「ロング・エンゲージメント」のネタバレあらすじ結末

ラブストーリー

ロング・エンゲージメントの紹介:婚約者の戦死を知らされても彼の生存を信じる女性。謎解きしながら愛する人の行方を追う主人公の粘り強さや、戦争に翻弄された人々の苦悩を描いたミステリー・ロマンス。
『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督が再びオドレイ・トトゥを主演に迎えた2004年の作品。原作は仏のベストセラー小説『長い日曜日』。映画原題は日本語で“婚約中の長い日曜日”という意。セザール賞をはじめ世界の映画賞で受賞、ノミネートされた。R15+指定。

予告動画

ロング・エンゲージメントの主な出演者

マチルド(オドレイ・トトゥ)、マネク(ギャスパー・ウリエル)、シルヴァン(ドミニク・ピノン)、ベネディクト(シャンタル・ヌーヴィル)、ピエール=マリー・ルーヴィエール(アンドレ・デュソリエ)、ジェルマン・ピール(ティッキー・オルガド)、エロディ・ゴルド(ジョディ・フォスター)、セレスタン・プー(アルベール・デュポンテル)、ティナ・ロンバルディ(マリオン・コティヤール)

ロング・エンゲージメントのネタバレあらすじ

【起】- ロング・エンゲージメントのあらすじ1

1900年フランスの田舎に生まれたマチルドは3歳の頃に両親を事故で亡くし、伯父・シルヴァンと伯母・ベネディクトに育てられました。以来両親の遺産はルーヴィエール弁護士が管理しています。マチルドは5歳でかかった小児麻痺の後遺症で片脚が不自由になり、9歳の時に一才年上のマネクと出会いました。マネクがマチルドを負ぶって灯台の頂上まで連れて行ったことで2人は恋に落ち、それからずっと愛し合い婚約を交わします。マネクは 愛の印として“MMM”(マネクはマチルドを愛してるの意)という文字を色んな場所に刻みました。やがてマネクは徴兵されることになり、父を亡くした彼をシルヴァンとベネディクトが見送ります。マチルドは不自由な脚で彼の乗った車を必死に追いかけました。

第一次大戦中の1917年1月。5人の兵士が故意の自傷をした疑いで死刑宣告を受けます。
・バストーシュ:ヴェロニックという恋人がいた家具職人。死んだ敵兵から奪ったドイツ軍の長靴を履いていました。
・愛称シ・スー:鉄道の溶接工をしていました。
・ブノワ・ノートルダム:農夫。死者を蹴った将校を責めたことがある勇敢な男。
・アンジュ:名前こそ天使でも性格は悪魔さながら。ティナという娼婦のヒモでした。ヒモ同士の揉め事で投獄されていたものの、志願し戦地へ。
・マネク:まもなく20歳。敢えて自分の手を敵に撃たせたことにより死刑宣告。指2本を失いますが、手が痛むたびにマチルドの鼓動を思いました。
5人はソンム県の前線の塹壕へ連れて行かれた後、ドイツ軍側との中間地帯へ追いやられます。現場は休戦状態にあり、例え爆撃を逃れたとしても寒さと飢えで死ぬだろうと見捨てられたのです。

数年後マネクの戦死の報せが届きます。彼に何かあれば自分に分かると感じているマチルドはマネクが生きていると信じ、自分の力で彼の行方を探すことにしました。シルヴァンもベネディクトもマネクの生存はあり得ないとマチルドの行動に反対しますが、彼女は自身の直感を貫き通します。
1920年6月。エスペランザ元伍長がソンムの前線でマネクを見かけたと聞いたマチルドは、彼の入院先を訪ねます。伍長は5人が外に放置されたこと、セレスタン・プーという欲しいものを何でも調達した兵士がいてマネクに赤い手袋を与えたこと、17年1月の点呼ではブノワ以外が返事をしていたことを教えてくれます。伍長は5人のその後の行方を知らず、ある負傷した兵士に彼らについて尋ねると、“刻まれたM、アホウドリ一機”とうわ言で呟いたとも話しました。マチルドは伍長から5人の遺品を預かり、手にした情報から推理を始めました。

