「コトバのない冬」のネタバレあらすじ結末

ラブストーリー

コトバのない冬の紹介:北海道の小さな町で慎ましく暮らす女性が声を出せない男性と出会う。次第に2人は心を交わしていくが…。リテイクなしで撮影された独特な表現の異色ドラマ。
俳優・渡部篤郎の念願の監督初作品で、原案、企画、製作、出演にも携わった。脚本は多くの名作を手掛けてきた岡田惠和。製作は2004年だが、‘08の東京国際映画祭で上映後、‘10に全国公開。海外の映画祭でも正式招待され評価された。

予告動画

コトバのない冬の主な出演者

黒川冬沙子(高岡早紀)、門倉渉(渡部篤郎)、田所啓子(広田レオナ)、黒川早知(未希)、水田繁(鈴木一真)、黒川遼一(北見敏之)、みどり(渡辺えり)

コトバのない冬のネタバレあらすじ

【起】- コトバのない冬のあらすじ1

北海道の小さな町・由仁町。この町で牧場に勤める冬沙子は、薬局を営む父・遼一とアパートで2人暮らしをしています。母は4年前に亡くなり、妹の早知は東京でモデルをしています。最近の冬沙子といえば札幌に住む恋人・繁に電話しても返事もなく、鳴らない携帯電話を待ってはモヤモヤとする日々が続いていました。それでも冬沙子は、単調で地味な暮らしながら細やかな幸せを感じています。

早知が突然帰省しますが、帰って来るのに理由は無いと帰郷については何も語りませんでした。遼一の幼馴染で食堂を営むみどりが早知の帰省を喜び、作った料理を持って家にやって来ます。寡黙な遼一を余所に、女同士のおしゃべりはなかなか止まりません。ようやくみどりが帰った後、冬沙子は繁との仲を早知に尋ねられ、「しょっちゅう連絡を取らなくてもどうって事ない」と強がって見せました。早知は結婚をしてこの町を出て行くことに抵抗も感じていました。

冬沙子は休みの日に、遼一に頼まれて夕張の知人宅まで薬を届けに行くことになります。早知が車を使っていたため、冬沙子は本数の少ないバスで向かいました。
用を済ませた冬沙子は、バスを1本逃してしまい次の電車やバスを待ちますが来る様子がありません。雪が強まる中、待ちぼうけをしていた冬沙子はバス停を通りかかった男性に時刻表が合っているのか声を掛けますが、彼は声を出すことが出来ず雪に文字を書きました。どこか待つ所がないかと尋ねる冬沙子に、男は自身が働く閉園した遊園地まで案内してくれます。男は温かい飲み物が入った水筒を冬沙子に渡すと、素っ気なくスノーモービルの修理を始めました。一口飲んだ冬沙子もバス停に戻り、ようやく帰路に着きました。

【承】- コトバのない冬のあらすじ2

数日後、夕張の知人が薬を無くしたため再び届けに行くことになると、冬沙子はどこか嬉しそうでした。冬沙子は帰り道で先日会った男を見かけて声をかると、遊園地に移動して語り合いました。男は1年ほど前からこの遊園地で働き、機械の豊富な知識を買われて地元で商売している啓子という女性からスノーモービルの修理も任されています。彼は町へ出かけたり外食することも無く、遊園地に住んで食料を啓子に調達してもらっていました。不思議と冬沙子は彼の前では心が弾み、幼いころに来たこの場所での思い出や家族のことを饒舌に語って聞かせます。冬沙子は男に名前を尋ねると、彼は門倉渉と筆談で名乗りました。

冬沙子は給油した際にガソリンスタンドに勤める友人から繁の近況を聞かれますが、曖昧なことしか言えません。むしろ友人から、音楽活動中の繁が新たな動きをしていると聞かされ、初耳だった冬沙子はやるせない気持ちになりました。

