「プレステージ(2006年)」のネタバレあらすじ結末

プレステージ(2006年)の紹介:2006年制作のアメリカ映画。過去の因縁で競い合う2人のマジシャンを描くサスペンス映画で、主役のマジシャンをヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールが演じた。タイトルはマジシャン用語で「偉業」という意。

予告動画

プレステージ(2006年)の主な出演者

ロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)、アルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)、ハリー・カッター(マイケル・ケイン)、オリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)、ニコラ・テスラ(デヴィッド・ボウイ)、アリー(アンディ・サーキス)、ジュリア・マッカロー(パイパー・ペラーボ)、サラ(レベッカ・ホール)、ミルトン(リッキー・ジェイ)

プレステージ(2006年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①イギリスで同じ時期、ライバルとして戦う2人の手品師・アンジャーとボーデンがいた。最初は好敵手だったのだが、ボーデンがアンジャーの妻を殺したことから、2人の関係は一変する。 ②よきライバルだった筈の2人は「互いの手品のタネを見抜き、皆の前で披露」「恥をかかせる」といった、醜い争いに移行していく。 ③ボーデンが完璧な「人間瞬間移動」の手品を披露する。対抗したいアンジャーは発明家・テスラと接触してコピー機を作ってもらい、ボーデンを「アンジャー殺害容疑」で逮捕させ、絞首刑に追いやった。 ④手品のタネは、ボーデンは「双子」であった。アンジャーは「コピー(クローン)」を作るというものだった。

【起】- プレステージ(2006年)のあらすじ1

マジック(手品)には3つのパートから成り立っています。
1番目は「確認(プレッジ)」…これは、なんでもない物を見せます。カードや鳥や、あるいは人、そういった何かを見せて、それが本物かどうか、タネも仕掛けもないと観客に確かめさせる作業です。
2番目は「展開(ターン)」…これは、その何でもない物で、驚くことをしてみせることです。タネを探しても、観客には分かりません。実は観客は何も見ていず、何も知りたくなく、騙されていたいのです(この意味については後述する)。しかしこれだけでは十分ではありません。消えたものが戻らないと。
3番目は「偉業(プレステージ)」…消えたものが戻ってきてこそマジックは完結するわけで、だからどんなマジックにも3番目がないとマジックは成立しません…。
この手品の3つのパートについて、「黄色いカナリアを鳥かごに入れ、鳥かごごと消して、再び黄色いカナリアを出現させる」マジックで少女・ジェスに老人・ミルトンが説明しました。
…19世紀末イギリス、ロンドン。
華麗なパフォーマンスが得意なアンジャー、通称〝偉大なアントン〟と、見事なマジックを発案するボーデン、通称〝教授〟の2人が腕を競っていました。
この2人は、かつては単に互いの腕を競うよきライバル的な存在でした。
2人とも同じ師匠・ミルトンの下で修行を積んでいます。ミルトンは売れっ子の手品師でしたが、そのマジックは少し古くさくなっていました。ミルトンの下で修行するアンジャーとボーデンは、互いに切磋琢磨することで腕を磨いていました。
しかし、決定的な事件が起きます。
ある時アンジャーの愛妻兼助手・ジュリアが脱出マジックの最中に、縄を解くことができず、ステージ上の巨大な水槽の中で溺死しました。
マジックで解ける筈の縄を、ボーデンは解けない二重結びにしたのです。手品では、ジュリアの足首をアンジャーが結び、手首を結ぶのはボーデンの役目でしたが、ボーデンは敢えて二重結びにしたのでした。
愛する妻・ジュリアを殺されたアンジャーは、以来ボーデンを激しく憎むようになり、復讐を誓います。また手品師としても露骨に敵視するようになりました。
その後、ボーデンは「銃弾つかみ」という手品で一世を風靡します。これは「発砲された銃弾を無傷でつかむ」という手品です。当然、タネはあります。
ボーデンは観客の目の前で銃弾を銃にこめ、火薬を詰め込むわけですが、この時に銃の筒に銃弾を入れたふりをして、実際には弾を抜くのです。抜いた弾は手に握っておく…という仕掛けでした。
アンジャーはボーデンの手品のタネを見破ります。そしてその裏をかいて、用意した銃弾を入れてボーデンを撃ちました。ボーデンは左手の薬指と小指を失います。
マジシャンにとって指は命です。アンジャーの仕打ちを恨んだボーデンも、アンジャーを深く憎み始めました。
こうして、最初はよきライバルだった筈の2人は、「互いが披露した新手品のタネをいかに見破り、大衆の前で恥をかかせるか」という方向にそれていきます。 この映画を無料で観る

