「星ガ丘ワンダーランド」のネタバレあらすじ結末

サスペンス映画

星ガ丘ワンダーランドの紹介:2016年公開の日本映画。20年前に自分を捨てた母の死に直面し、その原因を探ろうとする青年の姿を描くミステリー。舞台やテレビなどで活躍する中村倫也が主人公を演じるほか、その兄役に新井浩文、義理の姉弟に佐々木希と菅田将暉など実力派が共演し、ミステリアスな物語を盛り上げる。数々のCMを手がける柳沢翔の映画初監督作品。

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予告動画

星ガ丘ワンダーランドの主な出演者

瀬生温人(中村倫也)、瀬生哲人(新井浩文)、清川七海(佐々木希)、清川雄哉(菅田将暉)、大林津奈子(杏)、楠仁吾(市原隼人)、清川爽子(木村佳乃)、瀬生藤二(松重豊)

星ガ丘ワンダーランドのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①幼少期に温人を捨てて去った母・爽子。星ガ丘駅員になった温人に20年ぶりにもたらされたのは母の訃報。母は再婚し、新たな家族ができていた。母の死が自殺と聞いた温人は空白の20年間を埋めようと周囲の人間に聞く。 ②母が温人の前から消えたきっかけは観覧車の階段から落ちた温人のケガが原因。母は自殺ではなく廃園になった遊園地に入りこんだ少年をかばっての事故死と判明。20年前に救えなかった息子を今度こそかばって母が死んだと知った温人は、母の愛を知って涙した。

【起】- 星ガ丘ワンダーランドのあらすじ1

自動車の後部座席で、少年時代の瀬生温人(せお はると)は画用紙に観覧車の絵を描いていました。横には兄・哲人(てつと)が座っています。
運転席にいる父・藤二が助手席の母・爽子を責めていました。「お前のせいで温人がケガをしたんだぞ」と言われた母・爽子は車を降り、雪の降る中を歩いていきます。
温人は車を降りて母・爽子を追いかけ、母が落とした片方の手袋を拾って渡そうとしました。母は「こっち、温人が持ってて。必ず取りにいくから」と言います…。
母は去り温人が取り残されるのを、車中から父と兄が見ていました。
はるか遠くに、観覧車があります…。

…20年後。
結局母は、手袋を取りに戻ってきませんでした。手袋が関係しているかどうかは分かりませんが、大人になった温人は現在、星ガ丘駅の「落し物預かり所」で働いています。星ガ丘駅は小さな駅で、実質的には駅員です。
星ガ丘駅といえば、昔は星ガ丘ワンダーランドという遊園地があり、90年代には利用者も多かったのですが、施設の老朽化が問題になり、閉園に追い込まれました。なので、駅を利用する人も周辺に住む住人たちです。
温人は落とし物を預かった時に、いつも持ち主のイメージを想像して、それを落とし物の札の裏面に描いていました。表面にはその落とし物が届けられた日や落とされたと思しき日時、場所などが記載された紙製の札です。
落とし物を取りに来た人が似ていると嬉しく、違っていると驚きがありました。
拾って届けてくれた子がまだ幼いと、拾った場所を口頭で表現できない場合もあるので、落し物預かり所では星ガ丘ワンダーランドの小さな模型を置いています。

