「太陽(2015年・日本)」のネタバレあらすじ結末

SF映画

太陽の紹介:2015年公開の日本映画。第19回読売演劇大賞でグランプリを受賞した前川知大による舞台劇を、神木隆之介、門脇麦らの出演で映画化したSFドラマ。バイオテロにより人類の大半が死滅してしまった近未来を舞台に、健康な肉体や高い知能を持つ一方、光に弱く夜に活動する新人類“ノクス”と彼らに虐げられる旧人類“キュリオ”の関わりが生む騒動を描く。

予告動画

太陽(2015年・日本)の主な出演者

奥寺鉄彦(神木隆之介)、生田結(門脇麦)、森繁富士太(古川雄輝)、佐々木拓海(水田航生)、奥寺克哉(村上淳)、奥寺純子(中村優子)、金田洋次(高橋和也)、曽我玲子(森口瑤子)、佐々木行雄(綾田俊樹)、曽我征治(鶴見辰吾)、生田草一(古舘寛治)

太陽(2015年・日本)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①21世紀初頭、ウイルスにより人類の大半が死滅し、人類は二極化。太陽の下で生きる代わりに貧しい暮らしをする旧人類・キュリオと、日差しを浴びると死ぬが身体が丈夫で長生きの新人類・ノクス。キュリオの村で暮らす鉄彦がノクスに憧れるのに対し、母がノクスになるために捨てられた結はノクスに反発する。しかし父・草一が結の代わりにノクス転換手術の申請書を提出。 ②ノクス転換手術を受けた結は、別人のように明るく、しかし情が薄い人間に変化。受けられなかった鉄彦はキュリオのまま、親しくなったノクスの男・森繁と全国を回る旅に出た。

【起】- 太陽(2015年・日本)のあらすじ1

〝二十一世紀初頭――ウイルスにより人類の大半が死滅。
かろうじて生き残った人類は、二つに分かれて暮らしていた。〟
「まもなく日の出です。キュリオ地区に外出中の人は、速やかに戻りましょう」というアナウンスが流れます…。
…人類の大半が死滅してから、人類は2種類に分類されます。
太陽の光を浴びると灰化してしまうため、夜にしか生きられない代わりに、高度文明の中で生きて病気に強く、寿命も長い新人類「ノクス」。
それに対し、人類本来のままで貧しい暮らしを送る旧人類「キュリオ(「骨董品」という意味)」。本来の人間はキュリオです。
ノクスとキュリオの経済格差は広がっていました。彼らは生活圏も別になっており、地域の境目は壁があり、通用門はノクスの駐在員によって監視されています。
技術の進化によって、キュリオからノクスに転換手術を受けることも可能です。

ある時、キュリオの奥寺克哉がノクスの男を殺しました。克哉はノクスが自分たちのことを見下していると思い、太陽の光を浴びせたのです。
それが原因で、克哉の甥・奥寺鉄彦の住む村は、経済封鎖の処分を受けました。
事件後、克哉は逃亡して、四国(注:後に説明)に渡ったものと思われます。
経済援助を得られない村は貧しく、一気に暮らしのレベルは低下しました。
それから10年後。
事件を起こした克哉は依然として行方知れずです。噂では、四国にいるのではないかと言われていました。
全国でも四国地方だけは、ノクスに頼らずに生活しているキュリオの集団が点在していて『四国独立武装戦線』と呼ばれ、四国はキュリオにとっては希望の星でした。
克哉の姉・奥寺純子とその息子・鉄彦は、事件後しばらくは村から差別を受けていました。それをかばうのは、村で教師をする中年男性・生田草一です。草一にも鉄彦と同い年の娘・結がいました。

10年が経過したので、鉄彦らの住む村の経済封鎖が解かれました。以前のようにノクスの援助も受けられます。
一番大きなものは「キュリオからノクスへの転換手術を受ける人材」の制度の復活でした。20歳以下ならば、ノクスに転換手術を受けられると言います。以前は30歳まででした。
貧しい村で、虐げられて育った鉄彦は、ノクスに憧れを持っていました。同世代の男女にほかにノクスへ転換を希望する者がいないと知り、転換手術の申請書を提出します。
そして夜な夜な、鉄彦は境界線にいる駐在員のノクスの若い男性・森繁富士太に会いにいきました。

