「愛と哀しみの果て」のネタバレあらすじ結末

愛と哀しみの果ての紹介:1985年製作のアメリカ映画で、名匠シドニー・ポラック監督による歴史ドラマ。原作はアイザック・ディネーセンの自伝的小説「アフリカの日々」で、メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォードら実力派俳優が出演。20世紀初頭のアフリカをたくましく生きた女性の姿を描いていく。第58回アカデミー賞では作品賞を始め7部門を制した。

愛と哀しみの果ての主な出演者

カレン(メリル・ストリープ)、デニス(ロバート・レッドフォード)、ブロル(クラウス・マリア・ブランダウアー)、バークレー/マイケル・キッチェン

愛と哀しみの果てのネタバレあらすじ

【起】- 愛と哀しみの果てのあらすじ1

彼はサファリにも蓄音機を持参した。
3丁の銃と1ヶ月分の食糧。
そしてモーツァルトを。

一人の老婦人が過ぎた日々を書き綴る場面から物語は始まります。彼女の名前はカレン・ディネーセン。そして、彼女が思いを馳せていたのはデニスという男性で、遠く離れたアフリカの地で愛を分かち合った仲でした。

カレンはまずアフリカに旅立つに至った経緯をまとめ始めました。舞台はカレンの故郷デンマーク。外の世界を見たいと強く望んでいた貴族の娘カレンは、友人のブロルと形式上の婚姻関係を結び、1913年、東アフリカのケニアへと旅立ちました。カレンの家はこの地に農園を持っており、カレンは夫婦で酪農を経営したいと考えていたのです。

列車でナイロビに向かう途中、カレンは無作法なハンター、デニス・フィンチと出会いました。初老の年齢ながら若々しく爽やかな笑顔を見せるデニスは、カレンに強い印象を残しました。

その後、農園に着いたカレンはブロルとの結婚式を行いますが、周りの白人貴族の男たちはデンマーク人女性であるカレンを見下すような態度を取る者ばかり。おまけに、ブロルはカレンに無許可で農園でのコーヒー栽培を決めてしまい、夫婦関係は最初からすれ違ってしまいます。上流階級に嫌気をさしたカレンは、召使いや農園の作業員として雇った地元の先住民族との交流を深めていくようになります。

【承】- 愛と哀しみの果てのあらすじ2

そんなある日、カレンはデニスとの再会を果たしました。ライオンに襲われそうになったカレンをデニスが救ったのです。この再会をきっかけに、カレンはデニスと親友で商人のバークレーと過ごす時間を楽しむようになり、カレンはデニスの自由に生きる姿に、デニスはカレンのたくましさと賢さに次第に惹かれていきました。デニスに気持ちが揺れる一方で、カレンにはブロルを愛する気持ちもあり、彼との子どもを望むようになっていました。

そんな中、第一次世界大戦が勃発し、アフリカにいるヨーロッパの貴族だけでなく、先住民族までも戦争に動員されることが決まります。カレンが愛する二人の男、デニスとブロルは出兵し、カレンは孤独と忍耐の日々を過ごすこととなりました。

戦争が膠着する中、遠く離れた地にいるブロルからカレンに伝言が届きました。それは、街にいる白人に食糧を届けさせるよう手配しろという内容でした。しかし、届け先のナトロン湖は奥地にあり、地理に詳しくない白人には困難な道程でした。カレンは先住民族の召使いたちの協力を得て、自ら食糧を運搬することを決めます。

険しい荒野を進んでいたある日、カレンは従軍中のデニス、バークレーと偶然出会います。そこでカレンはデニスから愛用のコンパスを贈られ、旅のアドバイスを受けました。その後、カレンら一行はライオンに襲われるハプニングに見舞われますが、カレンは勇敢にライオンと対峙。この一件で牛を一頭失ってしまったものの、その後ボロボロになりながらもカレンらは見事食糧を軍に届けることに成功します。カレンは久しぶりにブロルと夫婦の会話を楽しみますが、ブロルはコーヒー農園経営をやめると言い出しカレンを失望させてしまいます。

その後、街に戻ったカレンは謎の体調不良に苦しみました。診断結果は梅毒、ブロルから感染したものでした。カレンはヒ素投薬による辛い闘病を決意し、デンマークへの帰国を決めます。カレンは母国で過ごす間もアフリカでの日々に思いを馳せ、自分が異邦人であるかのような感覚に陥っていました。

カレンの容体は快方に向かいアフリカに戻ることが決まりました。しかし、カレンは子どもが産めない体になってしまっていたことに深く傷ついていました。その悲しみを忘れさせるかのように、カレンはアフリカに戻ると召使いや農園の人々に温かく迎えられました。そして、時を同じくして戦争は終結、街はお祭り騒ぎとなりました。そんな中、カレンはデニスと再会しますが、どこかよそよそしい態度を取ってしまいます。

【転】- 愛と哀しみの果てのあらすじ3

その後、コーヒー農園の経営が順調に進み、カレンは先住民族の子どもたちのために学校を設立しました。しかし、デニスからは先住民族には知恵があり、小英国人にするようなことはすべきではないと指摘されてしまいます。カレンはこの言葉に怒りを覚えつつも、デニスと口づけを交わしてしまいます。デニスへの愛が次第に強くなる一方で、カレンとブロルとの仲は完全に冷めきっていました。

その後、コーヒーの値下がりが農園経営に悪影響を及ぼし始め、カレンの気持ちも次第に落ち込んでいきました。そんなある日、カレンが家に戻るとデニスが蓄音機でモーツァルトを流していました。サファリの仕事を始めようと考えているデニスは、「あの自然を君も見ておくべきだ」と言って半ば無理やりにカレンをサファリに連れ出しました。