【承】- ロング・エンゲージメントのあらすじ2

遺品は、バストーシュが行きつけの店のマスターのプチ・ルイに充てた手紙やブノワの妻への手紙、アンジュがティナに贈ろうとしたオルゴール、そして5人が死んだとされるビンゴと言う名の塹壕の看板でした。
プーとティナが鍵を握っていると睨んだマチルドはパリへ出向き、親の遺産を使って私立探偵ピールに2人の調査依頼をします。自身にも脚の不自由な娘がいるピールは破格で依頼を引き受けました。ピールは早速ティナを探すと彼女は休戦と共に姿を消し、違う町で“商売”しているとの情報を得ます。実はティナはアンジュを追い詰めた人間を順に殺していき、その度に姿をくらませていたのでした。
自らも動き出したマチルドはブノワの地元の教会へ電話すると、彼の妻と子供が転居先も知らせずに突然村を去ったと聞かされます。次にマチルドはプチ・ルイの店を訪ねます。バストーシュのルイ宛の手紙に書かれていた“ヴェロニカとこじれた。ビスコット(ゴルド)と和解した”との意味をルイに問いますが、2人は親友同士で同じ戦地に行ったが反目の理由や、ヴェロニカの件は分からないとのこと。ルイはゴルドが負傷後に搬送された病院で爆撃に遭い、亡くなったという新たな情報を教えてくれました。

マチルドはルーヴィエールに協力を仰ぎ軍の記録保管庫に入れてもらうと、ビンゴの戦死者の一部が何故か極秘文書になっていました。マチルドは隙を見て一部の書類を盗みますが、それが5人の死刑宣告の書類だったため、ひどく落胆しました。
しばらくしてルイから話を聞いたヴェロニカからマチルドに手紙が届きます。ティナらしき女性が現れ「バストーシュと隠れているのはアンジュなのか」と尋ねられたと言うのです。それを聞いたマチルドは、マネクこそが逃げ延びているのではないかと希望を見出しました。

マチルドの行動の甲斐あってプーに関する様々な手紙が届き始めます。ピールもプーの痕跡を掴み出しますが、こつ然と姿を消すティナの情報は得られずにいました。またマチルドは、バストーシュがヴェロニカと別れた直後にゴルドと絶交したことも知ります。マチルドはバストーシュが生きているとすれば、彼と他の4人との違いはドイツ軍のブーツを履いていたことだと気付きます。この頃にはシルヴァンとベネディクトも謎解きに協力するようになっていました。

マチルドは再びパリへ行き、ゴルドの妻・エロディを訪ねます。エロディはマチルドの執念に負けて手紙で説明すると約束してくれ、その後届いた手紙には驚くべき事実が書かれていました。ゴルドには前妻の連れ子が4人、エロディには連れ子1人がいました。休暇で戦地から戻ったゴルドは、子供が6人いれば同情され家に帰して貰えると考えます。しかし彼には子種が無いため、子作りを親友のバストーシュに頼んだのでした。無論エロディは猛反発しますが、休暇を迎えたバストーシュがやって来ると2人は関係を持ち、本当に愛し合ってしまったのでした。エロディは妊娠しなかったもののゴルドは嫉妬に苦しみ、これがバストーシュとの不仲の原因でした。手紙にはその後バストーシュは戦死し、ゴルドは病院で爆撃にあったと綴られていました。

【転】- ロング・エンゲージメントのあらすじ3

少しずつ真実に近づくマチルドでしたが、5人がエルドランの墓地に埋葬されたとルーヴィエールから連絡が来ます。マネクのお墓を訪れたマチルドは、諦めないと語りかけました。マチルドはプーを見つけることが第一だと考えますが、彼の情報は手に出来ず悲しみに沈む日々が続きます。

しかしある日、マチルドが出した人探しの広告を見たプー本人が家を訪ねて来ます。プーは中間地帯の木に“M”を3つ掘っていたマネクが、アホウドリ(ドイツ軍用機)から撃たれたのを目撃していました。またプーは、アンジュとシ・スーが上等兵に撃たれ、バストーシュもアホウドリから撃たれ、ブノワは敵の集中攻撃にあったことも知らせます。更に、連隊長がある書類を破棄したと他の兵士が話していたこと、上司の命令で集中攻撃の死者数に5人も加えていたという新たな謎も提供しました。またプーは、ドイツ軍の靴を履くのは危険だとゴルドがバストーシュを案じて靴を交換したこと、ゴルドが連れていた若い兵も負傷したとの証言があるとも話しました。マチルドは“ベルネーの件、3月までに片付ける”と綴ったブノワの手紙をプーに読ませますが、暗号は解けません。マチルドは真実を知るためにプーにビンゴへ連れて行ってもらいますが、既に戦争の面影はありませんでした。現地の人間は5人の死体を見たと話し、マチルドはまだ残っていた地下室を確認しました。
その後レストランで食事していると、マチルドらの会話に気付いた後ろの席の女性が新たな情報を提供します。女性の兄の戦友がマネクがMを掘る姿を見たこと、アホウドリに撃たれた後に全体の爆撃に遭ったが、“ある仏兵は2度救われたと”戦友が話していたと言うのです。更にその店でマチルドはティナが将校殺しの罪で死刑となったとの新聞記事を目にしました。

