「蠅男の恐怖(1958)」のネタバレあらすじ結末

SF映画

蠅男の恐怖(1958)の紹介:物質転送機を発明した男が自ら人体実験に挑んだ際、1匹のハエが紛れ込んだ事で起った悲劇を描いた1958年アメリカのSF映画。劇場公開時の邦題は「ハエ男の恐怖」。原作はジョルジュ・ランジュランの小説「蠅」。監督は「火星探検」のカート・ニューマン。脚本は「大脱走」「いつも心に太陽を」のジェームズ・クラヴェル。特撮は「ミクロの決死圏」「猿の惑星」のL・B・アボット。続編は「蠅男の逆襲」(「恐怖のハエ人間」1959年)、続々編は「蠅男の呪い」(1965年)。1986年にはデヴィッド・クローネンバーグ監督によるリメイク作品「ザ・フライ」が公開された。

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予告動画

蠅男の恐怖(1958)の主な出演者

フランソワ・ドランブル(ヴィンセント・プライス)、エレーヌ(パトリシア・オーウェンズ)、アンドレ(アル・ヘディソン)、その息子フィリップ(チャールズ・ハーバート)、シャラス警部(ハーバート・マーシャル)など。

蠅男の恐怖(1958)のネタバレあらすじ

【起】- 蠅男の恐怖(1958)のあらすじ1

深夜。モントリオールの灯りの消えたドランブル・ブラザーズ電子工業工場で、プレス機が動く音を聞き駆けつけた夜警のガストンは、白いワンピースの女性が逃げるのを目撃、プレス機には血だらけの死体が潰されていました。
その頃、社長フランソワ・ドランブルの元に、共同経営者で科学者の弟アンドレの妻エレーヌから泣きながら、彼を殺した、今すぐ警察と来てほしいと電話があります。狼狽えるうち電話は切れ、続けてガストンからプレス機に死体があり、逃げた女は弟さんの奥さんだった気がすると連絡があります。フランソワはシャラス警部に連絡、警部は捜査陣と工場に駆けつけます。
死体は死後30分、フランソワは足の傷からアンドレだと証言し、金属をも押し潰す設定になっている操作盤を不審に思い、彼女は操作できないし、優しい妻と仕事と家族が生きがいの夫で仲も良くフィリップと言う息子もいる、なぜこんな事にと嘆きます。また操作盤とガストンの証言から操作が2回された事も謎でした。

アンドレ邸には罹りつけのエジュート医師が呼ばれていて、彼女を赤ん坊の頃から知ってるが、今も正気だし殺人などもってのほか、錯乱していたとしか思えないと話します。
エレーヌは普段通り居間で彼らを迎え、「30分前に夫を工場のプレス機で殺した、けれど理由は言えない」と冷静に話し、操作方法を聞かれてもすらすらと答えます。けれど、彼は自らプレス機に入った、でもなぜそうしたかは言えないと言うのです。
警部は人払いをして夫婦間の問題を聞きますが、彼女は幸福だった言うばかりでした。が、そこに1匹のハエが入って来た突端、彼女は話を止めて夢中で追い、まじまじと見て払いのけます。
警部はその様子を観察し、プレス機を2回動かした理由を聞き、彼女は動揺しつつも認めますが、理由は言いません。
警部は医師と話して、安静と監視を兼ねた看護師を付けることを決め、研究が見たいと言います。フランソワは彼を地下の研究室に案内しますが、荒れ果ててハエの羽音がする室内を見て愕然としますが、弟と共同経営の会社も順調で十分な収入がある、空軍の委嘱の研究というだけで内容は知らず、生命の尊厳を信じていたから、動物実験はおろかハエも殺さないだろうと話します。
警部は、夫人が殺害を認めている以上自殺の可能性は無いが、殺人罪が絞首刑だと知りながら彼女を巻き込むとも思えない、彼女は観察下に置くので息子は預けるようにと話します。

その日からエレーヌには看護師が付き添い自宅のベッドで過ごすことに。彼女は普段通りでしたが、息子を他人のように言い、看護師がハエを叩こうとした瞬間取り乱し「殺さないで!」と泣き叫びます。
警部は、ハエの件は潜在意識の問題かもしれないが正常だし、息子の件は庇っているのかもと言い、フランソワに、当初は会社の経営権独占と愛し合う2人から身を引いたあなたを疑ったが、彼女を救いたい気持ちは同じだと話します。
フランソワは、2人とも愛していて殺すなど考えた事も無い、研究内容を空軍の科学者に聞いたがわからなかったと話します。警部は、なんにせよ明日殺人容疑で夫人の逮捕状を取る、気の毒だが裁判では有罪か一生病院送りになると言い去って行きます。

