「ロストエモーション」のネタバレあらすじ結末

SF映画

ロスト・エモーションの紹介:2015年製作のアメリカ映画。リドリー・スコット監督が製作総指揮を務めたSFラブサスペンス。世界戦争後、平和を守るために遺伝子操作で人間から感情が排除された。しかし感情を呼び起こす伝染病が発生、感情を持ったサイラスとニアは見つかれば殺されると知りながら惹かれ合っていく。日本でもロケが行なわれ、世界的建築家の安藤忠雄の建築物が撮影に使用された。

予告動画

ロストエモーションの主な出演者

サイラス(ニコラス・ホルト)、ニア(クリステン・スチュワート)、ジョナス(ガイ・ピアース)、ベス(ジャッキー・ウィーヴァー)、ジョージ(トビー・ハス)、レオナルド(デヴィッド・セルビー)、アイリス(オーロラ・ペリノー)、マーク(スコット・ローレンス)、レイチェル(ベル・パウリー)、ジレッド(リズワン・マンジ)

ロストエモーションのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①大戦争で陸地の99.6%を失った近未来の人間は感情を悪しきものとし、遺伝子操作で感情のない者を作って「共同体」で共存。そんななか、若者・サイラスは同じ職場の女性・ニアと恋愛感情を抱きあうように。 ②共同体を出て半島へ行こうとする2人だが、行き違いでサイラスは感情を失う薬を服用。それでも2人は半島を目指した。

【起】- ロストエモーションのあらすじ1

近未来。
世界戦争が起きました。
28日間にわたって爆弾が投下されたため、地球の陸地の99.6%が破壊されました。
この〝大戦争〟は、人類の生活を一変させました。
破壊を免れた土地は2か所です。
1か所に集まった場所で人類は『共同体(イコールズ)(詳しくは後述)』を作って暮らしていますが、そこから44度西に位置する場所に半島があります。
半島は荒廃した建物を含む、いわば未開の地で、半島の住民に関しては謎が多いものの、現地に住む〝欠陥者〟は、感情や欲望に支配されています…。

先の〝大戦争〟で、人類は学習しました。
感情があるから諍いが起こり、そこから戦いが起きるのだと結論づけた人類は、平和的に共存ができるよう、遺伝子操作で「感情を排除した」人間を作り上げます。
感情を抑制した人類たちが集まった集団を『共同体(イコールズ)』と呼んでいました。
誰もが平等で、誰もが淡々と生活しています。

共同体は保健安全局が監視しています。
みんな生まれた時からタグ(マイクロチップ)を手首の下に埋め込まれ、生活圏内を通行する際には改札のような場所でそれを提示せねばなりません。
喜怒哀楽の感情を持たない人間が「健康」とされ、感情を持つ人間は「感染」と呼ばれます。「感情抑制不能症(SOS)」という病気に感染したということなのです。
感染も初期の段階だと「感情抑制材」という薬で症状を抑えることが可能ですが、感染の度合いが濃くなるとDENに隔離されます。
隔離された場所から帰って来た人がいないので詳細は不明ですが、そこでは殺処分されていました。「安楽死」というきれいな表現が使われています。
また「感染」という表現からも分かるとおり、この病気にかかった者は、共同体の中でも差別されます。

感情を持たない「共同体」ではみんなが秩序を守り、整然と暮らしていました。
若い青年・サイラスは絵を描くことが得意だったので、出版部署で働いています。
同じ部署には10人程度の男女がいました。
サイラスはニアという若い女性が執筆した文章に、絵を割り振る役目をしています。
「共同体」は宇宙の研究が盛んでした。地球が住むのにふさわしくない環境になってしまったから、ゆくゆくは適した惑星への移住も検討しているのかもしれません。
サイラスの部署は、みんな白いスーツを着用していました。男女ともにズボンです。
部署によって制服が異なります。土いじりなどの肉体労働はベージュで、保健安全局の局員は、ストライプのシャツを着用しています。

ある日サイラスは、昼食の時間に誰かが投身自殺をしたと知りました。
みんな何も感じずに、ストライプのシャツを着た保健安全局員が後始末をする様子を見守りますが、その時サイラスは、ニアが手をぎゅっとにぎったのを見ます。
それ以来、サイラスはニアのことが気になって仕方なくなりました。サイラスにも感情が芽生えたわけです。

【承】- ロストエモーションのあらすじ2

その夜、サイラスは自分が投身自殺をする悪夢にうなされ、飛び起きました。額をぶつけてけがをします。
自分に「恐怖」の感情が芽生えたのかもしれないと思ったサイラスは、素直に保険安全局へ検査に行きました。採血ですぐ、「陽性(ステージ1)」という結果が出ます。
飲み薬を渡されたサイラスは、最初こそ飲みますが、薬を服用すると本当に何も感じなくなるのが不気味になり、服用を途中で中止します。

