「悪魔は誰だ」のネタバレあらすじ結末

サスペンス映画

悪魔は誰だの紹介:2014年公開の韓国映画。時効を迎えた幼女誘拐事件の悪夢が、15年の時を経て再び繰り返されるサスペンス。大切な家族を奪われた遺族の終わりなき苦しみを、時効を迎えた犯人の心情と共に活写する。

悪魔は誰だの主な出演者

ユン・ハギョン(オム・ジョンファ)、オ・チョンホ刑事(キム・サンギョン)、ハン・チョル(ソン・ヨンチャン)

悪魔は誰だのネタバレあらすじ

【起】- 悪魔は誰だのあらすじ1

15年前の1997年、夏、韓国の安養(アニャン)。
母ユン・ハギョンは幼い娘・ソジンを誘拐されました。安養警察署のオ・チョンホ刑事らは事件解決のために奔走しますが、ソジンは亡くなり、犯人は捕まらないままです。
…15年後。誘拐事件の公訴時効が来週成立します。
それにあたりチャ刑事とともに遺族ハギョンの元へ向かったチョンホ刑事は、やりきれない思いでいっぱいでした。
淡々と公訴時効について読み上げるチャ刑事に「15年で犯人は本当に悔いあらためたのか」「私の思いは、娘の思いはどうなるの?」とハギョンは訴えます。
ハギョンは「こんな終わり方に納得できない」と叫びました。それはチョンホ刑事も同感でした。
…遺体発見現場を再訪したチョンホ刑事は、そこに手向けられた花と、まだ新しいタイヤ痕を見つけます。7月14日、公訴時効まであと5日でした。
時効成立までに出来る限りのことをしたいと考えるチョンホ刑事は、新たに出て来た手がかりを必死で探ります。
道路の監視カメラ映像を見たチョンホ刑事は、犯人らしき映像が深夜に花を手向ける姿を入手しますが、画素が荒く顔までは見られません。また犯人はパーカのフードをかぶっているので、よけいに判別しづらい状態でした。
道路の反対車両に映った車をたどり、車載カメラを見せてもらったチョンホ刑事は、犯人の乗った車の車種がカーニバルで、ナンバーは7655と突き止めます。
さらにタイヤ痕から、右側のタイヤは最近1カ月以内に交換されたばかりだと知りました。これらを元にチョンホ刑事は中古車市場をめぐります。車は売っただろうとあたりをつけたのです。
何度も車載カメラの映像を見たチョンホ刑事は、車のボンネットに貼られたシールが「江原(カンウォン)市場商人会」のものと突き止めました。
しかしこの時点で時効成立まで、あと9時間でした。タイヤ痕も一致して車から去る男を追跡したチョンホ刑事ですが、料理屋で追いつめたところで逃げられます。
車両は別の廃車のナンバープレートにすりかえられていました。目くらましです。
あともう少しで追いつめられたのに…というところで時効が成立しました。事件の責任を感じたチョンホ刑事は、刑事を辞めます。資料を屋上で焼き捨てますが、途中で雨が降って来たので資料はしまいこみました。
チョンホ刑事の携帯電話に、母・ハギョンからメッセージが入っていましたが、チョンホ刑事は無視します…。
…チョンホ刑事と並行して、母・ハギョンも犯人を追っていました。犯人が入った料理店を訪れたハギョンは、犯人が忘れた傘が『ナレ貯蓄銀行』というロゴの入ったものと知ります。
その傘は、サービス部内で昨年表彰された記念に作り、特定のお得意様宛てにプレゼントされたもので、ハギョンは窓口の女性銀行員にわいろを渡してリストを手に入れます。その後、ひとつひとつしらみつぶしに当たりました…。

