「ビーデビル」のネタバレあらすじ結末

ビー・デビルの紹介:大都市ソウルで暮らす銀行員ヘウォンは荒んだ日々に疲れ果て、生まれ故郷の離島に戻る。しかし残っている島民はわずかに9人。老叔母の掟に守られた男たちは、彼女の幼馴染のボンナム母娘に虐待と凌辱の限りを尽くしていた事を知るが…。2010年公開の韓国のサスペンス映画。原題は「キム・ボンナム殺人事件の顛末」。「シークレット・ミッション」のチャン・チョルス監督のデビュー作で、2004年に発生した「密陽女子中学生集団性暴行事件」など3つの事件がベースになっている。2010年の大鐘賞、大韓民国映画大賞の新人監督賞、主演女優賞、第6回オースティン・ファンタスティック・フェス主演女優賞など数々の賞を獲得している。

予告動画

ビーデビルの主な出演者

ボンナム(ソ・ヨンヒ)、ヘウォン(チ・ソンウォン)、叔母トンホ(ペク・スリョン)、ボンナムの夫マンジョン(パク・チョンハク)、その弟チョルジョン(ペ・ソンウ)、ボンナムの娘ヨニ(イ・ジウン)、トゥクス(オ・ヨン)、婆さんたち(キム・ギョンエ、ソン・ヨンスン、イ・ミョンジャ)、爺さん(ユ・スンチョル)、ソ警士(チョ・ドクチェ)、ミラン(チェ・シヒョン)他。

ビーデビルのネタバレあらすじ

【起】- ビーデビルのあらすじ1

ソウルで暮らす銀行員へウォンは、夜の繁華街でチンピラたちに暴行されていた女性を見捨てます。彼女は警察署でも曖昧にしか証言せず、チンピラたちに脅され、被害女性の父親から証言を懇願されても無視します。
一方、銀行では、貧乏な老婆には貸付できないと怒鳴って追い返し、後に後輩の女子行員が応じたと知り当たります。また直後に、トイレに閉じ込められ、疑心暗鬼に陥った彼女は有無を言わさず窓口にいた後輩を叩きます。そのため上司に怒鳴られ、長期休暇を取ることに。
行き場を失ったヘウォンは、それまで度々「たまには遊びに来て」と手紙や電話をよこし疎ましく思っていた、故郷の小さな離島”無島(ムド)”に住む幼馴染のボンナムに会うため、帰郷します。

若い船長トゥクスは、10年前までは1日2便出てたけど、今じゃ6世帯9人だけだとこぼし、彼女が成長したヘウォンだと知るとおだてて下品に笑います。
船着き場代わりの岩場では、みすぼらしい服のボンナムが大喜びで抱きつきますが、トゥクスは汚い手で触るな!と怒鳴ります。ヘウォンは白いワンピースとハイヒールで女王のように降り立ち、ボンナムが彼女の荷物を運びます。
季節は夏。炎天下の畑では農作業をしていた3人の婆さんが駆け寄り、ソウルの水で肌が真っ白だと感心し、ボンナムは、突っ立っていた男たちを旦那のマンジョンと義理弟チョルジョンだと紹介します。そこに叔母のトンホが来て、旦那を呼び捨てにしたと罵り、1日いれば帰りたくなるとクサします。婆さんたちは空気のいい田舎で休暇を楽しむのが都会人だと言いますが、叔母にイヤミを言われ黙ります。傍ではトンホの夫のボケた老人が黙って蔓菜の葉を噛んでいました。
ヘウォンの家は島の高台にある屋敷で、ボンナムは幼い頃縁側に彫った2人の名前を見て、お爺さんに怒られたよねと話します。そこにボンナムの娘ヨニが来ますが、怒って帰ってしまいます。娘は10歳で、私は学校に行かせたかったけど旦那と叔母に女には必要ないと反対され行かせてないと話し、何か言いかけますが、ヘウォンに家がきれいだと言われて自分が掃除したと笑い、言葉を飲み込みます。その後、野菜を持って戻ったボンナムは、縁側で昼寝をするヘウォンの寝顔をじっと見つめていました。