【承】- 太陽(2015年・日本)のあらすじ2

鉄彦は太陽の光が駄目というノクスの森繁のために、鉄で作った仮面を作っていくと「そっち(ノクスの世界)に行く前にいろんなことを教えてほしい。友達になってほしい」と言います。
最初は顔だけを覆うものを作っていき、森繁に「頭部全体を覆わないと意味がない」と言われ、続いて頭部全体を覆うものを作っていきます。
何度も懲りずに仮面を作っては持ってくる鉄彦を見て、森繁も好もしく思いました。鉄彦と森繁は男同士の友情を深めていきます。

いっぽう、鉄彦と同い年の結は、正反対の気持ちを持っていました。
結はノクスを嫌っており、絶対にノクスになりたくないと思っています。
それには大きな理由がありました。
結の母であり草一の妻だった玲子は、結を生んだ後、貧しいキュリオの生活が嫌で、ノクスへの転換手術を受けました。その当時は30歳まで手術の受付をおこなっており、克哉の殺人事件が起こる前の話です。
結は自分が3歳の時、自分を捨てて去って行った母・玲子への反発から「自分は絶対にノクスになりたくない」と思っていました。
可能であれば四国へ行って、どうやってキュリオの人たちがノクスと対等に渡り合っているか、勉強して帰ってきたいと考えています。

(注:余談だがノクスの世界のシーンでは、スメタナ作曲の『モルダウ』が終始流されている)
結の母・玲子はというと、転換手術を受けてノクスとなり、ノクスの生活圏で暮らし始めてから、ノクスの男性・曽我征治と再婚していました。不妊治療をしていますが、子どもには恵まれません。
科学が進歩したとはいっても、出生率が上がらないのがノクス側の悩みでした。
隣家の三浦家は、養子を迎えることに決めたそうです。
それを聞いた玲子は、不妊治療に疲れたこともあり、自分が生んだ娘・結を養子にしようかと考えます。
そこで玲子は新聞記者を装って村へ取材に行くと、結に接触しました。玲子は「貞子」という嘘の名前で接しましたが、結はすぐ母親だと気づきます。
気づかれた玲子は連絡先を書いた名刺を渡し、「もしよかったら今度私の家まで遊びに来て」と誘いました。

四国へ出かけたメンバーが村へ戻ってきました。四国の情報をもたらします。
四国のキュリオがノクスと対等に生活で来ているという噂はデマでした。むしろ争いと略奪で死者が出ているほどで、四国で生まれた子どもたちは、ノクスに買われて行くそうです。
それを聞いた結は落胆しました。四国に学びに行こうと思っていたのに、その四国がひどい状態だと聞いて、目標を喪失します。

【転】- 太陽(2015年・日本)のあらすじ3

結は駐在員の森繁のところへ行き、母親から渡された名刺を見せました。本来キュリオ側からノクス側へ行くには、1週間前に申請が必要ですが、玲子の夫・征治が役所の人間なので、すぐに滞在ビザが降ります。
玲子は喜んで迎えにきて、居住区域の案内をしました。
結はノクス地区の役所に行き、四国自治区の様子を見せてもらいます。監視カメラの映像では、村へ戻ってきたメンバーの言う通り、派閥争いと混乱が起きていました。

結の父・草一は同じ頃、悩んでいました。
四国から戻ってきたメンバーの情報を得て、キュリオでいるままでは貧しい生活が続くと思った草一は、娘・結だけはせめて豊かな暮らしをさせたいと考えて、ノクス転換手術の申請書を提出します。

村からは1名しか手術を受けられません。他に提出がなかったのでほぼ鉄彦で決まりだったのですが、結の提出により、2名から抽選で決まります。
抽選の結果、ノクスになることを切望していた鉄彦は落ち、本人が望んでいない結が受かりました。
鉄彦は憤ります。「なんでボツなんだよ。太陽なんかいらねえよ」と叫びますが、決まったことは覆せません。鉄彦は19歳なので、来年もう1度チャンスがありますが、すぐにでも行きたいと思っていた鉄彦は荒れました。
またこの結果を受けて、村では騒ぎが起きます。
鉄彦がノクスになることに、村人に不満はありませんでした。ノクスの男を殺害して経済封鎖を起こした克哉の甥の鉄彦を、自分たちが迫害していたので、村から出て行っても仕方がないと思っています。
ところが結は違いました。今までキュリオの学校の教師をしていた草一の娘です。
学校で教鞭を取りながら、わが子だけはノクスにするのかと、村人は草一を責めます。

