「少女(2016年)」のネタバレあらすじ結末

少女(2016年)の紹介:2016年10月公開の日本映画。湊かなえのベストセラーを、本田翼&山本美月主演で映画化したミステリアスなドラマ。17歳という多感な時期を迎えた2人の女子高生の姿を通し、それぞれが抱える闇や“死”にまつわる禁断の世界を映し出す。

予告動画

少女(2016年)の主な出演者

桜井由紀(本田翼、子供時代:渡邊このみ)、草野敦子(山本美月、子供時代:原涼子)、桜井義孝(二階堂智)、桜井慶子(川上麻衣子)、水森正代(白川和子)、敦子の母(佐藤真弓)、敦子の父(小嶋尚樹)、牧瀬光(真剣佑)、滝沢紫織(佐藤玲)、小倉一樹(児嶋一哉)、高雄孝夫(稲垣吾郎)、老人ホームのヘルパー(占部房子、星野園美、広澤草、岩橋道子、大塚加奈子)、滝沢芳也(菅原大吉)、岡田恵美(銀粉蝶)、昴(中村瑠輝人)、太一(山田日向)

少女(2016年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①夏休み前に来た転校生・紫織が「親友の死体を見た」と言ったことで人が死ぬ瞬間に興味を持った由紀と敦子。由紀は難病に苦しむ子供たちの慰問へ、敦子は老人施設のボランティアをして死ぬ瞬間を見ることにした。 ②由紀が親しくなった少年・昴の父を探すと、敦子の老人施設の職員・高雄だった。盗作された由紀の小説が励ましのものだと知った敦子は由紀と和解する。

【起】- 少女(2016年)のあらすじ1

『遺書
子どもなんてみんな、試験管で作ればいい。選ばれた人間の卵子と精子で、優秀な人間だけを作ればいい。それが無理なら、生まれた子どもは全員、国の施設かなにかに収容されて、成人するまでそこで育てられればいい…』
演劇風に少女たちが、舞台で交代に台詞を読み上げます…。

愛知県瑞崎(みずさき 注:架空の町)。海が近い場所に位置しています。
桜川女学校は、名前のとおり女子高校です。クラスにも女子ばかりが集まっています。
2年生の女子生徒・桜井由紀の国語の先生は、中年男性の小倉先生でした。中島敦の『山月記』の説明をする小倉先生の授業中に、由紀はこっそり小説を書いています。
小倉先生は授業中に、自分と同級で作家デビューした斎野庸介の話をしました。斎野は『虚無』という作品でデビューしているのですが、小倉が知る頃の斎野はまるきり異なるジャンルの作品を書いていたそうです。
由紀と同じクラスの草野敦子は、現在クラスでいじめられていました。敦子はLINE上で「A子(敦子)死ね」と書かれたり、死ねと書かれたナプキンを荷物に入れられたりしています。
いじめのきっかけは、剣道でした。敦子は剣道の特待生で高校に入学したのですが、試合中に足を負傷したのです。
全国へ行けなかった剣道部のメンバーが敦子を恨みに思い、そこからいじめが始まりました。
敦子は剣道部を辞め、現在も左足を引きずっています。しかしこれは後遺症ではありません。足を引きずる振りをしているのです。そのほうが都合がいいからです。
由紀は、そんな敦子に宛てての文学的な小説を書いていました。一心不乱に書いた作品に『ヨルの綱渡り』というタイトルをつけ、由紀は完成させます。
ところがこの小説が、聖桜祭の最中に盗まれました。由紀は必死で探しますが、見つかりません。

しばらくの後。
小倉先生が、蒼穹新人賞を受賞したと皆の前で報告します。
その作品のタイトルは『ヨルの綱渡り』でした。言わずと知れた、由紀の作品です。
小倉先生は得意げに、雑誌に載った最初の見開き1ページをコピーし、生徒たちに配りました。
『才能を回収するには、たった一度の跳躍で充分だった。
才能とは天からの贈り物ではなく、期間限定で貸し出されるものだということを、いったいどれくらいの人たちが認識しているのだろう。
少なくとも、十七歳の少女、ヨルは知らなかった』
この書き出しを読んだ敦子は、その瞬間に、この小説は由紀が自分へ宛てて書いたものだと直感的に気付きます。しかしコピーされたものは最初の見開きだけなので、敦子には意味が理解できませんでした。
由紀が自分をバカにしているのか、あるいは励まそうとしているのか、計りかねます。
由紀は盗作されたことを誰にも言わず、町の図書館にあった『蒼穹』の雑誌を破りました。
それを目撃した男子高校生・牧瀬が、由紀に興味を持ちます。

