「二重生活(2012年)中国」のネタバレあらすじ結末

二重生活(2012年)中国の紹介:2012年製作の中国映画。「天安門、恋人たち」「スプリング・フィーバー」のロウ・イエ監督によるメロドラマ・ミステリー。二つの家庭を持つ男が、ある事件をきっかけに日常が崩壊し、3人の男女や刑事の思惑が複雑に交錯していく。

予告動画

二重生活(2012年)中国の主な出演者

ルー・ジエ(ハオ・レイ)、ヨンチャオ(チン・ハオ)、サン・チー(チー・シー)、トン刑事(ズー・フォン)、チン・フォン(ジョウ・イエワン)、シャオミン(チャン・ファンユアン)

二重生活(2012年)中国のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①雨の日自動車に撥ねられた女性・シャオミンが死亡。ただの交通事故死として処理されるが、事故前に後頭部に傷を負い、斜面を転がり落ちた事実が判明。シャオミンに思いを寄せていた男性・フオンは謎を追う。 ②ヨンチャンという男は妻ルー・ジエの他にサン・チーとも子を設けており、他にも愛人を何人も作っていた。夫の浮気を知ったルー・ジエが愛人・シャオミンを殴り立ち去った後、サン・チーが斜面から突き落としていた。

【起】- 二重生活(2012年)中国のあらすじ1

雨の中、若者たちの乗る2台の車が競うように走ります。車中では男女がいちゃいちゃしていました。
2台の車が悪ふざけで暴走したため、トンネルを出たところに女性スン・シャオミンが立っているのに気づくのが遅れました。車の1台がシャオミンを轢いて、対向車線のトラックと正面衝突します。
倒れたシャオミンは、車から出た男・ジャミンの足を握ってきました。ジャミンは事故を苛立たしく思い(自分の赤いスポーツカーが傷んだことと、事故を起こしてしまったことへの苛立ち)、衝動的に女性を蹴ります。
シャオミンは死亡しました(シャオミンの事情については後に出てくる)…。

ルー・ジエは幼い娘・アンアンを育てるために現在は休業していますが、夫・ヨンチャオと会社を共同経営しています。ルー・ジエたちの会社は成功しているようで、その暮らしぶりは豊かで、高級マンションに暮らし、女性使用人・ウェイを雇っています。
アンアンと同じ幼稚園に通う男の子・ユイハンの暮らしぶりは、中の下といったところでしょうか。防音設備もきっちりしていない、安アパートに住んでいます。ユイハンの母はサン・チーと言います。
アンアンとユイハンという子どもを通して、ある日サン・チーが積極的にルー・ジエに接触してきました。以来、サン・チーとルー・ジエは親しくなります。
しかし…サン・チーはある目的を持って、ルー・ジエに接近したのでした。ルー・ジエは知らないのですが、ルー・ジエの夫・ヨンチャオはあちこちで浮気をしており、ユイハンはヨンチャオとサン・チーの間にできた子どもなのです。
以後、分かりやすくするために、敢えてルー・ジエを「本妻」と呼び、サン・チーを「二号」と呼ばせていただきます。二号という俗語を使わせていただくのは、ほかにも愛人がいるからです。ご了承ください。
ほかに女性がいることを知らないルー・ジエは、夫・ヨンチャオとの生活に何の疑問も抱いていませんでした。忙しそうな夫に対し、早く仕事復帰して少しでも仕事の負担を減らしたいと言いつつも、娘・アンアンのためにはよい教育を受けさせたく、そのためには自分がそばについていてやりたいと思っています。
夫・ヨンチャオは仕事を言い訳にして出かけていましたが、浮気ともう一つの家庭のために、留守がちでした。それをルー・ジエは全く気付きません。

