようと計画しました。

その週末、青山と麻美は海に旅行へ出かけます。その日も麻美は白いワンピースを着ていました。
部屋にチェックインした青山は、麻美にレストランへ行こうと誘います。ところが麻美は黙って室内の電気を消すと、服を脱いでベッドに入りました。まだ昼間です。
麻美は青山に「来て」と言うと、布団をめくって右ふとももにある2本の傷を見せました。
「子どもの頃、誤って火傷したんです」と麻美は言います。
「私だけを愛してくれなきゃいやよ。みんなそう言うの。私だけを、私だけを愛して」と麻美は繰り返し言いました。青山は麻美と身体を重ねます。
関係を持った後、麻美は唐突に姿を消しました。フロント係の「連れの人が帰りました」という電話に起こされた青山は、何か誤解があったのかと戸惑います。
(注:映画では詳しく記されないが、青山がフロントマンの電話で起きたのは深夜の3時ごろ。フロントマンは何度も電話をかけている。恐らく青山は睡眠薬を盛られているのだが、はっきりとは描かれていない)
プロポーズに承諾し、身体を重ねた麻美が消えたことに青山は驚き、必死で麻美を探します。

【転】- AUDITION(オーディション)のあらすじ3

その後、麻美とは電話で連絡がつかなくなりました。今まで送っていった時には、麻美は大通りでタクシーをおりていたため、正確な自宅が分かりません。
半狂乱になった青山は、吉川に「何か誤解があったのかも。住所を調べてくれないか」と言いますが、吉川は「やめにした方がいい」と答えました。怒った青山は「自分で調べる」と答えます。
趣味の欄に「島田バレエスタジオ」とあったことを思い出した青山は、そこへ行ってみました。そこは廃墟に近い状態になっており、玄関に打ちつけられた板を外して入った奥には、車椅子の老人・島田に会います。
島田は無残にも両足に裂傷が入っていました。島田は「あんた、あの女を見たか。あの女の声を聞いたか。あの女の身体を触ったのか」と言うと、下卑た笑いを上げます。
島田も麻美に執着する男のひとりのようでした。
銀座4丁目の『石の魚』に行くと、そこは1年少し前に潰れていました。同じビルの別の酒場のマスターが「ママさんが殺されてね。大変でした」と言います。
麻美という女が働いていなかったかと青山が問うと、普段はママ1人で切り盛りしていた店だとマスターは答えます。
ただし、ママさん殺害の動機は男絡みではないかという噂があったそうです。ママさんは音楽業界の人(エースレコード邦楽二課・芝田)といい仲で、まだ犯人は見つかっておらず、死体はバラバラで発見されたのですが、組み立ててみると指が3本、耳が1つ、舌も1枚多かったそうです。
麻美を探しながら、青山も少しずつおかしいと気づき始めました。吉川が指摘するとおり、麻美に関係する人たちはことごとく「存在はするものの、すでに死んでいるか姿を消している」のです。しかし青山は執着を捨てることができず、探し続けました。

唐突にまた麻美と連絡がつきました。
昼間の店で会った麻美は、青山に謝ると消えた理由を話します。
麻美は前回、実家が東京で最近千葉に引っ越したと話しましたが、本当は違っていました。
両親は麻美が幼い頃に離婚しており、麻美はおじの家に預けられて、おじさんの奥さんに暴行を受けていました。冬場に水につけられて肺炎になったり、階段から突き落とされて肩の骨を折ったりもしたそうです。
医者が心配して母に連絡を取ってくれ、麻美は母のところに戻ることができました。小学1年生のことです。
母は再婚しており、麻美はケガの心配はなくなりましたが、母の再婚相手がひどく麻美を嫌ったそうです。その人は足が不自由でいつも家におり(車椅子の老人・島田のこと)、麻美は母が帰宅するまでいつもその男性と2人きりで過ごしていました。
嘘をついたことが申し訳なく、それで麻美はしばらく連絡を取らないようにしていたとのことでした。

