「天空の蜂」のネタバレあらすじ結末

サスペンス映画

天空の蜂の紹介:2015年公開の日本映画。1995年に発表された東野圭吾のベストセラー小説を、堤幸彦が映画化。日本全土の原発破棄を求め、超巨大ヘリを原子力発電所に墜落させようとするテロリストと、事件解決に挑む人々の戦いが描かれる。

予告動画

天空の蜂の主な出演者

湯原一彰(江口洋介)、赤嶺淳子(仲間由紀恵)、雑賀勲(綾野剛)、佐久間・福井県消防課長(光石研)、今枝・福井県警警備課長(佐藤二朗)、山下・綿重工技術本部員(カゴシマジロー)、根上三等空佐(やべきょうすけ)、上条二等空曹(永瀬匡)、植草一等空曹(松田悟志)、湯原篤子(石橋けい)、湯原高彦〔成人〕(向井理)、室伏周吉(柄本明)、中塚一実(國村隼)、芦田・警察庁長官(竹中直人)、筒井・炉燃理事長(石橋蓮司)、三島幸一(本木雅弘)

天空の蜂のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①新型の大型無人操縦軍用ヘリ『ビッグB』が「天空の蜂」と名乗るテロリストに奪われ、高速増殖原型炉『新陽』の上でホバリングを開始。天空の蜂は原発を停止しないとビッグBを新陽に落とすと脅迫する。 ②しかし犯人らも想像しなかったことに、ヘリには開発者・湯原の息子・高彦が乗っていた。犯人は高彦の救出を認める。その間に捜査が進められた。 ③犯人は息子を失った原発技術者の三島と、プロジェクトの途中に放り出された雑賀(本名・佐竹恭平)。三島の恋人・赤嶺淳子も作戦は知らないが、一部手伝っていた。湯原らが落ちる位置をずらせ、ビッグBは海に落ちて新陽は無事だった。

【起】- 天空の蜂のあらすじ1

1995年8月8日、午前7時21分。愛知県小牧市にある錦重工業株式会社、名古屋航空システム製作所の小牧工場。
この日は特別な日でした。防衛省の管轄の下、5年の歳月を費やして開発した、全長34メートル、総重量25トンの超巨大ヘリ、通称〝ビッグB〟の納入式が行なわれる日です。
家族との時間を犠牲にしてビッグBの開発に臨んだ、錦重工業航空機事業本部の開発責任者・湯原一彰も納入式に参加予定で、妻・篤子と小学生の息子・高彦も招待されていました。
湯原運転の車で家族は工場に乗り付けますが、湯原と篤子は別居する予定です。高彦は妻・篤子が引き取って育てるつもりでした。
湯原の同僚・山下も、息子の恵太を連れて来ています。恵太は高彦よりも幼い子どもでした。
高彦と恵太は意気投合し、一緒に真っ暗な倉庫に忍び込みます。納入式を控えるビッグBの黒い機体を懐中電灯で照らして見上げる2人は興奮していましたが、積極的な高彦に対して恵太はやや引け腰でした。
高彦と恵太がビッグBの後部ハッチに乗り込んだ時、格納庫が遠隔操作で開きます。ローターが回転し、ビッグBが勝手に離陸を開始しました。高彦と恵太を乗せたままです。
湯原はすぐに気づいて格納庫に急ぎますが、ビッグBは離陸しようとするところでした。高彦が咄嗟に恵太を先に降ろしますが、高彦自身はビッグBに取り残されたまま、飛び去ります。
ビッグBはそのまま福井県にある高速増殖原型炉『新陽』の上でホバリングを開始しました。
…午前8時。ビッグBを奪取した者が何者か分からないまま混乱する現場に、犯人からの要求がファックスされます。犯人側からの最初の接触でした。
〝関係者各位
自衛隊ヘリ・ビッグBを奪った
ヘリは現在、福井県敦賀市にある高速増殖原型炉『新陽』の上空でホバリングをしている
そのまま時が経てば燃料は切れ、稼働中の原子炉建物に墜落する
なお、ビッグBは大量の爆発物を積んでいる
この危機を回避する方法はただ一つ
日本の原子力発電所を全て破棄せよ
具体的には、全ての原発にあるタービン棟を破壊し、発電不能にすること
ただし『新陽』だけは停止してはならない
もし『新陽』の原子炉が停止したら、その瞬間にビッグBを墜落させる
フル装填された燃料が切れるのは最短で8時間後、午後4時である
貴方がたの懸命な決断に期待する 天空の蜂〟
現場ではなぜビッグBが奪われたのか混乱しますが、湯原はそれを説明します。
今回開発されたビッグBはフライ・バイ・ワイヤ機と呼ばれるもので、自動航行制御システムを搭載したものです。電気信号でプログラムさえ指示すれば、無人でヘリを操作できるというのが最大の売りでした。
これを実用化すれば人間の行けない場所でもビッグBを操作して派遣できる…開発部の狙いが裏目に出て、『天空の蜂』を名乗るテロリストにビッグBが奪われたのでした。
原子炉核燃料開発事業団の筒井や原子力発電所の所長・中塚など関係各省はただちに連絡を取り合い、対策を練ります。また『新陽』ではいざという時の場合に備えて、スクラム停止の手順も確認しました。
天空の蜂はマスコミにも同じファックスを流しているので、情報は全てマスコミに筒抜けでした。各局は特別番組を組んで報道します。
警察庁長官・芦田が、要求には応じられないと述べたうえで、記者会見で「ビッグBの中に子どもが取り残されている」ことを告げました。これはおそらく、犯人側も予測していなかった事態です。