フィリップには、パパは旅行中でママは重い病だと話してありましたが、フランソワ宅で食事中、突然「ハエは長生きする?」と言い、ママが探していた頭が白くて脚が変な形のハエを叔父さんのデスクで見つけたと言うのです。また、そのハエはパパが出掛けた日に初めて捕まえたが逃がせと言われ、また探せだなんてとこぼします。
フランソワは書斎でハエの羽音を聞きますが見つからず、アンドレ邸でエレーヌに会い、同じくハエの寿命を気にする彼女に「君が探していたハエを見つけた」と言い、途端に取り乱した彼女に、捕まえて書斎の机に入れてあると言い、実験の内容を聞き出そうとします。
彼女は、そのハエは殺して欲しい、話せばアンドレの恥になる、フィリップを人殺しの子にしたくないため異常を装ってるのだと逡巡しますが、話さねばハエを警部に渡すと言われやむなく了承、一度しか話せないから警部も呼んでほしい、ハエは絶対殺すと約束してと念を押します。
2人を前にして彼女は、これは自白ではなく、私は夫の意志で彼を殺したと前置きし、話し始めます。 この映画を無料で観る

【承】- 蠅男の恐怖(1958)のあらすじ2

数ヵ月前。それまで研究室にこもりきりだったアンドレが、エレーヌを研究室に連れて行き、絶対に口外しないよう念を押し、これは世紀の大発明だからまず君に見せたいと言い実験を始めます。
彼は、裏に”MADE IN JAPAN”と入った結婚祝いの絵皿を装置のガラス張りの箱に入れてスイッチを入れ、遮光ゴーグルを掛けさせます。絵皿はまばゆい光と共に消え、奥の研究室のもう1台の箱に出現します。
手品なの?と驚く彼女に彼は、皿は初めの箱の中で原子分解されて空中を光速移動し、こちらの箱で再生されたと説明し、カメラで解体された画像がテレビ受像機で再生されるのと同じ原理で、物体も映像も原子の集まりだから解体も再生もできるんだと話します。
そしてこの装置は、光の速さで物質を転送するもので、世界中にこの装置を置くだけで交通手段が不要となり、食料の輸送が簡単になれば飢饉も無くなる、完成すれば世界が変わると誇らしげに語ります。
2人は喜び合いますが、ふいに彼女が「私を転送しないでね、こうなると困るから」と笑い皿の裏を見せると彼は愕然として言葉を失います。皿の文字が裏字になっていたのです。

彼は再び研究に没頭し、数日後、新聞紙を転送して成功を確信します。そこに愛猫のダンデロが来たため転送を試みますが、鳴き声だけが中空に響きダンデロは現れず失敗に終わります。
彼は再び研究室にこもりますが、ある日ふいに出て来て彼女に口づけし、お祝いしようと微笑みます。2人がバルコニー席でバレエを楽しんだ後、彼は研究室でクーラーに入ったワインとグラスをトレーごと転送して見せ、続けてモルモットを転送すると言います。
エレーヌは顔色を変えて止めますが、それも見事成功、けれどモルモットは今朝が初めての成功だから、1ヶ月ほど様子を見て異常が無ければ発表すると言い、ダンデロの失敗を打ち明けます。彼は愕然とする彼女に、そのため全てを設計し直した、ダンデロは空中をさまよう原子猫になったと話します。
彼女は怒ってもう二度と動物実験はしないと約束して!神を冒涜するようで恐ろしいわと言い、電子工学、ロケット、超高速機等々、科学の進歩について行けないと嘆きます。
けれど彼は、人間が謎を解明するのは神の与え給うた知恵だ、君はテレビもレントゲンも地球が丸い事も怖れないだろう?、子供のように素直に受け入れればいい、素晴らしい事なのだからと言います。彼女は微笑み、2人は愛と幸せに感謝しシャンパンを傾けます。

【転】- 蠅男の恐怖(1958)のあらすじ3

1ヶ月後。モルモットは元気で、エレーヌは庭の寝椅子で寛いでいたアンドレに声を掛けます。彼は空を、神を見てる、知れば知るほど無知を悟る永遠のパラドックスだ、君は進歩を怖れるけど僕は楽しいと言い、来世も結婚しようと約束します。
彼女は間もなくフランソワが来るので空軍省の人も招ぶかと聞きますが、兄は研究室へ、空軍省へはまだ知らせるなと言われます。
けれど彼女がフランソワを連れ研究室に行くと、扉に立ち入り禁止のメモが貼ってあります。その時、フィリップが頭が白くて足が変な形のハエを見つけたと騒いでエレーヌに叱られ、残念そうに逃がします。

