「ヒミズ」のネタバレあらすじ結末

ヒミズの紹介:2012年公開の日本映画。園子温・監督。古谷実のサスペンス・ホラー調の同名コミックの映画化。“ある事件”によって運命を狂わされた15歳の男女を、染谷将太と二階堂ふみのダブル主演で描く。

予告動画

ヒミズの主な出演者

住田祐一(染谷将太)、茶沢景子(二階堂ふみ)、夜野正造(渡辺哲)、まーくん(諏訪太朗)、藤本健吉(川屋せっちん)、田村圭太(吹越満)、田村圭子(神楽坂恵)、住田の父(光石研)、住田の母(渡辺真起子)、金子(でんでん)、茶沢の母(黒沢あすか)、テル彦(窪塚洋介)

ヒミズのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①父は借金を持ったままふらふら、母はパチンコに明け暮れるボート屋の住田は、普通の大人になりたいと思う。父を殺してしまった住田はオマケ人生と称し、悪い奴を殺して死のうと決意、包丁を持って町を徘徊。 ②住田のストーカーの少女・茶沢も両親に虐待されていた。茶沢は住田を照らす希望となり、住田に自首を勧める。茶沢と住田は警察署へ向かう。

【起】- ヒミズのあらすじ1

2011年3月11日、東北地方を東日本大震災が襲いました。
多くの人が亡くなり、津波にさらわれて行方が分からないままの人もいます。
また福島県では原子力発電所で事故が発生し、炉心溶融(メルトダウン)が起きて放射能が飛散したのではないかと、連日報道がなされていました。
その、東日本大震災後の日本。

『俺には分かる
ミルクの中にいる蝿(はえ)
その白と黒はよく分かる
俺にも分かる
俺には分かる
どんな人かは
着ているもので分かる
そのくらい俺にも分かる
天気が良いか悪いかも分かる
俺には分かる
林檎の木を見れば
林檎だって分かる
それくらい分かる
働き者か怠け者かも分かる
何だって分かる
自分のこと以外なら
要するに何だって分かる
健康な顔と青白い顔の
区別も分かる
全てに終わりをもたらす
死も分かる
何だって分かる
自分のこと以外なら
(フランソワ・ヴィヨン『軽口のバラード』より)』

新学期の4月。
中学3年生の茶沢景子(ちゃざわ けいこ)は、同じクラスの住田祐一(すみだ ゆういち)のことが好きになりました。
自分でもストーカーという自覚を持っているほど、茶沢は住田を追いかけまわします。
『住田君語録』というのを作成し、住田が授業中などに発言した内容を書き出して、自分の部屋に張りつけています。
「夢なんてみんな叶ったら大変だろ?」
「一匹のカニから生まれたタマゴが1万5千個 全部孵化したら大変だろ」
「根拠のない自信なんてただのカン違い」
「金さえあればお前の魂なんて余裕で買えるね」
「誰も俺に迷惑をかけるな」
「俺はのんびりボートを貸す たぶん一生」
「この世で一番ずうずうしいことは人の命を奪うこと?」
「俺はもぐらになりたい ヒミズになりたい」
(ヒミズ-日不見-もぐら科の、もぐらに似た小さな生き物)
住田君語録の一部だけでも、ざっとこんな感じです。

住田君語録を作った茶沢は、住田君はきっとヴィヨンの詩集が気に入るだろうと思っていました。

ある日の授業中、学校の先生が生徒たちに綺麗事を並べていました。
先生は東日本大震災を挙げ、それでも日本は再生していかねばならないと訴えます。
「みんなはこの世でただ一つの花だ」と言いますが、その声は住田には響きません。
先生は「住田、頑張れ。夢を持って生きろ」と告げますが、住田は「ボート屋なめんな、普通最高!」と切り返しました。
それを聞いた自称住田君ストーカーの茶沢も、すかさず横で「住田君、異議なし!」と叫びます。「でも住田君は普通じゃないよ」とも言いました。

