「エンジェルダスト」のネタバレあらすじ結末

サスペンス映画

エンジェル・ダストの紹介:山手線車内で起こる連続殺人事件を追う女性心理分析官をスタイリッシュに描いた、1994年に公開された日本のサイコ・サスペンス映画。人心を操る犯人と女性心理分析官の息詰まるせめぎ合いは、後年日本のサイコ・サスペンスドラマに多大な影響を与えました。節子とトモオが構築する無機質な”楽園”も一見の価値ありです。監督/脚本は「狂い咲きサンダーロード」「シャニダールの花」の石井聰亙。共同脚本は劇団”ブリキの自発団”の生田萬。美術は「CURE キュア」「回路」「降霊 KOUREI」の丸尾知行。

この映画を無料で観る

エンジェルダストの主な出演者

須磨節子(南果歩)、その夫トモオ(豊川悦司)、阿久礼(若山武)、武井ゆうき(滝沢涼子)、番場刑事(塩野谷正幸)、芦田刑事(ユキオヤマト)、左右田教授(秋山仁)、島田(近藤等則)、遠藤(田口トモロヲ)など。

エンジェルダストのネタバレあらすじ

【起】- エンジェルダストのあらすじ1

夜の東京。渋谷へ向かう山手線の満員の車内で、微かに口笛の音がし、1人の女性に異変が起こります。列車が渋谷駅のホームに着いた時、彼女は人の波の中でくずおれます。
富士山の風穴の深部をヘッドライトで散策する節子とトモオは、風の音に耳を澄まします。その後節子は古い遺体を発見し悲鳴を上げますが、なぜかトモオがいません。必死で呼ぶうち彼女は男の影を目撃、フローティング・セラピーの卵型カプセルで目を覚まします。
9月26日月曜午後6時。微かな口笛の音と共に山手線車内で、再び女性が倒れ込みます。

JR山手線内女性連続殺人事件の刑事たちが往並ぶ広いフロアを、物怖じせず見渡す黒いスーツの女性、科学警察研究所から派遣された異常犯罪性格分析官須磨節子。彼女は一同に敬意をもって迎えられ、現実主義者で堅物のベテラン刑事番場と、真面目な若手刑事芦田と組んで捜査にあたります。
被害者は無抵抗で、左胸に細い注射針のような物で、毒物アセスクリンを注入され死亡、毒物は園芸用の物が簡単に入手できるものでした。彼女は解剖室に1人残り、遺体と向き合い、犯人に同化して犯行状況を読み取り、さらに刑事らと共に山手線に乗り、数多の女性の中でなぜ選ばれたのか、犯人の無意識のルールを読み解きます。帰り道、節子は煙草を吸い番場に砂漠のラクダの心理テストを仕掛けます。

事件が発覚して3週間、マスコミが騒ぎ、刑事が多数見張る中で再び事件が発生、若い保育士小田原和子が殺害されます。
警察が事件当時の車内を再現し検証する中、節子は第1の被害者旭由美子が通っていた逆洗脳、強制改宗のための精神科クリニックに着目します。”絶対真理教団”の信者だった被害者が両親の依頼で通院、けれど該当者が彼女だけだったため、その線の捜査は終わったと言われます。
3人は第1の被害者旭由美子の実家の私室を捜索、風景や建物ばかりの写真の中で、唯一クリニック室内と思しき写真に写った人物を見て、節子は「あく れい…」と呟きます。
また、彼女は被害者3人を真摯に物事に打ち込む性格と強い破滅感を持つ孤独な女性と分析、月曜夜6時に山手線に乗車するのが共通点であり、第1の被害者だけ背後から刺されていた事から、犯人と顔見知りと推測、第1の殺人にカギがあると話します。

自宅に戻った節子は夫トモオと交感し、彼が用意した食事を始めようとしてアイスピックで小さなケガをしますが、滴った血を避けることなく氷を砕き、話し続けるトモオに「セックスしよっか」と呟きます。

一方、番場と芦田は、節子が精神医学会の権威高原学部長の娘で、クリニックの経営者阿久礼とはかつて共同研究者であり恋人関係だったと調べ上げていました。阿久は精神医学界の異端児と呼ばれ評価が分かれる中、治療に当たった連続殺人犯の自殺が問題となり、アメリカに留学し彼女とは破局、彼女は同じ研究室の須磨トモオと結婚したのです。
2人の研究テーマはマインド・コントロールで、治療での薬物使用、副作用となる人格崩壊、自殺衝動などが問題視されていました。

阿久が絶対真理教団から訴えられたと聞いた節子はクリニックのある富士吉田署に赴きます。が、彼のクリニックは高額な治療費要求で評判は悪く、彼は座標のメモを残し消えていました。
座標の場所、富士の風穴で、阿久は彼女を待っていました。会話中、彼は膝を規則的に叩いたり、刺激的な言葉を散りばめ、彼女の推理を言い当てますが、節子は終始無表情で、患者である旭由美子の事を聞くと話をはぐらかし始めたため、去ろうとします。
去り際、彼は、節子が番場に仕掛けた心理テストをなぞり、ラクダがどのようにして幼子となるか、由美子君には伝わらなかったようだと呟きます。
また、節子が絶対真理教団本部で事情を聞く中、警察を騙った阿久から電話があります。彼は彼女の行動を言い当て、君の中に犯人の感情があると言い、素直になるよう忠告します。
夕方6時、新宿早稲田の暗い路地で若い女性が殺害され、マスコミは山手線連続殺人の犯人が町に出たと書き立てます。 この映画を無料で観る

