「ヒメアノ~ル(ヒメアノール)」のネタバレあらすじ結末

ヒメアノ~ルの紹介:2016年公開の日本映画。R15指定作品。日常に潜む狂気を鮮烈な描写でつづり、話題を呼んだ古谷実のコミックを映画化したサスペンス。かつての同級生と再会するも、連続殺人鬼となっていた彼から命を狙われる青年が体験する恐怖を描く。森田剛が無差別殺人を繰り返す森田を、命を狙われる主人公の岡田を濱田岳が演じる。

予告動画

ヒメアノ~ル(ヒメアノール)の主な出演者

森田正一(森田剛)、阿部ユカ(佐津川愛美)、岡田進(濱田岳)、安藤勇次(ムロツヨシ)、和草浩介(駒木根隆介)、久美子(山田真歩)、清掃会社の社長(大竹まこと)、ユカのアパートの隣人(山中聡)

ヒメアノ~ル(ヒメアノール)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①さえない人生を送る岡田は、同じ清掃会社の先輩・安藤が恋した女性・ユカとの仲を取り持てと言われるが、ユカが好きになったのは岡田だった。岡田は罪悪感を抱きつつユカと付き合い始める。ところがユカを狙っていたのは安藤だけではなく、岡田の同級生・森田もだった。 ②森田は高校時代にいじめられて以来、人生に絶望しか感じておらず、日々刹那的に生きていた。衝動的な殺人を繰り返した森田は岡田とユカを狙う。岡田を人質にして逃亡した森田だが、事故を起こして逮捕された。逮捕された森田は記憶が高校時に戻っている。