小倉先生に対し、由紀は責めませんでした。
ただ夜中に職員室に黙って忍び込み、小倉先生のパソコンのロックを解除します。パスワードは簡単でした。いつも小倉先生が引き合いに出している作家・斎野の『虚無(kyom)』で開いたのです。
小倉先生のパソコンには、女子高校生・星羅とラブホテルでイチャイチャする動画が入っていました。
それをひとしきり再生した後、由紀は小倉先生のパソコンを使い、3年生の個人情報を流出します。そしてたぶん星羅との動画も。
小倉先生は停職処分を受けました。やがてホームに入りこんだ電車に飛び込んで、自殺します。

夏前に、クラスに転校生がやってきました。紫織という女の子です。
紫織は由紀と敦子に接近し、「ねえ、死体って見たことある?」と言い出しました。
紫織は親友の死体を見たことがあるそうです。
その日、小倉先生が死んだというニュースが学校を駆け巡りました。それを聞いた紫織は「リアルを知っちゃってるからさ、(気分が)落ちちゃって」と知ったかぶりをします。
それを聞いた由紀は、紫織に「死とは現象ではないのか。死体だけ見ても意味がない。死ぬ瞬間を見なくては理解できず、意味がない」と答えました。
紫織は気分を害します。
その紫織が由紀の右手の傷について質問すると、由紀は「祖母にやられた」と答えました。
敦子はそれまで、由紀の手の傷は子どもの頃に聞いた「割れたグラスで手を切った」というものだと信じていました。後に判明するのですが、昔、由紀の手が怪我した時、由紀の母が嘘をついたのです。
由紀と敦子は幼馴染みで、共に剣道をする仲間でした。しかし由紀は小学時代、手の傷がきっかけで剣道を辞めます。敦子は高校まで剣道をしていましたが、足の怪我で辞めました。
由紀と敦子の溝のようなものを察した紫織は、敦子だけ誘います。
簡単に金を手に入れる方法として、「痴漢を受けた」と駅のホームで男性を脅し、金を受け取るのです。敦子は金を渡されて「共犯関係ってことで」と言われ、戸惑いました。

敦子も由紀も、紫織から聞いた「親友の死」というのが心にひっかかります。
男子高校生・牧瀬に死について質問した由紀は、牧瀬が「おっさんが電車に飛び込んだ自殺の瞬間を見た」と聞いておどろきました。その時に牧瀬は「死とは退場だ」と悟ったそうです。

【承】- 少女(2016年)のあらすじ2

やがて夏休みがきました。
由紀と敦子はそれぞれ、死について興味を持ちます。
由紀は難病を患う子どもたちの病院の慰問という形で、敦子は老人ホームのボランティアをすることで、人が死ぬ瞬間を見ようとします…。

由紀の手の傷は、祖母・正代につけられた傷というのは、本当でした。
祖母・正代は若い頃、学校の先生をしていました。当時は厳しい教育も受け入れられており、正代はものさしで悪い子の手を叩くお仕置きをしていました。
老いた正代は認知症をわずらっており、日がないちにち、家でずっと生徒を叱る小言をぶつぶつ言っていました。
祖母・正代を疎んじた由紀は幼い頃、寝ている正代の顔に濡れ布巾をわざとかけました。
その時に目覚めた正代に、ものさしで強く手をぶたれたのです。血がたくさん出て、傷跡が残りました。
しかし母・美枝は体面を慮り、剣道の師範には「割れたグラスで手を切った」と嘘をつきました。それを聞いた敦子は、由紀の手の傷はグラスでできたものと思っていたのです。
夏休み、敦子は老人ホームでボランティアを始めますが、サポート係としてついたのは、中年の高雄孝夫(たかお たかお)という名前の男でした。
高雄にはいろんな噂があるようでした。他の職員は敦子に「あの人は前科がある」と高雄のことを話します。
また高雄は敦子と、必要以上に距離を保とうとしました。
ある時、敦子の通う老人ホームに、正代が入所しました。正代が大福を喉に詰まらせた時、咄嗟に敦子は掃除機で喉の大福を吸い出し、助けます。
それがきっかけで、高雄は敦子に少しずつ心を開きました。