【承】- プレステージ(2006年)のあらすじ2

本当は、ここで互いに止めておけば、悲劇は生まれなかったことでしょう。
しかしアンジャーとしては、ボーデンに妻・サラと可愛い娘・ジェスがいるのが許せませんでした。いくら復讐しても、アンジャーの愛する女性・ジュリアは戻って来ないのに、指を失ったとはいえ、ボーデンには妻も娘もいる…この喪失感が、アンジャーをより駆り立てたのです。
さて指をなくしたボーデンも、黙ってはいません。
アンジャーはその頃、「ハトの鳥かごを消した後、ハトを皆の前に出す」という新たな手品で名を馳せていました。
ボーデンはアンジャーの手品のタネを見抜き、観客の前でそれをばらします。アンジャーは恥をかき、より憎悪を募らせました。
ちなみにハトの奇術のタネは「鳥かごを上から潰して隠す。中のハトは死ぬが、別のハトを出してみせることで、生きていたとみせかける」ものです。
観客たちは「ハトの死」をイメージしたくないために「知りたくない事実(ハトが死んでいるという事実)」から目をそむけることによって、結果的に騙されるわけです。これが、冒頭の3つのパートの2番目「実は観客は何も見ていず、何も知りたくなく、騙されていたい」という意味でした。
恥をかかされたアンジャーは、ボーデンが今度「人間瞬間移動」の手品をするというので、それより先に瞬間移動の奇術を披露します。
それは「自分と似た感じの風貌の役者を見つけてきて、登場役をやらせる」というものでした。
代役には売れていない役者・ジェリーを起用しますが、ジェリーはアル中で、最初からアンジャーは不安な思いをします。
アンジャーの奇術は成功しますが、ボーデンは見抜き、2つの罠を仕掛けます。まずはそっくりさんのジェリーに近づき「自分の価値が非常に高いこと」を気づかせました。自分がいないことには手品が成り立たないという知恵をつけられたジェリーは、給料の割り増しを要求します。
さらにジェリーは「もったいぶる」ようになりました。登場をわざと遅らせてハラハラさせたりします。
そしてある時、ボーデンが舞台に上がってアンジャーの手品のタネを明かした上に、自分の劇場の宣伝までして去って行きました。左足も負傷させられたアンジャーは杖をつかないとならなくなり、ボーデンに怒ります。
別の劇場で行なっているボーデンの「人間瞬間移動」は、アンジャーが必死で見てもタネが分からない代物でした。なんとかやり返したいアンジャーは、自分の助手をしている女性・オリビアをスパイにやります。
オリビアはアンジャーを愛していました。アンジャーもオリビアに一定程度の愛は抱いていましたが、それ以上に「手品(ボーデンへの復讐)の方」に意識を奪われていました。
スパイにやられたことで傷ついたオリビアは、ボーデンと恋に落ちます。
オリビアはスパイとしてアンジャーの元へボーデンの日誌を運びますが、それは特殊な符丁で書かれたもので、暗号が必要です。アンジャーは焦ります。

