「カエル少年失踪事件」のネタバレあらすじ結末

カエル少年失踪事件の紹介:韓国の三大未解決事件のうちの1つ、”カエル少年失踪事件(城西小学生失踪事件)”をモチーフとした2011年公開の韓国のサスペンス映画。「カエルを取りに行く」と出掛けて行方不明となった5人の小学生を10年以上もの長きにわたって探し求める両親たちと、邪な名誉欲から追い始めた番組プロデューサーや大学教授、捜査を続ける刑事たちの葛藤を描いた優れた人間ドラマです。監督/脚本は「リターン」のイ・ギュマン。音楽は「黒い家」(2007年韓国)のチェ・スンヒョン。

映画「カエル少年失踪事件」のネタバレあらすじを結末まで解説しています。まだ映画を観ていない方は「カエル少年失踪事件」のネタバレあらすじに注意ください。

予告動画

カエル少年失踪事件の主な出演者

MBC放送局カン・ジスン(パク・ヨンウ)、ファン教授(リュ・スンニョン)、パク刑事(ソン・ドンイル)、ジョンホの父(ソン・ジル)、同じく母(キム・ヨジン)、ウォンギルの父(キム・グテク)、同じく母(パク・ミヒョン)、MBC放送局アン部長(チュ・ジンモ)、カンの妻(パク・ソヨン)、屠殺作業員ジュファン(パク・ピョンウン)、チャ教授(チョン・ググァン)など。

カエル少年失踪事件のネタバレあらすじ

【起】- カエル少年失踪事件のあらすじ1

「本作は実話を元に製作された映画です」

赤い風呂敷のマントをなびかせ村の路地を走る元気な少年ジョンホ。その日はちょうど地方議会選挙の日で、大人たちは投票所となったトクソ小学校に集まっていました。彼は3人の少年と合流し遅れてウォンギルも加わり田んぼの畦道を歩く少年5人は、そのまま行方知れずとなってしまいます。
1991年3月26日。
警察署に駆けつけた両親たちに、刑事たちは選挙だけで手一杯だと逆ギレし追い返します。けれど少年たちは戻らず、テグ(大邱)市内のトアプ山付近にカエルを探しに行った5人の小学生失踪事件として大規模な捜索が行われ、村は騒然となります。3週間後、警察署には捜査本部が置かれ、MBC放送局ではやり手プロデューサーのカン・ジスンが事件に着目していました。
警察は被害者宅の電話にレコーダーと逆探知機を設置、親たちは懸命にチラシを配り、霊能者に頼りゴミの山を探しますが、全く手掛かりはありませんでした。
1996年。野生鹿のドキュメンタリー番組で放送大賞ドキュメンタリー部門優秀賞を取ったカンは、番組がヤラセだと発覚しテグ放送局に左遷されます。
上司のアン部長は少年失踪事件で湖の水を抜く大規模捜査の取材中でしたが成果は無く、歓迎会の席では、進展も無くドラマチックでもない昔の事件で視聴率は稼げないと自論を吐くカンを、その言葉、親の前で言ってみろ!と諌め、スタッフも親は仕事も生活も捨て必死で全国を探し回ってると同情します。

カンは事件の記録映像を見直し、未放送の国立科学大学のファン・ウヒョク教授のインタビューに着目し会いに行きます。彼は本社の者だと偽り未放送なのは被害者の両親が犯人だと言う内容があまりに衝撃的なため検討中だからだと言うと、教授はインタビューに応じ、確信は無いと前置きし回りくどく話しますが、カンは選挙妨害のため少年たちを隠し殺害したと要約します。
教授はさらに、ジョンホの母親が当日の午前中に騒ぎ出したのは早過ぎるし、2か月後にジョンホからの電話を取った母親が、17秒間取り乱しもせず録音だけしたのは冷静過ぎると言い、逆探知器の操作をしなかったのは電話をした人物を故意に隠そうとしたためだと分析します。
捜査本部のパク刑事は、教授の説を推すカンに、少年らが生きてるからこそ遺体が出ないんだと怒り、騒いだ時間が早かったのは、母親が激しい胸の痛みで胸騒ぎを覚えた第六感だと取り合わず、あの親たちは死んだように生き、事件で全てを失ったと話します。カンは、警察が手抜き捜査をしたためだと教授が言ってると薄笑いを浮かべますが、バカげた憶測ほど残酷な物は無いと往なされます。
その後、カンは居酒屋で一杯機嫌のファン教授に何が狙いだ?と言い、家では妻に「教授の仮説を証明して事件をセンセーショナルに煽り、世の中を震撼とさせてやる。俺は演出家なんだ」と嘯きます。