夜になっても彼は食事もとらず研究室にこもったままで、エレーヌが声を掛けるとドアの下から「命に関わる重大な事故が起きた。声が出せないから指示に従ってくれ、ラム酒入りミルクをくれ、わかったら3度ノックを」と言うタイプライターのメモが差し出されます。
彼女がそれを用意すると今度は「扉を開けたらミルクを机に置いて、奥の部屋でハエを探してくれ、頭の白いハエだ」とのメモがあり、彼女は昼間のハエを思い出します。またメモには「そのハエを見つけたら殺さずに捕まえる事、僕を見ない事、僕の命は君次第だ」と書かれていました。
研究室の中で、彼は無言のまま黒い布を被り左手をポケットに入れたままミルクに覆いかぶさりすすります。彼女はその音に眉を顰め「ハエは外よ、イエスなら1回、ノーなら2回ノックして」と言い、ハエは明日探すと言い、フィリップのハエの一件を打ち明けます。
その瞬間、彼は怒ったように立ち上がりますが、その手は黒い毛で覆われ鋭いカギ爪があり、悲鳴を上げる彼女に出て行けと合図をして扉が閉まり、「手紙で説明する、迷惑かけてすまない」とのメモが差し出されます。エレーヌは頼むから少しでも眠ってと嗚咽しますが、中からはタイプの音が響いていました。

翌朝、彼は朝食を持っていった彼女に「昨日自分を転送をして成功したが、2度目の実験でハエが紛れ込み、原子が混ざってしまった。あのハエを見つけて解体と再生をやり直すしかない、ハエが見つからなければ自殺する」とのメモを渡します。
彼女は思いとどまるよう説得しますが、空軍や大学に助けを求めると言うと怒り、顔を見せないまま出て行けと合図します。彼女は無事な右手に頬を寄せ、わかったわと言い出て行きます。
彼女はメイドに、研究室から逃げた大切なハエだから捕まえてと言い、フィリップにも庭を探させますが見つかりません。探し疲れた彼女がフィリップを抱きしめた時、頭の白いハエが飛んできますが捕まらず、窓の隙間から庭に逃げ見失ってしまいます。

夜、アンドレは夕食を持って行った彼女にメモを渡し、奥の部屋に行かせます。彼女は肉を黒いカギ爪でむしりかぶりつく様子を見てドアを閉めます。メモには「ハエが見つからなければ諦めるしかない、神を畏れぬ実験をした報いだ、けれど僕と共に証拠も消さねばならない、この発明は危険が多すぎる、死に方は考えてあるが君の助けがいる」と書かれていました。
エレーヌはまだ理性も心もあるから諦めないで!と説得しますが、彼はタイプで「もう待てない、今朝から思考がまとまらず、脳が奇妙な事を言い始めてる」そして「意志が失われていく、限界だ、考える事がとても難しい」と訴えます。その間もカギ爪は暴れ作業を妨害します。
追い詰められた彼女は、皿の時と同じく今一度転送してみたらと言いだし、彼も「ハエが要る」と書きますが、やむなく布を被ったまま転送機に入り、受信機から変わらぬ姿で出て来ます。彼女は喜んで駆け寄り上手く行ったでしょ?!元通りになったわよ!と言い被った布を剥ぎ取ります。
その顔はハエそのもので、複眼には何重にもなった彼女が叫んでいる姿が映ります。彼はハエのように首や手を震わせて彼女に近づき、失神した彼女をソファに寝かせますが、彼女を襲おうとする左手や蠢く口吻を必死で押さえつけます。

彼は非常用の斧で転送機を破壊し、研究データを燃やします。途中気づいた彼女も呆然と見ているしかありませんでした。
彼は再び頭に布を被り、黒板に乱れた字で「もう仕方がない、手伝ってくれ、けれど僕のそばには来るな、あのハエも殺してくれ」と書き、暴れる左手を必死で抑えながら「LOVE YOU」と書いて、彼女を工場に連れて行き制御盤を設定し、彼女に赤いボタンを押すよう合図してプレス機へと入ります。
彼女は怒ったような表情で立ちすくんでいましたが、押せ!と指差す手を黒い手が抗い、苦しむ彼の姿を見るうち、意を決したようにボタンを押しますが、降りてくるプレス盤を見て咄嗟に助けに入ったものの、悲鳴を上げ逃げてしまいます。
プレス機は彼の頭を潰して止まっていましたが毛だらけの左手が残っていて、彼女はその左手をプレス台に乗せ、泣きながら2度目のボタンを押したのです。