【承】- 悪魔は誰だのあらすじ2

2013年夏、ソウル市内で新たな誘拐事件が発生しました。
祖父ハン・チョルが目を離した隙に幼い少女・ボムが、自宅裏の公園のブランコで姿を消したのです。
通報を受けた警察の捜査班チームは宅配便業者を装ってボム宅へ入り、逆探知器や録音機材をセットしました。またあちこちに監視カメラを仕掛けます。
1回めの脅迫電話がかかってきました。子どもを預かっていると告げた後、犯人は「明日の朝までに5千万ウォン(約528万円)用意しろ」と告げて電話を切ります。
逆探知をしていたカン・チャンシク刑事は、犯人の後ろで聞こえたバイクのクラクションが気になりました。
1回目の脅迫電話の後に、ボムの母の具合が悪くなりました。心臓病を患っていた母は、手術の経験がありました。
ボムの祖父を呼びに走った刑事は、祖父ハン・チョルが姿がないことに気づきます。ハン・チョルの携帯はブランコの上に置かれていました…。
通話の逆探知に成功し、場所が「上岩(サンアム)洞のソンジョ公園」と発覚します。現場は普段から人通りの少ない場所で、目撃者はありませんでした。
公衆電話には指紋も残っていませんでしたが、タバコの吸殻が落ちています。毛髪も採取されました。
チャンシク刑事は不審に思います。公園の公衆電話の通話記録は一致するのですが、公衆電話は道路から遠く、クラクションの音が大きく入る筈がなかったのです。
しかし瑣末なことだと判断したチーム長は、チャンシク刑事に「過去に似た手口の誘拐事件がないか調べろ」と命じました。
その後、再び犯人から電話があり、娘・ボムが生きている証拠として「3分後に通る清掃車を調べろ」と言います。ボムの母が自宅の前を通った清掃車のごみをあさると、中からテレビと写るボムの写真が出てきました。
チャンシク刑事は、今回の事件が1997年に起きたソジン誘拐事件をなぞるかのように、全く同じ手口で行なわれていることを知ります。子どもは死亡し、最近時効が成立していました。
時効が成立したため資料は処分されていました。チャンシク刑事は当時の担当区域・安養(アニャン)警察署へ行き、当時の担当者を聞きます。そこで、刑事を辞めたオ・チョンホの存在を知りました。
チャンシク刑事はチョンホ元刑事の元を訪問します。話を聞いたチョンホは、15年前とまったく同じ手口だと指摘し、焼け残った資料を取り出しました。
もし15年前と同じ手口をなぞっているならば、龍山(ヨンサン)駅5番ホーム4番の柱の下に5千万ウォンを置けと言われた、とチョンホは言います。
その頃ボムの自宅に、龍山駅5番ホーム4番の柱の下に、送られてきた軍用カバンに詰めた現金を置けという指示がなされていました。
チョンホは「完全犯罪の再現のため」あえて同じ手口を実行しているのではないかと読みます。
チョンホ元刑事とチャンシク刑事は97年当時の犯人が乗ったであろう電車に乗り、先回りしました。あとで分析して推測した結果、犯人は軍隊の群れにまぎれてカバンを奪うと、反対方向に逃げたと推測されました。
2人はその通りにし、逃げる軍服姿の男を捕まえます。男は塀の向こう側に現金の入ったカバンを投げたところで、チャンシク刑事とチョンホ刑事に捕まりました。
顔を見ると、なんとそれは誘拐された少女・ボムの祖父ハン・チョルでした。