【承】- 天空の蜂のあらすじ2

これを機に脱原発の団体が抗議デモを開始しました。緊急対策室には、湯川などビッグBを開発した人物の他に、原子力部門の設計に携わった三島幸一なども集まります。
表向き、『新陽』はTNT火薬100kgでも壊れないとされていますが、あくまで仮説です。実際にそういった事故が起きたことがないので、未知数の部分もありました。
もし高度800mにホバリングしているビッグBが落とされた場合、落ちてくるまでの所要時間はたった8秒です。『新陽』のスタッフたちを避難させる場所として、湯川は堅牢な原子炉格納容器の中を考えました。『新陽』は稼働したばかりなので、格納容器が保管されていません。
そしてもし『新陽』がメルトダウンして放射能が洩れた場合、半径250kmのエリアは人間が住めない地域となります。福井県を中心として同心円…近畿地方、中部地方はもちろんのこと、東京の西側までが駄目になる計算でした。
ビッグBの操縦席の様子が分かれば対策を練られるのではと考え、ビッグB内部にいる高彦に無線で呼びかけます。「操縦席正面真ん中の、赤いランプの下のボタンを押して返事してください」と言いますが、高彦が操作すると警告音が鳴り、使用不能です。
その頃マスコミを通じ、犯人側から新たな声明のファックスが届きました。
〝新陽を除く、全ての原発を今すぐ停止させよ
①救出方法をテレビにて発表すること
②救出者はヘリコプター内部には入らず、子供にもヘリコプター内部の物を持ち出させないこと
③救出に使うのはヘリ一機のみとすること
一つでも違反があった場合には、ヘリコプターを墜落させる
なお、原発停止の際には、テレビ局スタッフを制御室に入れ、停止手順を生中継すること 天空の蜂〟
今までは原発を「破棄」でしたが「停止」に変わりました。犯人も人命優先と考え、制限時間内でできる譲歩案を出したのです。
すぐに自衛隊のヘリが飛ばされ、救援隊として植草と上条が作戦に当たります。国民には「節電」を呼びかける報道が、繰り返されました。
運転停止は北日本電力、柏木原発の1号機から始まります。犯人の要求通り、テレビカメラを入れての停止操作を行ないました。
小牧工場から「3日ほど前からあった、洗濯機ほどの大きさの木箱がなくなっている」という報告があがります。犯人が爆発物をビッグBに積み込んだという情報が、俄然、真実味を帯びました。
新陽に駆け付けた湯原の妻・篤子が、阪神大震災を見た高彦がモールス信号を勉強していたと言います。行きの車中で、工場に着いてからも、足で蹴りながら高彦は「ココニイル」とメッセージ信号を父・湯原に送り続けていたことを、湯原は知りました。と同時に、モールス信号でビッグBにいる高彦に連絡を取れると考えます。
「タカヒコ」とライトで送信すると、高彦は後部ハッチに見に来ると「タカヒコ」と作業用ライトで返信します。「ソコニナニガアル(そこに何がある?)」「キノハコ(木の箱)」「オオキサハ(大きさは?)」「センタクキ(洗濯機)」「ゼツタイニサワルナ カナラズタスケル ソコデマテ(絶対に触るな。必ず助ける。そこで待て)」とやりとりしました。
中堅の室伏刑事と若い関根刑事は、原発に恨みを持つ人間を地道に捜査しました。新陽で働いていた男性・田辺佳之が27歳の若さで、白血病で亡くなったと突き止めます。