マチルドは収監中のティナと面会すると、似たもの同志だからとティナはこれまでの経緯を話してくれました。実は5人に特赦が降りたのに書類を捨てた連隊長、アンジュを虫けらのように撃った上司をティナは殺害しアンジュの敵を討ったのです。またティナは5人を看た看護兵から、ドイツ靴を履いて痩せた兵士を担いでいた兵士を見たとの情報も得ていました。マチルドがティナにアンジュのオルゴールを渡すと、中には“復讐は無意味だ。幸せになれ”との手紙が入っていました。その後ティナはギロチンで処刑されました。

【結】- ロング・エンゲージメントのあらすじ4

マチルドはティナが話していた背負われた兵士・デロシェルについて調べ始めると、5人の遺体のうち1体がビンゴの地下室にあったとの情報が届きました。続いてマチルドは、ブノワが書いた“肥料が高い”という内容の手紙が気になり再びブノワの村の教会に電話すると、ブノワには家畜がいたので肥料を買わないと告げられます。そしてこれまでの数々の情報からマチルドはひらめき、答えを導き出しました。

マチルドはある男が営む田舎の農場へ出掛けました。その男こそブノワでした。彼はマチルドが出した広告を見て、生延びた自分のもとへ憲兵が訪れることを恐れ、就寝中のマチルドを殺害しようとしたことがありました。でももう人は殺せないと、真実を語り始めます。
シ・スーとアンジュの死、マネクも撃たれたのを目撃した後、ブノワも爆撃に遭いました。目を覚ますと地下室の入り口を見つけ中に入ります。その後大勢の死者が出た機銃掃射で地下室の扉が壊れると、ゴルドが「バストーシュが死んだ」と嘆きながら降りて来て命尽きました。ブノワはゴルドが履いていたドイツ軍の長靴と自分の靴を替え、ゴルドの認識票を奪い彼になりきって地下室を出ます。そして息絶え絶えで生きていたマネクを助け、既に死んだデロシェルとマネクの認識票もすり替えたのです。そしてブノワは高熱でうなされているマネクを背負い、すれ違った兵士にデロシェルを病院へ連れて行くと伝えました。野戦病院へ着くとマネクはすぐに別の病院へ運ばれたため、ブノワはその後の消息を知りません。元々格納庫だった病院が直後に爆撃を受け、吊られていた水素燃料の飛行船が爆発しますがブノワは人々と反対方向に逃げ、命拾いをしました。その後家族と再会したブノワは、逃げるように人里離れた村に農場を買ったのです。

やがてマチルドはマネクがデロシェルとして生きているとの報せを受けます。しかし彼は記憶を失っていました。シルヴァン、ベネディクトらに付き添われ、マチルドはマネクのいる田舎へ向かいます。マチルドに起きた奇跡に「信じなくてごめんね」とベネディクトが涙しました。真っ白なドレスを着たマチルドは、何も覚えていないけど生きているマネクと念願の再会を果たし、「どうして泣くの?」と尋ねてきた彼をひたすらに見つめました。

みんなの感想

ライターの感想

非常に壮大な作品でした。そのうえ人物設定は細かく、ストーリーは緻密。ミステリーでありながらラブストーリーでもあり、そして戦争の悲惨さも描かれ、もう胸がいっぱいです。
ジュネ監督が不気味な表現が得意なこともあり、戦闘シーンはあまりのグロテクスさに目を塞ぎたくなりましたが、実際の戦場ではもっと悲惨だったのだろうと思うと、目を逸らしてはいけないと思わされました。戦時中の歪んだ思想により、味方さえも簡単に殺めてしまう無情さがとにかく苦しかったです。
残虐なシーンに対比して、マチルドとマネクの恋のあらましはすこぶるロマンチックでした。映像も美しい。そして真っ直ぐなマチルドも、愛のため復讐に燃えるティナもそれぞれの麗さがありました(涙)(オドレイ・トトゥとマリオン・コティヤールの共演だなんて夢のよう。更にはジョディ・フォスターも!)
ラストは明るい印象で終えていますが、マチルドの未来を思うと本当にハッピーエンドなのかと辛くなります。前向きなマチルドだからきっと大丈夫と思いたい…。嗚呼、戦争とは本当にむごいですね。

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