蛇にピアス

「蛇にピアス」のネタバレあらすじ結末

蛇にピアスの紹介:史上最年少で芥川賞を受賞した金原ひとみのデビュー作を蜷川幸雄が映画化。身体を加工することでしか自己の存在を信じることが出来ない不器用な若者たちを、まだ無名だった吉高由里子、高良健吾がオールヌードで挑んだ話題作。

映画「蛇にピアス」のネタバレあらすじを結末まで解説しています。まだ映画を観ていない方は「蛇にピアス」のネタバレあらすじに注意ください。

予告動画

蛇にピアスの主な出演者

ルイ(吉高由里子)、アマ(高良健吾)、シバ(ARATA)、ヤクザ(小栗旬、藤原竜也)、警察官(唐沢寿明)、刑事(市川亀治郎)、ルイの友人(あびる優)

蛇にピアスのネタバレあらすじ

【起】- 蛇にピアスのあらすじ1

JR渋谷駅周辺を、あてもなくさまよう19歳の女性・ルイは、ある夜に入ったバーで、アマという男と出会います。
アマは赤い髪のモヒカン刈りをした男で、耳はもちろんのこと、くちびるの周辺や左眉に多数のピアスを刺していました。
さらに腕に龍の刺青(いれずみ)を入れています。
アマはスプリットタンの持ち主でした。スプリットタンとは「蛇の舌」で、その名の通り舌の先が割れています。
舌にピアスを刺して徐々にその穴を大きくし、最後に糸で縛って先を切ると、スプリットタンができあがります。
「君も身体改造してみない?」
煙草を舌で挟んで言ったアマのこの言葉に、ルイは反射的に頷いていました。ルイが特に興味を抱いたのは、スプリットタンと刺青でした。
その日のうちにアマと抱き合ったルイは、そのままアマの家で暮らし始めます。
アマの紹介で、ルイは刺青店を経営する若い男・シバと出会いました。シバはスキンヘッドで後頭部に竜の刺青を施しており、眉間や耳に動物の牙のようなピアスを刺しています。
シバの店で、ルイは舌ピアスを開けてもらいました。焼き肉でミノの次にタンが固いくらいなので、耳に比べると舌ピアスは痛いと言います。
ガーゼを舌の下に入れて固定し、紫のマーカーで印をつけ、鍼のような器具でピアスを入れました。その瞬間、ルイの目に涙が滲みますが、さほどルイは痛がりません。
それを見たシバは「痛いの強いんだね」と言いました。粘膜に入れると気絶する人がいるほどの痛みらしく、女の方が痛みに強いらしいとシバは言いました。
スプリットタンに対し「面白いと思うがしない」と答えたシバは、「人の形を変えるのは神だけだと思っている」と言い、何かあれば連絡してくれと、アマに内緒で電話番号をルイに教えます。
「お前の顔見てるとSの血が騒ぐ」とシバは言いました。「Mだから、オーラ出てるのかな」とルイは返しました。ルイはシバのことを、笑顔が歪んだ人だと思います。
舌ピアスの太さは号数があり、号数が低いほど大きなサイズになります。ルイは待ち切れず、少しずつ穴を拡張していきました。
ピアスの穴を拡張するたびに痛みを感じますが、それをルイは心地よいと感じます。