住田の家は、母が貸しボート屋を営んでいます。湖のような沼のような川のようなほとりに住居を兼ねる店舗を出していますが、ほぼ開店休業で、母はパチンコに出かける日々です。
(注:映画だけでは分かりにくい。湖という前提であらすじを書く。また町へ行く途中には川もある)
父はよそに出ており、時折やってきては金をせびります。
両親がそんな生活を送っているからか、住田は大きな夢を持たず、ただ平凡な普通の大人になりたい、目立たない「ヒミズ(もぐら)」になりたいと考えていました。
住田に強烈なシンパシーを感じる茶沢も、クラスメイトは誰も知りませんが、母からの虐待を受けています。
借金を持つ父親はよそに愛人を作り、母親は茶沢のために絞首台を作っています。完成したら首を吊って死んでくれと、母は大真面目な顔で茶沢に詰め寄ります。
茶沢の夢は、愛する人と幸福な家庭を作り、守り守られて楽しく過ごすことでした。

住田の住むボート屋の近くには、東日本大震災で被災した人たちが、ブルーシートを張って生活しています。
中年夫婦の田村圭太&圭子夫婦や、妻と会社を津波で失った、元社長の初老男性・夜野正造、まーくんと呼ばれる男性、藤野健吉…みんな家をなくしていました。
住田は自分よりもはるかに年上の彼らに親切に接し、母がいない時など風呂を貸したりしています。
半ホームレス状態で居着いている彼らのことを、住田の母は「放射能を浴びているから」と差別していました。そして世間でも恐らくそういう扱いを受けるのでしょう。
しかし住田は彼らに平等に接しました。だから夜野たちは「住田さん」と敬意を表して、自分たちよりはるかに年下の住田のことを慕っています。そして身内のように、住田のことを心配していました。
湖の中央には、小さな小屋が沈みかけています。
ブルーシートの住民は、その小屋を見ると沈鬱な気持ちになりました。津波で消える自宅と重ね合わせ、震災のつらい体験を思い出してしまうのです。
彼らは、いつかその小屋を取り除こうと言いながらも、実行には移しません。

【承】- ヒミズのあらすじ2

住田の父が金をせびりにやってきました。母はパチンコに出かけて留守です。
父は住田の顔を見るたびに、同じことを繰り返し言います。
「お前が昔溺れた時、死んだらよかった。そしたら保険金が入ったのに」
もう何度も繰り返された言葉でした。それを住田が言うと「覚えてんなら、死ね」と父に言われます。

雨の日。
傘を持たない住田に、茶沢が声をかけました。
先生が言っていた「住田、頑張れ! 夢を持つんだ! この世でたった一つの花よ、夢を持て! 頑張れ住田!」を言った茶沢は、半ば無理に住田を傘に入れ、一緒に下校します。
相合傘をしていると、後ろから夜野が見つけてまざり、落ちた100円玉を拾った拍子に茶沢を突き飛ばしてしまいました。茶沢は川べりの土手を、白いパンツを見せながら転がります。
全身泥まみれになった茶沢は、着替えを要求しました。住田の家に寄り、着替えを借ります。
茶沢が愛する人との生活を夢見て、最後はニヤニヤしながら死んでいきたいと住田にアタックしていると、住田の母が帰ってきました。
茶沢は住田の家に、機会があれば勧めたいと思っている『ヴィヨン詩集』を置いて帰ります。
住田の母はパチンコで知り合った中年男性・てつを連れ込み、住田や茶沢を追い出すと部屋で交わります。

五七五俳句ゲーム(互いの思いを五七五で交互に言い合うゲーム、茶沢が言い出した)でひっぱたき合った住田に対し、茶沢は腹が立ったと言って、湖の石をポケットに入れました。以後これを「呪いの石」と表現し、住田に対して怒った場合には石をポケットに入れ、いっぱいになったら住田にぶつけると宣言します。
茶沢が帰った後、住田は『ヴィヨン詩集』を見つけました。ぺらぺらとめくります。
母に風呂のことを注意された住田は、ブルーシートの連中のためにドラム缶を用意し、即席の風呂を作りました。みんなに喜ばれます。
別の日、学校から住田が帰って来ると、身の回りのめぼしい家具がなくなっていました。
机の上に「がんばってね!」という母からのメモと、2000円あまりが置かれています。
母は住田を捨て、てつと〝愛の逃避行(駆け落ち)〟をしたのです。

