「たそがれ清兵衛」のネタバレあらすじ結末

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たそがれ清兵衛の紹介:2002年製作の真田広之、宮沢りえ主演の時代劇ドラマ。山田洋二監督による藤沢周平原作映画三部作の一作目に当たる作品で、東北の小さな藩に生きる武士の貧しくも幸せに満ちた日々を描いていく。第28回日本アカデミー賞では最優秀作品賞を受賞し、第76回アカデミー賞では外国語映画賞の最終候補にノミネートされた。

予告動画

たそがれ清兵衛の主な出演者

井口清兵衛(真田広之)、飯沼朋江(宮沢りえ)、甲田豊太郎(大杉漣)、余五善右衛門(田中泯)、晩年の以登(岸惠子)

たそがれ清兵衛のネタバレあらすじ

【起】- たそがれ清兵衛のあらすじ1

舞台は幕末。東北にある小さな藩、海坂藩に一人の貧乏藩士がいました。その男の名は井口清兵衛、勤めが終わるとどこにも寄らずに夕方時にまっすぐ家に帰ることから、同僚の間では「たそがれ清兵衛」と呼ばれていました。清兵衛が家に急ぐのには理由がありました。妻が亡くなり、幼い二人の娘と老母が家で清兵衛を待っていたからです。しかし、そんな日々が長く続き、清兵衛は内職や畑仕事に精を出すあまり、風呂にもろくに入らず、服のほつれも放置してしまいます。そんな清兵衛の姿を周りの大人だけでなく、幼い娘たちも心配していました。しかし、いくら周りに勧められても清兵衛は嫁をまた取ろうとはしませんでした。貧しいながらも娘たちと力を合わせて暮らす日々に、清兵衛は喜びを感じていたのです。

そんなある日、清兵衛は幼馴染の朋江と再会を果たしました。美しく成長した朋江の姿に目を奪われる清兵衛。朋江は嫁ぎ先で夫に暴力を振るわれ、今は離縁して実家に帰っているといいます。この日、朋江は夜まで清兵衛の家の家事を手伝い、清兵衛も娘たちも朋江の心遣いを嬉しく思うのでした。

その夜、清兵衛が朋江を実家まで送ったときのこと。実家には朋江の離縁した夫の甲田がひどく酔っ払った状態でやって来ていました。暴れる甲田を止めようと朋江はとっさに止めに入りますが、甲田からは平手打ちをくらってしまいます。清兵衛は力ずくで甲田を止めますが、腹を立てた甲田に決闘を申し入れられてしまいます。甲田は自らの勝利を確信していましたが、翌日に行われた決闘では真剣の甲田を清兵衛が短い木刀で圧倒し、勝利を収めました。清兵衛は藩内でも随一の剣の腕を持っていたのです。

【承】- たそがれ清兵衛のあらすじ2

清兵衛が甲田を倒したという噂は瞬く間に藩内に広まり、たそがれとあだ名をつけて馬鹿にしていた同僚たちも清兵衛のことを見直すようになりました。そんな中、清兵衛は思わぬ相手からも興味を持たれてしまいます。その人物とは余五善右衛門という名の老齢の藩士で、同じ剣の達人として清兵衛との手合わせを望んでいました。しかし、無用な争いを好まない清兵衛はその申し出を断るのでした。

その後、家に戻ると朋江から手紙が届いていました。甲田の騒動をめぐる清兵衛の行為に感謝していること、これからも清兵衛の家に手伝いに来たいと望んでいること…そこには、朋江の清兵衛と娘たちへの思いが綴られていました。朋江はその後も頻繁に清兵衛の家に来るようになり、家の中は明るくなっていきました。

そんなある日、清兵衛は朋江の兄から朋江が清兵衛に好意を持っていることを知らされます。しかし、清兵衛は朋江を妻として迎える気はありませんでした。朋江が娘たちと仲良くしていることは知っていましたが、貧乏藩士の自分に嫁がせて朋江に不幸な思いをさせたくなかったのです。清兵衛が朋江の兄に自らの考えを伝えた後、朋江は清兵衛の家にぷっつり来なくなりました。