【起】- ヒメアノ~ル(ヒメアノール)のあらすじ1

〔ヒメアノ~ル ヒメ・トカゲ=強者の餌となる弱者の意味 造語〕
岡田進は高校を卒業した後に東京に上京したものの、特に何か目的を持っているわけでもなく、日々漫然とビル清掃会社のパートタイマーの仕事をして生きています。
岡田はそんな自分に焦りがありました。趣味もなく彼女もなく、仕事から帰ったらご飯を食べて寝ている自分を「毎日だらだら過ごしている」と思っています。
先輩の職長・安藤勇次にある日その悩みを打ち明けると「人間は不安や不満を抱えながら生きているものだから、君は変じゃない。いたずらに自分を虐めては駄目だ」と言われ、岡田は救われます。
その安藤は毎日何をしているかと聞くと、返って来た答えは「俺は毎日、恋をしている」でした。しかも「どや顔」で言われます。
行きがかり上、岡田は安藤の恋の悩みを聞くことになりました。安藤が「運命の人」と言っている女性は、カフェの若い女性店員・阿部ユカです。
若くて可愛いので無理だと岡田はアドバイスします。そもそも動物としてカテゴリーが違うと説得しますが、そんなことで安藤の心は鎮まりません。
その時、安藤がある男性を見て「あいつはストーカーじゃないかと思っている」と言いました。その金髪頭の男は、岡田が高校時代に同級生だった森田正一です。
岡田が森田と知り合いと知ると、安藤はストーカーかどうか確かめて来いと言いました。「僕の天使ちゃんによからぬことを考えてたらいけないから」と言われた岡田は、森田に話しかけにいきます。
「高1の時同じクラスだった岡田」と言うと、森田は岡田を覚えていました。森田の向かいに座った岡田は「ここのお店、よく来るの?」と質問しますが、「来ない」と即答されます。「うちの先輩が見たことがあるって」と言葉を重ねると「誰かと間違えてるんじゃない?」と言われ、それ以上追及できませんでした。再会を祝して、岡田は森田と連絡先を交換します。
それを、ユカがじっと見ていました。
岡田は森田から聞いたことを告げましたが、安藤は「こうなったら徹底的に調べる」と言い出します。ところが調べる対象は森田ではなくユカの方で、ユカに彼氏がいるかどうかを聞いて来いと、安藤は岡田に命令しました。
やむなく外でユカの仕事帰りを待ち伏せした岡田は、ユカに声をかけられます。ユカから森田と親しいのかと聞かれた岡田は「昨日、数年ぶりに再会しただけで、深い仲でもない」と答えました。
森田が1カ月ほど前から店に来るようになってから、時期を同じくして周囲に変なことが起こるとユカは言いました。イタズラ電話がたくさんかかってきたり、郵便物が抜き取られたり、家の周囲をうろつく姿を2回も目撃したそうです。
もし森田がストーカーならばやめるよう説得してくれとユカに頼まれ、岡田は困りましたが、どさくさまぎれで彼氏がいないことは聞き出しました。早速、安藤に報告します。
安藤は「金髪(森田)を見張りに張り込みしよう」と言い出しました。岡田も付き合わされます。
安藤と岡田はユカの店に通いながら、安藤は岡田に「知り合いなら、ガツンと言え」と言います。「言えない」と岡田が言うと「じゃあ、コツンでいいから」と更に催促されて、仕方なく森田と待ち合わせることにしました。
森田を呼び出して呑みに行った岡田は、森田に安藤がユカに片思いしていることや、その恋の応援をしていることを告げます。すると森田は安藤のことを「前から気持ち悪いと思ってたんだよ」と洩らします。
「あれ?」と思った岡田は矛盾(店に行ってないと言いつつ、安藤先輩のことを「前から」気持ち悪い=顔見知りという矛盾)を突きますが「言ってないよ」と否定されました。そう言われると、それ以上追及はできません。
岡田は安藤に言って救われた「人間は誰でも不安とか不満とかを抱えながら生きている」というエピソードを持ち出しましたが、森田は「誰でも一緒なわけねーじゃん」と一蹴しました。「俺もお前も、人生終わってんだよ。なんも持ってない奴が、底辺から抜け出すことなんかないんだぜ。金持ちとは違うんだ」と断言する森田は、人生に絶望していて容赦がなく、その絶望の深さに岡田が精神的ダメージを受けます。
ガツンどころかコツンすら言えずに終わった会合を安藤に報告すると、安藤は「ユカをそろそろ誘おうと思う」と言い出しました。
1週間店に通った安藤(と岡田)は、ユカが呑めないと言ったにも関わらず日本酒を呑みに誘います。「皆で、ですか?」とユカが聞いたため、合コンみたいな流れになりました。
ユカが連れて来たアイという女性は、ユカとは幼稚園の時から一緒の幼馴染みです。眼鏡をかけてキノコのような頭のぽっちゃりした体型の女性で、初対面の岡田や安藤にずけずけとものを言いました。開口一番「今日あんまり長いこといられないんだよね、アメトーークの録画予約し忘れたから」と言い、岡田を見て自分の元カレに似てると言い「ソッコー、振っちゃったんだ。超泣いて、ひいた」と笑います。
安藤がユカに将来の夢を聞こうとすると、アイがすかさず「2人でケーキのおいしい喫茶店を作ることです」と答えました(ユカは「お嫁さん」と答えようとしていた)。ユカが岡田に将来の夢を聞きますが、「特にない」と岡田が答えると、アイは「生きてる世界狭そうだしね。人間的にも器が小さいというか、『小粒』なんだよ」と断言します。
アイの無遠慮な攻撃は安藤にも及びました。「安藤さんってユカのこと好きですよね」と言い、「言っときますけど、絶対無理ですから」ときっぱり言います。
安藤にも岡田にも失礼なことを言うので、しまいにはユカがアイに「それ以上言ったら怒るからね」と発言しました。テヘペロするアイは懲りてなさそうです。

