「無伴奏」のネタバレあらすじ結末

ラブストーリー

無伴奏の紹介:2016年公開の日本映画。直木賞作家、小池真理子の半自伝的小説を若手実力派キャストの共演で映画化。学生運動華やかなりし1969年の仙台を舞台に、クラシック音楽の流れる喫茶店で2人の青年と出会った女子高生が、恋を経験して大人の女性に成長してゆく。

この映画を無料で観る

予告動画

無伴奏の主な出演者

野間響子(成海璃子)、堂本渉(池松壮亮)、関祐之介(斎藤工)、高宮エマ(遠藤新菜)、堂本勢律子(松本若菜)、レイコ(酒井波湖)、金沢樹理〔ジュリー〕(仁村紗和)、野間秋子(斉藤とも子)、千葉愛子(藤田朋子)、野間幸一(光石研)

無伴奏のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①学生運動が盛んだった1969年、高校生だった響子は親友と共に制服廃止委員会を立ち上げた。やり場のない思いをぶつけるためだったが甘かったと認識した響子は、同じ頃に知り合った大学生・渉と恋に落ちる。 ②渉と深い関係になった響子だが、渉は幼馴染みの裕之介と男同士、愛し合っていた。恋人・エマを殺して裕之介は逮捕され、渉は悲しんで自殺した。

【起】- 無伴奏のあらすじ1

〝僕は二十歳だった。
それが人生でもっとも美しい
ときだなんて誰にも言わせない。
何もかもが
若者を破滅させようとしている。
        ポール・ニザン〟

1969年4月、宮城県仙台市。
女子高校に通う高校3年生の野間響子は、親友のジュリーとレイコと共に、制服廃止斗争委員会を率いていました。制服などというくだらない規則に我々は囚われているのだと、声高に叫びます。
地元の大学でも反帝学部のヘルメットをかぶった大学生たちが学生運動をし、その当時、日本中が学生運動で揺れ動いていました。
響子はみんなにゲバルト・ローザ(女性闘士という意味)と呼ばれ、本人もその気になっていました。ただ実のところ響子は内心では「ベトナムも沖縄も安保も、どうだっていい」と思っていました。そういった日本の「嵐」の中に自分を駆り立てていないと、発狂しそうだという思いがあったから活動したまでです。
響子はいっぽうで、路地で名もない学生が売る詩集を見ると買いあさる癖がありました。
学校帰りのある日、ジュリーとレイコと連れ立った響子は、路地で『篝火(かがりび)』という100円の冊子を買い求めます。
その後、響子はバロック喫茶『無伴奏』に足を運びました。クラシック音楽が流れ、壁にはもたせかけた客の頭の痕が残るような古びた店です。
席は二人掛けの一方向を向いていました。ジュリーとレイコが一緒に座り、響子はその前の席に座ります。
そこに男子大学生の堂本渉(どうもと わたる)、関裕之介(せき ゆうのすけ)と女子高校生の高宮エマがやってきました。渉は喫茶店の入り口にある黒板に『パッヘルベル カノン』と記入します(黒板に書くと曲のリクエストになる)。
裕之介とエマはカップルで、いっしょの席にべったりくっついて座ります。
あぶれた渉が2人の隣に座りました。必然的に、響子の隣の席になります。
『篝火』を持った響子に、渉は「そんなもの買うんだ」と声をかけました。その冊子を書いた人物は渉たちと同じ大学の生徒で、渉たちは「さぞかし毎日楽しんでるんだろうな」と評します。
響子自身も詩を書きつけることがあったので、自分の中の甘い部分を突きつけられた気がしました。しかし不快には思いません。先述のとおり、響子は自分がよく分かりもしないくせに学生運動まがいのことをしている自覚があったからです。

その日、帰宅が遅くなった響子を父・幸一が叱りました。父方の叔母・千葉愛子がなだめます。
響子には父・幸一、母・秋子、妹の四人家族でしたが、父の仕事の都合で翌日、転勤が決まっていました。いつもならば響子も父の転勤についていくのですが、響子が受験学年であることと、私立の進学校に通学していることもあり、今回だけは響子は残ることになっています。
家には叔母の愛子が移り住むことが決まっていました。響子は家族と離れて暮らす寂しさよりも、親から離れて暮らせる喜びのほうが勝っています。
叔母の愛子は響子たちが住んでいた一軒家に引っ越してくると、ピアノ教室を始めました。もっとも教室は昼間に行なっているので、響子の生活にあまり影響はありません。
愛子が食事や身の回りの世話もしてくれるので、響子は不便を感じませんでした。
翌日、駅のホームで両親と妹を見送った響子は、学校の講堂でアジテーション(煽動行為)をおこない、早速、自宅謹慎になります。 この映画を無料で観る

