「女が眠る時」のネタバレあらすじ結末

女が眠る時の紹介:2016年2月公開の日本映画。バカンスでリゾートホテルを訪れた作家が、初老の男と若い女という不釣り合いなカップルと出会い、彼らに過剰な興味を抱いていく姿を、主人公作家を西島秀俊、初老の男をビートたけしが演じた。『スモーク』のウェイン・ワン監督が、スペイン人作家による短編小説の舞台を日本に置き換えて映画化したミステリー。

予告動画

女が眠る時の主な出演者

佐原(ビートたけし)、清水健二(西島秀俊)、美樹(忽那汐里)、綾(小山田サユリ)、石原(新井浩文)、恭子(渡辺真起子)、飯塚(リリー・フランキー)

女が眠る時のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①第3作が書けない作家・健二とその妻・綾は伊豆のホテルに1週間滞在する。プールサイドの向かいにいる謎の若い女・美樹と初老男性・佐原の組み合わせを見た健二は、無性に気になってその男女を執拗に覗いたりストーカー行為に走ったりする。 ②美樹と佐原を見ていて触発された健二は、それを小説に起こして新作を作った。映画の内部の出来事は、真実半分、妄想半分といったところか(複数の解釈できる。ラストに書いた)

【起】- 女が眠る時のあらすじ1

〔DAY1〕
清水健二は、処女作で芥川賞ばりの超有名な賞をとって文壇デビューし、2作目は5~6年前に上梓したものの振るわず、3作目を書けずにいる中年男性です。編集者をする妻・綾との間には子どもはなく、少し倦怠気味でした。
健二は作家でいることにこだわっているわけではなく、この秋から一般の会社に就職するつもりですが、綾はできるなら健二に書き続けてもらいたいと思っています。
健二と綾はリフレッシュも兼ねて、静岡県伊豆にあるリゾートホテルに1週間の滞在を決めました。綾の知人・恭子が勤めるホテルです。
ホテルは海辺に近い場所にありますが、ホテルの中にも専用のプールがあります。
プールサイドで日光浴をしていた健二は、横にいる綾に「ちょっとあれ見て。向こう側のあれ見て。親子じゃないよね」と言われました。言われて見ると、プールサイドの反対側に、20歳前後の美しい女性・美樹と初老男性・佐原が並んで座っています。
美樹と佐原も泳ぐわけでなく、プールサイドで日光浴をしていました。美樹は佐原に頼み、日焼け止めを身体に塗ってもらいます。
親子以上に年が離れていながらも親密そうな2人の様子を見た健二は、その時から美樹と佐原が気になって仕方がなくなりました。ストーカーのように2人の様子を覗き見るようになります。
夕食の席で綾は知人・恭子と話しました。綾の72歳の担当作家がこの伊豆の近くに住んでいて、綾は明日から追い込みをかけるそうです。
部屋に戻った健二と綾は、軽い口論になります。
綾は健二に才能があると思っているので、死ぬまで書くのを辞めて欲しくないのに、健二が自分の才能を諦めて早々に再就職の先を決めてきたのが不満でした。
また綾は子どもを欲しいと思っています。健二は、綾の稼ぎで生活している現在、子どものいる暮らしは考えられませんでした。
夜、眠れずにいた健二はベッドから起き出します。プールサイドでたたずんだ健二は、ふと気づいてホテルの角部屋に近づきました。その角部屋は、美樹と佐原の部屋です。
〔DAY2〕
2日目も特に何をするわけでもなく、健二と綾はプールサイドで日光浴をしました。美樹と佐原も同様です。
美樹は今日は、ペディキュアを自分で塗りながら、横にいる佐原と何やら談笑していました。
綾は担当作家のところへ顔を出すために、ホテルから出かけます。
ひとりになった健二はジョギングしますが、ホテルのロビーで美樹と佐原の2人と擦れ違い、しばらく逡巡したものの、気になってあとを追跡しました。
大通りに出た時に2人の姿を見失った健二は、あちこち探して見つけ出し、あとをつけます。
美樹と佐原は、一般家屋に似たたたずまいの居酒屋に入りました。彼らが立ち去った後、健二はその店に入ります。
店には訪問した人たちのスナップ写真がところ狭しと壁に貼られていました。その中には、昔の美樹と思しき少女と、佐原と、美樹の両親らしき4人が写っています。10年以上前の写真だそうです。
店主・飯塚は「いいでしょ、それ」と言いました。健二は少女の名が美樹と知ります。

