「ブラックスワン」のネタバレあらすじ結末

サスペンス映画

ブラック・スワンの紹介:2010年製作のアメリカ映画。ダーレン・アロノフスキー監督によるサイコスリラー映画。バレエ『白鳥の湖』の主演に抜擢され、潔白な白鳥と官能的な黒鳥の二つを演じることになったバレリーナが、プレッシャーにより徐々に精神が崩壊していく様を描く。主演のバレリーナ役を『レオン』のナタリー・ポートマンが演じる。第83回アカデミー賞にて5部門で候補に挙がり、アカデミー主演女優賞ほか多数の賞を受賞。

予告動画

ブラックスワンの主な出演者

ニナ・セイヤーズ(ナタリー・ポートマン)、トマ・ルロイ(ヴァンサン・カッセル)、リリー (ミラ・キュニス)、エリカ・セイヤーズ(バーバラ・ハーシー)、ベス・マッキンタイア(ウィノナ・ライダー)、デヴィッド(バンジャマン・ミルピエ)、ベロニカ(クセニア・ソロ)、ガリナ(クリスティーナ・アナパウ)、アンドリュー(セバスチャン・スタン)、トム(トビー・ヘミングウェイ)

ブラックスワンのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①母・エリカの熱心な庇護の下、バレエに励むニナ。プリマ交代の時期に『白鳥の湖』の上演が決まり、ニナは演出家のトマに主役として抜擢された。喜びもつかの間、ニナは主役のプレッシャーにおされる。 ②完璧主義で生真面目すぎるニナは黒鳥の演技に手こずり、いつしか現実と幻影の境目があやふやに。才能を開花させたニナは本当の敵である自分の幻影に負け、命を落とした。

【起】- ブラックスワンのあらすじ1

アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク。
ニナ・セイヤーズは幼少期からバレエの練習にひたすら励み、現在はニューヨークのバレエカンパニーに所属しています。
その裏には、母親・エリカの過度な期待がありました。エリカは28歳の時にニナを妊娠し、出産しましたが、自分が果たせなかった一流プリマへの道をニナに寄せていました。
エリカはニナを異様なまでに束縛しています。携帯を持たせてすぐに電話をかけてくるところや、友人との外出を許さないほどです。
ニナは才能があるバレリーナに育ちましたが、いっぽうでエリカに過度な期待を寄せられて、臆病にもなっていました。

ある日。
バレエカンパニーが次の公演で『白鳥の湖』を上演することが決まります。『白鳥の湖』といえば三大バレエのひとつ、いわばバレエの最高峰というべき演目で、そこで主役の「白鳥の女王」を演じることは、非常に名誉あることでした。

ここで先に『白鳥の湖』のあらすじを書いておきます。
オデット姫(白鳥の女王)はある日悪魔に呪いをかけられ、白鳥の姿に変えられます。夜の間だけ人間の姿に戻れます。呪いを解くには、まだ誰も愛したことのない男性に、愛を誓ってもらうことです。
王子がある夜、人間の姿で踊っているオデットと出会い、恋をしました。オデットも王子に恋をします。
ところが悪魔の娘・オディール(黒鳥)が王子を誘惑し、王子はだまされてオディールに愛を誓ってしまいました。悲しんだオデット姫は崖から身を投げて死ぬ…という話です。
(注:版によって悲恋とハッピーエンドと両方ある)
オデット(白鳥の女王)とオディール(黒鳥)は通常、同じ演者が演じます。清純な白鳥と、情熱的な黒鳥は演じ分けが難しく、大変なことでした。

さてその『白鳥の湖』を今回、フランス人の男性演出家・トマが大胆に振付を変え、官能的により強く斬新な演出をしようと考えます。
それまでバレエカンパニーでのプリマはベスでしたが、年齢を重ねてしまっているので、新たなプリマを用いる可能性が出てきました。
若いバレリーナたちは、自分が選ばれないかとみんな期待を寄せます。ニナも例外ではありませんでした。
ニナはプリマのベスに憧れていました。ベスはプリマなので個室の控室を与えられているのですが、ニナは時々忍びこんでは、ベスの私物を盗みます。決して嫌がらせではなく、むしろ正反対のベスへの憧れがなせる業でした。
その日もニナはベスのルージュを盗み、ひとり悦に入ります。

トマがプリマを物色しに、バレエのレッスン稽古の様子を見に来ました。ニナも候補に残ります。
ニナが踊っている時、遅刻してきた新人のリリーが入室したせいでニナの集中力が途切れ、ニナはコーダの踊りを失敗してしまいました。
続きを踊らなくてもいいと言われ、「白鳥の役だけなら君を選ぶ」と言われたニナは、失敗が自分で許せず家でも足の親指が割れるまで練習します。
このようなニナの生真面目さは、ニナ自身にとって「枷(かせ)」になっていました。情熱的で官能的な黒鳥を踊るには、向いていないのです。
白鳥の女王に未練の残るニナは、盗んだベスのルージュを引いて、場合によってはトマに色仕掛けしてでも役に推してもらいたいと考えました。