後日、カンとファン教授はジョンホの家を訪ねますが、母親には無視され、父親には愛想よく迎えられます。が、父親がアルバムを探す間、教授は勝手口で大量のセメントを目撃、老いた祖母は何度も指をVの字にして切る仕草をして父親を指差し、怯えた様子で何かを訴えていました。
教授は父親に勝手口の床を張り替えたのかと聞き、顔見知りの犯行だと切り出し、母親が逆探知器を使わなかった理由を聞きます。父親はとぼけた様子で息子は山でいなくなったと思ってたと言い、電話は単なる操作ミスで、警察でも通話時間が短すぎたと言われたと話します。
帰り際、教授は突然トイレを借りたいと言い、父親もそれに続きます。それは屋外にある男性用と女性用が並んだ汲み取り式のトイレで、父親は用を足す教授に女性用トイレから話し続け、ウォンギルの父親にも話してみると言い分れますが、家を出てすぐ、ファン教授は「子供は山に行ってない」と言い出します。彼は、父親はトイレを警戒していたと言い、(父親が女性用のトイレにいた事から)大便には短すぎる、隙間から自分を覗いていた、祖母の仕草にも意味があるはずだと言うのです。
カンは別の母親から、当日の夕方4時にジョンホの家を訪ねた際、普段かけないはずの家のカギがかかっていて返事も無かったと言う証言を聞き「子供が帰ってくるかも知れないのになぜカギを掛けるんですかね」とこぼします。

【承】- カエル少年失踪事件のあらすじ2

アン部長は、放送しましょう!と言うカンの向う脛を何度も蹴り上げ、放送すれば局の主張になる!親を疑うなどおまえには血も涙も無いのか!と激怒しますが、カンは部長が彼同様左遷された事を論い、きれいごとはやめてくれ!と怒鳴り返します。部長は、親が潔白ならどう責任を取る?後悔だけじゃ済まないぞと言い捨てます。
また、カンとファン教授は、ジョンホの父親を呼び出し、カメラの前で再度インタビューしますが、父親はあからさまに自分を疑う2人に憤慨して席を立ち、教授はついに「犯人はあなただ。あなたの家に子供たちが埋まっている」と言い、父親に叩かれます。彼は父親を睨み「私は騙されないぞ。真実は必ず暴かれるものだ」と言いますが、父親は冷静に「いいだろう、調べればいい、だが何も出なければ責任を取れ。あんたの責任だ」と言って教授を指差します。カンは、2人を煽りつつカメラマンにドラマチックに撮るよう演出していました。

教授はMBC放送の重役の前で事件とジョンホの両親の不審な行動などを説明し、ついに警察が動き、ジョンホの家にはMBC始めマスコミが押し寄せ騒然となります。被害者の親たちは半信半疑で、一度調べれば気が済むと話しています。パク刑事と共にやってきたファン教授は、じっと彼を睨む疲れ切った親たちや、マスコミの中に立つカンを見渡し、パク刑事は一応は調べるが俺には分からないと呟きます。母親の1人はジョンホの両親に止めるよう言ってやんなさいよ!と怒りますが、2人は押し黙ったままでした。
捜査は教授の指示で外トイレの汲み出しから始まり、勝手口も掘り返されます。やがて便槽から何かが見つかり騒然となりますが女児用の靴でした。彼らに動きがあるたび親たちは泣き崩れ、教授はため息をつき、重苦しい空気が漂いますが、カンだけが庭を走り回り、ねつ造できる証拠を探しています。
やがて成果の無いまま捜査は終わり、教授はやむなく車に戻りかけますが、祖母を見つけ駆け寄ります。祖母は怯えますが、カンのヤジで勢いづいてあの合図を強要し、心理学的な解説をまくし立てます。が、その後ろで祖母は同じ仕草をしては教授を始め周囲の人々を指差していました。それにキレた教授に対して、周囲からはお婆さんは昔からこうだった!彼女は悪くない!と怒号が飛びます。
群衆は激怒して教授に掴みかかり、彼は呆然としたまま車で去り、残ったカンは、唇を震わせながら彼を見つめるジョンホの父親に薄笑いで会釈をします。

夜、縁側でジョンホの写真を見つめる父親の隣に母親が座り、「かえってよかった、これでもう疑われないでしょ」と言いますが、父親は、「そんなことはどうでもいい。みんなうちの子が死んだと思ってる。あの子は生きてると誰も否定してくれない」と泣き出します。2人は、あの子を見つけるためなら何でもすると、声を殺して泣いていました。