ある日、少女が大人の靴の右足のみを持ってきました。同僚の吉田さんはそれを見て、タップダンス用の靴だと言います。かかとが金属でできているのです。
赤と白の手袋を取りに現れた少年は、確かにその持ち主であるだろうに、受け取らずに帰りました。同級生の2人の手前、汚れた手袋を受け取るのが恥ずかしかったのか、その2人にいじめられているのか、とにかく事情がありそうです。
落とし物はすぐにいっぱいになるので、壊れたビニール傘など「かぎりなくごみに近いもの」については、落とし主には申し訳ないのですがごみ収集車に持っていってもらいます。
ごみ収集車の若い男性職員・楠仁吾とも、温人はすっかり顔なじみでした。
子どもが色つきのマジックで飛行機の絵を描いたビニール傘を取りに来た中年女性は、「処分期間が過ぎたものは処分されるきまりなので」と聞いてひとしきり怒り、気分を害したまま帰宅しました。
それを見た温人は、中年女性にとってその傘が大事なものだと思い、ごみ集積所にいた仁吾に頼みこんで、夜に傘を探します。
傘は見つかりましたが、ぼろぼろに壊れていました。女性は傘が処分されたことを怒っていましたが、女性自身がずさんな人間なのです。
傘を見つけたことを温人は女性に電話しますが、案の定冷めた反応でした。「そのうちに取りに行く」と言い、駅を利用していても取りに来ません。駅を通過する女性を見かけた温人が追いかけて渡すと受け取りましたが、女性は飛行機の絵を描いたビニール傘を新たに手に入れていました。
(飛行機の絵は女性の子どもが描いたもの。処分されたと怒った女性自身もルーズな人間で、ものを大事に扱っていない人間であることを示したいエピソード)
ごみ収集車の職員・仁吾と親しくなった温人は、ある時仁吾に「昔は指揮者を目指していた」と聞きました。仁吾はごみの中からクラシック音楽のCDを選び、ラジカセで集積所に音楽をいつも流しています。

ある朝、駅構内を掃除していた温人は、縁石の隙間に入り込んでいる丸い物体を見つけました。泥まみれのそれは、洗うとワンダーランドを模したと思しきスノードームのキーホルダーでした。
温人は落とし物として扱い、札の裏にいつも通り持ち主を描こうとしますが、思い浮かびません(本当はある程度目星がついているのだが、それを描きたくない気持ちもある模様)。 この映画を無料で観る

【承】- 星ガ丘ワンダーランドのあらすじ2

靴の持ち主がやってきました。温人が想像していたとおり初老の男性で、違うところは殆どありません。吉田と温人は初老男性にお願いし、ホームでタップダンスを披露してもらいます。
そんな時、温人の職場に一本の電話がかかってきました。それは20年前にいなくなった母・爽子の死を知らせるものでした。

知らせを受けて温人は遺体安置所に行きます。ところが爽子には新たな家族(夫、娘、息子の3人で、年齢的には爽子の実子ではなさそう)ができており、爽子の遺体を囲んで号泣する家族を見て、温人は入れなくなりました。そのまま立ち去ります。
建物の外には白いセダンが止まっており、そこには温人が会わなくなった兄・哲人が乗っていました。哲人は温人に「親父が死んだ時以来だな、ここに来たの」と声をかけます。
母の死は、星ガ丘ワンダーランドにある観覧車からの飛び降り自殺だと主婦が噂したのを聞いた温人は、本当にそうなのかと思います。
中尾刑事と大林津奈子刑事も爽子の死体を検分し、不審な点を見つけました。遺体は閉園後の誰でも入れる場所で見つかりましたが、爽子のハンドバッグには封筒に入った現金300万円がありました。検視では自殺の見立てです。
帰りに仁吾のところへ立ち寄った温人は、名前の由来を聞かれて「親父がワンダーランドの下請けをしていたから、あそこがあたたかい場所になりますようにという意味をこめて」と答えます。
ビニール傘の件を聞かれた温人は、母の死のショックも手伝って、つい仁吾につらくあたってしまいます。指揮者になりたかったという仁吾に対して「ここにあるのはただのゴミだ」と突っぱね(案に仁吾もゴミ同然の存在だという意味もある)、仁吾は傷ついて立ち去ります。