その日出勤した職場で、額をケガしているのを指摘されたサイラスは、とっさに嘘をつきました。太極拳の講義に出ていてケガしたと言います。
サイラスがいたかな、という話になった時、ニアが「いたわ、私はケガした瞬間を見たもの」とかばってくれました。
サイラスなど「感染」者の部屋には、その日からずっと病気の症状についての説明が、部屋に表示されます。発病すると喜怒哀楽だけでなく、光に対しての反応も過敏になります。サイラスはサングラスを病院で渡されていました。
ステージ4は「カオス状態」と呼ばれ、その頃にはDENに派遣されると知ったサイラスは、部屋で泣きます。

仕事場では異性として意識し始めたニアを観察し、仕事で宇宙船の絵を描いていたサイラスが、やがて職場の同僚に「感染」が露見します。
サングラスを持っていたことがばれ、サイラスはみんなに「ステージ1だ」と告白しました。
すると途端に職場では「仕事で接する時には、一定の距離を保ってほしい」「飲むカップも別にしてほしい」と言われます。サイラスが使うマグカップは、サイラスとマジックで書かれたものをあてがわれます。
伝染することはないのですが、それでもみんな生理的嫌悪を抱き、極力サイラスとの接触を避けようとします。
その日からサイラスは職場で差別を受け始めました。

同じ頃、ニアを目で追い、ニアを気にしていたことがニアにばれます。
ニアは「通報するわよ」とサイラスに言いますが、サイラスはニアに「君も感染者だろ」と告げます。ニアは感染を否定しましたが、通報はしませんでした。
職場にある個室でニアを追ったサイモンは、おそるおそるニアの手や頬に触れ、おそるおそる抱きしめます。
その頃には、サイラスもニアも互いに恋愛感情を抱いていました。

ニアはサイラスに、1年3か月前から感情を持っていた、感染していたことを告白します。
しかしニアは保健安全局で検査を受けず、ずっと黙っていました。
保健安全局では、多発する「感染」に対処するために、治療薬を開発しています。
安全な薬ができるまで、ニアは黙っていることにしたのだそうです。
その頃、職場の女性・ゾーイが受胎命令を受けました。受胎命令を受けた女性は、遺伝子操作された精子を人工授精させ、植え付けられます。これが現在の、人間の繁殖方法でした。

【転】- ロストエモーションのあらすじ3

露見する危険がありつつも、サイラスはニアと会い続けます。
周囲に露見しないよう細心の注意を払いつつ、表面上は何もない風を装い、職場の個室で2人で会います。
しかし職場の上司・レナードからある時、サイラスは症状の悪化の注意を受けました。
危険だと思ったサイラスはその日、ニアの待つ個室には行きませんでした。そして別の場所で、レナードにばれたことを話します。
距離を置くべきだと考えたサイラスは、出版部から別の部署へ異動を申し出ました。
サイラスは人との接点の少ない、植物を植える部署にすぐ異動になります。
制服も白からベージュに変わりました。

ニアは、担当する相手がサイラスからドミニクに変わったことを知らされます。
職場以外では会うチャンスがないので、ニアは落胆しました。
その頃職場では、ゾーイが無事に受胎に成功したことが話題になり「サイラスの影響で、感染はしていなかった」とみんなが話題にしていました。
淋しいニアは、サイラスのマグカップを部屋に持ち帰ります。

サイラスに、ジョナスという男性が近寄ってきました。
ジョナスは1年前にある女性と接点を持ち、悲しい別れ方をした男性でした。
ジョナス自身は「感染」と診断されており、ステージ2です。
共同体では、ニアのように感染を周囲に隠している「闇感染者」という者がほかにもいることを、ジョナスはサイラスに知らせます。
そのなかには、DENの医者もいると言い、ジョナスはサイラスを会合に誘いました。
サイラスが行くと、そこにはベス、ピーター、トーマス、ギル、マックス、アリスなどの、闇感染者が集まっています。
彼ら闇感染者は、どうすればいいか模索しているそうです。
DENの医者である女性・ベスは、DENに運ばれると電気ショックで殺されることを教えました。その前に半数の人間が自殺するそうで、スタッフは自殺を推奨しています。
会合で、「本来、人間は感情を持つ方が自然なことなのだ」とサイラスは教わりました。

