「アヒルと鴨のコインロッカー」のネタバレあらすじ結末

アヒルと鴨のコインロッカーの紹介:2007年公開の日本映画。吉川英治文学新人賞に輝いた伊坂幸太郎の同名小説を濱田岳&瑛太の主演で映画化。本屋を襲撃するはめになった青年の奇妙ないきさつを仙台・宮城オールロケで描く青春ドラマ。

この映画を無料で観る

予告動画

アヒルと鴨のコインロッカーの主な出演者

椎名(濱田岳)、河崎(瑛太)、ドルジ(田村圭生)、琴美(関めぐみ)、謎の男(松田龍平)、麗子(大塚寧々)、椎名の母(キムラ緑子)、椎名の父(なぎら健壱)、関西弁の学生(藤島陸八)、免許のない学生(岡田将生)、ペット殺し・江尻(関暁夫)、ペット殺し・男(杉山英一郎)、ペット殺し・女(東真彌)、バスの運転手(眞島秀和)、犬がほしい女(野村恵里)、仙台弁の書店員(平田薫)、警官(寺十吾)、警官(恩田括)

アヒルと鴨のコインロッカーのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①仙台の大学に進学する椎名は同じアパートの河崎と名乗る男性から、本屋を襲って広辞苑を奪おうという話を持ちかけられる。隣の部屋に住むブータン人に辞書をプレゼントするためだ。流れで共犯になったものの、河崎が盗んだのは広辞林。後日、椎名の部屋から本が消える。 ②椎名がブータン人だと思っていたのは寡黙な日本人で、河崎こそがブータン人のドルジだった。そして河崎は他界してこの世にいず、本屋を襲うのは建て前で江尻というペット殺しへの復讐だった。

【起】- アヒルと鴨のコインロッカーのあらすじ1

〝No animal was harmed in the making of this film.(この映画の製作において、動物に危害は加えられていません)――映画のエンドクレジットによく見られる但し書き〟
(この映画は「現在」と「2年前」が交互に繰り返されるもので、「2年前」はモノクロ画面です)
…椎名は新学期に大学に入学するために、東京から宮城県・仙台市に引っ越してきた青年です。
下宿先のアパートの部屋の前で段ボールをまとめながら、ボブ・ディランの『風に吹かれて』を口ずさんでいた椎名は、隣人の河崎と名乗る男に声をかけられました。
「ディラン?」と聞いてきた河崎は背が高くて細身の青年で、全身黒ずくめの格好に、白いコートを羽織っています。
河崎は椎名を部屋に誘い、椎名は玄関先にお邪魔しました。
椎名が自分の名を名乗ると、河崎も名乗りました。「カワサキのカワはどっち? 三本川の川か、河童の河?」と聞くと「じゃあ、カッパの河」と河崎は答え、椎名は「『じゃあ』って」と絶句します。
河崎は名前の呼び捨てを希望しました。親しく感じられるからだそうです。
「隣の隣はブータン人だ」と言った河崎は、そのブータン人留学生キンレィ・ドルジのために、一緒に本屋を襲わないかと椎名を誘いました。ドルジは「アヒルと鴨の違いを知りたい」らしく、そのために辞書を欲しがっているのだそうです。
ドルジは今は、同棲していた恋人を失って、ひきこもりになっています。辞書さえあれば日本語が上達できるとドルジは信じており、河崎はドルジを元気づけるために広辞苑をプレゼントしたいと思っていました。
椎名は、アパートで最初に挨拶しに行った101号室の男がドルジだと思います。101の男は椎名が挨拶した時、無口だったからです。102号室が椎名で、103号室が河崎の部屋でした。
別れ際、河崎は「ペットショップの店長・麗子に気をつけろ。彼女を信用するな」とも言いました。
翌日は入学式で、椎名は帰り道にバス停で外国人の女性を見かけます。関西からきた大学生が「外人って嫌やな。何考えとるか分からん」と言いました。
外国人女性はバス停の行き先を知りたいようですが、言葉を理解できる人がいません。毅然とした女性・麗子が外国人女性に代わって「聞いてるでしょうが」と車掌に声をかけました。
それを見た椎名は外国人への偏見や差別があると気づき、アパート近くで会った101号室の男に「困ったことはありませんか」とゆっくり話しかけますが、男は何も答えません。
いつのまにか背後にいた河崎が「あいつには何も聞くな」と言い、河崎がドルジに何があったかと教えました。
ブータン人のドルジはある日、車道に出た犬を危険も顧みず助けます。ブータン人は生まれ変わりを信じていて、死ぬのが怖くないのです。
それがきっかけでドルジは琴美と出会いました。琴美とドルジは普段は英語で会話をし、同棲を始めます。
…と河崎が見せてくれた琴美の写真に、河崎が一緒に写っているのをみて「もしかして、ドルジから恋人を奪っちゃったの?」と椎名は聞きます。
河崎は「逆だ。琴美と俺が付き合っていて、別れた。その後、琴美はドルジと付き合い始めた」と言いました。 この映画を無料で観る

