「シャニダールの花」のネタバレあらすじ結末

SF映画

シャニダールの花の紹介:若い女性に寄生するミステリアスな花”シャニダール”に翻弄される人々の仄かで淡い想いを描いた、2012年公開のロマンチック・SF。監督/脚本は「狂い咲きサンダーロード」「蜜のあわれ」の石井岳龍(石井聡互)。共同脚本は「ノーライフキング」「櫻の園」のじんのひろあきと「文豪の食彩」の田中智章。美術は「ライチ☆光クラブ」の橋本創、特殊造形は「Dressing UP」の喜多聰、VFXスーパーバイザーは「生きてるものはいないのか」の岩谷和行。音楽は石井監督作品でおなじみの勝本道哲。

予告動画

シャニダールの花の主な出演者

研究員大瀧(綾野剛)、セラピスト美月響子(黒木華)、ハルカ(刈谷友衣子)、その母(曽木亜子弥)、ミク(山下リオ)、ユリエ(伊藤歩)、研究所所長吉崎(古舘寛治)、神西大学教授(志賀廣太郎)など。

シャニダールの花のネタバレあらすじ

【起】- シャニダールの花のあらすじ1

-オープニング-
「花の始まりは謎に包まれている。恐竜が栄華を誇った時、彼らに食い荒らされた植物たちは、絶滅を逃れるために花を生んだという説がある。花と種で小型化し、分散化した植物の進化は、恐竜の餌を激減させ、逆に彼らを絶滅に追い込んだ。花が恐竜を滅ぼしたのだ…」

シンオウ製薬株式会社のシャニダール研究所。シャニダールとは新薬開発のために極秘に研究を進められている、月下美人に似た、葉も茎も無く若い女性の胸にのみ寄生する花です。
研究員大瀧賢治は、手術に立ち会っている所長に代わり、セラピスト美月響子を案内します。所内は広く清潔で最新設備が整い、関係者以外の立ち入り禁止の場所も多いようです。大瀧は事務的で足早に彼女を案内し、施設は2年前に開設され、自身はタイの支社から来たと話します。
手術室では麻酔で眠る提供者梅木美樹の胸に咲いたシャニダールを採花中で、レーザーで花を切り取った途端心拍が乱れ、医師たちが慌ただしく処置をし、所長はまたかと言う顔をしています。

提供者が滞在するゲストハウスは無菌状態で完全管理され、提供者の女性たちは、胸にシャニダールの防護カプセルの付いた薄手の宇宙服のようなウェアを身に着け、デッキチェアで寛ぎ、穏やかに話したりソフトヨガなどでゆったりと過ごしていましたが、大瀧はその1人菊島ミクを示し、プライドが高く父親は愛人と逃げ母親も来ないとこぼします。
すると美月は、蝶を見つめる彼女に微笑み「蝶が引き寄せられてるみたい」と囁き、彼女を見つめてシャニダールと蝶の絵を描き、もらってくれますか?と話し掛けます。ミクはわずかに微笑んだだけでした。
手術室から戻った所長は美月に、優秀さは本社から聞いてる、解らないことはこの優しい研究者さんに聞いてと言い、大瀧には手術には何の問題も無かったと話します。
大瀧は彼女との別れ際、ここは特殊だからもう一度考え直した方がいいと忠告します。

【承】- シャニダールの花のあらすじ2

会議室に集まった40人ほどの研究員は、吉崎所長らに梅本美樹の手術の成果は上々で、花の副作用と思われた感覚異常とめまいや幻聴は心理的なものと結論し、術後彼女は日常生活に復帰、切除後の異常も無いと報告を受けます。
また、大瀧と美月が(宿主となる)提供者候補立花ハルカ宅を訪ねた際、ハルカの母親は契約金額が”研究協力”だけで1億円と知り不安を露わにしますが、美月は微笑んで否定し、人見知りのハルカとも打ち解け面会を終えます。帰り道、提供者の不安を取り除くのが仕事だと言う大瀧と、花の成長に影響する本人の意思を尊重すべきと言う美月は対立しますが、帰宅後、大瀧は温室のような自室で、美月が美術教師の父と家族を交通事故で亡くし孤独だと知り、美月は研究所で大瀧の論文を読み、花と人間が融合したようなイラストを描き、翌日彼に見せながら「大瀧さんてロマンチストだったんですね」と微笑みます。