【承】- 蛇にピアスのあらすじ2

ギャル仲間(但し、ルイは自分がギャルと思われるのは嫌い)の友人女性・マキにアマを紹介した夜、アマとルイとマキは3人で呑みに行きました。
帰り道、チンピラヤクザの2人組・横山と吉田が、路上でマキとルイの値踏みを聞こえよがしにします。さらに横山と吉田は絡んできました。
キレたアマが殴り始めます。吉田は途中で逃げますが、アマは横山を袋叩きにしました。マキに逃げてもらったルイは、アマを制止し、2人で逃亡します。
アマはルイに「ルイのかたきを取ってやった」と言って、チンピラの歯を2本渡しました。「これも一応、俺の愛の証」と言います。
帰宅したルイは、2本の歯を洗ってポーチにしまいました。
アマは、一度殺したいと思うと自分をコントロールできないと言います。アマをあやしたルイは、互いが未成年だと知りました。
ルイはアマに名前を聞きますが「アマデウス。アマが苗字で、デウスが名前」とアマは茶化しました。ルイも「ルイ・ヴィトンのルイ」と返します。
アマとルイは抱き合って愛し合いながらも、互いのことをそれ以上知ろうとはしませんでした。
ルイは舌ピアスを拡張しながら、刺青も考え始めます。気に入ったデザインがあるかと言われ、デザインは龍がいいと答えました。
シバには後頭部以外に刺青があるのかと聞いたルイは、シバに身体の刺青を見せてもらいます。
シバの背中には龍の刺青、前には猪鹿蝶(いのしかちょう 花札)の刺青、そして腕には麒麟が舞っていました。
ルイは「アマの腕にある龍」と「シバの腕にある麒麟(きりん)」の組み合わせを希望します。
代金は「エッチ1回」と答えたシバに対し、ルイは身体を許しました。首を絞めるシバは、ルイの苦しむ顔を見て「すげえ勃つ」と言います。シバは「男でもいけるクチ」と言いました。シバは太腿にも刺青を入れています。
深夜にニュースを見たルイは、先日アマが殴った相手が指定暴力団の組員で、死亡したことを知りました。逃げた男の特徴として「20代半ば」「身長は175センチから180センチ」「赤い髪、細身で上下とも黒っぽい服」と聞いたルイはコンビニに走り、毛染め剤を購入します。
帰宅してアマを起こすと、ルイは赤い髪を栗色に染め直しました。そして長袖着用を義務づけます。
シバから、デザイン画ができたと連絡が入りました。アマとルイは見に行き、ルイはそのデザインに決めます。

【転】- 蛇にピアスのあらすじ3

刺青を彫る前日はアルコールを摂るな、睡眠をたっぷりとれ、と指示されたルイは、いよいよ刺青を入れてもらいます。その際、ルイはシバに画竜点睛を引き合いに出し、龍と麒麟には目を入れないでくれと頼みました。
ライン彫り、色つけ、その度にルイはシバに身体を任せます。アマとの優しいセックス&生活に浸りながらも、危険なシバとのサディスティックなセックスにも、ルイは魅力を感じていました。
ルイは、「私のために人を殴り殺したアマデウス」と「強い殺意を持った神(人に手を加える意)の子」のどちらかが、いつか自分を殺すことがあるだろうかと思いを馳せます。
アマはルイに首ったけで、独占したがります。子供っぽい独占欲です。
刺青が完成したルイは生きる活力(目標)を失い、酒浸りの生活を送るようになりました。アマは痩せていくルイに「自殺する時は、絶対に俺に教えろ。誰かがルイの命を左右するなんて考えられない」と言います。
シバからルイに電話がありました。シバの店に警察が来て、刺青の顧客リストを提出するよう言ったのです。シバは「9月頃、何か問題起こしたか」とアマのことを聞きますが、ルイはしらを切りました。
次の日、ルイを呼び出したシバは、俺と結婚しろと言い出しました。そしてお手製の指輪をプレゼントします。右の人差し指全体を覆う指輪で、関節を曲げられるように作られていました。
その夜、アマは帰宅しませんでした。
翌日、ルイは近所の派出所に捜索願を出そうとして、アマの本名すら知らないことを思い知らされます。慌ててシバに聞きに行きますが、アマの名前も勤務先も知らないルイは不安を覚えました。
シバが警察署まで同行し、そこで初めてルイはアマの本名が雨田和則と知ります。バイト先はシバの紹介した古着屋でした。
普段どおり昨日は勤務した後、今日は無断欠勤していると、バイト先から知らされます。シバはルイに付き添って一緒にいました。
シバの携帯に連絡が入りました。横須賀で似たような遺体が発見されたので、身元確認に来てくれというものです。
遺体はアマでした。死因は首を絞められたことによる窒息死ですが、全身にタバコの火を押し付けられた痕があり、手足の指の爪は全部綺麗に剥がされています。さらにペニスには線香みたいなものが挿してありました。