【承】- 女が眠る時のあらすじ2

飯塚は佐原のことは知らないようでしたが、唐突にタイツとストッキングの違いについて語りました。
飯塚が言うには、2つの違いはデニール(糸の太さ)なのですが、さらに「モテるデニール」というのがあるそうです。それは40~60デニールで、黒の糸の場合「膝を曲げると透ける」太さでした。
美樹と佐原について質問する健二に対し、モテるデニールの話をした飯塚は「人に質問する時にはその理由を述べなきゃ」とたしなめます。健二は逃げるように立ち去りました。
夕暮れ時、ホテルの1階角部屋にいる佐原が、ベッドでうつぶせた美樹のうなじにシャボンをつけて襟首を剃り、その後ビデオカメラを固定するのを外から観察した健二は、部屋に戻って考え込みます。
深夜、プールサイドにたたずむ佐原に健二は話しかけました。佐原は美樹が娘ではないと言いながら、関係を明確にしません。
「撮影、お好きなんですか」と健二が聞くと、佐原は「10年くらい、毎日撮ってるんだ」と言いました。
佐原は美樹の眠る姿を、毎日撮り続けているそうです。膨大な量になるだろうと考える健二に「毎日、上書きしてるから」と佐原は答えました。
どうして撮っているのか聞くと、佐原は「あの子の最後の日を、記録しようとしているんだ」と答えました。
〔DAY3〕
健二がプールで泳いでいると、昼食時に、佐原から話しかけてきました。佐原はあと何日滞在するのかと質問し、健二は「あと2~3日」と答えます。
佐原と健二は2人で話します。
佐原は健二に「君は、若い無垢な娘が眠ってるとこ、見たことあるかい?」と聞くと、美樹が眠る動画を見せました。前夜に上書きしていると聞いた健二は驚きますが、「いいものは取ってある」と佐原は言いました。
2010年5月に14歳の美樹、一番最近のは18歳だそうですが、美樹はすべて同じポーズで寝ていました。「これ全部同じですよね」と健二は言いますが「徐々に変わってるんだよ。毎日見なきゃ分からない」と佐原は返します。
佐原は美樹の幼い頃から一緒にいて、美樹が何を見ようとしているのか理解しようとしているそうです。でもいつか、美樹が自分を裏切る日が来ると言いました。
佐原と別れた後、奇しくも美樹と同じポーズでうたたねした健二は、夜に美樹の訪問を受けます。
美樹は健二が部屋のドアを開けると仲に入って来て、窓ガラスに手を当て、部屋の隅にうずくまりますが、健二が近寄ると逃げ、そのまま部屋を出ていきました。
不可解に思った健二が1階角部屋を見に行くと、美樹はベッドで眠っており、佐原はそのすぐ横でじっと眠る美樹を見守っています。
プールサイドで夜にまた会った健二に、佐原は「殺さなきゃ。耐えられない。愛が死ぬなら、あの子を殺すしかない」と言いました。健二が「だったら自分が死のうとは思わないんですか」と聞くと、佐原は「それは正しくないよ。君には理解できんだろうが。こうなることは分かっていた!」と訴えます。

【転】- 女が眠る時のあらすじ3

〔DAY4〕
雨が降りました。台風が伊豆に近づいており、綾が「今日は早く帰るね」と言ったので、綾と健二は夕方5時に駅で待ち合わせをします。
綾は部屋を出ていく時「帽子知らない?」と聞きます。綾が持っていた麦わら帽子です。プールサイドでも使用していました。
「そのうち出てくるよ」と健二が言うと、綾は不機嫌になって部屋を出ていきます。
ひとりになった部屋で、健二は佐原と美樹のことを考えました。佐原たち2人が雨の中、傘をさしてホテルを出て行くのを見た健二は、その間に佐原たちの部屋に忍び込みます。
清掃員の中年女性と鉢合わせしましたが、清掃員は健二を部屋の宿泊客と思いました。清掃員が去った後、クローゼットをあけて動画を確認していた健二は、物音がしたので隠れます。
戻って来たのは美樹だけで、下着姿になって着替え始めました。ベッドの下に隠れた健二は、その様子を観察します。
携帯の電話を受けた美樹は、ベッドの近くで下着も脱ぎ(美樹がベッドに近づきすぎたので、全裸の美樹は健二には見えなかった)、シャワーを浴びました。シャワーを浴びる美樹のシルエットを、ベッドの下から出た健二は観察します。
シャワーの後、バスタオルをまとった美樹はルージュを塗り、ワンピースを着用したところで佐原が戻ってきたので、健二は再びベッドの下に隠れました。
健二はジョギングした後、着替えて綾との待ち合わせのために、ホテルの車の後部座席に乗り込みますが、美樹が車の助手席に座り「出して」と言います。
健二は美樹に「喧嘩でもしたの? 若いのにあんなとこで何日もいたら退屈で、飽きてイラつくよな」と声をかけながら、佐原との関係を聞きますが、美樹は答えずに伊豆アニマルキングダムで止めてもらい、「ここにいて」と言ってひとりで出ていきました。
泣きながら後部座席に乗った美樹は、次には山の崖のところで降ろしてもらい、岩の上に乗り、海を見ます。
美樹の背中に鬼気迫るものを見た健二は、美樹の肩を抱き寄せて連れ帰りました。
美樹は佐原のところへ戻り、健一は触発されて原稿に向かいます。
美樹はカミソリを健二の首に当てて起こすと誘惑し、佐原はギロチンで首を落とされた夢を見たと健二に言います。「夢ってのはね、目覚める直前に、脳が勝手に話を作っちゃうんだよ」と話す佐原の姿は…健二の書いている小説の中に登場する人物でした。
綾から電話があります。かけ直しますが、繋がらないのでまた健二は小説を書き続けます。
「お前、俺を殺したいと思ってるだろう。やってみろ」とカミソリを渡して、佐原は健二に言います。美樹はカミソリを振りまわして泣き、「皆カミソリはな、喉を切ると思ってるんだよ」と言った佐原は、手首に突きたてます。
20代女性の身元不明遺体発見のテレビニュースを見た健二は、綾の知人・恭子に佐原と美樹がいつから宿泊しているか聞きましたが、個人情報なので話すのを断られました。
部屋に戻った健二は、綾の担当作家が72歳ではなく若い男性と知ります。