大瀧は田村ユリエの個室で、彼女の蕾が持ち直していると言い安心させます。彼女は好きな事だけしていればいいなんて夢みたいと言い、大瀧に手の込んだランチを勧め、新鮮な食材(野菜)を手にすると落ち着く、気持ちがわかると言いますが、彼と美月との関係を気にしているようです。
一方、入所したハルカの蕾は生育が悪く、精神状態も不安定で美月は焦っていました。が、ゲストハウスで彼女がミクを見つめ、涙をこぼすのを見て2人を引き合わせることに。
ハルカの個室を訪れたミクは自分から電磁波が出ていると言い、ハルカはミクを描く許しを得ます。またミクは大瀧にシャニダールは受精できるのかと聞きますが、母体(宿主)と花の負担を避けるため満開になれば採花するので不可能だと言われます。
またユリエは、花が突然勢いを失い困惑する大瀧に、満開になったら会えなくなると思うと眠れないと打ち明けます。ハルカは夢中でミクを描き続け安定し花も順調でしたが、ミクの花は変異し、所長は採花を断念し切除して退去させるよう指示をします。
深夜のゲストハウスでミクに退去はいつかと聞かれた美月は精一杯微笑みながらもうすぐだと答え、満開間近のハルカは、花を咲かせ続けたいと泣き、母親も心配しています。
立入禁止の資料室に侵入した美月は大瀧に見つかりますが、心に空洞を抱える女性に咲く花の意味をもっと知りたい、「花がそう言ってくるの」と震える彼女を大瀧は強く抱きしめ結ばれます。が、彼女は荒野にシャニダールが咲く悪夢にうなされ、胸に違和感を感じます。

一方、満開となったユリエは採花を拒み、放置すれば毒素が出て危険だと説得する大瀧に、花と自分のどちらが大切かと迫り花を毟ろうとします。大瀧が押えて止めますが、美月には怒鳴って拒絶します。が、その夜彼女は美月に癒されて泣き、翌日、晴れやかな顔で、花を宿し初めて生きてると感じていた、幸せになってくださいと言い採花手術に臨みます。けれど彼女は採花直後に心室頻拍を起こして心臓が停止、所長は愕然としています。
また、退去間近となったミクは、突然、提供者の花を次々と毟り始めます。大瀧が懸命に救護する中、暴れるミクの前に立ったハルカは「私の花をあげる!」と、自らの花を摘んで差し出して失神、美月は過呼吸を起こし倒れてしまいます。
彼女が気付いた時、付き添っていた大瀧は、ハルカはショック状態だったが命には別状ない、ミクは泣きながら謝ってたと話します。美月は彼にまだ秘密にしてと言い、胸に根付いたシャニダールの新芽を見せます。

【転】- シャニダールの花のあらすじ3

美月は退去準備をするハルカを訪ね、シャニダールとはイラクの紛争地帯の地名で、そこで発見されたネアンデルタール人の墓に花の化石があった事から、人の死を悼むという”心”の発生を現した花だと言い、あなたは自分の花を大切なことに捧げたの、偉いね、と抱きしめます。
一方、大瀧はユリエが心筋梗塞で亡くなったと聞いた、花を切除することで母体(宿主)に重大な負荷があるのでは?と所長を問い詰めますが、シャニダールは無関係だと言われます。