村長に立候補していた23歳の男・佐々木拓海は、結は村でずっと一緒に暮らしていくと思っていただけに裏切られた思いが強く、結をレイプします。申請書を出したのは結ではなく、草一なのに、誰も耳を貸しません。

キュリオ側でそんな騒動が起きている最中、10年前に事件を起こして逃亡した張本人・克哉が村へ戻ってきました。
鉄彦に森繁が「旅に出ない?」と声をかけます。森繁は日本中をこの目で見るのが夢でした。でも夜だけしか行動できないノクスの森繁には、昼間行動するのは無理です。
キュリオの鉄彦とノクスの森繁が協力すれば、車で日本一周は夢じゃないと言います。今まで森繁の夢を知らなかったので、鉄彦は驚きました。

【結】- 太陽(2015年・日本)のあらすじ4

そこへ克哉が現れ、ノクスの森繁を門扉に手錠で繋ぐと、手錠の鍵を草むらにほうります。
太陽が出ると森繁は生きていられません。慌てた鉄彦は家に戻り、手錠を切断できるものを探します。
家に戻る途中の鉄彦は、結とぶつかりました。結は鉄彦に謝りに行く途中でした。自分が受かってしまったので、鉄彦が恨んでいるだろうと思ったのです。鉄彦は恨みに思っていません。
鉄彦と結は金属が切れそうなものを片っ端から持って行くと、森繁を救うために奮闘しますが、できないまま日の出を迎えるアナウンスが鳴り始めます。
森繁は手首の切断を、鉄彦と結に頼みました。ノクスは頑丈だから大丈夫と言います。但しノクスの血を浴びると感染症を起こし、キュリオが死んでしまうので気をつけろと警告しました。
鉄彦は言われたとおり森繁の手首を切ります。そして森繁を毛布にくるむと、自分の家に連れていきます。
家に戻ると、鉄彦の母・純子が亡くなっていました。少し前から純子は体調を崩して咳をしていたのですが、鉄彦は気づきませんでした。鉄彦と結は森繁を土間の片隅に隠し、純子の死を悲しみます。
そこへ再び克哉がやってきました。克哉は姉・純子に会いに来たのですが、姉の死を知ってショックを受けます。
村人たちが克哉を集団で襲って連れ出すと、外で殺しました。克哉が生きているとノクス側に知れて、また村が経済封鎖に陥るのを防ぐためです。
鉄彦は騒ぎを止めようとしますが、森繁が灰になるのを恐れずに自分のために手首(無事な方の手)を出して「暴力で解決するな」と訴えるのを聞き、やめました。
草一、鉄彦、結は純子を埋葬します。

結は玲子の養女になることを決め、ノクス転換手術をしました。森繁は勤務中の事故扱いで手当てを受け、無事です。
手術後、会いに来た結は別人のように明るく変化していました。「なんかすっきり、自由になった。もっと早く受ければよかった」と言い、鉄彦だけでなく父・草一も複雑な表情を浮かべます。
草一は娘の結が大事にしていたマフラーを手渡そうとしますが、もう新しいのを持っているからと示し、結は受け取りを拒否しました(人間らしい感情が希薄になっていることの表れ)。

…ぼろぼろの車が走ります。運転しているのは鉄彦ですが、トランクには森繁も入っています。車は森繁が給料をはたいて買いました。2人で日本をこれから旅するのです。
道に迷った鉄彦は車を止め、日光を避けてトランクに潜んでいる森繁に道を聞きました。日没後は運転を交代することを約束し、鉄彦はまた車を走らせます…。
(単なるSFではなく、閉鎖された社会内部での差別や経済格差なども扱っている)

みんなの感想

ライターの感想

なんというか…舞台のままな感じ。よくも悪くも。映画化するにあたり、舞台要素をもうちょっと抜いてほしかったなあ。
特に終盤のクライマックスは「もろ舞台」な感じ。それを狙っているっぽい感じがするが、これではなんだか映画化した意味がないじゃんと思った。
ほとんどがキュリオ側の世界を描いて終わる。もう少しノクス側の世界を描いて欲しかった。
内容的には深みがあり、悪い作品ではない。希望の見えるラストなのが救いでもある。

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