思い詰めたニアがサイラスの部屋を訪問します。サイラスはニアを急いで部屋に入れ、誰にもばれていないか周囲の目を確認しました。
部屋で2人は初めて結ばれました。これからは、昼間は普段どおり職場で過ごし、夜はなるべく一緒にいようと言います。
サイラスがいなくなった当初、仕事のペースが落ちて後任者のドミニクに催促されていたニアですが、サイラスと密会の時間を作ってからは、仕事の能率も上がります。

そんな頃、感染を治療する画期的な薬が開発されたというニュースが、一斉に報じられます。
それは「ENI療法」と呼ばれ、首に注射してコイン状のものをつけると、約6時間で感情を持たなくなるそうです。
現在は薬の大量生産態勢に入っており、「感染」した者から順次打っていき、いずれは感染をしていない者にも注射する予定でした。
要は、感情を全く持たない人間に改造する薬です。

【結】- ロストエモーションのあらすじ4

ニアはサイラスと会った時に、せっかく心に芽生えた恋愛の感情をなくしてしまうのかと嘆きました。サイラスとニアは共同体を出て、西にある未開の土地、半島をめざそうと話します。
サイラスは闇感染者の集会へニアを連れていき、それを宣言しました。
半島は原生林になっているとジョナスたちは制止しますが、2人の意志が固いことを知ると、逃亡を手助けすることにします。
半島の境界線までは、列車が通っていました。そこでメンバーの1人・オリバーが逃亡のフォローをすると言います。
3日後の土曜日に決行がきまりました。

ところがその直後、ニアに受胎命令が出ました。
ニアはタグ(マイクロチップ)でそれが知らされ、クリニックに行くことになります。
土曜日にクリニックを抜け出して、待ち合わせすることにしました。
受胎前の検査で、ニアは妊娠が判明します。
妊娠は、つまりは誰かと恋愛感情を抱き、性交渉を持ったことを意味しました。
ニアは車椅子に拘束され、DENに連行、監禁されます。

それを知ったのはDENに勤務する初老女性医師・ベスでした。ジョナスとジレッドに話します。
殺処分を受けそうになっていたニアを助け出したベスは、前夜に房で自殺したエバという女性のタグを与え、外へ脱出しろと言いました。
ベス、ジョナス、ジレッドはニアを逃がした直後、保健安全局に見つかります。

サイラスはニアのことが心配でした。
「あとのことは自分に任せろ」と言っていたジョナスが捕まり、ENI療法で感情のない人間になり共同体に復職予定というニュースを見たサイラスは、どうなったのか気になります。
DENに行ってニアのことを質問すると、死んだという答えが返ってきて、ショックを受けました。
屋上へ行き飛び降り自殺しようとしますが、できなかったサイラスは、「ニアを思う感情がなければいいのに」と思い、率先してENI療法を受けに行きます。

脱走したニアはサイラスの部屋で待っていましたが、いつまでもサイラスが戻ってきません。
戻ってきたサイラスは、ニアが無事に逃げたことを知りますが、すでにENI療法を受けたあとでした。薬が効いて感情を持たなくなるまで6時間です。
ニアは「闘って。薬に負けちゃダメ。子どもがいるの」と言い、「どうか忘れないで、心に刻むの」と訴えます。
まだ感情のあるサイラスは「僕がもし感情がなくなっても闘うから、ぼくをあきらめないでくれ」とニアに言いました。
2人で翌朝、半島へ逃げると決めます。

翌朝。
起きたサイラスは、もう感情を持っていませんでした。それでもニアと共に半島へ行くそうです。
列車に乗り込んだものの、すでに自分への恋愛感情を持たないサイラスといることに、ニアはつらい気持ちを抱きます。
それを察したサイラスが、隣に座ってニアの手を握りました…。
(感情はなくなっているのだが、ニアの手を握るなど「他者への思いやり」の気持ちは残っていることからして、サイラスがまたニアへの感情を抱く日も近いように思う。見込みあり、のラスト)

みんなの感想

ライターの感想

全般的に「綺麗だけど静かな世界観」。さすがリドリー・スコット。
ただその分、前半はやや退屈に感じられるかもしれない。話が淡々と進むから。
サイラスが感染したことが職場のみんなにばれるシーン。他者から差別されるところが、気になる。
感情がないから残酷なことをずけずけ言える…ということの表現なのだろうが、…「嫌悪感」という感情がある?
(本能的なところにある、危険からの回避がなせるわざとも、受け取れるか)
終盤の、せっかく逃げて来たニアとサイラスが行き違いになるシーンは、『ロミオとジュリエット』を思い出した。
バッドエンドと捉える人も多いみたいだが、私は「見込みあり」と思う。

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