その夜、葬儀から戻った大瀧はユリエの死は隠蔽された、シャニダールは終わりだと言い、美月の新芽を切除して2人で改めて研究を続けようと言いますが、美月はこの花は何かの始まりのしるしで、自然の状態で咲かせて種を採取する、あなたに助けてほしいと言います。
けれど彼は、シャニダールは人に寄生する狂った花で、そう思うのは花が引き起こす感覚異常、患者の妄想に巻き込まれているだけだと激怒します。深夜、大瀧は眠る美月の新芽をナイフで摘み「これのせいで俺の響子が危なくなってた。もう大丈夫だよ」と抱きしめますが、彼女は「あなたのまっすぐなところが好きだった。でも自分の信じられるものしか、受け入れることができないのね」と言い去って行きます。残された大瀧は理解できないまま嗚咽します。
美月は翌日退社して行方知れずとなり、シャニダール研究所もほどなくして閉鎖となります。
大瀧は神西大学園芸学部の研究員となり、平凡な日々を送る中、彼宛ての差出人不明の種が届きます。同僚はそれを知り合いからだと言い、種を窓から外にばらまきます。
が、ある日彼はその窓辺の土に根付いたシャニダールの新芽を見つけ、ガラス鉢に移し、どしゃ降りの雨の中、ハルカの自宅を訪ねます。

【結】- シャニダールの花のあらすじ4

ハルカは彼に、美月から連絡があり再会した事を打ち明けます。美月は、自分に宿ったシャニダールの芽は一度だめになったが再生し、さらに強い特別な花となり、それを受粉させ、種が出来たら大瀧に送ってほしい、気づいたら来てくれると言っていたと話します。2人は都心の病院に向かい、そこで眠る美月と彼女に付き添うミクに再会します。
ミクは、大瀧の来訪を喜び、美月は眠ったままだが脳死ではなく冬眠状態だと説明し、美月から預かったスケッチブックを大瀧に渡して病室を去ります。
そこには大きなシャニダールが描かれ、美月からの言葉が添えられていました。
「どうしても花を育てたかった 私ははもともと花で、体や心は借り物で、廻りに溶けて消えてゆく それが本当の私だと言う喜びに満たされている 私は花に戻ります。とっても静かで とっても幸せ」…大瀧はそれを読み嗚咽します。

シャニダールは人体に寄生する危険な花としてニュースになりますが、大瀧は廃墟に潜む吉崎所長を探し出し、危険を隠蔽したと責め、美月を救う方法を問い詰めます。が、彼はあの大会社で一線を越える人体実験などできないと嗤い、たまには自分で調べて考えてみろ!と罵倒します。研究室は彼のシャニダールの研究メモで埋め尽くされ、片隅には幼い息子の手作りのプレゼントが大切に飾られています。
また彼は、”心”の発生の話はウソで、肉食で残忍な人類の祖先は花に寄生され滅びたのだ、海外の研究者が花に寄生されたネアンデルタール人の化石を所持しており、花の化石は集落を埋め尽くしていたと話し、この花を兵器にしたい連中がいると警告します。
気づけば、シャニダールは街々の至る所に咲いていました。彼は昏睡状態の美月と暮らし、日々シャニダールを摘みながら街を彷徨います。彼女との生活は確かに「静かで幸せ」でしたが、彼には危険を知りつつシャニダールを育てる人々が増えている事がどうしても理解できません。

ある日、彼は美月の見た荒野の夢の中にいました。目の前には赤と白のシャニダールが1輪ずつ咲いています。彼の後ろには美月がいて、彼が「目が覚めたの?」と聞くと彼女は「目が覚めたのはあなたよ」と答え、赤い花は自分で白い花はあなたと教えます。見渡せば、地平の果てまで無数のシャニダールで埋め尽くされていました。
困惑して呆然と涙を流す大瀧の傍には美月が慈愛に満ちた微笑みで立ち、そっと彼の手を握り、2人はゆっくりと歩き始めます。

「僕たちは」「みんな 花に戻る」…

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