同じ頃、由紀は難病を抱えた子どもたちのいる施設へ慰労する、小鳩会に入ろうとしました。
ところが初老女性・岡田は『赤ずきんちゃん』の話を、死とは無縁の「仲良しごっこ」の美しい世界に作り替えて子どもたちに話します。
『さるかに合戦』の話をしろと振られた由紀は、子どもたちの前で話を始めますが、途中からつい暴走し、祖母・正代から何度も聞かされている「因果応報だ」と復讐劇を再現しました。岡田に叱られます。
小鳩会は性に合わないと思った由紀は早々に会を辞めますが、由紀に話しかけて来た少年が2人いました。
少年たちは昴と太一と名乗ります。体格のよい男の子のほうが太一と名乗り、小さい少年のほうが昴と名乗ります。
昴と太一は、由紀を気に入って、これからも会いに来てくれと頼みました。
難病を抱える自分たちに死を見せまいとする岡田の気持ちは理解しながらも、それを不自然すぎるほど避ける姿勢を「イタイ」と評し、むしろ由紀のようにはっきりと言ってくれたほうがせいせいするのです。

身体の小さい昴が検査に言っている時、太一が由紀に頼みごとをします。
「昴が今度受ける手術の成功率が7%だ」というのです。太一は昴の父を探してほしいと由紀に言いました。
太一が示すと、病院の壁に飾られた七夕の願い事に「お父さんに会いたい 昴」と書かれています。
由紀はそれを知って、昴の父親を探しました。住宅展示場に行きますが、職員は父親の新たな就職先を知らないと言います。
それを聞いていた同業他社の中年男性・滝沢芳也が「君が探している人を知っているかもしれない」と言い、その情報の代わりに2日後の夜10時に住宅展示場の黒い家に来いと囁きました。
滝沢が援助交際を要求しているのだということは、由紀にも理解しました。
由紀はまだ経験がなく、どうせだから初体験を牧瀬に頼もうと思います。
ところがラブホテルに行った牧瀬は、「すげえの見せてやる」と言って、自殺した男性がばらまいていた用紙を由紀に見せました。それは、由紀の書いた『ヨルの綱渡り』の原稿用紙です。
(牧瀬が見た中年男性の自殺は、小倉先生のものだった)
由紀はその紙片を欲しがりました。代わりに、もっと面白いものを見せてやると牧瀬に約束します。

2日後の夜。
滝沢の要求に応じて黒い家に行った由紀は、滝沢の足を洗います。
滝沢には由紀と同じ年頃の娘がいるらしく、鬱屈した思いを抱いているようでした。由紀の下着と自分の下着を一緒に洗えと要求し、さらに由紀を押し倒そうとします。
そこへ牧瀬が止めに入りました。牧瀬が撮影していたことを告げると、滝沢は逃げるように去ります。
由紀は立ち去ろうとする滝沢に、昴の父の居場所を聞きました。
録画した牧瀬はリアリティがあると喜びますが、由紀は怒ってそのビデオカメラを川から落として捨てます。

【転】- 少女(2016年)のあらすじ3

…老人施設で働く敦子は、作業しながら何度もスマホをチェックしていました。メールが届いていないか確認しているのです。
今までは夏の間、敦子は由紀といつも行動を共にしていました。ところが今年の夏は、由紀から一切連絡がありません。
敦子が紫織とホームで1度だけ中年男性相手に金を脅し取っていたその時、向かい側のホームから由紀が見ていました。
敦子は、自分が悪事に加担した現場を由紀に見られたことで動転していました。またその時、由紀が男の子(牧瀬)と一緒にいたことも、気になっています。由紀にボーイフレンドができたのではないかと思い、取り残された気持ちになっていました。
肥満気味の女性職員・紀子が同僚に陰で笑われているのを見た敦子は、自分がいじめられていることを思い出し、過呼吸の発作を起こします。
その時、高雄が助けてくれました。過呼吸の発作を起こした敦子が「…由紀…」と呟いたのを聞いた高雄は、あとでその由紀なる人物について質問します。
代わりに高雄は、自分が前科持ちという噂についての詳細を説明しました。

高雄は女子高校生が苦手でした。というのも、1年前にこっぴどい目に遭わされたからです。
高雄は妻子のある普通のサラリーマンでしたが、女子高校生に痴漢を働いたと言われたのです。
高雄は否定し続けましたが、世間がそういう目で見始めました。高雄は冤罪だと訴えますが、会社をクビになり、裁判の途中で妻が耐えられなくなり、家族が離散したのです。
以来、高雄は女子高校生が怖くなったのです。
敦子は、自分が一度だけ紫織に誘われて「ニセの痴漢」をでっちあげ、相手の中年男性から金を脅したことを思い出して、罪の意識を感じます。
高雄は「相手の女子高校生に言われるまま、金を出したらよかったんだろうか」と自問自答していました。高雄が被害に遭遇した相手は、紫織でした。