【転】- プレステージ(2006年)のあらすじ3

それでも「テスラ」という単語に目を留めたアンジャーは、科学者の展覧会に行き、ニコラ・テスラという発明家の存在を知りました。
1899年2月8日、アンジャーははるばるイギリスからアメリカに渡り、コロラド・スプリングスにあるテスラ宅へ行って「不可能を可能にする装置を作ってほしい」と頼みます。
テスラは夜ごと大量の電気を必要とする実験を行なっており、最初はアンジャーを門前払いしますが、アンジャーの熱心さに口説かれて、アンジャーに装置を作りました。
テスラはちょうど引退を考えていた時でした。時代はエジソンを支持しており、テスラのような少し風変わりな発明家は異端視されています。
テスラはアンジャーのために「コピーを作る装置」を完成させました。しかしその装置の危険性も承知していたテスラは、アンジャーに大量に投資させた負い目もあって装置を渡しますが、「悲劇を生むだけだから壊せ」と警告します。
しかし復讐に燃えるアンジャーの気持ちを変えられません。使用説明書と現物を手に入れたアンジャーは、師匠であるミルトンに「人間瞬間移動」の手品を見せて、舞台の出演交渉を依頼します。
そしてアンジャーは華々しく「人間瞬間移動」をやってのけました。今回もタネを暴いてやろうと考えていたボーデンは、アンジャーの仕掛けが分かりません。
アンジャーの公演の回数は100回と決まっており、それがまた民衆の話題を生みました。見せ方にかけてはアンジャーのほうが何枚も上手なので、同じ瞬間移動を興行しながらも、ボーデンは焦ります。
そしてある時、好奇心に耐えられなくなったボーデンは、なんとかタネを知りたいとアンジャーの舞台裏に忍び込みました。そこで、本来ならば別の場所にある筈の巨大水槽に、アンジャーが転落して死ぬ現場に立ち会ってしまい、今までの憎悪のやりとりから「殺人」だとみなされたボーデンは、アンジャー殺害容疑で有罪判決、死刑を求刑されます。
ボーデンの妻・サラはその少し前に自殺しました。サラは夫であるボーデンが常に何か秘密を抱えていることに気づき「私にだけは話して」と訴えていましたが、聞き入れられなかったからです。さらに、ボーデンの助手・オリビアとの浮気の疑惑がサラを追いつめました。サラは自宅にある手品の練習室で首を吊って死にます。
ボーデンには幼い少女・ジェスだけが手元に残されます。そのうえでの死刑判決…ジェスは孤児院行きが決定しますが「奇術のタネを明かせばジェスを擁護する」というコールドロウ卿という貴族が、秘書を使ってボーデンに接触しました。
娘・ジェスの行方が気になるボーデンは、タネを書いた用紙を用意しますが、現れたコールドロウ卿はなんと、アンジャーでした。
アンジャーはボーデンがタネ明かしした用紙を読まずに破って捨て(どうでもいいから)、ボーデンの娘・ジェスの身の上は自分が握っていることを示唆します。
そのうえで高らかに勝利宣言するアンジャーを前に、ボーデンは歯噛みしますが、どうしようもありません。ボーデンは死刑に処されました。 この映画を無料で観る