家に戻ったボンナムは、マンジョン兄弟と娘の4人で縁側の小さなちゃぶ台で立膝をして粗末な食事をします。マンジョンはヨニと夜釣りに行くと言いヨニは喜びますが、ボンナムは不満そうに文句を言ってちゃぶ台を叩かれ、慌てて娘に微笑みかけます。チョルジョンは彼女をじっと睨んでいました。
夜、2人が夜釣りに出ると、チョルジョンは縁側に面した小部屋で無表情にボンナムを犯します。
2人が戻った時、横になっていたボンナムは慌てて迎えに出ますが、釣果が無かったことをこぼし折檻されます。ヨニは殴打の音と母親の呻き声を聞きながら平然と果実を貪っていました。
翌日、マンジョン兄弟はケトン婆さんの家の屋根の修理をし、トンホは3人に男手がいると助かると恩を着せます。老女たちは彼が死んだら生きていけないと合わせます。トンホは、無言でセメントをこね続けていたボンナムが座った途端うどんでも作れと怒鳴り、ヘウォンがまだ寝てると聞くと、女は一生男についてくもの、あの歳で独身なんて変わってると貶します。ボンナムはソウルでは皆そうだとかばいますが、ソウルがどうしたと責められます。
その後、ボンナムは、ヘウォンに食事を運び、喜ぶ彼女を嬉しそうに見ていましたが、食事の用意も洗濯も自分ですると言う彼女にその白い手で?と笑い、これから泉に洗濯に行くから来てねと誘います。
ボンナムは森の中の泉でヘウォンの白いワンピースを愛しむように手で洗い、後から来た彼女と一緒に泉に浸かり背中を流します。ボンナムはヘウォンの白い肌を眩しそうに見つめ白くてスベスベだと褒め、2人は子供のように水を掛け合いはしゃぎます。

【承】- ビーデビルのあらすじ2

午後、ヘウォンは島を散歩して、トンホの家にしかない電話のための中継アンテナや、海女をするボンナムや婆さんたちを見て、クローバーの葉を噛み微笑みます。けれど、チョルジョンが無言で近寄ってきたため、鏡の破片を隠し持ちますが、彼はヨニが来たため唾を吐き掛け去って行きます。
ヨニは彼女に、ソウルが出てる”社会”の教科書はダメだけど、他の本で紙の船を作ってとねだり、2人はメンコや紙の船、貝殻で飾りを作って遊びます。
その頃、マンジョンは本土から連れてきたタバンレジ(茶房ウェイトレス)のミランと小部屋で番っていて、声が丸聞こえの縁側ではボンナムが海女着のまま、胡坐で飯をかっ込んでいました。そこにヘウォンたちが戻り、ボンナムは慌ててヨニを連れ出そうとします。ヨニはまた来てるの?!と怒ってボンナムを叩き、事態を知ったヘウォンが怒っているところに叔母が戻ってきます。
叔母は無言でヘウォンにぶつかり家に入り、ボンナムは2人を追い出します。叔母はその状況の中平然と次の命令をし、ボンナムは、返事はしますが、再び飯を食い始めます。叔母は他の女が咥えてるのによく喉を通るね、大食いは豚そっくりだとこぼします。
事を終えたミランは縁側で小ネギの皮を剥くボンナムに、ごめんね奥さんと笑って日焼けクリームを差し出します。ヨニは彼女を睨んで叩き奥に入って行きます。
ボンナムは、同情はいらない、あんたも身を滅ぼすよと言いますが、あんな奴から逃げれば?と言われ、今度捕まったら殺されるとこぼします。ミランは、ソウルに逃げれば見つからない、私と一緒に逃げて食堂で働こうとメモを渡し笑いますが、彼女は子供には父親が必要だと断わります。
ボンナムは、ミランを乗せた船が去るのを丘の上の蜂の巣箱の手入れをしながら見ていましたが、そばでごろ寝していたマンジョンに飯の支度をしろ!と怒鳴られ石を投げられます。石は巣箱に当たり彼女は蜂に何ヶ所も刺され逃げ回ります。彼は家でも痛みを堪える彼女に木片を投げつけ、味噌でも塗っとけと言い捨てます。
家の縁台でヨガをしていたヘウォンは、ボンナムの腫れた顔を見て目の前で旦那が他の女としてるのによく黙っていられると怒ります。ボンナムは、ここでは暗黙の了解だ、あんたが心配する事じゃないと言い、ふざけてごまかします。
戻ったボンナムはマンジョンのポケットからヨニの新品のパンツを見つけ、化粧の真似事をしていたヨニを問い詰めます。ヨニはお父さんに愛されたいの、パンツと化粧品はお父さんがくれた!と叫びます。そこにマンジョンが戻り彼女の頭を蹴り飛ばして罵りマニキュアを浴びせかけますが、ヨニにはまた買ってやると優しく言い、ヨニは黙って彼の膝に乗り、頬を摺り寄せます。
彼女は呆然として庭に降り、鎌を手に取りますが、ヨニは父親の膝に座ったまま彼女を睨み、マンジョンはその尻を優しく叩いていました。彼女は鎌を手放し走り去って行きます。

