「夢二 愛のとばしり」のネタバレあらすじ結末

夢二 愛のとばしり:大正ロマンを代表する画家・竹久夢二。これまで誰も描かなかった夢二を巡る愛憎劇を彼の詩を添えながら官能的に綴る。
原作は野村桔梗の『竹久夢二のすべて』。JAPAN Film Festival LA 2015にて最優秀作品賞・最優秀主演男優賞をW受賞。2016年7月の公開作でR-15指定。

予告動画

夢二 愛のとばしりの主な出演者

竹久夢二(駿河太郎)、笠井彦乃<しの>(小宮有紗)、キヨ(吉村実子)、笠井宗重<彦乃の父>(加藤雅也)、たまき(黒谷友香)

夢二 愛のとばしりのネタバレあらすじ

【起】- 夢二 愛のとばしりのあらすじ1

明治43年(1910年)。大衆向けの美人画で一躍画家としての名を馳せた竹久夢二。自分が求める絵とは違う作品を描いたことにより、筆が進まない日々が続いていました。夢二と離婚するも彼のもとへ戻って来た内縁の妻・たまきは、長男・虹之助を授かるものの貧しい生活に辟易としています。
気分転換に海岸まで出かけた夢二は、通りかかった美女に声を掛けます。彼女はマツヨイ草が咲く場所を夢二に教えてくれ、彼女を気に入った夢二は“おしま”と呼び名を付けました。2人はその後も逢瀬を重ね、夢二はおしまのことで頭がいっぱいになります。しかし夢二が絵を描かないため家計はさらに厳しくなり、たまきは自分の着物を売って金にしていましたが、それも底をつきそうな状況でした。家を訪ねた夢二の父親は、見かねて虹之助を預かることを申し出ます。それでもマイペースな夢二に「もっと売れる絵を描いてください」とたまきは声を荒らげますが、芸術に口を出されたことに腹を立てた夢二に頬を叩かれました。夢二は泣き崩れるたまきの姿を淡々とスケッチしました。

夢二は家を訪ねて来た恩地幸四郎(夢二の作品の装幀を手掛けた作家)に、たまきと離れるために洋行したいと漏らします。しかしたまきがまた身籠ったため、夢二は大衆人気で商売すると決意しました。

【承】- 夢二 愛のとばしりのあらすじ2

大正3年(1914年)。夢二とたまきは家の1階に港屋絵草紙店という絵画店を開き、夢二の絵やデザインした商品を販売し生計を立てていました。店は夢二の作品や、色気のある夢二自身のファンの女性たちが訪れ繁盛しています。ある日自分の絵を見てほしいと画学生の青年(劇中では名前に触れていないが、のちの東郷青児)が訪ねて来て、夢二は友人としてなら絵を見ると返事をしました。青年の付き添いで来て店で待っていた娘・彦乃に「たまに店番に来て」とたまきが声を掛けます。2階から降りて店を出た夢二を見た彦乃は引かれる様に彼のあとをつけると、絵を見てほしいと懇願します。彼女もまた美術学校に通う身でした。夢二が突然彦乃の首元に口づけしたので彼女が呆気にとられていると、「おぼこいな」と夢二は言い残しその場を去りました。

家系に少し余裕の出来た竹久家では、乳母のキヨを雇い次男・不二彦の世話をさせています。また店を手伝うようになった彦乃も不二彦を可愛がりました。夢二は風景を描くため方々に出掛けることが増え、心の落ち着きを得ます。その分家は留守がちになり、ある日あの画学生が再び店に来ますが夢二は不在でした。夢二がいないため売る物が無いと嘆くたまきに画学生は、先生の模写ばかりしていると自分が描いた美人画をたまきに見せると、たまきは彼に艶っぽく詰め寄ります。たまきは店番をしていた彦乃に見せつけるように、画学生を2階の部屋へあげました。
久々に夢二が帰宅すると、たまきが若い男と歩いていたと噂されて困っているとキヨに報告されます。翌日画学生が買ってきたという白菊が店に飾られていて、夢二は彼がたまきの相手だと察しました。更に不二彦が「キヨのいない時にお母さんとお兄さんが寝ていた」と話したため、腹を立てた夢二は娼婦を買った宿にたまきを電報で呼び出します。そして彼とは何もないと否定するたまきを乱暴に抱きました。終わった後「こんなによくしてくれるなら他でしない」と呟いたたまきに夢二は激怒し、深夜に海岸へ連れ出します。殴ってたまきに傷を負わせた夢二に、たまきも襲い掛かり誰もいない海で2人は激しく揉み合いました。