【承】- ヒメアノ~ル(ヒメアノール)のあらすじ2

会合の後、「やっぱり俺は、絶対無理なんだろうか」と安藤が切り出し、岡田に「彼女(ユカ)にきいてくれ」と頼みます。
ユカの勤務終わりを待ち伏せして安藤への気持ちを聞いた岡田は、「すいません」と断られました。ユカは好きな人がいると言い「私の好きな人、岡田さんです」と告げますが、「え、俺と同じ苗字?」と岡田が答えたので、ユカは岡田を指さします。「まじっすか」「まじっす」「あのー、な、なんで? あ、会ったばかりなのに」「ひとめぼれっていうか、タイプなんです」なんとユカは岡田に一目ぼれしていたのでした。
それでも罰ゲームではないかと信じられない岡田はきょろきょろ見回し、結果が気になって尾行していた安藤が、腰を抜かして倒れるのを見ます。もちろん一部始終を安藤は聞いており、ショックで「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~!」と叫びます。フォローのために「あのこれは、何かの間違いっていうか」と言ってその場を収めようとすると、今度はユカが岡田の発言にショックを受けて絶叫し、安藤は右手に走って去り、ユカは左手に走って去りました。残された岡田が本当はいちばん逃げたい気分です。
次の日から安藤は1週間無断欠勤しました。清掃会社社長が「そろそろクビだな」と呟くのを聞き、岡田が心配して安藤を訪ねると、安藤は部屋にこもりっきりだったようで、部屋の中は一週間分のコンビニ弁当が散乱していました。
安藤は「もう立ち直ったから」と言いました。「冷静に考えてみた」らしき安藤は「だって僕の運命の人だよ。大親友の岡田君が、僕の運命の人を奪ったりするわけないもんね。もし(岡田が)ひどいことをしたら、チェーンソーでバラバラにして、トイレに流すところだった。いやでしょ、チェーンソーでバラバラにされんの」と真顔で言います。部屋には買ったばかりのチェーンソーが置かれており、岡田はユカに断ろうと思いました。
事情を説明して「バラバラにされても、困りますし」と断りますが、ユカは岡田に本当の気持ちを聞かれて「正直、いいなあって思います」「ぜひ、お付き合いしたいレベルの」と答えます。
「バレなければ問題ないってことですよね」とユカが言い、こっそり付き合おうと言い出しました。
初デートでもんじゃを食べに行き(岡田はもんじゃの作り方が下手で、土手が派手に決壊していた)、ユカに「これから岡田君といろんなことしたいなあ」と言われ、その日のうちに関係が進みそうになります。岡田は慌ててコンドームの自販機で購入し、いそいそとユカの部屋へ行きますが…そうです、岡田は経験がないのです。
対照的にユカの方は慣れているようでした。部屋に岡田を招くと、ユカの方からキスをします。ユカの胸に手を置いたものの手をひっこめた岡田に対し、手を導いて触らせます。
いよいよの段でコンドームの裏表に悩む岡田に指示し、岡田とユカは結ばれました。岡田は脱・童貞を果たして満足です。
しかし…2階角部屋に位置するユカの部屋を、下の路上からずっと見張っていた人物がいました。それは…森田でした。ユカが感じていた「森田はストーカー」は事実だったのです。
(注:ここでやっと映画タイトル。映画中盤辺りにバンッと現れる。そしてタイトルの前と後では色彩がまるで異なる)
森田の日常は、缶コーヒーを飲み煙草を吸いながらパチンコして終わる連続でした。勝つ日もあれば、負ける日もあります。
元同級生で、現在は実家の和草ホテルのマネージャーを務める(次期社長)男性・和草浩介に毎月50万円を入金させていました。和草は経理をする婚約者の久美子に頼み、融通してもらっています。
久美子はなぜ森田に脅されているのか和草に問い詰めて、事情を聞きました。話さないと別れると言われ、和草は説明します。
和草と森田は高校時代、毎日河島という同級生にいじめられていました。その頃は毎日生きるのが地獄で、和草と森田はどうやって死のうかと考えていたくらいです。
和草は親に学校を辞めたいと言っても反対され、感情を殺しながら高校に通い続けました。
卒業の1週間前に森田が電話をしてきました。河島を捕まえたから、一緒に殺そうというのです。
呼ばれて山の中に行った和草は、目と口と両腕と足をガムテープでぐるぐる巻きに拘束された河島を見ます。「こいつ面白いぜ。首締めると白目剥いてぴくぴくって魚みたいに動くんだ」と言った森田は、「いつか一緒に殺そうって約束したじゃん。こいつ逃したら、俺らが殺されるんだぞ」と言われるまま、手渡された木製バットで河島を何十発も殴りました。最後に森田が首を絞めて河島を殺し、森田と和草の2人で河島の遺体を山中に埋めました。
その日から森田は変わりました。親にも暴力を振るうようになり、和草は森田が怖くてせびられるまま金を渡し続けます。
ある日の深夜、和草は森田から電話を受けました。「ちょっと殺したい奴いるから、手伝って」と言われました。
「高校の時にさあ、岡田って奴いただろ。そいつをさ、今から殺して山に埋めようと思うんだけど」と言いながら、森田は自宅アパートの部屋を物色し、古い刺身包丁を見つけて布で刃を拭きます。
「手伝わないなら、俺、どうするか分かんねーよ」と言われた和草は、自首しようと思い詰めて車で婚約者の久美子に付き添われて警察に行きますが、久美子は「2人で森田を殺そう。普通の生活取り戻そうよ」と言いました。
和草と久美子は途中ロープを買い、森田宅へ行きます。車中で和草は、河島の遺体を埋めた時に、森田が横でオナニーしていたことを思い出し、そんな森田に本当に勝てるのか怯えていました。