ところが…。
ある日の青山家に侵入者があります。侵入者が青山のウイスキーに毒(というか麻痺の薬)を持っている時、息子・重彦から家に電話があり、留守電に「今日は帰らない」というメッセージが吹き込まれました。
侵入者は今夜がチャンスだと思います…。
帰宅後に1階書斎のウイスキーを飲んだ青山はすぐにめまいを覚え、立ち上がったもののそのまま後ろへ転倒して動けなくなります。
そこへ姿を現したのは、麻美でした。侵入者は麻美で、ウイスキーに毒を持った後、クローゼットに潜伏していました。麻美がいたクローゼットには、首が明後日の方向をむいたビーグル犬・ギャングの死体があります。
麻美は青山を居間までひきずっていき、部屋の中央に白いビニールシートを広げてその上に移動させると、手際よく黒いバッグから道具を出して並べ始めます。

麻美が話した過去は事実でした。おじ夫婦に預けられたことも、母の再婚相手に嫌われていたことも。
但し、再婚相手に嫌われていたかどうかは分かりません。ともかくも、再婚相手の車椅子の男性・島田は麻美に執着し、小学低学年だった麻美のふとももに高熱の火かき棒を押しあてて、火傷を負わせました。
言ってみれば幼少期の麻美は、嗜虐心を煽る存在だったのです。痛めつけてやりたいと思わせる少女、それが麻美でした。
暴力を受ける麻美はそのうちに、「痛みこそが生きていることを味わえる唯一無二の感覚、絶対的な真実」と思います。
青山と関係を持ちながら「私だけを愛してくれなきゃいやよ」と言っていたのは、まさしく文字通りで、青山にとって大事な人物は麻美だけでないと駄目なのです。
青山にはほかに息子・重彦や飼い犬・ギャングがいますが、そうした存在は麻美にとっては許せないのでした。だからギャングを殺したのです。そして青山を調理してからは、翌日帰って来た息子・重彦も殺すつもりでしょう。

【結】- AUDITION(オーディション)のあらすじ4

島田を見て「動けないと逃げられない」と学んだ麻美は、たとえばエースレコード邦楽二課・芝田の足首を切断し、逃げられないようにして部屋の片隅の頭陀袋に入れ、舌を抜いて右手の親指と薬指を残して後の指は切断し、片方の耳もそいでいました。
銀座のバー『石の魚』で見つかった余分なパーツは芝田のもので、ママは芝田と関係があった女性でした。もちろんママを殺したのも麻美です。
芝田は麻美の和室の部屋で監禁され、時々犬のように餌を与えられて、かろうじて生きていました。
ずっと不幸だった麻美はそうやって相手を束縛することでしか、愛情を確認できない女性なのです。
ですから、ある意味においては麻美の暴力は愛情表現ともいえるでしょう。