ほどなくして、カンは遺骨は両親が山に移動したんだと言うファン教授からの電話を無視して、アン部長に辞表を出しますが引き止められます。
捜査は数年間に及んだものの成果は無く捜査本部は解散、パク刑事は移動、カンは本社に戻されますが喜べませんでした。その頃、彼は一児の父親となっていました。
10年後、2001年の冬。寂れた居酒屋でウォンギルの父親と酒を飲むジョンホの父親は、成長したウォンギルの兄を見て、今ジョンホと道で会っても気づかないと寂しげに笑います。そして、袋を被った男が夢に出て「ジョンホだよ、どうして気づいてくれないんだ」と責めるんだと話し、ガンになったと言い、ほどなくして亡くなります。

【転】- カエル少年失踪事件のあらすじ3

2002年。巨大台風が通り過ぎた後の9月26日。トアプ山に栗拾いに行った男たちが地面に埋まっていた頭蓋骨を発見、警察が再び動きます。
MBC放送局の取材陣の中にはカンもいて、現場から少し離れて、沈痛な面持ちで見つめていました。署長は面目を気にして、枯葉を被って寝たまま凍死した自然死にしろと命令します。駆けつけた親たちも遺品から我が子と知り皆泣き崩れています。
署長は現場での会見で低体温症による死亡と発表しますが、親たちはこの山は庭同様で家にも近く何度も探した!納得できない!と激怒、所長に食って掛かりますが、その様子を青いスニーカーの誰かがじっと見つめています。
夜、現場でカンを見つけた1人の母親は、11年前にジョンホの親を疑った奴だと罵ります。彼は老け込みもう薄笑いもありません。ジョンホの母親は「長い間ここで眠っていたの?家は目の前なのに…」と呟きます。
また、撤収するカンの前にファン教授が現れ、やはりジョンホの両親が犯人で遺骨を山に移したんだと話し始めます。カンは彼を殴り、父親は死んだ、もう終わりにしようと言い、あんたは事件を解決して賞賛されたいだけだ!2か月後の電話も、母親はイタズラ電話に疲れ切っていて、他のテープも全て同じ対応だった、父親のアリバイも立証されてる、なんであの時言わなかった!明らかなねつ造だ!と怒鳴ります。
教授は、カンが言い出したことなのに全ての責任を負わされた!この卑怯者!と罵倒します。カンは「”知識は力なり”でお互い様だ」あんたも俺も出世のために事件を利用したと言い捨て、教授はその背中に「俺は人生の全てを賭け、全てを失った!あんたは何も失ってないだろ!」と叫びます。

カンは、遺骨を鑑定した国立科学捜査研究所のチャ教授の研究室を訪ね、取材ではない、被害者の両親を犯人扱いした者ですと言い、他殺かと訊ねます。教授は彼を研究室に入れ、遺骨は移動されて無いと説明、被害者は衣服で目隠しをされ、足を特徴的な”本結び”で縛られていたと話します。
また、ウォンギルの頭部にあった20数ヶ所に及ぶ小さな傷と細い何かで突かれたような損傷から、犯人は虐待して快楽を得る人格障害者(サイコパス)の可能性があると話します。が、凶器が独特の形で判らない、凶器が犯人の手掛かりになると話します。

カンはパク刑事を訪ね、いきなり真犯人は誰だと聞き怒鳴られますが、それは彼なりの挨拶でした。
2人は釣堀や居酒屋を回りながら話し、パク刑事は犯人が遺族や町の住人でない事は明らかで、5人のポケットには菓子やパンが入っていた、小遣いがもらえない彼らは、それを日常的に誰かから貰い手懐けられて襲われた、犯人は土地勘のあるよそ者だと話します。
また、ファン教授の騒ぎが収まった頃、ジョンホの家の前で不審な車を見て声を掛けたが逃げられ任意で事情聴取をした、刑事の勘で犯人だと確信したが、証拠が無く、事件当日そいつはウルサン(蔚山)の職場にいたため逮捕できなかったと打ち明けます。けれど男の似顔絵も作成し、テグの釣り場でも見かけた、絶対にあいつは他の事件で捕まるはずだと断言し、見つけたら連絡すると約束します。
カンは現場に戻り、被害者と同じく衣服を被り、枯葉をかけて夜まで過ごし、5人もの少年を相手にするのは手間がかかり、犯人は事件以来何度も現場を確認しに来ていると確信します。間もなくパク刑事から似顔絵と住所、車のナンバーがFAXで届き、カンは当て逃げされたと管理人に言ってアパートに乗り込みます。男は留守で、部屋に忍び込んだ彼は、フナの魚拓や写真、ケースに詰められた子供用の玩具を見て、男の証明写真を奪います。部屋にあった本の束の結び目も全て”本結び”でした。