【承】- ブラックスワンのあらすじ2

しかしいざトマの目の前に立つと、猛烈に恥ずかしくなります。
トマは、白鳥役にヴェロニカを決めたと話し、「それを覆すほどの説得をしてみろ」とニナを挑発しました。挑発はトマなりの試験です。
ニナはダイレクトに「私を主役に抜擢して」と頼みました。トマは、4年間ニナを観察した結果、抑えるだけではダメなのだ、解放することも必要だと言い、唐突にニナにキスをします。
突然キスされたニナは、思わずトマの唇を噛んで逃げました。唇を噛むなど強気で反発的な一面を見たトマは、そこに新たな可能性を見いだし、賭けようと決意します。
配役表が張り出されました。ニナはヴェロニカが主役を獲ったと思いますが、ニナが主役に選ばれています。ニナは嬉しくて、トイレの個室から母に報告の電話を入れました。
個室から出ると、鏡に大きく「アバズレ女」と書かれていました。
(書いたのは今までプリマだったベスか、またはライバルのヴェロニカだと思われる。それまで憧れる立場だったニナが、妬まれる立場に変化したことをあらわしている)

レッスンが始まりますが、ニナはやはり黒鳥の役に苦労します。
いっぽうで入ったばかりの新人・リリーは奔放で予測不可能な演技をしました。
それまでニナがライバル視していたのはヴェロニカでしたが、リリーを意識し始めます。
資金提供者への会合の席で、ニナは華々しく次の『白鳥の湖』の主役だと紹介されました。同時に、ベスの引退も発表されます。
この頃からニナはプレッシャーに押しつぶされそうになり、爪の根元から血が出たり、肩の根元が痒くなったりする、じんましんのような幻影を見ます。もともとニナに自傷癖があったため、よけいに混乱します。
パーティーの後、ニナは身体を利用してトマの次のプリマ役を射止めたのだろうと、ベスに罵られました。憧れていたベスにそう言われ、ニナは悲しい気持ちになります。
トマの部屋に案内されたニナは、性的な経験があるかと聞かれ、宿題として「自慰をしろ」と言われました。ニナは真面目な白鳥を演じるには向いているのですが、情熱的な黒鳥を演じるには、性的な奔放さが必要だというわけです。
翌朝、ニナはトマの言葉を思い出して自慰をしようとしますが、母・エリカの顔を思い浮かべた瞬間、できなくなりました。ニナは母のエリカとアパートで2人暮らしをしており、自室に鍵がついていません。プライバシーなどないに等しいのです。

ベスが事故で入院したというニュースが駆け巡りました。パーティーの直後で、ベスが車道に出て轢かれたそうです。
気になったニナは入院先を見舞い、ベスの折れた無残な足を見てショックを受けました。
ベスが入っていた個室(楽屋)にニナが入りますが、ニナが置くものはそう多くありません。ベスから盗んだ口紅、香水、ピアス、爪やすりくらいでした。

【転】- ブラックスワンのあらすじ3

プレッシャーはますますニナを追いつめますが、黒鳥の演技ができません。
家では母のエリカがずっとニナを心配し、あれこれ世話を焼こうとするのですが、それもニナにとっては鬱陶しくてなりません。
だいたい、ニナはもう20歳近くになっているのですが、そんなニナの爪を母のエリカが切るのです。完璧な子ども扱いです。
居残りでトマに誘惑されたニナは「これじゃ逆だな」と言われ、課題の自慰を風呂場でしてみようと思いますが、プライバシーがないので専念できません。
泣いていたニナを、リリーが目撃しました。リリーは悩みがあるなら言ってくれと声かけしますが、ニナは振り切って家に帰ります。
前の夜、ニナが稽古場で泣いていたことが、トマに伝わっていました。リリーがよかれと思って助言したことですが、ニナはリリーが告げ口したと思い、怒ります。

帰宅してもむしゃくしゃするニナですが、母のエリカは違う心配をしていました。女好きのルロワに言い寄られていないかと聞きます。
母のエリカがよく言うことに、「あなたのために(バレエの道を)あきらめたのよ」ということばがありましたが、ニナはそれに対しても反感を抱いていました。
母は28歳でニナを産んでいます。いわば、もうバレリーナとしての絶頂期を過ぎてから…なので、母の口癖はただの言い訳なのです。しかしそれを母にぶつけることもできません。
しかしこの日、ニナはイライラしていました。母のエリカと口論になります。
その時にリリーが家を訪問しました。ニナは母へのあてつけもあり、押し切って家を出ます。
リリーに勧められるまま麻薬を初めて使用したニナは、母・エリカの電話を無視しました。
クスリで朦朧とした意識の中、見知らぬ男性と身体を重ね、リリーと一緒にタクシーで家に帰ります。
酔って気が大きくなったニナは母・エリカをつっかい棒で締め出すと、自室でリリーとの性行為(同性愛)にふけりました。しかし、それは夢でした。

