「名もなき復讐」のネタバレあらすじ結末

名もなき復讐の紹介:2015年製作の韓国映画。交通事故で両親も夢も失い言語障害を負ったジウンは、ある日帰宅途中に男たちに暴行される。警察にも邪険に扱われ、彼女は自らの手で断罪しようとする…。特集企画『反逆の韓国ノワール2016』の一篇。

予告動画

名もなき復讐の主な出演者

チェ・ジウン(シン・ヒョンビン)、カン刑事(ユン・ソイ)、キム刑事(キム・ヒョク)、チャンベ(アン・セハ)

名もなき復讐のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①元射撃の女性選手・ジウンが路地裏で3人の男にレイプされた。男のパク刑事は無礼な対応をし、帰宅したジウンは再び3人の男の1人に待ち伏せされ、殺害してしまう。女のカン刑事がやってきたが、部屋に遺体があるので入れられない。 ②パク刑事に脅迫されたジウンは銃で殺害、復讐を思いつく。レイプ犯の最後の1人に返り討ちに遭ったジウンは脳死寸前、女性のカン刑事が汲み取ってジウンの酸素マスクを外した(移植を避けるため)。

【起】- 名もなき復讐のあらすじ1

韓国、仁川(インチョン)。

…10年前。
10代半ばのチェ・ジウンという少女は、射撃の名手でした。オリンピック出場も狙えるほどです。
ジウンは毎日欠かさずトレーニングをしていました。ジウンの未来は明るい筈でした。
ジウンの親友の少女チョ・ウォンギョンは、柄の悪い24歳の男性ノ・チャンベと付き合っています。ウォンギョンが悪に染まらないかと、ジウンは内心気にしていました。
ある日、ジウンは大会で優勝したお祝いに、両親と一緒に車で食事に出かけます。
ところがその直前にジウンがウォンギョンに声をかけたので、ウォンギョンの恋人・チャンベが気分を害しました。
ジウンと両親の乗る車を、チャンベは不良仲間のバイクと共にちょっかいをかけます。車を暴走バイクで取り囲み、事故を起こさせました。
交通事故で両親は死に、ジウンも言語障害が起きます。上手に喋れなくなったのです。

…10年後。
事故で両親を失い、射撃のオリンピックの代表チームから外れた20代半ばのジウンは、ウォンギョンと同じ職場で働いていました。ユリム繊維生地工場という会社です。
ジウンは言語障害もあり、ただ寡黙に仕事をこなすだけですが、ウォンギョンは班長に気に入られており、「正社員を2人雇うのだが、誰を雇うかは私次第だ」と、暗に肉体を提供しろと言われていました。
ウォンギョンは10年経過しても、まだチャンベと付き合っています。チャンベがウォンギョンの親友のジウンを嫌っているのは、10年経っても変わらずでした。
ウォンギョンとジウンは同じアパートに住んでいます。ジウンはお金を貯めて、いつかウォンギョンを連れて一緒に逃げたいと思っています。

射撃の選手になれなかった代わりに、ジウンには新たな夢ができていました。イラストレーターになるという夢です。
絵も上手に描けるジウンは、工場のパートの仕事の合間を縫って、Mゲーム社の面接を受けに行きました。そこは女性のチャ代理が社長をしており、ジウンはいい反応を得ます。
あとは面接結果を待つのみでした。人事が決まり次第連絡するというメールをもらいます。
その帰り道、ジウンが路地裏を歩いていると、3人の男性に裏道へひきずりこまれました。3人はジウンが言語障害で、咄嗟の時には上手に話せないことを知ると、無理やり押さえつけて交代でレイプします。
レイプの時に、男性の1人がサンヒョンという男性だと分かります。
男性は「黒髪の黄色いシャツを着た男(キム・サンヒョン ハートの入れ墨をしている)」「茶髪のパーマをかけた男(肝臓が悪いと会話で出てくる)」「黒髪のホスト風の男(「劇団ひとり」に似ている、イ・ギチョル)」でした。
黄色のシャツの男がレイプをしている間、黒髪の男がジウンの金目当てでバッグをあさり、住民登録証を手に入れます。