【転】- 悪魔は誰だのあらすじ3

逮捕されたボムの祖父ハン・チョルは、一貫して容疑を否認します。
1回目の脅迫電話の折に、ハン・チョルが自宅裏の公園に行ったところ、公園の植木で鳴り始めた携帯電話の指示に従って、指示された場所にある倉庫に赴いたと、ハン・チョルは事情聴取に答えました。
倉庫から孫の声が聞こえたので入ると、倉庫の中にあったのはマネキンと録音されたテープからの声で、倉庫に監禁されてしまったと祖父ハン・チョルは言います。
以後は犯人の指示どおりに、軍服を着てカーナビの示す場所に移動したこと、指示に使われた携帯電話は途中の漢江(ハンガン)鉄橋を渡る時に捨てたと、ハン・チョルは付け加えました。
しかし、状況証拠は祖父ハン・チョルが犯人だと示します。
1回目の脅迫電話に使われた公衆電話から見つかった煙草の吸い殻が、取り調べの時に祖父ハン・チョルの吸ったものと一致しました。
自宅の壁紙は、清掃車から見つかった孫・ボムが写った写真と一致します。
さらに…祖父ハン・チョルは20年間勤務したハンシン電子が通貨危機前に倒産し、田舎に戻って養豚農家を営んだものの、口蹄疫ウィルスで事業に失敗していました。
その後、自己破産をしたハン・チョルは、新事業を行なうための資金の申し出を娘婿が勤務する銀行に依頼しましたが、融資は断られていました。
ハン・チョルは一貫して容疑を否認し「誰かにハメられた」と言いますが、捜査すればするほど状況証拠は犯人が祖父ハン・チョルだと示します。
ソウル警察はハン・チョルを犯人だと決めつけました。捜査に協力したチョンホ元刑事だけは、ハン・チョルが犯人ではないと考えます。
15年前に誘拐事件を起こした犯人はもっと計算高かったことや、あまりに証拠が揃い過ぎている点に不信感を抱いたのです。
公衆電話に残された煙草の吸殻ひとつとっても「公衆電話の指紋は綺麗に拭きとっているのに、煙草の吸殻を残すような不始末をするだろうか」「わざと祖父ハン・チョルを犯人に仕立て上げるための罠にしか思えない」と考えました。
しかし祖父ハン・チョルの犯行だと決めつけて動く、ソウル警察を止めることはできません。
一緒に行動を共にしたチャンシク刑事からは、「俺だけの手柄となり俺が昇進したから、やっかんでいるのだろう」「15年前の誘拐事件とは別物だったのだ」と言われる始末でした。
チョンホは警察を辞めているため、発言権もありません。むしろ「自分たちがミスした事件と今回の事件を同一視するな」と、警察の捜査班チームはチョンホの意見を無視しました。
誘拐事件の犯人が祖父だったという話題性に、マスコミも注目します。孫娘・ボムの行方は不明ですが時間の問題で、ハン・チョルが自供すれば見つかるだろうという意見と、孫娘でも殺しているかもしれないという意見もありました。
祖父ハン・チョルの聴取通りに動いたチョンホ元刑事は、倉庫が実在し、そこに監禁の痕跡があったこと、孫娘の声が入ったカセットテープが残されていたことなどを見つけますが、最早だれもチョンホの意見を聞きませんでした。
捜査班のチーム長は駄目押しの「物的証拠」として、内緒にしていたことをチョンホ元刑事に明かします。今回の脅迫電話の犯人の声は、祖父ハン・チョルのものと一致したのでした。
またとない物的証拠で、ハン・チョルが犯人だと物語るものです。チョンホ刑事は混乱しました。
チーム長は「孫娘・ボムはハン・チョルがもう殺しているが、遺体さえ発見されなければ孫殺しの罪が免れるので、容疑を否認しているのだろう」「孫娘の遺体は見つかりにくい場所に隠しているのではないか」と言います。