本妻ルー・ジエに近づいた二号サン・チーは、ある日、ルー・ジエを喫茶店に誘います。
サン・チーは「夫が最近、浮気をしているみたい」とルー・ジエに相談を持ちかけました。ママ友なので、ルー・ジエも話を聞きます。
その時、サン・チーが喫茶店の窓から見えるあるカップルを指して「さっきのあのカップル、不倫よね。真昼間からホテルに出入りして」と言いました。指された方を見たルー・ジエは、顔面蒼白になります。ホテルから出てきた男女の男は、自分の夫・ヨンチャオだったからです。
夫の浮気現場を見たルー・ジエは、ママ友サン・チーの相談も聞かず、気もそぞろになりました。これもサン・チーの計算で、サン・チーはルー・ジエにヨンチャオの浮気現場を見せたかったのです。
ヨンチャオがホテルから一緒に出て来た女性は、ショートカットの女子大生スン・シャオミン(冒頭の交通事故の女性)でした。

【承】- 二重生活(2012年)中国のあらすじ2

サン・チーとすぐ別れたルー・ジエは見える場所に移動して、夫・ヨンチャオに電話してみます。若い女性といちゃいちゃしている男性が反応したのを見て、やはり夫だと確信します。
夫・ヨンチャオとシャオミンが別れたところを見たルー・ジエは、シャオミンのあとをつけます…。

シャオミンの交通事故を担当した男性警官・トン刑事は、シャオミンに気になる傷を発見しました。
シャオミンは交通事故で亡くなりました。しかし「事故の前に斜面から落ちている」「しかも斜面から落ちる前に殴られている」「交通事故のほかに、事故後に蹴られた腹部の傷跡がある」という事実も発覚します。
車でシャオミンを轢いた加害者・ジャミンの父親は、経済界の大物ヨウ・チアンでした。この事件は殆ど問題視されることもなく、処理されます。
シャオミンの母は、シャオミンが若くして亡くなったことを嘆きました。その姿を見たトン刑事は、シャオミンのことを調査する気になります。
事故後に蹴った相手はジャミンだと、容易に想像がつきました。しかし事故前にシャオミンがなぜ斜面から落ちたのか、斜面から落ちる前に殴られたのはなぜか、謎は残っていました。
シャオミンの携帯の履歴を見ると、トン刑事の友人チン・フオンの名がありました。トン刑事はフオンに会いに行きます。
フオンにシャオミンの死を告げると、フオンは動揺してショックを受けました。相手にされていなかったのですが、フオンはシャオミンに猛アタックしていたのです。フオンは事件に関係なさそうでした。
続いてトン刑事は履歴のある相手・ヨンチャオと会います。ヨンチャオは事故当時会社におり、アリバイは成立しましたが、トン刑事に家庭があることを告げて「浮気のことは事を荒立てないでほしい」と訴えました。

別の日。ルー・ジエの携帯電話にメールが届きます。「雲林9号クラブ503号室」という、ただそれだけの文面です。
気になったルー・ジエはそのホテルに行ってみました。そこで、夫・ヨンチャオがまたしても別の若い女性とホテルから出てくる現場を見て、不愉快になります。
さらに別の日、思い切って夫・ヨンチャオを尾行したルー・ジエは、とんでもない事実を知りました。
ヨンチャオが訪ねた安アパートには、ママ友であるサン・チーと息子・ユイハンがいたからです。夫・ヨンチャオが他に家庭を作っていることを考えたことのないルー・ジエは、激しく動揺しました。そして哀しいかな、この事実に行きあたることも、サン・チーの狙いの一つです。

ところでシャオミンを好きだったフオンは、シャオミンの交通事故死に納得がいかず、トン刑事に引き続いて謎を突き止めようとしていました。トン刑事は、ヨンチャオにアリバイがあったと言いますが、フオンは事故現場に行ってみます。
斜面の途中にルー・ジエのキーケースが落ちていました。ケースにはルー・ジエの顔写真(家族写真)が入っているのですぐ分かります。
さらに現場を捜索したフオンは、斜面の上の方に小さな小屋があり、そこに寝泊まりするホームレスを見つけました。
事件を目撃していないかと、フオンは近づきますが、この時は見失いました。後日出直します。