【承】- 無伴奏のあらすじ2

1969年、6月。
響子は見よう見まねで大学生たちにまじり、闘争をしてみます。ところが実際にやってみるとデモは激しいものでした。
デモの後に『無伴奏』に行った響子は、ひとりで煙草も吸ってみます。
「私は感情の血を流すように生まれついている。決して肉体の血は流さないと…」と打ち込んだところで、響子の口から血が出ました。デモの時に負傷したのです。
やはり自分は甘かったと認識した響子は、以来、制服廃止運動も中途半端なまま放置しました。
その日に渉、裕之介と再会した響子は、話しかけられて楽しい気分になります。
名前を聞かれた響子は、喫茶店の使い捨ての紙製のコースターの裏側に「野間響子」と書きました。響子という漢字を聞かれることが多いので、書いて教えたのです。
渉と裕之介は響子の文字の両横に、それぞれ自分の名を記して自己紹介しました。渉は有名な和菓子屋の息子ですが、父親と不仲で、現在は家を出て裕之介の家に転がり込んでいるそうです。
渉と裕之介は同じ大学で、幼い頃からの腐れ縁でした。
エマがやってきて、響子を見て「渉さんの恋人ね」と言います。響子はまんざらでもありません。
裕之介がエマと店を出ていき、残った渉と響子は川べりを歩いて帰りました。「ワルぶらなくても君は充分可愛い」と渉に言われた響子は、その言葉を素直に受け入れられます。
「一生かかっても貫き通せるものって何かしら」と質問すると、渉は「人を愛していくってことじゃないかな。人と人の愛がなくて、革命なんて起こせない」と答えました。
渉の答えが気に入った響子は、帰宅してノートに書きつけると、家に飼っていた文鳥を放しました。渉に好意を持ちます。
響子は裕之介と渉の住む茶室に案内されました。裕之介は自宅の茶室を自室にしています。
煙草を買いに行った響子は、道すがらエマから渉の過去について聞かされます。
渉がまだ幼い頃、母が首吊り自殺をしました。その第一発見者が渉と渉の姉・勢津子で、姉弟の仲はよいのですが、父親との関係は悪いと聞きます。
裕之介は響子と渉がいるにもかかわらずエマといちゃつきはじめ、2人を追い払いました。
渉は響子を送り、キスします。
その頃、同級生のレイコが退屈だったからという理由で自殺未遂をしました。見舞いに行った響子は理由を聞き、なんとなく共感します。響子たちは退屈なので制服廃止運動などをしていたのです。
しかし響子には「渉との恋愛」という生きがいができました。響子と渉はどんどん親しくなり、思いを寄せ合うようになります。

夏、裕之介、エマ、渉、響子の4人で海に行きました。4人は海水浴を楽しみます。

【転】- 無伴奏のあらすじ3

動物園に誘われた響子は、そこで姉・勢津子を紹介されました。初めて2人だけのデートなのに(それまでは裕之介とエマが一緒にいた)姉・勢津子を連れて来たことや、姉・勢津子が美しいこと、デートなのに渉が響子よりも勢津子に気をかけているのを見て、響子は嫉妬します。
渉が本当に好きなのは姉・勢津子なのではないかと、響子は疑いました。そのくらい、姉弟は親密でした。
響子の部屋に渉がやってきた時、渉が響子を押し倒そうとします。それを止めた響子は、思い切ってその疑問をぶつけました。
その時、響子宅に裕之介から「姉・勢津子が自殺未遂をした」という電話がかかります。幸い傷は浅く、命に別条はないとのことです。
渉は、姉・勢津子が恋人と別れて東京から帰ってきたばかりだと言い、傷心の姉を心配していたことを説明しました。
響子の疑い「姉・勢津子と弟・渉は愛し合っているのではないか」という疑問は、まったくの誤解でした。

病欠で休んでいた響子のところへ、ジュリーが見舞いに来ました。ジュリーは一浪覚悟で東京の美術大学を受けるつもりだそうです。
制服廃止委員会はうまくいかなかったことを話し、ジュリーは家を去りました。

1970年1月。
入試要項を焼いていた響子を父・幸一が訪れ、大学に行く気があるのかと平手打ちします。
予備校の講習にも行かず、学校も早退と欠席の繰り返しをしていた響子は父・幸一に叱られ、愛子がとりなしました。
叔母の愛子は響子の味方をしてくれます。響子に恋人ができているらしいと気づいている愛子は、父と娘の間を必死に取り持ちました。

喫茶店『無伴奏』で渉が風邪を引いていると裕之介から聞いた響子は、見舞いに出かけます。そこで初めて渉と響子は結ばれました。
しかし響子は、初体験の一部始終を裕之介が覗いていたことを知り、ショックを受けます。裕之介のことを不気味に思い、なぜ覗いていたのか混乱しました。
その後、響子も風邪で寝込みます。何度も渉から電話がかかったと、愛子から聞かされました。