翌朝。
寝過ごしたニナを、母・エリカは起こしてくれませんでした。喧嘩しているからです。
稽古場に行くと、ニナの代わりにリリーが踊っていました。リリーと会話したニナは、「もしかして私とヤってる夢でも見たの?」と言われ、図星だったので黙ります。
リリーがニナの家に泊まったのは夢でした。性行為も夢です。
しかしそれがきっかけで、ニナの踊りはよくなりました。才能が開花します。
いっぽうでニナは、リリーに役を奪われないかと心配でたまらなくなりました。リリーが自分を陥れようとしている…そう、疑心暗鬼に陥ります。

公演前日。
リリーが代役に決まったと聞かされたニナは、トマに必死で「彼女だけは駄目!」と言います。リリーが絶えず自分を追い落とそうと狙っている…ニナは強迫観念の塊でした。

【結】- ブラックスワンのあらすじ4

遅くまで稽古に励んだニナは、鏡の自分が全く違う動きをし、部屋のライトが消え、奥の控室でリリーとトマが身体を重ねている幻影を見ます。
どこからどこまでが現実なのか分からなくなったニナは、ベスの病室に今まで盗んだものを返しに行きますが、ベスが起き上がって「中身は何もない!」と自分の身体が空洞だと見せられる幻影までも見ます。
帰宅しても母の描いた絵が笑っているように見え、ニナはすべて破りました。
肩甲骨から羽が生えて来ている幻影を見たニナは、母のエリカの前で気絶します。

翌朝。公演初日。
母のエリカはニナの成功よりも、ニナ自身を気遣いました。
休むという連絡を母が入れていましたが、今や役のとりことなったニナは出かけていきます。
やってきたニナに、トマはリリーが踊ると告げますが、ニナは自分が踊ると主張しました。トマは「君の道をふさぐ者は君自身だ。解き放て」と踊ることを許します。
踊り始めたニナは、白鳥シーンは上手くいきます。しかしまだだんだん不安になってきたニナは、舞台の上で転倒してしまいました。王子役のデヴィッドのせいにします。

幕間でリリーがニナの部屋にやってきました。リリーは「私が黒鳥を踊ってあげるわ」と言い、ニナはリリーを鏡に押し倒し、さらにガラスの破片でリリーの腹を刺します。
我に返ったニナは、腹部を血まみれにしたリリーをバスルームに隠し、黒鳥を踊りに行きました。今までにない情熱的な踊りに、ニナは自分が黒鳥になった気分を初めて味わいます。すばらしい踊りに、観客は拍手喝采です。
舞台の袖に戻ったニナはトマに情熱的なキスをすると、楽屋に戻りました。
バスルームから漏れ出たリリーの血を見て、ニナは隠そうとタオルを詰めます。
ノックの音に部屋を開けると、そこには刺した筈のリリーがおり、ニナを絶賛しました。
不思議に思ったニナがバスルームを開くと、そこにはあるはずの遺体がありません。すべてはニナの幻影だったのです。
ふと気付くと、ニナの腹から血が出ていました。ニナは幻影を見て、自分で自分を刺していたのです。
自分が異常だということを認めざるをえないニナは、泣くしかありませんでした。
最後の幕が開き、再び白鳥として踊り始めたニナは、客席に母の姿を見ます。母・エリカは泣いていました。
(鬼気迫るニナの演技に感動したというよりは、ニナの腹の傷にいち早く気付き、自傷癖が出たのだと分かって嘆いていたのか)
崖から白鳥が飛び降りて自殺するシーンをみごと演じたニナは、スタンディングオベーションに包まれます。
トマはニナの最高の演技に感動し、「我が姫」と最高の名称で呼びかけながら客席に出ろと言いますが、ニナの腹部の血を見て「救急車を呼べ」と指示しました。(なので、腹部を刺しているのは本物)
ニナは笑顔で「感じたわ。完璧よ。完璧だったわ」と言うと、静かに目を閉じました。
視界が真っ白になるなか、いつまでも客席からの拍手が響きました…。

みんなの感想

ライターの感想

こわい。すごくこわい話。
あこがれている瞬間がいちばん倖せなんです。トップの座に立った瞬間から、遅かれ早かれ落とされることは決まっているのだから。
それを切実に表現したのがこの作品。
主役になって嬉しかったのはつかの間。すぐに厳しいレッスン、行き詰まる演技。
完璧主義者なだけに、よけい自分を追いつめてしまうニナの姿が哀しい。
途中からのシーンは正直なところ「どこまでが現実で、どこからが幻影なのか」という線引きなど必要ないのかもしれない。
そういう精神状態に陥ってしまったということこそが、もう地獄なわけだから。

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