【転】- ヒメアノ~ル(ヒメアノール)のあらすじ3

森田宅のドアチャイムを鳴らした和草は、出て来た森田をいきなり拳で殴り、玄関脇にあった鉄パイプで殴ろうとしますが、抵抗されます。久美子にロープを早く渡すよう指示した和草ですが、久美子は新品のロープを開けるのに手間取りました。
森田はその間に食べていた牛丼の箸を和草の首に刺し、「超いてーよ、ワグっちゃん」と言い、振り返って久美子を見て、鉄パイプを何度も振り下ろします。何度も何度も鉄パイプで殴るので、久美子は失禁しました。和草は息絶えています。
久美子も死ぬと、森田は久美子の身体に灯油を撒き、新聞紙に火をつけると落として部屋を去りました。アパートは全焼し、身元不明(和草と久美子)の遺体の他に、火災で3名の死者が出ますが、森田にとっては瑣末なことです。
犯行を隠す気もないので、アパートも森田名義でした。そのまま森田は街をさまよいます。
…岡田は初体験でしたが、ユカに「俺より前にこういうこと、何人くらいとした?」と聞いて「10人ちょいくらい」と答えられ、軽いショックを受けます。さらに初体験を聞いた岡田は、「15かな、あ、14(歳)」と言われて、かなりヒキます。
とはいうものの交際は順調でした。安藤にも交際はバレておらず、ユカは安藤の目を盗んで岡田に目配せします。
それを見た森田は、やさぐれて駅の看板を殴りました。横を通ったOLが携帯で電話する相手に「なんかすっごい変な人いた」と小さく話し、聞き咎めた森田が話しかけると、逃げるようにして携帯に「話しかけられた~」と言います。
そのOLはマンションの部屋に戻ったところで背後から森田に刺身包丁を首に回され、「声出したら殺すぞ」と言われました。ガムテープで口を塞がれたOL女性は着衣を脱がされます。服を脱がす途中でOLが生理中と知り、森田はナプキンのついた下着を遠くへ放りました。
(はっきりとは描かれないが、OL女性はレイプ後、殺されたと思われる。後日、警視庁がマンションの実況見分をするシーンが映し出される)
翌日、パチンコに勝った森田を、同じパチンコ常連組の男性2人が脅します。森田はカッターナイフを出しますが、あっけなく2人に負けて金を巻き上げられました(本気を出せば森田が勝てる相手だが、いじめられた時の記憶があるからか、1対2の時は本気を出さない。あるいは自己評価が極端に低く、勝てないと思い込んでいる節もあり)。
悔し紛れにユカの部屋のドアを蹴った森田は、ユカの隣人の男に注意されて去ります。
自宅アパートが燃えて帰る場所のない森田はネットカフェに行きますが、残金も少なくて3時間コースしか取れません。個室で気をまぎらせようとしますが、いじめられていた頃の記憶がフラッシュバックします。
高校時代の森田は、教室の前に立たされて背中に的を描かれ、それをモデルガンで射的代わりに使われました。和草と一緒に、校庭の隅にあった糞も食べさせられます。
いじめられていた頃の記憶が戻って来るたび、森田はやり場のない怒りを持て余していました。
…次のデートの日は岡田の家にユカがやってきて泊まりました。ドン・キホーテで買ったピンクローターを試そうと岡田が言いますが、ユカが嫌がり、元カレと使ったことがあると発覚して岡田はいじけます。気まずくなってユカが泣き、岡田は謝って「ごめんね、やっぱり俺、器が小さいね。嫌いにならないでね」と言いました。
翌日、自宅へ戻ったユカは、隣人から「昨日、変な男が来てたけど大丈夫? ドア、バンバン蹴ってた」と言われます。見ると、ドア口にスニーカーの靴の痕がくっきりとついていました。
安藤は岡田に「生まれて初めての告白をしようと思ってね」「何度でも、気持ちを伝えていくつもりだよ。愛とか誠意って時間をかければ伝わるものなんだ」と言われ、いたたまれなくなってユカと自分が付き合っていることを告げます。
いつからかと聞かれた岡田は「安藤先輩が、チェーンソーを購入した頃…」と答え、「キスはもうしたのか? おっぱい揉んだり、君のペニスを、出したり入れたりしてるのか」と聞かれ、「多少は…」と答えると、安藤は大いなるショックを受けて岡田に絶交宣言しました。
暴走した安藤は職場に鉄腕アトムのような髪型(頭部の両サイドのみムースでピンと尖らせている)で現れ、清掃会社社長に「頭を直すまで会社に来るな」と言われます。
ユカからストーカー被害の相談を受けた岡田は、警察に言おうと言いますが、ユカはとっくに動いていました。ストーカーに関しては、ちゃんとした実害や証拠がないと対処してくれないと聞いた岡田は、しばらく自分の家に来いと言います。
その頃、森田は一戸建ての一般家庭・井上宅に入り込んで妻をレイプ後に殺害し、妻が作っていたカレーを食べました。帰宅した夫にも刺身包丁で何度も刺し、殺します。
その後、庭に穴を掘って埋め、家に居座りました。
井上が出勤しないという連絡を受けて、巡回中の警官が井上宅を訪れます。パジャマ姿でくつろいでいた森田は井上の弟の振りを装って、井上は病気で入院していると言いますが、病院名を聞かれても答えません。
怪しんだ警官は庭に土を掘り返した痕を見つけ、家に上がり込んで、奥に血のついた布類がごみ袋にまとめられているのを目撃しました。井上家の包丁を持ち出した森田に警官は脇腹を刺され、必死の抵抗をしますが、殺されます。森田は警官の銃を手に入れました。
カフェに行った森田は、ユカが店を辞めたと知り、またユカの部屋の玄関を蹴ります。注意しに出た隣人男性に銃を向けて発砲しますが、思ったより反動が強く、頭を狙ったつもりが、こめかみにしか当たりませんでした。