【結】- カエル少年失踪事件のあらすじ4

妻が自宅で頻発する児童誘拐事件のニュースを見ている頃、カンは男のアパートの前に車を停め張り込んでいました。が、彼がうたた寝した隙に男が戻り異変に気づき、カンが寝ている隙に自分に関するメモを見て、携帯で写真を撮って行きます。
ほどなくしてカンは、妻から娘がいなくなったと連絡を受けます。彼は大急ぎで小学校に向かいますが、娘は誰かの車から降ろされ妻に見つかったところでした。妻は娘を抱き上げ彼を責めますが、娘は、転んで知らないおじさんに手当してもらったと言いハンカチが膝に縛られていました。その結び目があの”本結び”だった事に彼は慄然とします。
カンは、車で周囲を探すうち、すれ違ったトラックに男が乗っているのを見かけ後を追います。車が向かったのは食肉工場で、作業員に聞くと男の名はジュファンで牛を解体しに行ったと言われます。作業員は、彼は電気ショックではなく旧式のハンマーで屠殺する珍しいやつだと言い、机にはウォンギルの頭蓋骨にあった細かい傷が付いていました。
屠殺場ではジュファンが、突然やってきたカンに動じること無く、牛の眉間に鉄杭を当てハンマーで叩き屠殺していました。カンは「お前がやったんだろ?俺の娘に会っただろ?!」と掴みかかりますが、反対に抱き寄せられ「初対面なのに失礼な奴だ」と突き放され、「そうやって殺したのか」と言われても冷たい眼で睨むだけで応えず去ろうとします。
カンは彼を追い掛けて振り向かせいきなり殴りつけます。ジュファンは一瞬目を剥きハンマーを構えますが、やがて堪えきれないように歪んだ笑みを漏らします。カンはそれをじっと見据え「娘を誘拐し、俺を脅して面白いか? 子供たちを殺して、騒ぎが静まるまで牛を殺してる。退屈だろ?人間を殺せず」と話しかけます。ジュファンは「そうかもな」と言い、心の底から楽しそうに歯を剥き笑います。
カンは彼に殴り掛かり格闘となりますが、上背でも力でもジュファンには全く敵わず、間もなく仰向けに倒され首を絞められます。が、男は「おまえだったのか」と言うカンの言葉で手を離し、咳き込む彼に「あんたさ、証拠はあるの?」と言い、去って行きました。

2002年11月12日、公式死因発表の日、きれいに並べられた遺骨には激しいフラッシュがたかれ、親たちは泣き叫びますが、母親の何人かは気絶し狂乱して運び出されていきました。ジョンホの母親は大粒の涙をこぼし、赤い風呂敷を握りしめています。
全てが終わり、ベンチに座り込んでいたジョンホの母親は、カンに気づき、遺品でもあれば楽になると思ったのに…苦しみながら死んでったんだわと泣き出します。
彼は心の底から詫び、頭を下げますが、彼女は「あなたは悪くない、あの電話は息子じゃなかった、我が子の声を聞き間違える母親なんていません」と嗚咽します。
あの日、それまで何百回もあったのと同じイタズラ電話に、夫婦は全く動揺しませんでしたが、ふいに彼女がウソをつこうと言い出したのです。それは、事件が忘れ去られる恐怖から出た必死のウソでした。ジョンホだったと言えばまた探してもらえると思った、みんな息子を忘れていくけど諦めきれなかった、そう言って泣き崩れる彼女を、カンは涙をこぼし、ただじっと見つめていました。

自慢の赤いマントをはためかせ、みんなと森に入って行くジョンホは、父ちゃん!と呼び、優しい笑顔で現れた父親と手を繋ぎ、残りの少年たちと一緒に共に森に消えていきました。

「1991年、ワリョン(臥竜)山で起きた5人の失踪事件は、2007年3月26日、公訴時効で捜査が打ち切られた。本事件の被害者の皆様にこの映画を捧げます」と言う字幕が出て作品は終わります。

みんなの感想

ライターの感想

韓国の三大未解決事件といえば、”華城連続殺人事件”をモチーフにしたポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」が有名ですが、本作も地味めながらよく練り上げられた秀作です。
冒頭の少年たちの元気な姿が印象的で、ジョンホの父親役大ベテランのソン・ジルにも何度も泣かされました。登場人物の誰もが魅力的ですが、10数年と言う歳月が彼らにもたらす明暗の描き方が実に見事で、人間ドラマとしても見ごたえ十分な1本です。
犯人(仮)ジュファン役を演じたパク・ビョンウンは、「失踪」のムン・ソングンの向こうを張るくらい恐ろしく完全にイッてる感じの仕上がりですが、「ワンナイトカップル」「恋愛の温度」などのコメディにも出演しているちょっと佐々木蔵之助似のイケメン俳優さんでした。韓国の撮影監督ってすごい。

映画の感想を投稿する

映画「カエル少年失踪事件」の商品はこちら