【承】- アヒルと鴨のコインロッカーのあらすじ2

もてる男・河崎は女に困ったことがありませんが、そんな河崎を唯一振った女が琴美です。琴美は「あんたも熱いことしなさいよ。犬を助けるとか、欲しくて高い本があったら本屋を襲ってでも奪うとか」と河崎に言いました。
そこまで話したところで河崎は「本屋へ行くぞ」と立ち上がります。流れで椎名は河崎と本屋を襲うことになりました。
車中で「本なら、買えばいいのに」と言った椎名に、河崎は唐突にシャローンの猫の話を始めます。
「シャローンはレンガ色のアパートの5階に、恋人のマーロンと住んでいた。シャローンはいつも部屋の窓からマーロンが帰ってくるのを見ていた。ある雨の日、シャローンはずぶ濡れの子猫を見つけ『あそこで濡れてる子猫が欲しい』と言った。マーロンはすぐに部屋を飛び出すと、猫を抱えて戻ってきた。ところがシャローンは怒った。『わたしが欲しかったのはここから見た、雨に濡れた可哀想な子猫よ。今ここにいるのは、濡れていない可愛い子猫でしょ。わたしの欲しかったものではない』」
「あまりいい話じゃないね」と椎名が言うと、「それと同じだ」と河崎は答えます。
河崎の言うには、本屋で買ってきた本と盗んできた本とはそのくらい違うと言いました。
実行犯はモデルガンを持った河崎で、椎名はモデルガンを持ちながら、裏口で見張りする役です。
「裏口から悲劇は起きるんだ」と河崎は言い、裏口のドアを蹴ることを要求しました。時計を持っていない椎名は、1曲だいたい3分の『風に吹かれて』を2回歌ったらドアを蹴り、歌は10回歌うと決めます。
待ちきれない椎名は、歌を歌いながらも本屋の表を途中で見に行きます。表では謎のセダンが止まっていましたが、その時の椎名は気に留めませんでした。
予定どおり10回歌った椎名は河崎の車に戻りますが、河崎が奪った辞書は、広辞苑ではなく広辞林です。それを指摘すると、河崎は少し落胆しました。2人はアパートに戻ります。
翌日の昼間、大学構内で椎名は前の日にバス停で毅然とした女性を見かけて、話しかけます。女性がペットショップを経営していると聞いた椎名は「もしかして、麗子さん?」と聞きました。当たりです。
河崎から聞いたと言うと、麗子はドルジを探していると言いました。椎名はドルジと同じアパートに住んでいて、ドルジは琴美を失ってひきこもりになっていると告げると、麗子は「琴美ちゃんはうちで働いてたの」と言います。
当時この界隈には動物を虐待するグループがあったことや、河崎はドルジの日本語の先生だったこと、河崎には病気があるという話を麗子は椎名に話しました。椎名は河崎が自分のことを「女好きの病」と言っていたので、それかと思います。
去り際、麗子は「河崎くんに気をつけろ。彼の言うことは信用するな」と言いました。
購買部で教科書を購入しようとした椎名は、もう買った本かまだ買ってないのか分からず、レジのおばさんに「家に電話して、確認してもらったら?」とアドバイスされます。
河崎に電話して(鍵は部屋の外にある)、部屋の本棚のいちばん上の段にある書名を読みあげてくれと頼んだ椎名は「本がない」と言われて泥棒だと思いました。本屋を襲ったので本を奪い返されたとのかとも思います。