【結】- ヒメアノ~ル(ヒメアノール)のあらすじ4

隣人男性を縛ってユカの転居先を聞きますが、男性は知りません。ただの隣人が次の転居先を知らないのは当然なのですが、森田はその分別もつきませんでした。
銃で男性を脅して頬を撃ち、更に頭部に発砲して殺します。
次の日、岡田は職場を休み、警視庁に行ってユカのストーカー相談をしながら事情聴取を受けていました。警視庁では森田のアパートから出た身元不明の遺体が和草浩介と婚約者と突き止め、現在の森田の行方を追っています。
更に同じ頃、井上家ではリビングにある警官の遺体が発見されていました。
森田は清掃会社に行って岡田に会おうとしますが、岡田は休みを取っています(上記のとおり、警視庁に行っていた)。髪型を五分刈りに直した安藤は森田を見咎め、追いかけました。
森田は人気のない地下駐車場まで移動すると、銃を向けて安藤に岡田の住所を聞きます。「殺そうと思って」と言う森田に、安藤は「モデルガンってバレバレなんだよ」と言って股間を撃たれ、さらに腰を撃たれました。安藤は病院に担ぎ込まれます。
安藤の病院に駆け付けた岡田は「俺のせいだよ。森田君は、僕を殺しに来たんだ」とユカに告白しました。
…実は岡田は高校入学直後、最初に森田と仲良くなったのです。ところが森田がいじめられるようになり、岡田は距離を置くようになりました。
森田が登校拒否に陥った時、「いじる相手がいないとつまらない」と言われた岡田は「河島が今までのことを謝りたいって言っている」という嘘をついて、学校に登校させます。
登校した森田は、教室で股間をむき出しにして勃起させろと河島に命令され、女子生徒もいる前でオナニーさせられました。岡田は、自分もいじめられるのが怖くて、河島たちと一緒に嘲る側にいました。
「その時の森田君の目が忘れられないんだ。絶望したような目、死んだような目。とても人間の目には見えなかったよ」…そう、岡田は告白しました。
安藤は一命を取り留めました。安心する岡田と泣くユカに対し、安藤は「俺が勝手にやったことだよ」と言い「俺こそごめん。絶交とか言って。俺らは、親友だよね」と岡田に声をかけます。
病院の外に出た岡田は、バスを待ちながら号泣しました。
森田は弾がなくなった銃を海に捨てます。そしてある方法で住所を知り、岡田の家に潜伏しました。
タクシーで帰って来たユカは、部屋に入って施錠とチェーンをした後、買い物の袋を台所の棚に入れようとして、風に気づきます。台所の窓のクレセント錠周囲のガラスが割られているのを見てすぐ逃げようとしますが、施錠とチェーンが仇になり、奥に潜んだ森田に捕まりました。ユカは両手首を縛られ、上着を顔にたくし上げられて上着越しに顔を殴られて鼻血を出します。
それでも抵抗するユカに、森田は「殺してから犯してもいいんだぞ」と脅しました。
岡田は駅近くで母から携帯に電話をもらいます。犯人の子が同級生で、説明会があるからと言って同じクラスの山本君から問い合わせの電話があって、住所を教えたという母の言葉を聞き(森田は岡田母経由で住所を知った)、母の電話をすぐ切ってユカに電話します。
ユカが電話に出ないので、110番通報した岡田は、走って帰宅しました。
部屋に踏み込んだ岡田は、ユカをレイプしようとする森田が居間の中央に置いてあった包丁に飛びつこうとし、森田も気づいて揉み合いになります。岡田はバイブローターで森田の首を絞めますがコードが千切れ、包丁は森田が持ちました。
「もうやめよう、森田君」とユカの前に回った岡田が声をかけますが、森田は「どうせ死刑、変わんない。お前ら殺したらやめてやるよ」と言います。