【転】- 天空の蜂のあらすじ3

母・泰子は病床の佳之の写真を見せます。写真の1つにラジコンを持った佳之の姿がありました。佳之にはラジコンの師匠と呼ぶ知り合いがおり、「サイカワだか、サイガワだか」といった名の人物だと泰子は言います。
テレビでは、新陽以外の全ての原子力発電所の停止を放送しました。犯人からの返答〝子供の救出を許可する 天空の蜂〟が届きます。
しかし上空での救助は難航を極めます。ヘリのローターが接触して危険なので、接近にも限界がありました。貨物室入口の上方にヘリをつける作戦を立てます。
自衛隊のヘリはビッグBの後方に回り込むと、高彦に「ロープウツ ソノサキニメモアリ メモドオリニシロ アブナイサガレ(ロープ、撃つ。その先にメモあり。メモ通りにしろ。危ない、さがれ)」とモールス信号で知らせ、ロープ銃で三つ又フックを打ち込みました。気流が乱れて失敗しますが、3つめの銃でひっかかります。
高彦はメモ通りにロープの先にビッグBのクレーンのワイヤーをひっかけ、2つのヘリを繋げました。ワイヤーを伝って上条が行きますが、揺れで高彦がビッグBから落ちます。上条も落下し、途中で高彦を確保するとパラシュートを開きました。無事に高彦を助け出します。時刻は午後1時で、タイムリミットまであと3時間です。
ファックスで〝改めて通告する 現在、停止状態にある全ての原発のタービン棟を破壊せよ 天空の蜂〟と届きました。
室伏刑事と関根刑事の捜査により、田辺の友人は「雑賀(サイカ)勲」だと判明します。
併行して錦重工業では、洗濯機ほどの大きさの荷物が搬入された時期を特定し、その時間帯に出入りする人物をチェックしました。すると怪我で入院している筈の原口の名があり、原本の鉛筆書きの名が改竄された可能性があります。それができるのは総務課の人間で、筆跡から赤嶺淳子が割り出されました。
湯原らは、新陽の停止を考えます。
「ポンプから出る温排水の温度ならびに水量」を見て新陽稼働の有無を調べていると目測をつけた湯原らは、待機ポンプでカモフラージュしようと考えました。三島は「変圧器の空冷ファン」など、いくつかの可能性を指摘します。
それを嘲笑するかのように、天空の蜂から映像が送信されました。原発周辺の画像で、発電所全体の温度の映像です。ビッグBの下部に取り付けたカメラで放出口と取水口の温度差をモニターしていると気づいた湯原らは、待機ポンプを停止させて原発を止めるのをやめました。
放出口と取水口の温度差が約6度で、温度差が反映されるのが約1分と分かります。つまり犯人が新陽の停止を知るまで1分かかるという点に着目した湯原は、「スタッフを格納容器に避難する時間」に充てることが可能だと結論づけます。
室伏刑事と関根刑事は、3年前にプロジェクトから抜けた佐竹恭平という男と雑賀が同一人物と気づきました。部屋を訪問すると航空自衛官と鉢合わせ、自衛官たちは宅配便業者の振りを装ってドアチャイムを鳴らしますが、雑賀が部屋を爆破して逃げます。
室伏刑事は爆破に巻き込まれて負傷し、関根刑事が窓から逃げた雑賀を追い、足を撃ちました。関根刑事は脇腹を刺されながらも手錠をかけて殉職し、雑賀は自分の親指を切断して手錠を外します。
しかし包囲網は縮まっており、逃げられそうにないと悟った雑賀は、走行しているトラックに飛び込み、轢死しました。
午後2時15分、犯人が死んだという一報が入ります。しかもビッグBを操作していたと思しきコントローラーも、一緒に轢かれてバラバラになっていました。