翌朝、温人が出勤すると落し物預かり所に少年2人が入り込み、星ガ丘ワンダーランドの小さな模型を壊して逃げました。
その後、落し物預かり所に1人の訪問者があります。小さなスノードームのキーホルダーを落としたという若い女性は、母・爽子の遺体安置所で泣いていた清川七海でした。温人は動揺して、つい届いていないと嘘をついてしまいます。
「母からのプレゼントなので、見つかったら連絡をください」と七海は連絡先を書いて去りました。
母がなぜワンダーランドで死ななければならなかったのか、空白の20年間が温人に重くのしかかります。その空白を少しでも埋めたくて、温人は長じるに従って次第に距離を置くようになった兄・哲人に電話をかけてみますが、兄は電話に出ませんでした。

ある時ふと温人は、星ガ丘ワンダーランドに家族で行った時、「母が高所恐怖症で、ひとりだけ観覧車に乗らなかった」ことを思い出します。
高所恐怖症であれば飛び降り自殺をするわけがない…そう思った温人は津奈子刑事にそう告げますが、昔の記憶で客観性がなく、兄・哲人に確かめてくれと言われました。
手詰まりだと思った温人は、七海に電話を入れて呼び出し、スノードームを渡す代わりに、母・爽子の話を聞きます。
七海は、温人のことを知っていました。風邪気味の温人のために、落し物預かり所のストーブでリンゴスープを作ってくれます。
温人は七海に母が自殺した理由を聞きました。七海は、母・爽子が軽いうつ病を患っていたことを告げますが、それが飛び降りたことと関係があるかと温人が聞くと「分かりません」と即答します。
七海は「あそこが母のつらい場所だった」と言い「覚えてないんですか」と温人に聞きました。

【転】- 星ガ丘ワンダーランドのあらすじ3

20年前。
両親と兄・哲人、温人の4人で星ガ丘ワンダーランドへ行きました。
その日は大観覧車のリニューアルイベントで、園内は賑わっていました。それは温人も覚えています。
母以外の3人で観覧車に乗ったことも温人は覚えていますが、新たに思い出すきっかけを七海が与えてくれました。
七海もあの日、父親と遊園地に来ていたのです。七海の父がひそかに好意を寄せていた温人の母・爽人が観覧車の脇にある噴水のところにいるのを見つけた七海は、父と爽子を結びつけようと近づいていきました。スノードームのキーホルダーをもらった七海は「つい願ってしまった。この人が私のお母さんだったらと」と告白します。
それを聞いた温人は、その景色を自分も観覧車から見ていたことを思い出しました。自分も…そして父も。
温人は「あの人に取られてしまいそうだ」と思い、観覧車から急いで戻ったのだと思い出したのですが、七海は「違う、あなた、落ちたんです、あの時」と遮ります。
七海の言う通りでした。急いで駆け付けようとした温人は観覧車の昇降口の階段から落ち、ケガを負ったのです(オープニング時の父の発言はこれを指している)。
七海のおかげで思い出したことがたくさんありましたが、やはり母の死は依然として謎でした。

帰宅した七海は晩ご飯の支度をすると、父と弟・雄哉に声をかけます。
雄哉が七海に、母は借金をしていたのかと質問しました。七海もその詳細は知りません。
翌日、雄哉が温人の職場・星ガ丘駅を訪問しました。姉に続いて弟までやってきたことでいらついた温人は、「家族じゃないでしょ、君たちって」とついトゲのある言葉を吐いてしまいます。
怒った雄哉は温人を殴りつけ、「金せびってたのかよ」と泣きながら言います。他の駅員が来たので雄哉は逃げました。
前日、結局飲まなかったリンゴスープを温め直して飲んでいた温人は、遠くに七海の姿を見かけて追いかけます。
弟が乱暴を働いたことを詫びた七海は「どうしても消えないんです。本当の娘じゃないってことが。家族には、なれない気がして」とこぼしました。
温人は、母・爽人を取り囲み、周囲をはばかることなく泣いていた七海たちを見て嫉妬していましたが、七海たちは彼女たちなりの悩みを抱えていたのです。
温人は「リンゴのスープ、子どものあの時と同じ味がしました。あなたの中に、あの人を見た。僕は嫉妬してたんです、あなたたち家族に。だから、殴られて当然なんです」と素直に言えました。
七海を送りながら、温人は弟・雄哉が言っていた「お金って、なんですか」と質問します。そして七海から、母が兄・哲人に現金300万円を渡すために借金をして、ワンダーランドに行ったと知りました。
同じ頃、大林津奈子刑事も爽子の死に疑問を感じ、調べていました。中尾刑事は「誰かが突き落としたってのか(他殺と言いたいのか)」と言いますが、とにかくひっかかりを感じるのです。