【結】- 女が眠る時のあらすじ4

窓から外を見た健二は、佐原と綾が話をしているのを見ました。戻ってきた綾は佐原に感心したふうに語り、健二は「ファザコンのお嬢様、生まれて初めて欲しいものが手に入らない、か」と言って、シャワールームで綾を抱きます。
〔DAY5〕
ホテルに刑事の石原がやって来て、健二に話しかけます。連れがいなくなったと佐原から通報があったと言った石原は、9割方痴話喧嘩だろうと告げた後、健二が以前に部屋に忍び込んでいたことを清掃員から聞いていました。
石原はホテルの監視カメラ映像を見せます。そこには1階角部屋も映り込んでいます(今まで深夜に角部屋の外から窺っていたのが、見られていたんだぞという示威)。「覚えておいてください、いつも誰かに見られてますから」と石原は言いました。
佐原の部屋に行った健二は、綾の帽子を室内で見つけます。
自室にいるとドアチャイムが鳴り、フロント経由の美樹からのメッセージが届きました。5時半に来てくれとの内容です。
その時間に健二が居酒屋へ行くと、飯塚はライオンの話をしました。野生のライオンはオスがハーレムを築いていますが、もてないオスにもてないメスが身体を与えるのだそうです。
飯塚は健二に探偵か何かかと聞いた後、美樹は自分の意志で家を出て、両親も探していないことを告げました。上階で写真を探し、佐原が美樹の両親の親友であったことも告げた飯塚は、佐原が帽子をさっき取りに来たことを告げ「おたく、どことなくあいつに似てるよね」と言います。
夜、ホテルに戻った健二は、佐原が綾を連れてエレベーターに入るのを見ました。健二が追うと佐原が出てきて、話があると言って健二をプールサイドに連れていきます。
「あの子が変わったのは仕方のないことだよ」と告げた佐原は、美樹が佐原を裏切ったと主張しました。佐原は健二に動画を見せ、健二は佐原に「彼女に、何したんですか」と聞きます。
それに答えず佐原は「奥さん今、何してんの? 帽子あった?」と聞きました。
…健二と綾と、綾の上司と同僚の4人で、お祝いをします。健二の新作のヒットのお祝いと、綾の妊娠のダブルのお祝いでした。
会合の最中、健二はレストランで佐原の姿を見かけます。追って行った健二は、佐原が街中で不敵に微笑みながら去っていくのを見守りました。
…海辺にて、佐原と美樹が並んで砂浜を歩きます。「私たちが交わした会話、確かにそこにあったという確信はどこにもない…」
(非常に難解。
1.矛盾点を深く掘り下げず、素直にあったことをそのまま受け止める解釈。但しこれだとモヤモヤ感は残る。
2.佐原と美樹自体が存在せず、健二の小説に登場する架空の人物と捉える解釈。2人は主に健二としか接触していないので、不自然ではない。
3.…というふうに、ああだこうだと判断を観客にゆだねることを目的にしている。
4.深く穿つと「将来的に生まれる健二と綾の子」=「美樹」の暗示。これは若干きついが飯塚の話と帽子からヒントを。
2と3あたりで納得するのが無難。)

みんなの感想

ライターの感想

…またえらいものを見てしまった…というのが、見終わったときの正直な感想。
こういう、観客に解釈を委ねる系統の映画も、さいきん増えたよねえ。
たぶん、ああだこうだと悩む必要はないのだろう。いろんな取り方ができそうな内容。謎を残しながらも、自分なりに納得のいく解釈をしたのでいいのではないか。
(正直なとこ「こんな説もあるんだよ」と議論させよう的な映画が多く、食傷気味…。
語らせようと思う監督のもくろみに、のっかってしまうみたいで、なんだか厭なのだ)
伊豆の景色は綺麗。ホテルもムードあっていい感じだし。うわずみだけすくって鑑賞したのでじゅうぶんだと思う。

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