【転】- 二重生活(2012年)中国のあらすじ3

ルー・ジエはヨンチャオと女性の動画が送られてくるので、そろそろキレ始めていました。ヨンチャオは、自分にも迷惑メールが届くと言い訳しますが、ルー・ジエはもはや信じていません。
この頃になると、メールや動画を送ってくる相手は二号のサン・チーだろうと、さすがのルー・ジエも気づきました。
ある日サン・チーを誘ったルー・ジエはショッピングに付き合わせ、2人でショッピングします。そしてお揃いの洋服を買い、ヨンチャオのクレジットカードで支払い、サン・チーの分は奢りました。
その後、オフィスに立ち寄ったルー・ジエは、さりげなく「ユイハンという子の母に、洋服代が足りないと言われて貸した。お揃いの服よ」と言います。
それを聞いたヨンチャオは、その場は平静を保ちますが、あとで怒ってサン・チーのところへ行き、「妻に接触するなとあれほど言ったのに」と平手打ちしました。「関係が終わってもいいのか」と責めたてます。
この言葉からも分かるとおり、二号のサン・チーは本妻のルー・ジエのことをずっと知っていました。そして近づくなと言われていたのです。
それでもサン・チーがルー・ジエに接触したのは、夫・ヨンチャオを自分のものにしたいからでした。それがたとえ最悪の結果になるとしても。

二号のサン・チーの方も、本妻ルー・ジエが自分とヨンチャオの関係に気づいたと悟りました。2人の女性は互いに宣戦布告しますが、ヨンチャオが他にも愛人を何人も作っているのも事実です。
本妻ルー・ジエはその後も「くまのぬいぐるみをユイハンにもらった。あの子、あなたに似てるわね」と、夫のヨンチャオに嫌味を言ってみます。
そしてある日、娘のアンアンを連れてサン・チーの家に留まり、ヨンチャオがやってくる現場に居合わせました。ヨンチャオも浮気を知られたと悟ります。
本妻ルー・ジエは、自分が二度目に流産した日に、夫・ヨンチャオが二号のサン・チーと浮気して、その日にできた子がユイハンだと知りました。さらに、ユイハンがヨンチャオの母にも認められているばかりか、ユイハンが「ジアハオ(家宝)」と呼ばれていることを知り、打ちのめされます。

…ここで、映画では全く触れられないある背景について、説明します。
中国では人口増加を危惧し、「一人っ子政策」を導入しています。一人しか子どもを産まない家庭を優遇する制度を、国が奨励していたのです(注:少子高齢化に伴い、2015年に一人っ子政策は一応の終息をみました)。
本妻ルー・ジエとの間には娘のアンアンがいますが、男の後取りを欲しがった場合、中国では非常に困る事態になります。
ヨンチャオが二号を作りながらも母から責められなかったのは、一人っ子政策が背景にあります。ヨンチャオの母は男の後取りが欲しかったので、籍こそ入れていませんが二号の存在を認め、喜んでいたのです。
尤も、ヨンチャオが味をしめて、さらなる愛人を作っていることに関しては、何も申し開きはできませんが、一人っ子政策という制度が引き起こした哀しい事象だと分かれば、この映画の見方も変わって来ると思います。
そして、冒頭の交通事故で亡くなったシャオミンの母も「一人っ子政策で一人しか持てなかったわが子が先に死んでしまった」という事実を鑑みれば、その悲しみが尋常ではないことも分かるのではないでしょうか。