高校に進学する気がなかった住田は、どうせなので2代目ボート屋を始めようと考えました。
次の日から中学校に行かず、住田はボート屋を始めます。
住田が学校へ来なくなったので、茶沢も住田の家にやってきました。
住田の母が男と逃げたと知ると、茶沢は「もう普通じゃないよね」と言いますが、住田は「俺自身はまだ、ぎりぎり普通だと思っている」と答えます。
茶沢は住田のボート屋を手伝うと言い出しました。
住田は茶沢に帰れと言って湖に突き落とします。住田も湖に落ちます。
立腹した茶沢は2つめの石を拾って帰ると、貯金箱を壊してチラシを刷る代金に充て、配布して客寄せを始めました。

ブルーシートの夜野も住田のために何かしたいと思い、町で見たスリのテル彦に「そのテク教えてください」と頼みます。
テル彦は夜野に話を持ちかけました。ヤクの売人がシャブを売った金を暴力団に入れず、そのまま貯め込んでいるので、それを盗みに行こうというのです。金額は2千万円で、テル彦はそれを山分けしようと言います。
夜野はおじけづいて去りますが、テル彦はその気になったら来いと言いました。

住田の父が借金をしている『金子ローン』の社長が、部下を連れて住田の小屋にやってきます。
父は600万円の借金をしていました。住田の父がいないと知ると、金子は部下に住田を殴らせてから、名刺を置いて立ち去ろうとします。
夜野が「そんなはした金くらいで(住田さんを殴るな)」と呟くと、金子は夜野を殴り「そこまで言うんなら、お前でなんとかしろ」と言いました。
夜野はテル彦のところへ行き、泥棒すると言います。
テル彦と夜野は売人の家に行って大金を見つけますが、売人と鉢合わせしてしまいました。
テル彦は売人を殺し、山奥に埋めに行きます。
おじけづいた夜野を見て、警察に駆け込まれたら困ると考えたテル彦は、夜野を襲いました。夜野は返り討ちにし、テル彦を殴って600万円だけ持ち去ります。
(テル彦がどうなったかは不明。死んだかもしれないし、気絶しただけの可能性もあり)
その後、夜野は金子ローンに電話をし、住田の借金を返済しました。

【転】- ヒミズのあらすじ3

茶沢が『ボートハウス住田』のチラシを配布し、受付を始めた甲斐があり、そこそこ客が来るようになりました。
住田に客の若い男が「殺したい奴、殺していい?」と質問します。住田は肯定し、自分にも殺したい奴がいると言いました。
昼間、住田のところへ父がやってくると、金をせびります。
一方的に殴られた住田は、コンクリートブロックで殴ろうかと持ちますが、ためらいが生じました。父から腰抜け呼ばわりされます。
父に殴られた住田は、小屋に入って号泣しました。それを外で聞きながら、茶沢も泣きます。
住田も茶沢もまだ15年しか生きていませんが、ずっと絶望ばかりの人生でした。

再び父がふらりと金の無心にやってきます。今度は夜です。
今まで何度も聞かされた「俺は本当にお前がいらねーんだよ。死にたかったら死ね」「お前が昔溺れた時、死んだらよかった」と言う言葉を、また父が繰り返しました。父は笑顔で住田に「死ね」と言います。
何度も言っているのに父にはその自覚がなく、繰り返し聞かされる呪詛に心が麻痺していくように感じた住田は、今度は躊躇なくコンクリートブロックを手にすると、父に振りおろしました。頭を抱える父を、湖に引きずり込みます。
住田が思うよりもあっけなく、父が死にました。肩すかしを食らった住田は、雨の中泥まみれで穴を掘り、絶叫しながら父の死体を埋めます。
ブルーシートの住民たちは、住田の声で異変を感じ取ってはいましたが、誰もそのことに触れませんでした。雨の中、住田の邪魔をしないよう、シートから身をひそめています。
部屋に戻ると、昼間に住田に「殺したい奴、殺していい?」と質問した男が、茨城県豊浦市で通り魔事件を起こしていました。「心からの友達に会った」と証言しているそうです。