レイプの後、ジウンは警察に行きました。
しかし対応した中年男性のパク刑事は、言語障害のあるジウンに矢継ぎ早に質問を重ねます。ジウンが相手の男性の頭髪を渡しますが、「立証するには検査が必要」と言い、ジウンがズボンを履いているのを見ると、パク刑事は「スカートと違ってズボンは脱がすのが難しい。必死で叫んでいれば誰かに聞こえたのでは?」と嫌なことを言います。
身体を傷つけられたうえに、警察でひどい応対をされたジウンは、そのまま家に帰宅しました。
パク刑事はやる気のない刑事で、実は裏で悪と通じています。
対照的に同僚の女性カン刑事は、ちょうどジウンが署にやってきたのと入れちがいで、摘発のために署を空けたのですが、見かけたジウンのことが気にかかっていました。

【承】- 名もなき復讐のあらすじ2

署に戻ったあとにパク刑事にジウンのことを聞き、パク刑事がろくに事情を聞かないまま帰したと知り、口論になります。
パク刑事とカン刑事が喧嘩をしていたので、上司に叱られました。その後、カン刑事はジウンに話を聞きに、家を訪れます。

しかしここにも不運がありました。
パク刑事と話をした後にジウンが帰宅すると、家に3人の男の1人が待っていたのです。
男は住民登録証でジウンの住所を知って自宅で待ち伏せし、再びジウンを手ごめにしようとしました。
反抗したジウンは机に飾ってあったガラスの皿で男を殴り、さらにガラスの破片で男の首を刺して殺害してしまいます。
ちなみにこの時、揉み合いになった声を、隣室のウォンギョンの恋人・チャンベに聞かれていました。チャンベは誤解します。

風呂に入っていたジウンを、カン刑事と相棒の若い男性・キム刑事が訪問しました。
カン刑事は玄関先でパク刑事の無礼を詫び、改めて話を聞かせてくれないかと言います。
女性のカン刑事の応対にジウンは「家に入らせてくれ」と言われ、断りました。というのも、家の中に殺した男の死体があるからです。
カン刑事は気がかりながら、その日は退散しました。相棒のキム刑事が「被害者なのに、おかしくないですか」と指摘するのに対し「何が正解なの」と聞き直します。
翌日、遺体を置いたまま出勤したジウンは、ゲーム会社から採用の通知メールをもらいました。
昼休みを狙ってカン刑事がジウンを訪問すると、自分にもジウンと同年代の妹がいるのだと話します。カン刑事の妹も事故で話ができないと言いました。
ジウンはカン刑事に正当防衛について質問しますが、いろんな条件が揃っていないと無理という答えをえます。凶器を使っては駄目と聞き、ジウンは自分の犯した罪が正当防衛にならないと知りました。
帰宅したジウンは、糸のこぎりで遺体を切断し、ばらばらにします。その最中、ウォンギョンが泊めてくれと部屋を訪問しましたが、つい平手打ちして帰してしまいました。遺体を見られたくないからです。

その頃、警察ではマ・サンボムをリーダーとするヤクザの一味を逮捕すべく、動いていました。
ジウンの件で注意を受けたパク刑事はジウン宅を訪問しますが、ジウンは遺体を捨てに行って留守でした。
その際、隣から顔を覗かせたチャンベに「意外な一面があった。部屋でやってた」という証言を聞いた(ジウンと男が揉み合いになったこと)パク刑事は、やはりレイプではないと思い、脅迫できると思います。
車でジウンを探したパク刑事は、通りにいるジウンに話しかけました。まだジウンは遺体を捨てる場所を見つけていません。
レイプではないのに偽ると即収監になると告げ、500万ウォン(約50万円)を脅迫しました。
ジウンに詰め寄っている時、バッグから人の手首が出て来たのを見たパク刑事は驚き、ジウンを路地裏で追いつめると何度も蹴ります。
ジウンも蹴り返し、落ちていたレンガでパク刑事の頭を殴りました。パク刑事は怒ります。
雷が鳴り、雨も降りだしました。ジウンの手に、落ちたパク刑事の銃が当たります。
ジウンが銃を手に取ったのを見たパク刑事は、「撃てよ、やってみろ」と挑発しました。ジウンが射撃の元選手であることを知らず、ばかにしたのです。
1発目の空砲と2発目の実弾は、寸分たがわずパク刑事の胸を貫きました。パク刑事は即死します。