痴漢の話をした後、高雄は「ほんと、ヨルの綱渡りだ」と言い、そういう本があるのだと敦子に告げます。
高雄はその本を読んで「励まされた」と言いました。敦子は小倉先生から渡された冒頭だけ読んで「ばかにされている」と感じていましたが、本編はどうやら違うらしいと知り、敦子はそれを読ませてくれと高雄に頼みます。
高雄は最初、敦子と同行することを断りました。まだ女子高校生を克服していないからです。
敦子は「私の友人が私をモデルにしたのだ」と言うと、家に連れて行きました。敦子が本を読んでいる間、高雄はアパートの部屋の外で待っています。
読み終わった敦子は、由紀に会いたいと思います。

…昴の父の居場所を知った由紀は、老人施設に行きました。そこで敦子と会います。
由紀が探していた昴の父は、高雄でした。高雄は由紀から事情を聞き、敦子も一緒に昴の見舞いに行きます。
病室へ入ると、「お父さん」と言って抱きついたのは、身体の大きな「太一」と名乗っていた方でした(注:太一と昴は嘘をつき、立場を逆転させていた。但しこの事情が明確に分かるほど劇中では触れられず)。本当は身体の大きな太一の方が、手術の成功率7%の昴だったのです。
昴は高雄に抱きつくと、包丁で脇腹を刺しました。「お母さんを苦しめた罰だよ」と言います。高雄も「これでいい」と言いますが、敦子がナースコールを押して助けを呼び、刺した昴も「お父さんごめんなさい」と泣きだします。
目の前に広がる血を見た由紀は、自分が幼い頃に左手に傷を負った時のことを思い出し、悲鳴をあげました。
敦子は由紀を連れて走ります。病院を抜け出して全力で丘まで走りました。

…敦子は由紀が幼い頃にケガをした時、強くなって由紀を守るつもりだったと告げます。
由紀はポケットから用紙を出すと、敦子に差し出しました。それは牧瀬からもらった紙切れを繋げたものです。
最後の最後には、小倉先生バージョンでは引用されていませんでしたが、『A子に捧ぐ』という文字が綴られていました。
由紀はその小説を書いた後、敦子に直接手渡すつもりでした。ところが小倉先生に盗まれ、小説として投稿されたので、怒っていました。
「敦子のためだけに書いたんだよ。世界は広いって教えてくれたのは、敦子だから」と、由紀は言います。
左手をケガして剣道を続けられなくなり、絶望に陥っていた由紀を救ったのは、敦子でした。その時の敦子も、ちょうど今のように、全力で走って剣道場から連れ出してくれたのです。

【結】- 少女(2016年)のあらすじ4

小説のラストシーンは『ヨルが歩いているのは、深い谷底にかかる、細いロープの上じゃない。夜が明ければ、きっと言葉を失い、3秒後には大笑いするはずだ。だって綱渡りのロープは、太く大きな橋の上に、ただ置かれているだけなんだから』でした。

…後日。
脇腹を息子に刺された高雄は大事に至らず、昴と病院で一緒に過ごします。
滝沢が強制わいせつ罪で捕まり、家宅捜索が入りました。
クラスのいじめのターゲットは、敦子から滝沢の娘・紫織に移りました。
紫織が『遺書』というメールをクラスメイトに一斉送信します。冒頭の文章です。
その後、紫織は山間の川にかかった高い橋から飛び降りて、投身自殺しました。紫織のスマホの待ち受け画面には、星羅とのツーショットがありました。
(映画版はおしまい)


(映像化した際に分かりにくくなってしまったことについて。また原作にあって映画版ではない設定などについての補足 思い出せるかぎり)←本が手元にないので…

☆太一と昴が名前を偽っていた件
映画でも読み取れなくはない。「手術成功率の低い昴のために父親を連れてきてくれ」という太一(本当は昴本人)の言い分は事実。ただし最初に自分たちで名乗ってしまっているために、なぜ名前を偽っていたのか分かりにくいし、下手すると「偽りの名前を言っていたことに気づかない」人もいたのではないか。
原作では太一と昴が一緒にいるシーンで、身体の小さい子が「(自分は)何という名か」と由紀に質問した。由紀は、「身体の小さい子」「太い子(原作では由紀は「肉まん」というあだ名をつけているが、映画では太い設定はなくなっている)」のイメージで「太い子」=「太一」と思い込み、小さな子の方を昴と答えた。
それを聞いた身体の小さな子が、わざと嘘のまま教えた…というもの。原作ではラストできちんと明かされる。
また…昴は原作では手術に耐えきれず、亡くなるという後日談もあった。