翌日。
放心していた住田は湖で泥を洗い落とすと、身体中に絵具を塗りたくりました。
そしてカセットレコーダーに「5月7日、今日からオマケ人生を送る。自首もしないし死にもしない。どうやら俺はだいぶケチだ。一度くらい人の役に立ちたい」と録音します。
包丁を紙袋に入れて持ち歩くと、住田は町を歩き回りました。人に迷惑をかける人間を見つけて、殺すのが目的です。
全身絵具を塗りたくった住田を見て、金をせびってきた男がいました。
住田はその男を刺そうとしますが、ちょっと刺すと相手は驚いて逃げたので、とどめが刺せませんでした。
つづいて住田は金子ローンへ行き、包丁を持って暴れようと考えます。
ところが金子に「お前の借金は、自称社長がすべて払った」と言われた住田は、包丁を出すきっかけがつかめませんでした。そのまま去ります。

金子は夜野が600万円を持ってきた時、なぜ赤の他人のガキのために金を払うのかと質問していました。
夜野は「住田さんは、未来です。私はあの津波で一回死んだけれども、住田さんはこれからだ。あの子に未来を託したい」と言っていました。
発言どおり、夜野は住田のことを思っていました。それを感じ取った金子は、夜野がそこまでして思いをかける住田を気にかけます。

小屋にやってきた茶沢は住田の録音を聞き、最悪の想像をします。
帰ってきた住田は夜野に金の出所を詰め寄り、立ち去りました。
再び戻ってきた住田に対し詰め寄った茶沢は相手にされず、3つめの石をポケットに入れます。
町をさまよった住田は、歩行者を罵倒していた男をターゲットにしようとしました。
しかし男が先に駅前で歌を聞く観客たちを包丁で刺したため、住田は「男を取り押さえる、人助けをする善人」になってしまいます。
住田は「悪をした人を殺し、殺人罪で捕まりたい」ようでした。しかし相手の男を刺す前に取り押さえられます。
観客を襲った男は「俺、何をすればいい? 俺は誰だ、教えてよ!」と、取り押さえられながらわめいていました。その言葉は、そのまま住田の心の声でもあります。

朝方に住田が小屋に帰ってくると、茶沢が寝ていました。
茶沢は住田に推理を言うから、正しければ正しいと言ってくれと告げます。
「君はお父さんを殺した。その後、立派な大人になるために、世直しのために町を徘徊している」
住田は「ないね」と答えました。茶沢は「父を殺していない」と否定したと受け取りますが、住田が「ないね」と言ったのは「立派な大人になるために」のところに、です。

【結】- ヒミズのあらすじ4

それからも住田は、菜っ葉包丁を入れた紙袋を持って町を徘徊しました。金子が見つけます。
紙袋に包丁が入っているのを知った金子は、自分の車に住田を乗せると小屋まで送りました。
「お前は今病気だ。周りが見えなくなって、一番ヤバい道を選んでいる」と告げた金子は、住田に銃を渡そうとします。包丁よりも銃の方が確実だと告げました。
住田は驚き、受け取りません。
金子はその反応を見て、わざと住田の小屋の横にある洗濯機の中に銃を入れました。
金子が住田に銃を渡したのは、牽制のためです。包丁よりも殺傷能力のある銃を置いて帰ることにより、それが犯罪の抑止力(住田を犯罪から遠ざける)になると考えたからでした。
金子の狙いは功を奏し、住田は洗濯機の中の銃が気になるものの、手を伸ばせずにいました。

訪ねてきた茶沢に、住田がヴィヨンの詩の一節を唱えます。
それは茶沢も感銘を覚えた一節でした(冒頭の、『俺には分かる/ミルクの中にいる蝿』の詩)。
住田は父を殺したことを認め、死体は埋めたと告白します。そのうえで、悪党を探して殺すつもりだと言いました。
茶沢は住田に「結婚しよう」とプロポーズし、「まずは自分のために自首しろ」と言います。もっともっと先の未来のことを考えろ、泣いてでも他者に助けを求めろと主張します。
しかし住田にとっては、他者に助けを求めるのは考えられませんでした。負けを認めたことになりそうだからです。
住田は町に行き、バスに乗ります。
立っている妊婦の義母が優先席に座った若者を注意し、若者が逆上して「優先席は強制じゃない」と言って襲いました。
住田はその男を止めます。殺したいと思いますが、周囲が住田を制止します。