【結】- 蠅男の恐怖(1958)のあらすじ4

彼女が話し終えた時、警部は奇妙な話ですなと呟き、メモや黒板の文字を消したかと聞きますが、全ては消された後でした。彼女はあれを殺しても罪にならないでしょう?アンドレだったら殺せない!あれは死んでよかったんですと声を詰まらせます。
警部はハエ頭の人間なら罪にならないと答えますが、部屋から出た途端看護師に何かを指示し、フランソワに私はSFファンではないのでとても信じられない、10時に逮捕状を取ってまた来ますと言い帰ろうとします。
彼はそれでも、アンドレは天才だった、あの話は事実かもしれないと訴えますが、警部は、彼女にとっては事実でしょう、だからこそ錯乱で死刑を免れ一生病院暮らしにはなるが、無罪になれば坊やを殺さんとも限らないと言います。そして、証明さえできればと肩を落とすフランソワに、「あのハエがいれば証明できますよ」と言い帰って行きます。

彼は庭で頭の白いハエを探しますが全て普通のハエで、肩を落として庭のベンチに座ります。その横には大きなクモの巣があり、クモが網に掛かったハエを狙っています。その羽音に混ざって微かに「助けて…助けて…」という声が聞こえますが彼の耳には届かず、間もなく警部のパトカーと救急車が到着したため彼らとともに去って行きます。
警部はエレーヌに逮捕すると言い、救急隊員たちは彼女を捕まえ注射を打ちます。彼女は必死でハエを見たでしょう?!と叫びますが聞き流され、フランソワに本当に捕まえたのかと迫ります。彼はやむなくウソをついた、捕まえてないと白状し、戻ってきたフィリップを外に連れ出します。彼は母親を案じ、ママが探してたハエがベンチのクモの巣にかかってたと話します。
フランソワは警部にハエがいた!と叫んでフィリップとベンチに行き、ハエを確認して帰らせ、入れ替わりに警部がやってきます。
ハエはクモの糸で巻かれていましたが、血の気のないアンドレの顔を恐怖に歪ませ、人間の手で必死でクモから逃げようともがき、あっちへ行け!助けてくれ!と叫んでいました。2人はその異様な光景に愕然としますが、彼の頭にクモが齧りついた瞬間、警部が石を投げ、クモもろとも潰してしまいます。
シャラス警部は狼狽える彼に、信じて無かったがあなたも見たろう?驚くべきことだ、あの悲鳴も忘れられん!と呻きます。フランソワは、君も殺人を犯したんだ、人間の顔をしたハエも、ハエ頭の人間も殺した点では同じだと言い、弟は自らプレス機を動かして自殺した、エレーヌはそれを止めようとしただけで、回数も自分が前に動かしたと言います。警部は少し間をおいて「そうだな、自殺かもしれん」と言い戻って行きます。

ほどなくして、庭でクロケットをしていたエレーヌとフィリップにフランソワが動物園に行こうと誘いに来ます。彼はフィリップに父親が死んだ理由を聞かれ「パパは学問のために死んだんだ。探検家のように誰も知らない事を調べ、真理を求め、見つけたと思った時にほんの少し油断したんだ」そして「真理を求めるのは立派な事だが、危険もある」と話します。フランソワは、僕も探検家になりたい!と言う彼に微笑みコートを取りに行かせます。エレーヌは彼を見つめ、分別もあるいい人ねと微笑み、3人は庭を歩いて行きます。

みんなの感想

ライターの感想

表記が「ハエ男」とか「蠅男」とかいろいろあるんですが、60年ほど前の作品で、現在出回っているDVDのタイトルも「蠅男」なので、漢字表記とさせていただきました。劇場公開時の邦題はわかりやすく「ハエ男の恐怖」だったようです。
後年初めて「ザ・フライ」を見た時、カッコいいしSF過ぎる!私が見たかったハエ男はこれだ!と大感動したくせに、本作の刷り込みが強烈過ぎて、妙な怒りに転嫁したのを思い出しました(笑)。
改めて見ると脚本も行き届いていて捻りもあるし、問題の人間蠅(頭と左手が人間、身体がハエ)もかなり衝撃的なんですが、エレーヌが意外とドライなのと、逆に「ザ・フライ」がどこにこだわっていたのかもよく見えたりして。原子レベルで分解再生ってしつこく言ってるのに部分かよとか、原子猫とか、ハエの食事ってそうじゃないだろうとかとか、我々観客と同様、どうしても納得できなかったんでしょうね。
21世紀には出来てると信じてた物質転送機やエアカー、タイムマシン、全自動調理機、月や火星への移住計画等々、どこで頓挫しちゃったんですかねぇ。未曽有の大災害とか異常気象、超高齢化少子化社会などなど悪い事はそこそこ実現しちゃってるんですがねぇ。

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