【結】- 二重生活(2012年)中国のあらすじ4

さて。時間を巻き戻して、シャオミンの交通事故の真相について語ります。
二号のサン・チーがわざと「夫・ヨンチャオと女子大生・シャオミンとの密会現場」を本妻ルー・ジエに見せたのは、「本妻を使って愛人・シャオミンと別れさせよう」と考えたからです。
しかし事態はサン・チーの想定していない方向へむかいました。
本妻ルー・ジエは愛人・シャオミンを尾行したのです。それをサン・チーも尾行しました。
本妻のルー・ジエはシャオミンを尾行して山へ行き、斜面のところで石を拾って殴りかかります。それをサン・チーは見ていました。
ルー・ジエはシャオミンを石で殴ったものの、それで気が済んだのか、その場を立ち去りました。
二号のサン・チーは考えて、ルー・ジエが去った後に愛人・シャオミンへ近づき、思い切り突き飛ばしました。
シャオミンは斜面を転がり落ち、そして車に轢かれます。その一部始終を、二号のサン・チーは見ていました。本妻ルー・ジエのキーケースを現場に残したのも、サン・チーです。
居合わせたホームレスに口止め料を払い、二号のサン・チーはその場を立ち去りました…。
(いずれにせよ直接の死因は交通事故であることや、既に不起訴に処されていることなどから、新たに発覚したとはいえ問題にはできないと思われます)

本妻ルー・ジエは離婚を決意しました。娘・アンアンを連れて高級マンションを出て、ヨンチャオとの間には弁護士を立てます。
共同経営していた会社は、ルー・ジエが経営することになりました。ヨンチャオは身ぐるみはがされて、離婚されます。
貧しくなったヨンチャオですが、二号のサン・チーは迎え入れます。サン・チーはヨンチャオを独占することが目的でしたから、暮らしが貧しくなろうとも幸福です。
ところが…サン・チーに新たな問題が発生します。
事故現場の全てを知るホームレスから、何度も口止め料を脅し取られるようになったのです。
いちばん欲しかったヨンチャオは手に入れましたが、新たな悩みがサン・チーを苦しめました。サン・チーは全てをヨンチャオに打ち明けます。
そして雨の日、ヨンチャオとサン・チーはホームレスのところへ行き、シャベルで撲殺しました。

シャオミンに片思いしていたフオンは、ホームレスの行方を探していました。もしかしたら事故を目撃していたかもしれないと、必死で探します。
川べりで少年少女たちが悲鳴をあげたのを聞いたフオンは、川に捨てられたホームレスの遺体を見つけました。フオンは証拠のキーケースをトン刑事に渡します。
トン刑事はルー・ジエを呼び、事情を聞きました。ルー・ジエは、そのキーケースはだいぶ前になくしたと話します(それは事実)。
トン刑事たちは真相にもうすぐ辿り着きそうです。事実があかるみになってしまったとしても、サン・チーはヨンチャンを手に入れて幸福そうです。
事故現場では、シャオミンの母が火を焚いて亡きわが子へ祈りを捧げていました。
それをじっと見つめるシャオミンの幽霊が映り、去っていきます…。
(この映画が「一人っ子政策」が抱える問題だと気づかなければ、交通事故と、2つの家庭を持つ男という、ただのわけの分からない映画で終わってしまう。
そして一人っ子政策について、劇中で触れられることはない。日本人が視聴して理解するには、相当の想像力と知識を必要とする。
しかし背景に中国が抱える問題があり、監督が問題提起したかったのは一人っ子政策への警鐘だと気づけば、映画で描きたかった内容がすぐ分かる仕組み。
冒頭でシャオミンを容赦なく蹴るボンボン息子のような非常識な輩ができあがるのも、富裕層の甘やかしが原因)

みんなの感想

ライターの感想

けっこうもやもや~っとしてた、途中までは。正直なところ、事情がつかめた今でも、ヨンチャンの重ねる浮気には、理解が示せないのが本音。
一人っ子政策については劇中で触れられないが、それに伴う中国事情というのは出てくる。
わが子にハイレベルな教育をと、お稽古ごとを探したり、体操教室に通わせたりというシーンはところどころに出てくる。
たぶんこれからは生活も貧しくなるし、下手したら手に入れたはずのヨンチャンは逮捕されるかもしれないのに、それでも幸福そうなサン・チー。
その家族三人の姿を見るルー・ジエ…この視線が妙に記憶に残り、なんともいえない、やるせない気持ちにさせられた。
今作品を見て「不可解」と思った方は、「一人っ子政策」という事情を鑑みて振り返ると「あっ」と気づくところがあるのではないか。

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