【結】- プレステージ(2006年)のあらすじ4

勝利宣言したアンジャーの前に、死刑になった筈のボーデンが現れ、アンジャーの腹部を撃ちます。アンジャーはここへ至って初めて、ボーデンの手品のからくりを知りました。ボーデンの方は至ってシンプルだったのです。
ボーデンの人間瞬間移動の手品を見て、師匠・ミルトンが最初に指摘した「実は双子なんじゃないか」…これが正解でした。ボーデンは双子の兄弟2人で成り立っており、私生活でも双子だということを隠していました。
妻・サラが違和感を覚えていたのは、その双子アルフレッドとフレディが時々入れ替わっていたからです。
サラに疑われていた浮気も、実際は少し異なるものでした。「フレディは妻・サラを愛する」「オリビアに惹かれたのはアルフレッド」と、双子で愛する相手が違っていたのです。
「弾丸つかみ」の手品で左手の薬指と小指を喪失した折に、双子の片割れも同じように指を切断しました。「まさかそんなことまでするはずがない」…手品の2番目の「何も知りたくなく、騙されていたい」という周囲の思いが、可能にしていた技でした。
アンジャーとの復讐合戦が佳境になった時、フレディは止めようと言ったのですが、執拗に深追いしたのはアルフレッドです。そしてアルフレッドは死刑になりました。フレディは復讐のため、アンジャーを射殺したのです。
アンジャーの手品のタネは「純粋な科学」でした。ステージ上に立ったアンジャーに大量の電気を流すことで、コピー(クローン)を作っていたのです。
毎回手品をすると無尽蔵にアンジャーが増えます。100回と回数を限定したのは民衆を煽るためと、ボーデンを焦らせるためと、「長くやると露見する危険性がある」からでした。
そしてアンジャーは罠を仕掛けます。絶対にタネを知りたがるボーデンは、いずれ舞台裏に見に来るだろうと。
そのために「毎回、本体が水槽の中に落ちて溺死する」というからくりを作っていました。それまでに何十回も、アンジャーは死んでいたのです。
…いちばん怖いのは「死んでいるのはコピーではなく、本物のほう」なのです。Aが舞台から水槽に落ちて死に、そのコピーA'(ダッシュ)が観客席2階から登場するという離れ業をするのですが、アンジャーは「ボーデンを罠にはめたい」ただそれだけのために、毎回死んでいたのです。
コピーは死んでさらにコピーができ…そういう復讐方法を、アンジャーは思い付いたのでした。
しかしそのアンジャーも、結局ボーデンの銃弾に撃たれて倒れました。ボーデンも、アンジャーに復讐を果たしたものの、少しも幸福ではありません。
彼らの空しい戦いを横で見ていた師匠・ミルトンは、アンジャーの死後、コピーを作れる装置を燃やします。
しかし…装置が炎に包まれて壊れるさまを見ながら、ミルトンはこうも考えます。「手品師にとっては、観客を騙せたら、一瞬でも驚かせられたら、それが本望なのだ」と。そういう意味においては、動機が相手への復讐とはいえ、ボーデンもアンジャーも幸福な手品師としての人生を送ったのかもしれません。

みんなの感想

ライターの感想

時系列がぐちゃぐちゃになっており、さらに「ある部分にある部分が挿入される」という形式のため、やや難解かもしれない。
さらに、扱っている内容が「手品」だけに、この手品のタネまで意味不明…という諸氏も多かろう。それを踏まえて、手品のタネ明かしもあらすじに入れている。
本編はというと、あらすじである程度判ると思うが「醜い男と男の足の引っ張り合い」。これに尽きる。
1回目に見たとき、正直「ここまでしなくても」とか「途中で復讐を止めておけばいいのに」とか思った。
しかし…実は今回2回目を見たとき、少々、見方が異なった。
見終わった後の徒労感、なんともいえない「やりきれなさ」、これは一定程度ある。
正直、見終わった後の感触はよくないですよ。いやーな気持ちになる。これに変わりはなし。
ただ今回最後に書き加えたとおり、はたから見るとボーデンとアンジャーの「醜い男のバトル」なわけだが、これはあくまで私が「手品師でないから」抱く感想なのかも。
手品師である彼らの師匠・ミルトンは、自分の弟子2人の壮絶なバトルの間に立たされながら、わずかながらの「羨望」を抱いてはいないか。
抱いとるんですよ、結論から言うと。「彼ら(観客とライバル)を騙せたら、一瞬でも驚かせられたら、それは手品師として本望」…これは偽らざるミルトンの本音。
アンジャーもボーデンも、そして周囲の誰も幸福にならなかった結末だけれど、「そこまでひとつのことに必死になれる」情熱に対し、ミルトンは憧れを抱いたと思う。
そうすると、ラストは悲劇ではあるが、そこに一縷の希望も見出せる。
いずれにせよ、まごうことなき名作には違いない。

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