その夜、ヘウォンの携帯に解雇通知が届き、すぐに帰り支度を始めます。
縁側にボンナムが背を向けて座っているのに気づいた彼女は、明日の船で帰り、ソウルで出直すと話し、彼女を後ろから抱きしめ、ゆっくりできたわ、ありがとうと言います。が、腫れてマニキュアのこびりついた彼女の顔を見て驚き、まだ我慢する気?と呆れます。
ボンナムは、私とヨニをソウルに連れてってと頼みますが、ヘウォンは勝手にすれば?!ソウルはここよりずっと怖いところよ!と拒否され、15年前に約束したのに!私はダメでもヨニだけはとすがります。そして理由を教えてと迫るヘウォンに言い難そうに、マンジョンとヨニが性的関係にあると打ち明けます。ヘウォンは唖然として、そんなのありえない、ソウルに行きたいための作り話だと言い捨て扉を閉めます。それを木陰で聞いていた叔母は鼻で笑い去って行きます。
ボンナムは、島の奴らの事、気付いてるでしょ?と叫びますが、ヘウォンが扉を開けた時には消えていました。
翌日、ヘウォンは崖にいたヨニにお父さんにどうやって愛されてるの?と聞きますが、ヨニが照れ笑いをして言い淀むうち、叔母とパジュ婆さんが現れます。叔母はヨニの教科書を崖に蹴り落とし、ヨニを無理やり連れて行かせます。
そしてヘウォンの前に立ちふさがり、掟は環境で変わる、ボンナムは嘘が下手で子供の頃から野良犬みたいに欲しい物をねだってたと話します。ヘウォンが警察にと言うと自分で言いなと笑い、ヨニはマンジョンの実の娘じゃない、島を守る気が無いなら余計な心配しないで次の船で帰れと言い捨て去って行きます。
一方、ボンナムは、昼寝をしていたマンジョンのポケットから札束と電話の戸棚のカギを盗み、ミランに電話をします。

【転】- ビーデビルのあらすじ3

明け方、ボンナムはグズるヨニを連れ家を抜け出します。ヨニはソウルは怖いところだ、父さんも島も好きだし行きたくないと騒いでいましたが、やがて「今行かなければ一生殴られる?私は母さんが殴られるのが一番イヤ」と言い彼女の手を引きます。2人は農道を小走りに降りながら「お母さん、泣いてるの?…ここにいるくらいなら、死んだ方がましって言ったけど、死んじゃダメ」「お母さんが間違ってた。犬の糞にまみれても生きてる方がいいね」と話していました。
船ではミランが手を振っていましたが、船長はトゥクスでした。ボンナムは愕然としますが、ミランは彼しかいなかったと言い2人を急かします。トゥクスは受け取った金をのんびり数え、マンジョンが来ても船を出そうとはしませんでした。

ボンナムはマンジョンに殴られながら髪を掴まれ農道を引きずられて行きます。ヨニは泣いて追いかけ、ミランも助けて!と叫んでいます。農道の上には叔母と婆さんたちがいて、叔母は、逃げられないよう足を折っちまいなと喚いています。ミランはチョルジョンに助けてとすがりますが草むらに連れ込まれ、トゥクスは余計な事に関わるからだと見捨てます。マンジョンはボンナムを殴り続け、お父さんといるから!と止めようとするヨニを張り飛ばし、育ててやったのに裏切りやがって!と連れ去ろうとします。
ボンナムは助け起こそうとするスミ婆さんを振り解き、彼に石を投げようとしますが、旦那に石なんて!と怒鳴られ突き飛ばされます。ボンナムは女はぶつけられるのに男はダメなの?!と怒りますが、叔母に父親の知れない子を育ててやった感謝しなと言われ、みんなして私の事を犯したくせに!と怒鳴ります。マンジョンはさらに猛り彼女を激しく蹴りつけます。止めに入ったヨニは、彼に噛みついて投げ飛ばされ、岩に後頭部をぶつけ息絶えます。
ボンナムは殴り続けるマンジョンを振り払ってヨニに這い寄り、「お母さんとソウルに行くんでしょ?」と言い泣き出します。叔母たちは2人を無表情に見下ろし、マンジョンは「大げさだな、味噌でも塗っとけ」と言いながら近寄りますが、ボンナムは絶叫して彼らを追い払い号泣します。