【転】- 夢二 愛のとばしりのあらすじ3

夢二は画学生に絶縁状を突き付けます。気落ちしたたまきは、不二彦をよろしくと置手紙をして家を出ました。その後彦乃が絵を見てもらうために家を訪れ、夢二は無条件に素晴らしいと作品を褒めました。先生みたいに画家になりたいと夢を語る彦乃に、本当は詩人になりたかったのに生活のために絵を描いていると夢二は本音を聞かせます。それでも彦乃はあのような絵を描けて幸せだと言い、夢二は救われた気分になりました。それから夢二は家で彦乃に絵を教え始めます。ある時夢二は製作中の彦乃にちょっかいを出して彼女を怒らせると、後ろから抱きつきました。自虐的な発言をする夢二に、元々恋心を抱いていた彦乃は自分の操を捧げます。夢二は彦乃に猛烈な愛しさを感じ始めました。

しばらくして突然たまきが家に帰ります。3人目の子供を妊娠していました。彦乃の存在を知ったたまきは「あなたの子を産めるのは私だけ。他の女を愛するのは許さない」と夢二を威圧します。実は彦乃に許婚がいると掴んだたまきは、夢二の前で彼女に自白させます。父が決めた相手で一緒にはなれない、許して欲しいと彦乃は頭を下げますが、たまきは早く家に帰ればと不敵に笑います。家に居られなくなった彦乃は実家に戻ることになり、夢二は彦乃を“しの”と呼ぶことにしました。

大正5年。三男・草一が誕生します。嫉妬に狂ったたまきは、芸術のためにはしのが必要だから、嫁にもらって一緒に暮らそうと言い出します。恐怖を感じた夢二は逃げるように展覧会のために京都へ滞在することにしました。たまきはしのの父・宗重にも彼女を嫁に欲しいと申し出て、宗重の逆鱗に触れます。そしてたまきは2人の子供を置いて再び家を出ました。

【結】- 夢二 愛のとばしりのあらすじ4

大正6年1月。恩地が夢二の京都の滞在先に不二彦を連れて来ます。まだ赤子の草一はよそへ預けられました。その後しのは女子の先輩の下宿先で勉強すると宗重に嘘をつき、夢二との同棲を始めます。しのは不二彦の面倒もよくみて穏やかな時間が流れていきますが、夢二はしのをまた失うのではないかと不安に襲われていました。

大正7年3月。しのは体調を崩し寝込んでいました。そこへ宗重が迎えに来ます。宗重は夢二に手切れ金を渡したうえ、何なら援助してもいいとまで言って娘を連れ戻そうとします。夢二は「金はいらん。愛こそが全て」と泣きつきますが、宗重は夢二に土下座してしのを東京へ返すことにしました。家に戻ったしのはキヨ宛に手紙を出します。“パパさんが淋しがらないようお願いします”と。

絵など描けなくなった夢二のもとに、驚くことにしのが戻って来ました。しかし彼女の体調は悪化し、床に臥す生活が続きます。そんななか夢二の詩に曲を付けた『宵待草』が完成しました。(以前海岸で会ったおしまをテーマにした詩と言われている)
夢二は九州出張にしのを連れて行きますが、彼女は先生のそばで死にたいと言って温泉で吐血し倒れました。夢二は仕事をキャンセルし入院したしのに付き添いますが、病院に来た宗重に力づくで引き離されます。これを最後に夢二はしのとの再会は許されず、数年後しのは息を引き取りました。しのの死を知り落胆した夢二は彼女の幻影を見ます。(映画冒頭では、しのをモデルにした絵を見ている)そして2人の指輪を題材にした『手』という詩を書きました。

その後夢二は、モデルにしていた女性を“お葉”と呼ぶことにし、さらさらと筆を運ばせました。

みんなの感想

ライターの感想

メイン以外の人物や起きた出来事の詳細は語られず(かなり調べました…)、美術的な映像表現に拘っているように感じました。ちょっとした情景がとても官能的です。
愛の…より、欲望のとばしりという印象です。これほどまでに女性関係が濃厚だったとは…。夢二の代名詞でもある美人画が、彼の本望でではなかったことも知りませんでした。可愛らしい美人画だとずっと感じていましたが、この映画を観た後ではモデルが恍惚の表情をしているとしか見えなくなりました…。美術に詳しい知人が夢二の絵が嫌いと言っていたのですが、彼の女性遍歴を知っていたのでしょう。
役によって雰囲気がガラリと変わる駿河さんですが、今作では色香漂い、陰のある芸術家オーラが満載でした。嫉妬に狂うたまき役の黒谷さんの妖異な演技も迫力がありました。

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