【結】- 天空の蜂のあらすじ4

湯原はコントローラーの組み立て作業に執着し、共犯・赤嶺淳子は取り調べを受けます。「その人は死ぬ気だ」と尋問の刑事が訴えかけ、淳子は親しい間柄の三島の名を自供しました。午後3時45分に三島は逮捕されました。
…三島には智弘という息子がいましたが、父が原発の仕事をしていることがきっかけで、クラスからいじめを受け投身自殺をします。三島は落ちてくるわが子を受け止めきれず、その時の怪我で足に後遺症が残りました。
息子を失った三島は、いじめのリーダー格の男子生徒・九谷良介の家族もその後、原発を必要とする人らに追われて町を出たことを知り、本当に原発が必要なのか考えます。
その頃白血病で佳之が亡くなり、葬儀に出た三島に雑賀が接触しました。雑賀は、自分を使い捨てにした国への恨みを抱いていました。三島と雑賀が結託し、三島と恋人関係にあった淳子も手伝いました。尤も、淳子には計画の内容は知らされず、ただ名前の書き換えを指示されただけです。
淳子は三島とフランクフルトで落ち合う約束をしていましたが、妊娠が判明したので飛行機に乗るのをやめ、会社に出勤していました。
三島は湯原に、全国の原発は停止していないと言います。テレビが流した停止措置の映像は、全てシミュレーション用に用意された映像で、原発関連の人は見たらすぐそれと分かります。
「政府は全国民を騙した。電気の方が全国民の命より大事なんだ」「国民も見たくないものは見ようとしない」「蜂は巣を守るためにオトリを飛ばす。そしてオトリは外敵と心中する」と三島は言いました。湯原はショックを受けます。
連行される三島に、ビッグBをなんとかする方法はないのかと湯原は聞きますが、三島は答えませんでした。時間はもう15分を切っています。
高彦の「操縦席に赤い紐が繋がっていた」という情報から、オートローテーション(エンジン停止後もゆっくり落ちる)機能がついていると考えた湯原は、「ビッグBが落ちる位置をずらす作戦」を考えます。
他の職員は核燃料格納室に避難させ、午後3時50分、直したコントローラーを手にヘリに乗り込んだ湯原は、エンジンが停止する瞬間を狙ってコントローラーで操作し、すぐ横の海にヘリを落としました。新陽への落下は免れました。
全てが終わってから、三島の部屋に用意してあったパソコンが、ファックスを予約送信しようとしていました。
そこには、実際に積載されたダイナマイトはたった10本であったこと、他の原発にヘリを落とすと放射能漏れが心配されたが、稼働したばかりの新陽だとその危険性が薄いこと、使用済み核燃料がないことなどを挙げて、そのうえで新陽を選んだと書かれてあります。
「子供は、刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る。今度のことが教訓になることを祈る。ダイナマイトはいつも10本とは限らないのだ」という文字は、捜査員によって電源を落とされました。ファックス送信はなりませんでした。
「本当に狂っているのは誰なのか、いつかお前は知ることになる」そう言った三島の言葉が、湯原の脳裏から離れませんでした。
…2011年3月13日。
高彦は成人になり、航空自衛隊のレスキュー隊の機長になっていました。
東日本大震災の現場に赴いた高彦は、ボランティアで現地にいた父・湯原と会います。湯原は「昨日、三島が獄中で亡くなった」と告げました。
「この国に命を賭ける覚悟はあるのか」という父・湯原の問いかけに、息子・高彦はモールス信号で胸を叩き「ココニアル」と答えました。

みんなの感想

ライターの感想

小説が発表された当時には、映像不可能といわれた作品。
このタイミングでの映画化…けっこう不安ではあったのだが、原作を改悪することなく映像化できた堤幸彦に、まずは拍手。
ただ、ハリウッド映画を見なれた目からすると、アクション全般がすごくしょぼい。CGで誤魔化してるのがバレバレ。
豪華なキャストなのに、生かし切れてない感もある(特に仲間由紀恵)。
扱っているテーマは明白で、しかも演出、話の運び、展開、どれをとっても悪くはない。
しかし見終わった後、残るものが小さい…なぜだろう。
東日本大震災に無理に絡めたからかな。妙にラストが薄っぺらいのだ。

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