彼らは本土からマンジョンの先輩のソ警士を呼び、ヨニの遺体を見せ崖から落ちたと言い、あんたが死亡診断書を書けと言い含めます。
訝しがる彼に、叔母は私はあの子の祖母だから嘘を言うわけない、腫れ上がった顔で娘の写真を撫でるボンナムを差して母親だって黙ってるはずがないと言います。婆さんたちもちゃんと調べたら自分も祖母かも、母親が静かなのは殺したからかもと嘲笑っています。
けれど、警士に事情を聞かれたボンナムは「あの男が蹴って投げ飛ばして殺したの!」と泣き出し、慌てた叔母とマンジョンは、ボンナムがヨニを連れて逃げようとしたから、おまえだけ行けと金を渡したが、行きたくないと俺にすがるヨニをボンナムが無理に引き離し、はずみで石に頭をぶつけたんだと口裏を合わせ泣き真似をします。
ボンナムは、これまで蜂蜜を売って稼いで来たのに金を貰った事など1度もない、この金はこいつのポケットから取ったんだ!と怒りますが、叔母はこの泥棒猫!と怒鳴り、マンジョンは、おまえの好きにしろ、どこへでも行けと泣き真似をします。そこにヘウォンが来て、目撃したか聞かれますが、彼女は一同と血を流すボンナムを見て、寝てたから見てないと答えます。
彼らはソ警士に土産を山ほど持たせ、さらにマンジョンは分厚い封筒を渡して笑い、追い返すように船に乗せます。ヘウォンは出掛けに縁側に彫った名前の棘を踏み乗り遅れてしまいます。
ボンナムが呆然と座り込む間、チョルジョンが薬入りのスープを作りヘウォンに届けます。彼は一旦は帰り、彼女が寝入るのを待って忍び込み下着を脱がせます。そこにボンナムが火のついた木切れを持って現れ「ソウルの女はそういう事許さないよ」と追い返します。彼はニヤつきながら逃げて行きます。
15年前、ヘウォンは貧しいボンナムにリコーダーを貸しキスをしますが、悪ガキに取り囲まれて逃げ出し、彼らを食い止めようとしたボンナムはリコーダーで殴られ気を失い悪戯されます。草むらには折れたリコーダーが落ちていました。
ヘウォンは目覚めてすぐに激しく嘔吐し寝込みます。

島には日常が戻り、マンジョン兄弟は船で本土に出掛けます。
ボンナムは口をきかず庭に作った娘の墓を離れませんでしたが、芋掘りを手伝えと言われ、炎天下の中、無言で掘り続けます。休憩時間になっても作業を止めない彼女を肴に、年寄りたちは酒に酔い陽気に歌って踊り、叔母は動いてる方が忘れられるとこぼし、エイ漬を取りに帰ります。
やがて大量の芋を掘り上げたボンナムは最後の一個を放り、太陽を見上げ立ち尽くします。そして年寄りらが見つめる中、縁台にあった水をぐびぐびと飲み「太陽を見てたら答えが出た」と言い、大笑いする婆さんらに襲いかかり首を鎌で切り裂きます。
戻った叔母は満足げなボンナムと婆さんらの死体を見て藪に隠れて怯え、一晩中叔母を探したボンナムは、翌朝、鎌と鋏を鋭く研ぎ、爺さんの散髪をします。
一方、ようやく起きたヘウォンは中継アンテナの線が切られているのに気づいた所で叔母が来て悲鳴を上げます。
叔母はひどく怯えて震えていて、あの女が完全に狂った、だから男がいなくちゃ、もうすぐ船で男が帰ってくると呟きます。そこにボンナムが現れ、ヘウォンを張り倒し、逃げ出した叔母を「叔母さま、ゆっくり歩いてよ。急ぐと転ぶよ」と言いながら追い始めます。
叔母は岸壁に逃げますが、黙って近づくボンナムに怯えて鎌を振り回し、あたしはこの島に15で嫁に来て50年以上生きた!と叫ぶ頃、船が戻ってきます。すると彼女は、男が帰ってきた、この悪魔!人殺し!おまえはそこで待ってな!男を呼んでくるから!と言い勝手に飛び降ります。
ボンナムは崖下の叔母の死体を見て「叔母さまったら、老眼鏡くらいかけなきゃ」と呟きます。