【転】- コトバのない冬のあらすじ3

冬沙子はその後も渉に会いに行き、交流を重ねていきます。冬沙子は職場へ渉を連れて行き、生きている馬を見せました。渉がバスで帰ると言うので、冬沙子は別れ際に自分の連絡先を教えました。
冬沙子と会ってから変わり出した渉は、町のラーメン屋に出掛けます。店まで追って来た啓子は、これまで外食に誘っても頑なに拒否してきた渉の変化に驚きました。

冬沙子は遼一と早知と共にみどりの食堂に出掛けます。モデルをしている早知に対し、冬沙子には男っ気がないと案じたみどりは、まだ中学生の自分の息子でさえ紹介しようとします。恋愛の話で盛り上がったみどりは話が止まらなくなり、『シベールの日曜日』という映画のあらすじを語り出しました。記憶喪失になった主人公と少女との恋の物語で、映画はハッピーエンドではない方が心に残るのだと熱弁を振るいました。

再び渉と会った冬沙子は、スノーモービルの後ろに乗せてもらい、2人で雪の中を滑走します。無表情だった渉が冬沙子と一緒にいる時は自然と笑顔を浮かべるようになりました。冬沙子は「全然あなたのことを知らないのに落ち着くの。言葉じゃないんだよね」と胸中を伝えます。そう言って帰ろうとした冬沙子を渉は、シートで覆われたメリーゴーランドの中へ入れてくれました。渉がそっと冬沙子の手に触れてきたので、彼女も握り返します。そして2人は静かに口づけを交わしました。

【結】- コトバのない冬のあらすじ4

数日経っても冬沙子が会いに来ないため、渉に不安がよぎり始めます。話せない渉は電話をすることもできず、ただ待つばかりでした。しかし思い立った渉は、啓子に頼んで由仁の食堂まで連れて行ってもらいます。そこは偶然にもみどりの店で、啓子とみどりも知人同士でした。結局冬沙子に会えなかった渉は、敢えて1人電車で帰りました。

その頃冬沙子は職場で落馬し、頭を強く打ち入院していました。大事には至らなかったものの、発症以前の記憶を失うという逆行性健忘の所見が医師から告げられますが、失われた記憶は徐々に戻ってくるとのことでした。連絡を受けた繁が見舞いに来たため、冬沙子は嬉しさを隠し切れません。冬沙子は家族や繁の存在は覚えていました。
退院した冬沙子は繁とデートし、久々に2人での時間を過ごします。繁は自分が付けていた指輪を冬沙子の左の薬指にはめ、プロポーズしました。冬沙子は感慨深げに指輪を眺めました。その後冬沙子は無事に仕事復帰も果たします。一方、このところ携帯に着信があるのですが、冬沙子は出ませんでした。

冬沙子は繁と結婚するため札幌へ引っ越すことになります。娘の幸せを願ってきた遼一ですが、淋しさに思わず涙を流しました。その日の深夜も携帯電話が鳴りますが、何か物思いにふけた様子の冬沙子は電話に出ませんでした。

出発の日の朝。この町で車を走らせた冬沙子は、車を降りて遠くを見て何かを考えていました。遼一と早知と別れた冬沙子は、あの遊園地に寄りますが、記憶が思い出せないのかそれとも忘れようとしたのか、頭を振ってため息をつきました。
公衆電話から電話をかけ続けていた渉は、繋がらない電話に涙を零しますが、声を出して泣くことができず、1人虚しくもがいていました。

みんなの感想

ライターの感想

渉が書いた文字は表示されず鑑賞者の想像に委ねられたり、ドキュメンタリーのような自然な会話が大半を占めるというまさに異色の作品でした。時折挟み込むメリーゴーランドの映像などなど、ヨーロッパの映画演出のようですね。
地味で控えめっぽい雰囲気なのに、妙に色っぽい冬沙子。苦手なタイプだなぁ…と感じました。口が半開きになっていることが多くて、あれは演出なのか否か。やはりセクシーですね。男なら惚れちゃうだろうな(苦笑)。
それと気になる点…。
冬沙子は記憶喪失で渉を思い出せないと書かれている文献もありますが、あれだけ鳴っても電話に出ないこと、何かを見据えたように呆然としている表情などから、本当は渉のことは覚えているのではないかと感じました。真相はいかに…。

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