どうすればいいのか悩む住田が小屋に戻って来ると、ブルーシートの住民と茶沢が、小屋を綺麗にペンキで塗り替え、電飾の飾りをつけてくれていました。
ブルーシートの住民たちは、立ち去ることを決めたと言いますが、茶沢がその前にちょっとだけ騒ごうと言い、小さなパーティーを開きます。
住田にとって、楽しいひとときでした。
その後、夜野、田村夫妻、まーくん、藤本は去ります。

茶沢は住田と2人きりになってから、警察署に相談をしに行ったと言いました。すでに警察は父の死体も見つけているそうです。
茶沢は住田に、明日朝一番で自首しようと言いました。住田も、茶沢の言葉に頷きます。
住田は「俺は頭が悪い。自分で判断ができない」と言いますが、茶沢は「住田君は今、病気なんだよ。休めば立派な大人になる」と答えました。
住田は茶沢にキスをし、並んで横たわります。
将来の幸福な話を茶沢がしますが、住田は茶沢に将来、彼氏ができると言いました。自分のことなんか忘れて、その相手と幸福に暮らすだろうと指摘します。

まだ暗いうちに起き出した住田は、洗濯機の中の銃を手に取りました。
湖の中に入ると、頭上に向けて3発撃ち、さらに1発撃ちます。
銃声を聞いた茶沢は、湖に向けてポケットに入れた呪いの石を投げました。
住田が湖から戻ってくると、警察署へ行こうと言います。
(死にきれなかった可能性もあるし、死なずに罪を償って真摯に生きて行こうと決意した可能性もある)
川べりを走りながら、茶沢は声を張り上げます。
「住田、頑張れ、死ぬな! 夢を持て! この世で一つの花よ」
かつて先生が言った、綺麗事の言葉です。綺麗事だと分かってはいますが、それを言うしかないのです。
住田も茶沢の言葉を受け止めました。住田も自分に向けて「住田、頑張れ!」と言います。
住田と茶沢は早朝の川べりを、警察署に向かって走りました。
その風景が津波にさらわれた震災の風景に重なります…。

(映画には震災後間もない宮城県石巻市の映像が、何度も入る。
一昔前ならば、「絶望すれば自殺」というストーリーだろう。
東日本大震災により、「生きたかったであろう」人たちが無情にも死に、「あたりまえであった日常」がいとも簡単に崩れ去ってしまった。
それを受けて、住田も「絶望」=「自殺」という道を選択せず、未来に向けて生きるという選択肢を取ったのではないか。
また「茶沢」=「希望」というのもあると思う。茶沢は確かに異様なまでに積極的なストーカーなのだが、それが住田にとってありがたい存在。茶沢のひたむきさが住田を救ったともいえる。
住田を支える大人が、半ホームレス状態の元社長・夜野と、世間的には決して褒められた者ではない金子というのも興味深い。
学校の先生は教科書のお手本のような綺麗事を言うしかない存在で、アウトロー的な存在の人たちのほうが住田の支えになっている)

みんなの感想

ライターの感想

古谷実の原作の大ファンだったのですが、さらに映画のメガホンをとるのが鬼才、園子温ということで期待を胸に映画を見ました。心情の表現方法や雰囲気の作り方にまさに圧巻でした。
原作コミックとは設定を変えたキャラクターも出てくるのですが、新しい要素として素直に受け止めることができました。さらに今勢いのある染谷将太と二階堂ふみの演技にも注目して欲しいのですが、個人的に渡辺真起子演じる典型的なダメ母がピカイチでした。

ライターの感想

原作は未読の私だが、ラストがどうやら塗り替えられているらしい。
そうでなくとも、この映画はとにかく東日本大震災を据えた、重厚な作品になっている。
茶沢が、ストーカーと自称しつつも、必死で住田を守りとおす、そんな作品。
見解はすべて「あらすじ」に記載した。
園子温監督らしい、いろんな取りようができるラストである。
「絶望すれば死ねばいい、自殺すればいい、そんな時代は終わった」
そう訴えかけて来ているように思える力強さを感じる。
なぜ町に現れる奴らは包丁持っているの、なんて瑣末なことは気にしなくていい。
映画全体の背景にある、一本筋の通った力強さを感じ取ればいいと思う。

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