【転】- 名もなき復讐のあらすじ3

パク刑事の遺体が発見されました。検死官は傷の位置がほぼ同じと指摘し「犯人は狙撃手だ」と冗談めかして言います。
容疑者として浮上したのは、マ・サンボムでした。パク刑事とサンボムが裏で通じていたのを別の刑事が突き止めており、結託していた刑事とヤクザが仲間割れを起こして殺したのだろうと思われます。

女性のカン刑事はジウンのことをまだ気にかけていました。自分の妹とつい重ねて見てしまうのです。
カン刑事はジウンに「妹の声を最後に聞いたのは10年前。心の問題で話せない」と言いました。ジウンも態度を軟化させ、レイプの聴取に応じることにします。
ところが警察署に行くと、ちょうどサンボムの部下たちが引き立てられていました。
その中にレイプ犯がいたので、顔を合わせたくないジウンはこっそり署から立ち去ります。
その後、ジウンは茶髪男を尾行しました。

ジウンが捨てたバラバラ死体(イ・ギチョル)が運河で発見され、ニュースで報道されます。
その頃、ジウンは退職願を出し、会社を辞めると言いました。ゲーム会社への就職が決まったからです。
親友のウォンギョンは班長に身体を提供し、正社員になることが決まりました。班長はクスリもやっており、いずれウォンギョンもクスリ漬けにしようと考えています。
部屋に帰宅したジウンは、隣室から「浮気しやがって」と言いながら出てくるチャンベの右手に血がついていたのが気になり、部屋へ行きます。
親友のウォンギョンが暴力を振るわれ、血まみれで倒れていました。ジウンはウォンギョンを連れて病院へ駆け込みます。
殴られたウォンギョンは、何日か入院しました。
パク刑事の銃を手に入れたジウンは、自分が代わりに復讐しようと思います。

まずウォンギョンの恋人・チャンベの車を壊し、駐車場にチャンベを呼びよせたジウンは、眉間を銃で撃ち、殺します。
その後ジウンは自分をレイプした男キム・サンヒョンのところへ行き、股間に2発撃ちこんだ後、眉間に1発撃ちこんでとどめを刺します。
ジウンが殺した男がサンボムを裏切ったこともあり、サンボムの復讐かと警察に思われました。
ただ一介のヤクザが手を下すには、あまりに手際がよすぎることと、武器として使用された銃がパク刑事のものと判明し、徐々に別の人物の犯行ではないかとも思われます。
その頃カン刑事と相棒のキム刑事は、恐ろしい事実に行きあたっていました。
ジウンが射撃の元選手だとキム刑事が突き止め、ジウンが持ってきた頭髪のDNAがキム・サンヒョンのものと判明するに至り、ジウンの仕業ではないかと2人は思います。
カン刑事は急いでジウンの部屋を訪問しますが、部屋はもぬけの殻でした。机に手記があり、どんなことをされたか読んだカン刑事は、涙を流します。
ジウンがカン刑事を殴って椅子に拘束しました。カン刑事はジウンに必死の説得をします。

カン刑事の年の離れた妹・ジャリョンも強姦の被害者でした。
ジャリョンが中学生にあがる時、新しい制服を買いに行く約束をしていましたが、カン刑事は仕事のせいで待ち合わせ場所に遅れました。その間にジャリョンは襲われ、強姦されました。
ジャリョンはそのせいで今も病院に入院しており、言葉もしゃべれません。
犯人はたった6年で出所していました。

【結】- 名もなき復讐のあらすじ4

カン刑事は「私だって(犯人を)殺したい」と訴えます。女性刑事のことをありがたく思いながらも、ジウンは口にガムテープを貼り、その場に留めました。
そしてひとり、復讐に行きます。