【承】- エンジェルダストのあらすじ2

節子は自宅で、阿久との研究資料を再検証し、追い詰められている様子です。2人はテラリウムのようなミストサウナで全裸で交感し、節子はトモオに自分は変わったかと聞きます。

次の月曜、警察は非常態勢で犯人逮捕に臨みますが、節子は捜査本部で芦田と番場と共に事件のスライドを見ています。節子は焦ってサングラスをかけ煙草をふかし往なされますが、洗面所で何かに気づき「犯人は私の中にいる」と呟きます。
彼女は2人と後楽園球場で張り込みますが、2人には何も言わず、芦田は人込みを無言で見つめる彼女を犯人と同化しているようで恐ろしいこぼします。間もなく彼女は赤いワンピースの女性に気づき懸命に後を追いますが、口笛が聞こえ女性は横断歩道で倒れて死亡、マスコミは警察の無能さを叩き、書き立てます。

節子は1人、富士の裾野に建つ小振りのプラネタリウムのような阿久のクリニックを訪ねます。彼女が入った時、阿久は若いボーイッシュな女性と階段を降りてきたところでした。女性は無言で立ち去り、節子は応接室で阿久と向かい合って座ります。
節子は彼の高額で無感情の診療方針に言及しますが、彼は高額なのはリスクが大きいためで仕事は必ず成功し依頼者には感謝されていると答えます。
父親や左右田教授が批判してもあなたを尊敬していると言う節子に、阿久は君は私を連続殺人犯だと確信している、だが動機は無くアリバイがあると促します。
節子は、動機は常識では計れず、アリバイはどうとでもできる、あなたは私ではなく父の権威と優秀な助手が必要だっただけで愛情は無かったと言いますが、阿久は何でも自分中心に考えすぐ結論付ける悪い癖が戻ったようだと言います。
心が暗黒で空洞な人に他人は愛せない、今の夫は欲しい物を全て与えてくれて幸せだと声を荒げる彼女に、阿久は欲しがるばかりの人間は相手を必ず破滅させると囁き、私の気持ちは今でも変わらない、君のためならいつでも粉微塵になると囁きます。

彼女は、私はコントロールされないと言い、被害女性の服の写真と犯行現場を結ぶ”A”の文字をテーブルに広げ、彼の異常色覚を指摘します。彼女の推理をなぞり、口の端で笑う阿久に、直接手を下さず誰かを操って犯行させたのかもと畳み掛ける節子。彼は「マインド・コントロールで?」とからかうように言い、狂ってきたのは君で、そんな妄想は誰も信じないと笑います。

【転】- エンジェルダストのあらすじ3

クリニックで逆洗脳の記録映像を見る阿久。患者用のソファに拘束され薬物を注射されているのは先ほどの女性で、阿久は繰り返し信仰を愚弄し完全否定し、囁きと恫喝を繰り返し無力感を植え付けます。日にちが変わり、疲弊し謝罪を繰り返す彼女に優しい言葉をかける阿久。最終的に虚ろな顔つきとなった女性は「先生の思考が自分の思考のような気がします」と言っています。「もういい」、もう安心して寝ていいんだよと呟く阿久の声が聞こえます。
その1か月後の録画では、助けようとしたけど、穴は真っ暗で怖かった、けどお母さんの手は握ってたんだと幼子のように呟く彼女にハチが来たんだね?と阿久が呟き、一瞬息をのんだ彼女は、続けて激痛で手を離したと訴え、なんで信じてくれないの?!と嗚咽しています。

自宅に戻った節子に、トモオは無言で手の込んだ夕食と大輪の赤いバラを出しますが、彼女は全てを拒絶し自分のことはわかってると酒を煽ります。
月曜6時、節子は新宿駅構内に張り込んでいますが、微かに口笛の音と誰かの靴音を聞きますが、混乱し昏倒してしまいます。
番場と芦田は彼女を自宅に送り、トモオに阿久礼の事を尋ねます。彼は多くを語りませんが番場は節子が重要な情報を隠しているかもと言って帰ります。
彼女は悪夢の中で阿久の言葉を思い返していました。「医師は患者と同じ舞台に上るんだ、心を開いて、空気中に漂う塵のように自分を粉微塵に砕いて相手を求めるんだ、愛する時のように」…。

唐突に犯行は終息します。節子は自宅にいて、留守にする旨のトモオのメモを見て泣いていますがその指はコツコツと机を叩いています。何度も鳴る電話を取ると阿久で、事件はまだ終わっていない、なぜ捕まえに来ない、君は私を必要としているという電話でした。バカにしないでと彼女が怒ると電話は一方的に切れます。
節子はトモオに「愛しています」とメモを残し、阿久のクリニックに向かいます。