船ではマンジョンが何か音がしたが気のせいかと呟き、チョルジョンに蜂の巣箱を見に行けと言い、トゥクスに一杯やってけと誘います。
ボンナムは泉で顔を洗っていたチョルジョンの傍に立ちますが、彼は鎌に気づかず彼女の尻を撫でニヤつきます。彼女は彼の髪を掴み首を鎌で切り裂き、頭を切り落とします。それを見ていたヘウォンは愕然として逃げ出しますが、ボンナムはその後をしばらく追い姿を消します。
一方、農道をのんびり歩いていたマンジョンとトゥクスは、変な臭いがする、年寄りがいないと不思議がり、血だらけの芋にも気づかないまま、泉で水を飲み始めます。が、トゥクスは木の枝に引っかかっていたチョルジョンの生首から血が垂れて気づき立ちすくみます。
そこにボンナムが来て鎌を振り上げますが、ヘウォンが叫んだため反撃されます。彼女はトゥクスの腕を大きく切り裂きますが、マンジョンには鎌を取り上げられ殴りつけられ、一度は泉に叩き込みますが捕まります。

マンジョンは、家の庭で後ろ手に縛ったボンナムを蹴り続けますが、ヘウォンは怯えるだけでした。
彼はお前は一度も心を開かなかった、俺を虫扱いしておまえの身体も石同然、だから立つモノも立つたねぇんだ!と怒鳴りますが、ボンナムもだから娘に手を出したのかと唾を吐き掛け、警察に行って互いの罪をバラしてやる!と怒鳴り返します。
彼は、殺して正当防衛にしてやると言いナイフを持ち出しますが、殺したら私が警察に言う!と立ち塞がるヘウォンを殴って捕まえ、ナイフをボンナムに突きつけながら、この女はおまえが殺したことにするか?それとも新しい女房にするかと迫ります。
ボンナムは少し考え「あなたにすまないと思ってる」と言い、ナイフの刃先に舌を這わせます。彼女は動揺する彼の指先まで舐め上げ、ナイフを落とすと指に噛みつき離しません。彼は激痛に悲鳴を上げて指を抜き、斧を取りに走りますが、斧は土台に深く刺さりなかなか抜けず、その間にボンナムは彼が落としたナイフを口に咥えて突進し、振り向きざまの彼の胸を深々と抉ります。
彼はボンナムを突き飛ばしますがナイフは抜けず、ボンナムはその隙に身体を丸めて縄を抜け、マンジョンに馬乗りになり何度も鎌を振り下ろします。
そこにトゥクスが戻りますが、呆然と見ていたヘウォンは彼の手を取り逃げ出します。
ボンナムはわずかに息のあるマンジョンに「すごく痛い?ちょっと待ってて、今、味噌を塗ってあげるから」と呟きます。彼女は庭の味噌蔵まで彼の死体を引きずり、大量の味噌を投げつけ、これで痛くないか?このクソ野郎!おまえは犬以下だ!と絶叫します。
ヘウォンとトゥクスは船へと逃げ、ヘウォンが口汚く怒鳴るうちエンジンはかかりますが、舫い綱を外しにトゥクスが岩に戻ったところでボンナムともみ合いになり、2人とも海に落ちます。
ヘウォンは2人を無視してエンジンをかけ、海が赤く染まります。彼女はボンナムを探す事もせず、島を離れます。

【結】- ビーデビルのあらすじ4

ほどなくして、島からお呼びがかかり迎えに行った船長は、生まれてから30年島から出た事が無いと話すボンナムにまともじゃないと言い、私がまともに見える?と聞かれ笑いだします。彼女はボサボサ髪で、日に焼けた真黒な肌に馴れない化粧を塗りたくり、真っ白なワンピースを着て、ヴィトンのバックにリコーダーを持っていました。島には、爺さん1人が残されています。
港に着くと、馴れないハイヒールによろける彼女に船長が手を貸し、大通りにはソウル行きのバスがあるから、美味い物でも食ってきなと、渡し賃の中から数枚の札を返します。彼女は深々と頭を下げ「親切な人がいるもんだ」と呟きますが、近くの船を警察が調べているのを見て、ハイヒールを脱ぎ捨て逃亡します。