【結】- 蛇にピアスのあらすじ4

葬式に出たルイは、捜査が進んでいない警察を責めます。
アマの死に打ちのめされているルイを、シバは自分の家に連れていき、甲斐甲斐しく世話を焼きました。シバはルイを抱こうとしますが、首を絞めてもルイが苦しい顔をしなくなったので、無理でした。
シバは自分の本名が柴田キヅキと名乗り、ルイにも本名を聞きます。ルイは中沢ルイ…と答えながら、もっとアマと普通の会話をしておけばよかったと悔いました。
警察からルイに連絡が来ます。警察は、アマの遺体を損傷したタバコの銘柄がマルボロのメンソールで、ペニスに入れられた線香はアメリカ輸入のエクスタシーという関東限定の商品だと言いました。
さらに刑事は、アマにバイセクシャルの気はないかと訊きます。「ノーマルだった。レイプされてたのか」というルイに、刑事は無言で答えます(イエスという意味です)。
帰宅したルイは、シバの戸棚にエクスタシーのお香を見つけました。シバはマルボロのメンソールを吸っています。
ココナッツのお香を買ってきたルイは「ムスクの香りは嫌い」と言い、ルイに「髪の毛を伸ばして」と頼みました。
その夜、ビールを呑みつつアマがいつかくれた「愛の証」である歯2本をワインボトルで砕いたルイは、それを飲み込みました。「愛の証」を飲み込むことで、ルイの一部となったのです。
翌日、ルイはシバに龍と麒麟の刺青に目を入れてもらいました。目を入れてもらうことで、ルイ自身が初めて「生(生きる意味)」を持ちます。
鏡を見ながらルイは、もうだいぶ大きくなったピアスの穴にテグスを通し、引っ張ります。穴は更に広がりました。もう少しでスプリットタンになりそうです。
穴の開いた状態で水を飲んだルイは、「私の中に川ができた」と思いました。
(アマを殺したのはシバ。ルイを本気で愛するようになったシバは、アマを殺すことでルイを自分のものにした。
元々アマとシバは身体の関係があったものと思われる。
但し単なる嫉妬で殺害したというのではなく、シバはアマにも愛情を抱いていたのではないか。
その究極の行為が「殺す」という形になったのではないかとも考えられる。
ルイがお香を隠し髪型を変えるようにしたのは、シバを逮捕させたくないから。
ひとりになることが怖いのと、生きる意味を与えてくれたシバを失いたくない思いから)

みんなの感想

ライターの感想

ほぼ原作どおり。文学的な感覚もよく出ていると思う。
R指定があるとおり、吉高由里子は全裸でベッドシーンを披露しているし、高良健吾もぱっと見た目ではそれと分からないくらい変貌(?)していて驚いた。
かなり完成度の高い作品。
原作でもそうだが、シバがアマを殺した理由については一切触れられない。
あらすじに書いたとおり、
・ルイのことが好きになったので、アマから奪いたかった(アマが邪魔になった)
・シバはアマも愛していた(シバなりの愛情表現)
両方ともあるんじゃないかと思う。劇中のアマの子どもっぽさからして、ルイをシバが奪おうとすると、揉めるのは必至。
シバはアマもルイも両方とも欲しかったのではないかと思う。
「ルイ(女性)とは婚姻関係を結ぶことで社会的に独占できる」ことに対し、同性のアマとの絆を求めた結果「殺すという形で、究極の愛の証を示した」のではないか。
本編ならびに原作でも出ている「殺す」という行為は、相手を自分のものにする…ということからも、想像できる。
ルイもそれに気づいたからこそ、「愛の証(歯)」を飲む行為によってアマへの思いを昇華し、刺青に目を入れることで自分なりの生きる意味を見出そうとしたのだと思う。

    ゆらさんの感想

    この作品とても好き。

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