節子はクリニックの立ち入り禁止と書かれた鎖の奥の地下室に降りていきます。その奥には阿久の逆洗脳のための監禁室があり、電源の入ったモニターと医師用、患者用の椅子が2つ、医療器具のトレーがあり、カメラは稼働しています。
彼女が入ると扉が閉まり、開かなくなります。するとモニターに阿久が現れ、君は自由意志でここに来た、耳を塞いで目を閉じるのもまた自由だと言い、彼女はそうしますが、モニターの阿久の唇が動き続けるため耳から手を離します。阿久が唇を動かしていただけと気づいた時、さあ話を始めようかと声を出します。彼女は泣き崩れ、絶叫し、暴れますが、阿久はモニタールームから彼女の様子を眺めているだけでした。

疲れ果て床に倒れた彼女は、モニターで同じことを繰り返す阿久に、ここから出して、自由にしてと細い声で訴えます。もっと詳しく話してくれないか?、もう一度言ってくれないか?…。彼女はついに阿久を今でも愛していると言い、扉が開く音がします。
けれど、入ってきたのは、阿久といたあの女性でした。彼女はゆっくりと節子に近づき、銀の飾りの指輪をした手を差し伸べ「もう大丈夫」と呟きますが、節子はその手を振り払い逃げ出します。

【結】- エンジェルダストのあらすじ4

自宅に戻った節子は、床に倒れているトモオを見て悲鳴を上げます。トモオは殺害されていましたが、検死の際、彼が両性具有であったことが発覚、マスコミは事件の異常性をますます騒ぎ立てます。
番場はかつて彼らと研究室にいた左右田教授に意見を求めますが、彼は節子の社会的地位が向上するにつれ、トモオの男性部分が不要になったのではと推測し、阿久の神秘主義かぶれの理念を嫌悪していると話します。また、患者から狂っているのはお前だと言われ続け、脳が溶けだす幻覚に悩まされたと打ち明け、我々は時に患者の妄想が転移し命に関わることもあると語ります。
その病棟の園庭には療養服の節子が茫洋と佇んでいます。番場は物言わぬ彼女の傍らでトモオの事件を謝罪し、阿久はトモオを殺害した後行方不明のままだが現在捜査中で、俺が必ず逮捕すると約束します。
その夜、節子は病棟から療養服のまま失踪、駆けつけた番場と左右田教授たちの様子を阿久と共にいた女性が見つめています。

節子は阿久のクリニックの監禁室で目覚めます。部屋は暗く窓から満月の光が差し込む中、ハイヒールの足音を聞きますが、入ってきたのは阿久でした。怖くないのかと聞く彼に理由を聞かせてと問い、これがあなたの愛なの?それって私のせい?…もう、何も怖くないと呟き、一筋の涙をこぼし、目を閉じます。答えは一つじゃない、なのになぜひとつの答えを求めるのだと言いながら、阿久は注射を準備します。しかし、節子は背後に剪定ばさみを隠し持っていました。
節子はハサミを構え阿久を刺そうとしますが、止められハサミを落としてしまいます。

その時、部屋の明かりが点き、あの女性が立っていました。阿久は「探したよ、ゆうき」と呟きますが、彼女は、先生は悪魔だ、逆洗脳するフリをしてゆうきを殺人鬼にしたと言いながら、長針の注射器を構えじりじりと2人に迫ります。
阿久は彼女に掴みかかり注射器を落とし「殺人を楽しむ悦楽殺人狂ルストモルト、それがおまえの隠された人格なんだ」と呟きます。
ゆうきは困惑する節子に飛びかかって押し倒し、指輪の飾りの仕掛けから注射針を出し迫りますが、その手を阿久が止め、「もういい」と呟きます。節子を監禁した時のように彼の唇が微かに動きますが、言葉は発していません。

ゆうきはじっとその唇を見つめるうち、そこに母を助けようとしたが助けられず、誰にも信じてもらえなかったというトラウマを想起します。彼女には幼い自分の悲痛な訴えが聞こえています。
お父さん、どうして信じてくれないの?……信じないなら殺して。ユウキを…今すぐ。
彼の誘導で、彼女は指輪の針を自らの首に刺し息絶えます。阿久は混乱する節子を抱きしめ、ハチと母殺しのトラウマは私が刷り込んだフィクションだ、それで心の奥に隠された殺人願望をコントロールできるはずだったんだと言います。

阿久がゆうきの遺体を発見したと通報し、番場を含む警察が駆けつけます。山手線連続殺人の犯人、武井ゆうきは指輪に仕込んだ毒針を頸動脈に刺した自殺と断定されます。
騒然とする現場で、2人は被害者然として立ちつくし、節子は茫洋と阿久の肩にもたれ、番場にゆうきが持っていた物だと渡された2人の写真を見つめ「(彼女も)あなたを愛していたのね」と呟きます。
阿久は我が物のように節子の肩を抱き、満面の笑みで番場を見返していました。

みんなの感想

映画の感想を投稿する

映画「エンジェルダスト」の商品はこちら