それから間もなく、海坂藩藩主逝去という知らせが藩内に伝わりました。これにより、藩内では激しい跡目争いが始まりました。

【転】- たそがれ清兵衛のあらすじ3

跡目争いが落ち着きを見せ始めた頃、清兵衛は藩からある人物を斬るよう命令を受けます。斬るべき相手は、余五善右衛門。清兵衛の剣の腕に強い興味を持っていた人物でした。善右衛門は跡目争いで敗れた長谷川氏の家臣で、切腹を命じられていました。しかし善右衛門はこれを拒否、屋敷にたてこもり次々と藩から派遣された討ち手を斬り殺しているといいます。清兵衛は剣の腕が落ちていることを理由にその命令を断りますが、藩はそれを許しませんでした。清兵衛は善右衛門がいる屋敷に明日向かうこととなりました。

善右衛門との戦いは死を覚悟しなければならない激しいものとなることが予想されました。その夜、清兵衛は入念に決闘の準備を行い、翌朝朋江を家に呼びました。朋江に決闘前の身支度をお願いしようと思ったのです。朋江はその頼みを快諾しすぐに清兵衛の家に駆けつけました。身支度が終わると、清兵衛が朋江を長い間恋い慕い、ずっと嫁にしたいと思っていたことを伝え始めました。もしも果たし合いに勝ちこの家に戻ったら、嫁に来てくれないか…清兵衛が最後にこう問いかけると、朋江は困惑した様子ですでに縁談が決まっていると返答しました。朋江のこの言葉にショックを受ける清兵衛。複雑な思いを抱えた朋江にできたのは、「ご武運を心からお祈りしております」と清兵衛に言葉をかけることだけでした。この後、清兵衛は余五善右衛門の屋敷へと向かいました。

【結】- たそがれ清兵衛のあらすじ4

屋敷に入ると、酒を飲んでほろ酔い状態となっていた余五善右衛門がいました。善右衛門は海坂藩に仕官する前の話を清兵衛に語り始めました。主君を失い、家族とともに貧しく苦しい日々を何年も過ごしたこと、やっと海坂藩の長谷川氏に仕官したときには妻と娘が亡くなってしまったこと、その後長谷川氏に忠義を尽くしてきたこと…そんな自分が切腹を命じられてしまったのが納得できないといいます。清兵衛は話を聞いているうちに、善右衛門に共感し自らも苦労話を打ち明けていきました。

ところが、妻の葬儀のために刀を売ってしまったことを語ると、善右衛門の表情が豹変します。清兵衛が携えてきたのは刀ではなく小太刀であったことに、剣の達人としての誇りが傷つけられたのです。清兵衛は自分の剣術が小太刀によるものと誤解を解こうとしますが、善右衛門は聞く耳を持たず刀を抜きました。衰弱していながらも、清兵衛を圧倒していく余五善右衛門。深傷を負いながらも清兵衛は善右衛門の些細なミスを見逃さず、善右衛門に致命傷を負わせました。その後、屋敷に入って来た藩士たちによって善右衛門の死は確認されました。

清兵衛が家に帰ると、娘たちと朋江が待っていました。清兵衛は朋江の手を握り朋江がいてくれたことに喜びの表情を浮かべ、朋江は清兵衛の無事に感激し泣き崩れてしまいました。

その後、朋江は清兵衛の元に嫁入りし、娘たちの母親となりました。しかし、幸せな日々は三年しか続かず、戊辰戦争で清兵衛は命を落としてしまいました。その後、朋江は東京へ出て娘たちを立派に育て上げました。それから長い年月が経ち、老婦人となった清兵衛の娘の以登は清兵衛と朋江の墓参りのために旧海坂藩を訪れました。墓参りをしながら、以登は娘たちと朋江とともに短いながら充足した人生を終えた父、清兵衛に思いを馳せていました。以登は父を誇らしく思いながら人力車に乗って墓を後にしました。

みんなの感想

ライターの感想

主人公の父親としての姿と恋する男としての姿が情緒深く描かれ、また、忍び寄る不穏な空気感、そしてラストの迫力溢れる殺陣など、初めての本格時代劇とは思えない程、山田洋二監督の演出は冴えわたっています。それに加えて、コメディタッチな場面もあり、監督の長年のキャリアも実感させられました。また、不気味な雰囲気を最後まで崩さなかった田中泯の演技にも注目です。この後に作られた山田洋二監督の「隠し剣 鬼の爪」でも隠者となった剣客を演じており、本作と合わせて鑑賞することをお勧めします。

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