岡田は高校時代に嘘をついて呼び出したことを謝りますが、現在の森田にとっては「あれ、お前いたっけ? 覚えてねえよ」程度のことでした。包丁を持って向かった森田を、岡田はクッションでカバーします。
パトカーの近づく音がしてひるんだ一瞬を狙い、岡田は森田にぶつかって2人で2階の窓から転落します。森田は岡田を人質に取り、包丁を見せながら「近寄ったらこいつ殺すぞ」と言いながら(この時右足を捻挫している)、近くに路上駐車している白いバンに近寄りました。バンの後部に岡田を突っ込み、車の運転手を包丁で刺して降ろすと、車に乗り込みます。
車の背後にいた警官を後退で轢き、さらに車の運転手の顔を轢いて、森田は車で逃げ始めました。パトカーが追跡します。
「森田君、もうやめよう。昔はこんなことする人じゃなかったでしょ。なんでこんなことすんの」と声をかける岡田を殴った森田は、前方に白い犬を連れた老人を見て、とっさにハンドルを切ります。白い犬と老人は無事でしたが、車は電柱にぶつかって大破しました。
運転席の森田は岡田を振り返ると「岡田君、岡田君、来てたんだ。そうだ、借りてたゲーム返さなきゃね。お母さーん。麦茶持ってきてー」と言います。そのまま森田は両脇を警官に取り押さえられながら、逮捕されました。
ふと水音がするので森田の足元を見ると、森田の右膝から下は切断されていて、血がとめどなく溢れています。
連行される森田は「岡田君、またいつでも遊びに来てよ」と屈託のない笑みを浮かべました。岡田は「…うん」と答えた後、気が遠くなりました。
…森田と岡田の出会いの頃の風景が蘇ります。入学直後に親しくなった森田の家に岡田が遊びに行き、2人でテレビゲームに興じていました。その庭には白い犬がいます。
「お母さーん、麦茶持ってきてー」と、森田が母にかける声が響きます…。部屋には扇風機が回り、平和な夏のヒトコマでした。
(ラストで連行される森田が話す言葉は、高校1年に岡田にかけていた言葉と同じもの。当時飼っていた白い犬と、老人が連れていた白い犬が森田の中で重なり、破裂寸前だった森田の意識が高校時代に飛んだものと思われる。精神異常を装うためのものではない…から、よけいに切ない。)

みんなの感想

ライターの感想

監督、あっぱれ!
最後のシーンがなければ森田は「ただの猟奇殺人犯」。しかしラストでそれがみごとに覆った。
それまでも森田が味わったいじめのエピソードは劇中で描かれるのだが、ラストのまだ幸福だった頃の思い出が出てくるがために、見終わった後に残るのが「なぜこうなる前に止められなかったのか」というやりきれなさ。
どこかの時点で森田の精神は壊れてしまったのだろうが、それをどこと定義するのは難しい。
最も判りやすい線引きは、いじめの首謀者・河島を殺した時か。
但し、それまで仲のよかった岡田に裏切られた時のつらさも、加担してはいないか。
森田は「お前いたっけ? 覚えてねーよ」と言ってはいたが、岡田が森田を見捨てたことで、森田の最後の希望の灯が消えてしまったのではないかと思う。
そう考えるとこの物語は、切なくやりきれなく救いのないものになる。
前半と後半とでは色彩がまるで異なるのも特徴。コミカルに描いた前半に較べ、後半は血みどろなワールド全開。
見終わった後、どうしようもなくやりきれない気分になる。が、見てもらいたい秀作。

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