【転】- アヒルと鴨のコインロッカーのあらすじ3

帰宅した椎名は本がないと確認して、襲った本屋に行きます。昨夜何か異常があったかと聞くと、レジ店員の女性は「店長の息子の江尻さんが騒いでたんじゃないかな」と言う程度で、特に事件性はないと言いました。
椎名に母から電話があります。父が胃がんで、戻って来る気はないかという打診でした。
河崎に会った椎名は2年前のペット殺しの話題を振り、「ペットショップの麗子と会っただろ」と見抜かれます。「ブータン人と琴美がペット殺しの犯人と会った」と河崎は言いました。
椎名は麗子に相談し、そしてすべてのからくりを知ります…。
(ここから後に描かれる「2年前」の河崎は、演者が瑛太から松田龍平に変わります)
実は河崎は、既に死んでいました。河崎を名乗っていた人物こそが、ドルジです。
かといって前半の河崎(ドルジ)が全部嘘をついていたわけではありませんでした。「隣の隣はブータン人だ」というのは「(ドルジ宅からカウントして)隣(102号室・椎名)の隣(103号室・自宅)はブータン人」というふうに、微妙に本当のことを告げていたのです。
…2年前、ドルジは琴美と付き合っていました。ドルジは日本語が喋れず、琴美とも英語で会話します。困った時にはドルジはいつも「ソウデスネ」と片言の日本語で誤魔化しました。
ある日琴美とドルジは、動物を虐待する3人組の男女の会話を聞いてしまいます。ドルジが石で撃退して逃げた2人ですが、琴美はバスの定期券入れを落としてしまい、ペット殺しの犯人に住所を知られます。
そんな頃、偶然、河崎が琴美の勤務するペットショップに女連れで来ました。以来、河崎はペットショップに何度も顔を出し、ドルジと意気投合して日本語を教え始めます。
ドルジが学校でICチップ型のマイクロカセットレコーダーを手に入れました。小型のスティック状の録音器具で、日本語を録音して繰り返し聞くことで、会得しろというものです。
英語で会話する琴美に対し、河崎はドルジに日本語しか話しませんでした。シャローンの話は生前の河崎が吹き込んで教わったもので「これを流暢に喋れるようになれば、日本語はラクショー」だと河崎は言います。
ある日、ドルジは小さないたずらをしました。健康診断の結果を聞きに行くという河崎に同行し、河崎のコートのポケットにカセットレコーダーを入れたのです。
録音内容からペットショップの店長・麗子が、河崎はHIVに感染していると気づきました(動物界にも猫エイズが存在します)。
琴美はそれで、河崎がしょっちゅう自分に会いに来るのだと気づきます。浮気性の河崎が「唯一セックスしていない女性」は琴美だけで、琴美と接していると安心するのだろうと推理します。関係を持った女性に感染させたかもしれないと考えると河崎は怖く、その心配がない琴美の存在が河崎にとって救いでした。
しかしその琴美にも危険が迫っていました。ペット殺しの犯人たちが、琴美にいやがらせを始めたのです。琴美が去り際に「警察に言ってやるから」と言い捨てたのも、まずかったのです。
落としたバスの定期券入れには、琴美の住所などの個人情報が記載されていました。琴美の家に、脅迫電話がかかってきます。