【結】- 悪魔は誰だのあらすじ4

科学捜査研究所勤務の先輩の力を借りたチョンホ刑事は、声紋鑑定をしてもらいます。今回の誘拐事件と15年前の事件との声紋鑑定です。
すると…今回の誘拐事件と15年前のそれの電話の声が一致しました。声だけではなく、一言一句、全く同じ文言だったのです。
そして…今回の誘拐事件の声には雑音が混じっていました。発言の前にスイッチを押す音が入っていたのです。
第1回の脅迫電話の時にクラクションの音が大きく聞こえたのも、それが原因です。15年前に録音された音の悪いテープを使っていたため、遠くのクラクションの音の方が鮮明に聞こえたのでした。
つまり今回の誘拐事件は「15年前の脅迫電話の音声を使って再現した」のだと判明しました。チョンホ元刑事は、今回の事件の犯人が「ソジンの母・ハギョン」だと分かります。
(15年前の事件の犯人はハン・チョルで、今回の犯人はハン・チョルの声を使ったユン・ハギョン)
チョンホ元刑事はハギョンに会いに行きました。ハギョンは誘拐したボムと共にいました。
時効が成立してからも、ハギョンは傘の顧客リストから犯人を割り出そうとしました。チョンホ刑事の携帯にメッセージを残したのがこの頃です。その後ハギョンは犯人を見つけ出しました。
時効が成立してもう裁けないことを知るハギョンは、家族と共に屈託なく笑う犯人ハン・チョルを見ていて我慢できなくなり、今回の誘拐を思いつきました。「あの男はちっとも反省していない」とハギョンは言います。
熟考したチョンホ元刑事は、判断を自分に任せてくれないかとハギョンに言いました…。
チョンホ元刑事は、ハン・チョルに面会に行きます。そこで15年前の誘拐事件の話をしました。
15年前の誘拐事件は少し複雑でした。現金受け渡しの際、ハギョンは犯人の言うとおり忠実に行動しましたが、警察側が用意したのは「偽札」でした。
警察は偽札が市場に出回ったら犯人をすぐ逮捕できると思い、身代金受け渡しの直後に捜査チームを解散させます。しかし偽札だと知った犯人ハン・チョルは母・ハギョンに再び連絡を取り、再度の身代金要求をしていました。それを見抜いて追跡したのは、チョンホ刑事だけでした。
ハギョンは娘・ソジンを取り戻したいために、犯人の言うなりに行動します。ハン・チョルも金さえ手に入れば、ソジンを帰すつもりでした。ハン・チョルは当時12歳の娘(ボムの母)の心臓の手術のため、金が必要で、それさえ手に入れればソジンを殺すつもりはなかったのです。
しかし誤算が生じます。少女・ソジンが筆記具でハン・チョルの目の上を刺し、ハン・チョルがひるんだ隙に逃げ出したのです。ソジンは逃げる最中に倒木に足を取られ、崖から落ちました。
落ちた先は現金受け渡しにあたる海沿いの道路でした。ちょうど駆け付けたチョンホ刑事は、降って来たソジンを避けて車を横転させます。
ハギョンは娘・ソジンの元に駆け付け、その隙にハギョンの車の後部座席から、ハン・チョルは現金を盗み出しました。ソジンは落下の衝撃で頭部を強く打ち、死亡します…。
チョンホ刑事が必要以上に15年前の誘拐事件に固執したのは、自分自身もソジンの死に間接的ながら関係していたからでした。
15年前の誘拐事件に対しては容疑を認めたものの、今回は違うとハン・チョルは主張します。その態度を見て、反省の色がないと判断したチョンホ元刑事は「取引しよう」と持ちかけました。
…ハン・チョルは一転して今回の誘拐事件の容疑を認めます。そして孫・ボムは貯水池の近くの倉庫に監禁していると供述しました。
ハン・チョルが自供した場所でボムが無事に保護され、ハン・チョルは懲役15年の刑を言い渡されます。
15年前の事件に対して反省の色がないハン・チョルに、チョンホ刑事は「孫娘・ボムの安全と引き換えに、今回の罪をかぶれ」と取引したのでした。
こうしてハギョンは無罪放免となり、真実を知る者はチョンホ元刑事だけです。
ソジンが転倒した森の樹木のところで、亡き娘・ソジンに新しい靴を供えるハギョンは、木を抱きしめながら涙を流しました。
犯人を見つけても、ハギョンは救われません。ただ誘拐中に涙するハギョンの頭を撫でて慰めた、犯人の孫娘・ボムの優しさだけは、ハギョンの心に沁みました。

みんなの感想

ライターの感想

なんともやりきれない映画です。せつない&つらい。
ハギョン役とチョンホ役の俳優さんが熱演してます。特にハギョン役の演技は心を強く打ちます。
殺された娘のために、時効成立後もこつこつと犯人を突き止めていく母の執念。
犯人が分かった時、ハギョンはハン・チョルの影に包丁を向けますが、けっきょく止めてます。
単に殺すという方法を取るのではなく、全く同じ手口で仕返しをしようという…考えたらけっこうどろどろしてる!
あ、でも実際に見ると、どろどろしていませんよ。それよりも犯行に至るまでのせつなさが前面に出てきてます。
さて邦題の『悪魔は誰だ』、悪魔とは誰だろう。すぐ思いつくのは「ずさんな捜査により犯人を仕立て上げる韓国警察」。
ただ、そんな安直なものではなく「誰の心にだって悪魔の部分はあるんだよ」ということを伝えたかったんだろうな。
犯人ハン・チョルは娘の心臓病の手術代の捻出で犯罪をしますが、自分の娘のためなら何をやっても許されるのかという道義的な問題がある。
殺す意志はなかったようだが、最終的に殺してしまったことに変わりはない。なのに反省の色はなく「逃げたあいつ(ソジン)が悪い」と言ってのける。
ハギョンは娘・ソジンを殺された復讐に、関係のない(厳密には関係あるんだが)孫娘の誘拐をおこなう。
チョンホ元刑事はハギョンが犯人と知りつつも見逃し、今回の罪をハン・チョルに着せる。
15年前の事件については時効が成立しているので、今回の罪を背負わせることで裁いてもらったわけです。
どの人物も最終的に幸福になれていない点では、救いようのない映画のように思えますが
ラストシーンで孫娘・ボムが、写真を撮影しながら涙を流すハギョンの頭に手をやるシーンは印象的です。
決してあと味の悪い仕上がりではなく、むしろほんの少しの希望が見出せるシーンでした。

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