相棒のキム刑事がジウン宅を訪問し、縛られたカン刑事を見つけました。
ジウンは最後の復讐相手(レイプした男)の勤務するカラオケボックスに、班長を呼んでいました。
親友のウォンギョンにクスリを打つという班長をカラオケの個室で撃ち、店の受付をするレイプ犯の両ふとももを撃って逃げられないようにします。
そこへ警官隊がやってきました。カン刑事が中央で、投降するよう説得します。
「私はあの日に死んだ」とジウンは思いながら、自殺をしようと自分の顎に銃を当てました。カン刑事が必死に呼びかけます。
カン刑事の説得に応じ、ジウンが銃を落とし、投降の気配を見せました。
しかしその時、ジウンが落とした銃を手に取ると、茶髪の男がジウンを撃ちました。その後、両手を上げて投降します。
カン刑事は男に発砲しますが、至近距離から撃たれたジウンはおびただしい量の血を流して倒れました。

…親友・ウォンギョンのところには、ジウンから通帳と印鑑が届いていました。そこには、ウォンギョンの夢であるネイルサロン開店の資金の足しにと書かれています。
「恨んだことは一度もない。もう責任を感じることはないのよ」と、ジウンからの手紙にはありました。
実は10年前、ジウンの両親を死においやり、ジウンに言語障害を残した交通事故の時、恋人・チャンベのバイクの後ろにウォンギョンも乗っていたのです。つまりウォンギョンもジウンの事故に関与していたのでした。
それでもジウンはウォンギョンを、ずっと親友だと思っていました。

病院に担ぎ込まれたジウンと男は、隣同士のベッドで寝かされます。ともに意識不明です。
カン刑事は病院の看護師たちの会話を耳にしました。
ジウンは週明けにも脳死と判定される可能性が高く、脳死が判定した場合、臓器移植されます。その際、肝臓はレイプ犯の男に移植されるのです。
看護師たちは「皮肉な偶然」と言っていました。

カン刑事は病室に入ると、並んだベッドを見て、男の酸素マスクを外そうとします。
しかし思い直し、ジウンの酸素マスクを外しました。ジウンに取りつけられた器具は異変を察知し、アラーム音が鳴り始めます。
医師たちが病室に駆け付けますが、カン刑事はたてこもり、医師を部屋に入れませんでした。そのまま煙草に火をつけようとしてやめ、窓から外を眺めます…。

(ラストでカン刑事はなぜジウンのマスクを外したか。
同じ女性として、性被害者の姉として、被害者の気持ちが分かるから。
投降直前、ジウンは「私はあの日に死んだ」と思っていた。その破れかぶれの気持ちが復讐へ駆り立てたわけで、それをカン刑事も理解している。
いずれ脳死判定されるわけで、ジウンの死は決まっているのだから、それならば一刻も早く殺して「楽にさせてやろう」という配慮、これが1つめの理由。
もう1つは。
心停止によって死亡した場合は酸素の供給が断たれるため、機能が衰えて移植が難しくなる。
脳死後に移植ができる臓器が「角膜」「肺」「心臓」「膵臓」「肝臓」「腎臓」「小腸」なのに対し、心停止後に移植できる臓器は「角膜」「膵臓」「腎臓」のみ。
隣のレイプ犯に「肝臓」を移植させないために、敢えて心停止で殺し、医者を寄せ付けずに移植の可能性を「潰している」。
ジウンをレイプした相手に肝臓移植をさせないようにする、これが2つめの理由)

みんなの感想

ライターの感想

なんともやりきれない映画。あまりにもひどすぎる。
いちばんひどいと思ったのが「ズボンは脱がしにくいでしょ」…これに関しては口があんぐりだった。
現にレイプシーンでは、両手を2人の男に掴まれて残りの1人に脱がされている…このシーンは見ていて痛々しい。
復讐はしたけれど、ちっとも浮かばれた気がしない…。復讐してすっきり爽快パターンではなく、復讐したけど哀しいほう。

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