☆学校裏サイト
原作ではずっと『学校裏サイト』で敦子のいじめ、のちに星羅のいじめがなされているが、映画ではそれがLINEのクラスのグループチャットに変更されている。
(これ、死ねとか書いてるけど、問題化した時に決定的証拠になりそうなのに…)

☆牧瀬はサイコパス設定が消えた
原作では牧瀬は若干サイコパス寄りの傾向があったのだが、それが映画では消えた。好奇心旺盛な、面白いものを見たがる青年に変更。

☆由紀と敦子が各々行動を起こしたのは、紫織の発言から「人が死ぬところを見てみたい」と思ったから
はっきりと映画版では描かれず、そのまま夏休みに突入したので、分かりにくい。
本当は由紀も敦子も人が死ぬ瞬間を見たくて「由紀→難病の子どもたちのいる病院」「敦子→老人施設」へ行った。
ところがおのおの、途中からその意欲を喪失。敦子は大福を喉に詰まらせた正代(これはものさしで由紀の手に傷を残した祖母でもある)を助けるし、由紀も昴や太一と親しくなることで、死ぬ瞬間についてどうでもよくなる。

☆由紀と敦子の挫折
由紀は左手をケガしたことで、握力3(4だったかも)になってしまい、現在も後遺症が残るほど。それが原作では「学食のトレイの皿を持てない」という描写で上手に描いていた。
しかし映画では残念ながら、よく分からず。
敦子は原作では中学時代に足の怪我で挫折し、高校時代から桜川女学校へ入ってくる設定だったのだが、映画ではちょっとそのへんがモノローグでもやもやっとなっていた。
敦子の足は後遺症なし。足をひきずっていたのは演技なのだというのは、途中の高雄との会話、終盤の由紀を連れて全力疾走ですぐ分かる。

☆紫織と星羅の関係
これが映画で最も分かりにくかった!!!! なので見落とした人もいるかも。ラストの自殺する紫織の待ち受け画面で一瞬だけ、星羅とのツーショットが出てくる程度。
時系列で並べ直すと

①星羅と紫織は結託して、ウソ痴漢をしては、相手の男性から金を巻き上げていた
②1年前、高雄孝夫がそれにひっかかり、冤罪だと主張したため大ごとに。高雄は職も家族も失い離散。離婚した妻は昴を連れて家を出ていき、昴に難病発覚、入院
③昴は、母を不幸にした父・高雄を憎むようになる →のちに、由紀に父を探してくれと依頼する
④星羅と紫織はそれでもまだ、ウソ痴漢を続けていた
⑤星羅は、由紀の小説を盗んだ小倉先生と関係していた(由紀が夜中に職員室で見ていた動画にその描写あり。恋人同士か援助交際かは不明)
⑥おそらく由紀はその動画も、3年生成績表とともに情報流出させる
⑦それがもとで、小倉先生は停職処分。星羅はいじめか何かを受け、自殺。星羅の自殺を紫織が目撃
⑧小倉先生も自殺。その頃に、紫織が由紀たちの学校へ転校してくる
⑨親友の星羅を死に追いやった小倉先生も中年男性であることから、紫織の中年嫌いはますますエスカレート。紫織はおそらく家で、父・滝沢を極度に嫌う行動を取っていただろう。それが滝沢を追いつめ、反動で滝沢は女子高校生に強制わいせつを働く(下着泥棒などもしていた模様)
⑩昴が再会した父・高雄を刺すが、のちに和解
⑪滝沢の罪が露見し、逮捕された。いじめのターゲットが紫織にうつり、紫織は自殺

残念なことに、映画版だけでは理解しづらい(時間枠があることも手伝い、やや説明不足で読み取りづらい&描写に欠けてしまっている)。もし興味があれば、小説版もお手にとればより理解しやすいだろう。

みんなの感想

ライターの感想

この女子高の制服が可愛い!! そして劇中の聖桜祭のダンスが綺麗!!
…ではあるが、ほめことばはここまで。
うーん。残念ながら原作の奥深さを一切、引き出せなかった作品。ほんとは互いに繋がっているこの関係性を描くには、尺が足りないのか?
映像的には綺麗だし、思春期の多感な頃を描いたムードはよしとしよう。しかし、いろんな謎が最後に向けて収斂されていく原作に較べ、映画ではいまいち。

映画の感想を投稿する

映画「少女(2016年)」の商品はこちら