ヘウォンは、何とか本土に戻り、警察に保護されソ警士も駆けつけていましたが、気を失っています。
彼女は、丘からヨニが殺害されるまでの一部始終を目撃しボンナムとも目が合ったのですが、目を逸らし、見てないと証言した自責の悪夢にうなされ、気づくとそこは留置所で、なぜか手錠がかけられ、部屋の隅には白いワンピースのボンナムがいます。彼女は怯えて逃げ出しますが、ボンナムはでかいハンマーを引きずりながら追ってきます。その時ソ警士はすでに殺害されていて、玄関扉には錠がかけられ出られません。ヘウォンはボンナムと掴み合いになりますが、1畳ほどの留置室に逃げ込み、鉄格子に中からカギを掛け立てこもります。
ボンナムは彼から鍵束を取り、バックからリコーダーを出し、彼女に吹けと差し出します。何を吹くの?何で私に?と聞くと、あの時あんたが吹いてた曲を、そして「あんたは親切じゃないから」と答えます。それは15年前折られたリコーダーで黒いテープでつけられていました。
ヘウォンはリコーダーを唇に当て、ボンナムはカギを開けますが、息を吹き返したソ警士にピストルで撃たれ、ハンマーで股間を叩きとどめを刺します。
ボンナムは鉄格子まで這いずって行き、「草むしりの時、休むと叔母さまにサボるなと言われた、もう言われたくない!」と叫んでハンマーを振り上げますが、ヘウォンは折れたリコーダーを彼女の首に突き立てます。
ボンナムはリコーダーを首から抜き、彼女の膝に横たわり、血だらけの吹き口を彼女の唇に当てます。ボンナムは少し吹いて泣き出したヘウォンの涙を血だらけの手で拭い、リコーダーの真似をしながらあの時の曲「マギー若き日の歌を」を口ずさみ息絶えます。
ヘウォンは、その手を握ろうとしますが、血のりで滑り落ちてしまいます。
島の所々には墓が作られていました。船着場の岩にはトゥクスの石積み、砂浜には3つ並んだ婆さんたちの土盛り、泉にはチョルジョンの草の墓、ヨニの墓は白い貝殻で飾られ新しい供え物があり、マンジョンは味噌甕の墓、叔母の遺体は岸壁の下で燃やされていました。
爺さんにも果物と干物と線香の膳が供えられていましたが、間もなく膳に突っ伏し息絶えます。

ソウルに戻ったヘウォンは、警察署に行き、取り調べを受けていたチンピラを指差し、あいつらですと言い切ります。チンピラが彼女に掴みかかりますが、彼女はそばにあったボールペンでその眼を刺そうとして止められます。
家に戻った彼女は服のままシャワーの水を頭からかぶり、未開封だったボンナムの手紙を開けます。それは小学校の時のままの幼い文字で、全て同じ内容でした。
「愛するヘウォンへ 会いたい 無島より ボンナム」…
彼女は濡れたスーツのまま床に横になります。
その姿は海に浮かぶ無島の形そのものでした。

みんなの感想

ライターの感想

驚くべきことに、島にいるのは犯罪者集団でも何でもない一般人ばかりで、その上、島のボス叔母に至っては、罪悪感のかけらも無く、むしろ嫁を厳しく躾け、甥っ子たちを島に囲い込んで男手を供給し、島を守っていると言う誇りと自信に満ちています。
これは日本の昭和初期~中期、鉄拳制裁が横行、推奨されていた時代にもよくあった話で、当時は、結婚後殴らないのは”いい”亭主、殴るのは”困った”亭主、尚且つ亭主が嫁を殴るのは嫁が至らぬせいと噂される程度で済まされた惨い黒歴史でもありました。
数年ぶりの鑑賞でしたが、やはり髪の毛が逆立って仕方がない。男性向けの映画雑誌で知った作品でしたが、無駄な濡れ場は一切なく、女性にこそ見ていただきたい作品だと思います。
本土に渡った時のボンナムの太い二の腕を見てこの女優さんこの先どうなるんだろう?と不安になったのは「ターミネーター2」のリンダ・ハミルトン以来でした。彼女を演じたソ・ヨンヒは人懐っこい大きな瞳と笑顔がチャーミングな美人女優さんですが、本作の2年前2008年の「チェイサー」では細身で儚い薄幸の女性を演じています。そちらも本作同様切迫したアクションとバイオレンスシーンが多い役柄で、本当に実力の底が計り知れません。
監督によれば本作のテーマは”傍観者”だそうで、ヘウォンに限らず長年虐待を見過ごしてきた老人たち一人一人の風情もベテラン俳優たちが見事に演じています。年を重ねるごとに色々考えさせられる作品です。

映画の感想を投稿する

映画「ビーデビル」の商品はこちら