道中ハプニングはあったものの、美しいアフリカの風景とデニスが語るアフリカの話にカレンは徐々に笑顔を取り戻していきます。ある晴れた日、カレンが洗髪に手間取っているのを見かねて、デニスがカレンの髪を洗い始めました。髪をよく泡立て、ゆっくりと優しく水で洗い流すデニス。カレンはデニスに微笑み、デニスもまた優しい微笑みを返すのでした。

カレンは梅毒であったことを告白し、今の自分にとって農園と学校がすべてとデニスに心境を吐露しました。デニスはその言葉を否定し、さらにサファリの奥深くへとカレンを連れて行きました。ライオンの襲撃を撃退し、さらに絆を深めた二人はある夜、情事に及びました。家に戻った後もカレンはデニスとの関係を続けていきますが、デニスがハンターの仕事で不在がちになること、そして何よりも気まぐれで自由なデニスの性格がカレンを不安な気持ちにさせていました。

そんなある日、重い病のためにバークレーがこの世を去りました。葬式に行くと、バークレーの恋人の先住民族の女性がただ葬式を眺めている様子をカレンは目にしました。バークレーに心から愛されながらも、参列を許されなかった女性の姿を、カレンは複雑な表情で見つめていました。

同じ頃、ヨーロッパ人の流入によりアフリカは大きな転換期を迎えていました。そうした時代の中にあっても、カレンは外の世界には目を向けずただ自分がある世界に没頭していました。そんなある日、農園の近くに一台の飛行機が着陸します。操縦していたのはデニスでした。デニスはカレンを乗せアフリカの大地を見渡す旅へと出かけて行きました。雄大な山、海、川、そしてそこで息づく動物たちの姿に深い感動を覚えるカレン。デニスとの仲はより一層深いものとなり、学校経営についても長老の後押しが得られ、カレンは公私ともに充実した毎日を手に入れました。

カレンはブロルとの離婚を進め、デニスに結婚したいと伝えました。しかし、デニスは「紙切れ一枚で関係が深まるわけじゃない」と返答し、今のままの自由な関係と孤独な時間を持ち続けたいという考えをカレンに示しました。この一件をきっかけに二人の仲はすれ違うようになってしまいます。

【結】- 愛と哀しみの果てのあらすじ4

一方、コーヒー農園は順調に売り上げを伸ばしていたものの、突然の火事でカレンはすべてを失ってしまいます。カレンは帰国せざるをえなくなり、雇い入れていた先住民族の移住先を急いで探さなければいけなくなりました。そこでカレンが向かったのは、新たに赴任したケニアの総督の元でした。

「女に過酷なこの地では騎士道が健在です。お力にすがるしか。すべてを失ったものは物ごいも平気です」。上流階級の人々で賑わうパーティで跪き総督に移住先の検討を頼み込むカレン。そこにデニスも加勢し、カレンの請願は総督の夫人の心を動かすことになります。

移住先の話もまとまり、カレンがやるべきことは帰国の準備だけとなりました。家財道具を整理し、愛すべき召使いたちとの別れを済ませ、カレンは何もなくなった屋敷で一人夕飯を食べていました。すると、そこにデニスがやって来ました。デニスはカレンとの出会いで孤独を愛する気持ちを失ってしまったこと、そして最後にカレンをモンバサまで飛行機で送りたいことを伝えてきました。カレンはデニスの申し出を受け入れ、空っぽの屋敷の中でデニスとダンスを踊り穏やかなひと時を過ごしました。

しかし、約束の日にカレンの前に現れたのはデニスではなくブロルでした。ブロルはデニスが墜落事故で亡くなったことをカレンに伝えました。涙を流すことなく平静な様子を見せたカレンでしたが、デニスの葬式ではその頬に一筋の涙がつたっていました。

「神よ、デニスの魂をお返しします。地にあった彼は私たちに喜びをもたらし深く愛されました。彼は誰のものでも、私のものでもなかったのです」。カレンはデニスの棺の前でそう語り終えると、足元の土を持って葬式を後にしました。その後もカレンはアフリカの人々に愛され続け、かつてカレンを蔑んでいた上流階級の人々からも尊敬を集めるようになっていました。

帰国後、カレンの元にアフリカの友人から一通の手紙が届きました。

夜明けと日没にしばしばデニスの墓にライオンのがいるとのこと。
雄と雌のライオンが長いこと墓に立ったり寝そべったりしていると。
あなたの帰国後、墓の周辺は地ならしされ台地となりました。
ライオンには格好の場所なのでしょう。
そこからは平原が見渡せ、獲物がよく見えるのでしょう。

カレンはその手紙を読み終えると、「デニスが喜びそうな話だ。忘れず伝えよう」と感想を漏らしました。

カレンは1934年、I・ディネーセンの名で文壇に登場、アフリカへ戻ることは生涯ありませんでした。

みんなの感想

ライターの感想

臨場感溢れるアフリカの雄大な自然と、それに引けを取らない主演俳優の演技力に魅せられる作品です。カレン役のメリル・ストリープはたくましさの中に弱さを垣間見せる繊細な演技を披露し、デニスを演じたロバート・レッドフォードは一匹狼のハンターになりきっていました。特に印象的なのは、毎回デニスがかっこいい登場の仕方をしていたことです。当時50歳前後の年齢ながら、ロバート・レッドフォードのかっこよさが実感させられる作品でした。

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