響子は結局大学には受からず(受けていないのかも)、浪人が決定します。
卒業式。最後の活動とばかり、響子、ジュリー、レイコは卒業式反対のデモを起こしました。

1970年、6月。
響子は予備校に通っています。勉強もしながら、渉との交際も順調でした。
初体験以来は、いつも2人で肌を重ねるのは安旅館です。
見られてから、響子は裕之介のことをどこか信用ならない人物だと思い、渉に「どこかアパートを借りてよ」と訴えます。

【結】- 無伴奏のあらすじ4

1970年、8月。
今年もまた裕之介、エマ、渉、響子の4人で海へ行きました。
響子はその帰り、渉に「今度の土曜、うちに来て」と誘います。その日は叔母の愛子が旅行で留守にしているのです。
その日、夕方から待っていた響子は、夜になって雷鳴が轟き始めても渉が来ないことを心配し、裕之介の茶室に迎えに行きました。そこで、裕之介と渉が身体を重ねているところを目撃します。
驚いた響子はその場から逃げ、見られたことを知った渉が追いかけて、家まで来ました。

渉が心の底から好きだったのは、実は裕之介でした。いつぞや姉・勢津子と渉との仲を邪推した響子ですが、渉が「誰か自分以外の者を真に愛している」という直観は間違いではなかったのです。
渉と裕之介は2年間一緒に暮らしていますが、今まで一切肉体関係はありませんでした。お互いに惹かれているものの、同性愛は駄目だと互いにセーブしていました。
まず裕之介が恋人・エマを作り、そして渉にも響子という恋人ができました。
響子は渉に「今までの中で一番好きな『女性』」と言われます。
裕之介と渉の関係を知った響子は動揺しますが、これからの関係を決めるのは君だと言って渉は去りました。響子は悩んだ後、見なかったことにします。
いっぽうで「プラトニックという言葉はまやかし」と、2年間裕之介と渉に何も関係がなかったからといって、許されるわけではない、むしろプラトニックという関係こそ、精神の深いところで繋がりがあっていやらしい…と思いました。

1970年、10月。
響子は少しでも渉の気持ちを引こうと、男装したりもします。
裕之介と渉の関係を、エマは全く知りません。響子も言いません。
エマが裕之介の子を妊娠しました。妊娠3か月の終わりで、エマは裕之介と結婚して2人で暮らす夢を思い描いています。
響子は内心複雑ですが「協力するわ」と言いました。渉は無言です。

1970年、12月。
表向きは、裕之介はエマと幸福そうな関係を築いていました。しかし裕之介が本当に愛しているのは渉です。
響子はある日、渉の姉・勢津子から電話を受けました。エマが殺されたという知らせです。
エマを殺したのは裕之介でした。
岩手県へ2日間逃亡した後、裕之介は渉のところへ戻ってきました。そして渉の目の前で、警察官に捕まります。渉は裕之介をかばおうと、逮捕の瞬間、必死で「殺したの僕です」と言いながら警官にしがみつきます(警察も嘘だと分かっているので、相手にしない)。

裕之介が逮捕された後、渉は姿を消します。響子はある程度、想像がついていました。
渉は外出先から響子に電話をかけ、「裕之介と2人でエマを殺す話をしていた」と告白しました。渉は冗談だったのですが、裕之介はそれを実行してしまったのです。
「彼の罪は、僕の罪だ。これは僕らの宿命なんだ。君は…僕が愛した初めての女性だった」と言って、渉は電話を切りました。
電話を切った渉は海辺にスケッチブックを置き、海に入って入水自殺します。

渉の家に線香をあげにいった響子は、勢津子と会いました。勢津子は遺書らしきものはなかったと言い、スケッチブックに描かれていた最後の1枚である、渉自身の自画像を響子に渡します。
そこには渉の顔とともに、隅に「これでゆっくり眠れる 渉」と書かれていました。
勢津子は「渉が逮捕の瞬間、裕之介をかばったのよ。どうしてだと思う?」と響子に質問します。響子はその答えを知っていましたが、勢津子には告げませんでした。

1971年、3月。
響子は東京へ旅立つことになりました。荷造りを終え、家を出ます。
喫茶店『無伴奏』に立ち寄った響子は、店内にパッヘルベルのカノンが流れたのを聞き、店を出ました。

関連する映画

ラブストーリー

みんなの感想

ライターの感想

原作は現在から過去の回想に入る展開だが、映画では1969年と1970年のみ。
内容的にはほぼ原作どおり。
多感な時期の女子高校生の思いは、よく描けていると思う。
但し…すみません、時代背景などは、私、この時期には生まれてないのでいまいち理解度が足りないと思う。ので、ノーコメントで。
同性愛ものが好きな人にとっては、たまらない一品なのかな。
注意して見ていると、裕之介と渉のいびつな関係は初期のほうから感じ取れるので、意外な感じではない。むしろ納得。

映画の感想を投稿する

映画「無伴奏」の商品はこちら