黒いバッグから器具を出し、黒い手袋、黒い前掛け、黒いブーツを履いた麻美は、注射器を用意します。
「あなたはもう動けない。体は死ぬけど、神経だけは残しておいてあげます。そうすると皮膚が敏感になって、痛みや苦しみがきちんと味わえるの」
にこやかに明るくそう言いながら、麻美は青山の口を開けて舌に注射をしました。馬乗りになってハサミで青山の服を切り、脱脂綿で拭いて腹に細い鍼を何本も刺していきます。
「キリキリキリキリキリ~、キリキリキリキリキリ~、痛い?」
「言葉なんか嘘だけど、痛みだけは信じられるのよね。痛いとよく分かるでしょ、自分がどんな形をしてるか。キリキリキリキリキリ~」
この「キリキリキリキリキリ~」と言っている時に、青山に鍼を刺します。青山の腹は鍼だらけになりました。
「お腹ではここが一番なの。ほら、ここも、ここも、ね?」と言った麻美は、続けて青山の目の下に鍼を刺していきます。
「キリキリキリキリキリ~、キリキリキリキリキリ~。ほらー、目の下も、とても痛いでしょ? 自分がどんな人間だか分かるのも、苦しいことやつらいことだけなの。本当につらい目に遭った時だけ、自分の形が分かるのよ」
重彦の話題を出し、青山が「やめろ、重彦には」と言いかけた途端、麻美はさえぎって「ほらー、(愛しているのは)私だけじゃないじゃない。君だけを愛すなんて嘘ばかり言って。私には本当にあなただけしかいないのに」と言います。全て、明るく軽やかな口調で言うので、不気味さが際立ちます。
「足がなければ、どこへも行けないでしょ」と言った麻美は、ワイヤーのような器具を出しました。
「これはね、骨つきのお肉でも簡単に切り落とせるの」と言うと、青山の左足首に止血ベルトをし、ワイヤーで切断します。取れた足首は無造作に放りました。
麻美が右足に着手しようとした時、玄関のドアの音がします。友人宅に泊まる予定だった息子・重彦が、友人が急病になったために帰宅したのです。
麻美は無言で器具の中から霧吹き(中身は昏睡スプレーと思われる)を取り出すと、ドアの陰に隠れました。
居間に入ってきた重彦は、青山の姿を見て絶句します。その背後から麻美が現れると、重彦に昏睡スプレーを吹きかけます。
よけた重彦は2階の自室へ逃げますが、麻美はそれを追いました。重彦は階段を上がったところで麻美を突き飛ばし、麻美は階段からまっさかさまに落ちて動けなくなります。
息子・重彦は警察に電話をし、自宅の住所を言うと救急車の手配を頼みました。警察の質問に対し、「親父がすごいケガをしていて。左足が切断されて、出血がひどいんです」冷静に答えています。
動けない青山は、階段から落ちて首がこちらを向いている麻美を見つめました。麻美は動けない状態で「お忙しいんだろうなって思ってました。私には分からないお仕事なんでしょ。こんなこと言うと、なんと鬱陶しい女だろうと思うだろうけど、私、ずっと電話を待っていたんです。むふふふふ。またこうしてお会いできるなんて思ってなかったので、すみません、浮かれてしまって。今までずっとひとりで頑張ってきたけど、私には相談できる人がいなかった。青山さんみたいに、あたたかくて、私の気持ちを包んで、分かってくれる人に会ったのは初めてです」とぶつぶつ口だけで呟いていました。その言葉は、吉川に約束させられて、青山がしばらく電話しなかった直後に会った時に、麻美がしゃべっていた言葉でした。
朦朧とする青山に聞こえる声は「乗り越えるのはつらいけど、でもきっと、生きててよかったって思える時が、また必ず来るよ。だからみんな、生きてるんだから」と、かつて無責任な立場で放った自分の声でした。
(麻美が死んだかどうかは不明だが、上記の科白を吐いた後に動かなくなったので死んだものと思われる。青山は左足首を切断されたが、命は助かった)

みんなの感想

ライターの感想

この映画はジャパニーズホラーのカテゴリーに入ると思うのですが、とても気色悪く、寒気が襲ってくるシーンがいくつかあります。
中でも私が一番ぞっとしたのが、部屋でうなだれているヒロイン麻美(椎名英姫)、不気味な雰囲気をかもし出す効果音が画面内を埋め尽くし、部屋内の黒電話がジリリリーン、ジリリーンとけたたましく鳴り響きます。
麻美(椎名英姫)の表情は長い黒髪で覆われて読み取れません。そしてゆっくりと顔をあげるのですが、見えない、読み取れない、正体不明の恐怖とはこんなにゾッとするのかとビビリ倒したシーンでした。

ライターの感想

とにかく痛そうな映画。そして不気味さ、気持ち悪さ、怖さがぬきんでている。
実のところ麻美がなぜ男性にこうした暴力を加えるのかについては、きちんと言及されていない。
村上龍の原作ではトラウマから端を発しており、ただいたぶるだけの描かれ方。しかも暴力を振るう時、麻美は別人のようになっている。
それよりも映画版の麻美の方が数段怖い。かわいらしい声のまま、でも残酷な言葉を吐いている「ギャップ」が、怖さを出すことに成功しているいい演出。
そして原作にもなかったが、麻美がこうした残虐行為に手を染める根底にはやはり愛があるからだということは、映画版では読み取れる。
愛する者を拘束するために足首を切断し、他の愛情対象を排除し、麻美だけしかいない状況を作り出すことが目的。
だからもし息子・重彦が戻って麻美を追いつめなければ、青山は第二の芝田になっていた可能性が高い。
とにかく百聞は一見に如かず、見るのがこの作品の怖さを知るための一番の方法だが、視聴は難しいかも。
レンタルで殆ど扱っていないので、DVD購入が最短の道。

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