【結】- アヒルと鴨のコインロッカーのあらすじ4

動物園に行く琴美とドルジに、河崎がくっついてきました。3人は動物園で記念撮影します。椎名が見せられた写真は折られていて、隠していた部分には生前の本物の河崎が写っていました(ドルジと琴美と河崎)。
日本語はしゃべれても文字が読めない河崎(ドルジ)は、広辞苑と広辞林の違いが分からず、文字が読めないことを隠すため、椎名の部屋の本を隠したのです。
101号室の男はブータン人ではなく、なまりを気にする山形出身の男性でした。
話を2年前に戻します。
警察に言っても動物殺しだとあまり捜査をしてくれないと考えた琴美は、通報をためらっていました。
そのうちに琴美は、動物殺しの3人に拉致されそうになりました。河崎がドルジに頼まれてボディガードを引き受け、金属バットで撃退します。
ドルジが一緒に暮らし始めたのも、この頃でした。
ある時、脅しの電話が留守電に残された時、背景にボウリング場の音を聞いた琴美は、ボウリング場に行きます。ドルジは警察を呼ぼうと言いました。
ペット殺しの3人は、ボウリング場のゲームコーナーにいました。警察が来ましたが、ドルジが日本語をしゃべれないため案内が遅れ、3人は裏口から逃げそうになります。
裏口から逃げる3人を阻止しようと、琴美が裏口で待ち伏せしていました。3人が乗った車は琴美を轢いて去りますが、横から出てきたトラックと接触します。彼らが拉致していた犬は無事でした。
3人組のうち2人はトラックとの衝突事故で死にますが、1人だけ生き残りがいました。それが本屋の江尻です。
ドルジと河崎は江尻に復讐しようと、江尻のいる本屋に襲撃をかけようと考えました。「裏口から悲劇は起きる」と河崎が言い、ドルジも同感だと思います(琴美は裏口が手薄だったことで死んだから)。
しかし襲撃直前に河崎の具合が悪くなります。HIVが発症したのです。河崎はそのまま死にました…。
1人になったドルジは、それでも江尻へ復讐を考えていて、協力者を探します。そこへ「飛び入り参加」したのが椎名でした。
生前の河崎が、そして琴美が「神様の声」と呼んで聞いていた曲は、ボブ・ディランの『風に吹かれて』です。
引っ越してきた椎名が『風に吹かれて』を歌っていたことから、ドルジは椎名を協力者にしようと決めました。
本屋襲撃の際に江尻を拉致したドルジは、防風林へ移されました。本を盗むのに30分かかったのは、拉致のためです(椎名が表に回った時に不審な車を見たのも、これ)。江尻は殺されず、ただ足を深く刺された状態で、海の近くの防風林に繋がれていました。ドルジいわく「鳥葬にするつもり」でした…。
…父の見舞いに椎名が東京へ戻る日、ドルジは見送りに来ます。
椎名はボブ・ディランの『風に吹かれて』をエンドレスで流すラジカセをコインロッカーに入れると、ドルジに「神様を閉じ込める」と言いました。神様を閉じ込めておけば、悪いことをしてもばれないとも付け足します。
椎名とドルジは仙台駅の入り口で別れました。ドルジは椎名を見送った後、迷い犬を助けに車道に出て轢かれます。
それを知らない椎名は、牛タン弁当を食べながら新幹線の車内で居眠りしていました。

みんなの感想

ライターの感想

映像化が難しいとされた作品。確かにそのとおり。それを、回想シーンの人物を途中から入れ替えることで成功している。
けっこう淡々と話が進む。しかも会話主体で。主人公・椎名役の濱田岳がいい感じに「よくいそうな平凡な大学生」を演じている。
瑛太も、ブータン人と言われたらそうかなあ…な感じだし(髪型が成功してると思う!)、河崎と言われたらそうか、という感じ。
101号のキャスティングはよかった。確かに外国人風味。山形は笑った。
原作とすこーし違う。特に結末。ぼかしてはいるものの、紐が外れた犬を追ってドルジが車道に出て轢かれたことは明白(音がしてるから)。
途中までは、話がどう転がるか判らない話で、結末が判ると切ない話。
原作未読でも既読でも楽しめる作品。

映画の感想を投稿する

映画「アヒルと鴨のコインロッカー」の商品はこちら