兄・哲人の住む実家・瀬生電工の会社兼住居を訪ねた温人は、家に入って2階へ行きました。兄はいませんが、ワンダーランドの観覧車の設計図が置かれています。20年前の、父が手がけた時のものです。
実家の2階からあの観覧車が見えることに気づいた温人は、ワンダーランドに行きました。そこに、兄はいました。
温人は「金せびってたってどういうことだよ」と兄を責めますが、兄は「残された方の気持ち、考えたことねえんだろ」と言います。
金は、兄がせびったわけではありませんでした。むしろ逆で、父の死後に経営不振に陥っている瀬生電工のことを知った母・爽子が、その借金を立て替えたいということで用意したものでした。

【結】- 星ガ丘ワンダーランドのあらすじ4

(兄の発言「残された方の気持ち、考えたことねえんだろ」について詳しく解説。
兄弟は全く正反対の性格。温人は思ったことをずけずけ言ったり、場合によっては周囲を傷つけることを考えなしに言ったりする「自分のことしか見えていない」人間。だから雄哉にカチンをする発言をしたり、ゴミ収集業者の仁吾を傷つけるようなことを言ってしまう。対照的に兄・哲人や父・藤二は、言いたいことがあっても言えないタイプ。兄と父は温人を羨ましく思う局面もあったかもしれない。それが、温人と父・兄を遠ざける原因のひとつになったことであろう。
温人は母が好きなあまり、父のことをよく観察していなかった。20年前も観覧車から爽子と七海が会話するのを見て母の元に衝動的に駆け寄ったが、その背後で父や兄がどう思っているのかについては思い至らなかった。オープニングの、父母の別れのシーンも同じく。母恋しさに追いかけていった温人は、車中に「残された者(父と哲人)の気持ち」は全く鑑みていない。
残された側である哲人は、温人が見えていなかった部分も見ていた。
当時、観覧車で温人が負傷する事件がなかったとしても、すでに両親の夫婦仲には亀裂が入っていた。
父・藤二は下請けで関わったワンダーランドの観覧車を母・爽子に見せたくて遊園地に連れてきたのだが、母・爽子はその父の思いを汲み取れず、話しかけて来た七海父娘と無邪気に会話をしていた。その様子を観覧車から見ていた父・藤二は、せっかく用意したプレゼント『爽子の大好きな赤色を主体にして構成した、ワンダーランドの観覧車のイルミネーション』が気づかれないことを悲しく思ったことであろう。それを幼いながら哲人も理解していた。
母が去ってからも温人はずっと母のことを思い続ける代わりに、目の前にいる父と兄の思いなど一切考えることなどなかった。それを哲人は指摘したかった。
哲人の言う通り、温人は物事を一方面からしか見ることのできない「視野の狭い」人間で、別の立場から想像する配慮に欠けた人物である)

兄・哲人は、父の葬儀にも出なかった母の金など必要がないので、もちろん断りました。それでも母・爽子は金を用意し、ワンダーランドに来たのです…。
それを告げると、兄・哲人は閉園したワンダーランドのイルミネーションを点灯しました。
園内に一斉に灯りがともります。他の遊具も灯りに彩られるなか、ひときわ目立つのは観覧車の、赤メインのイルミネーションでした。温人は初めて父の思いを知り、打ちのめされます。

兄・哲人が一晩かぎり復活させた観覧車のイルミネーションは、はるか彼方にいる人たちにも見えました。星ガ丘に住む人たちは観覧車を見て、しばしその美しさに見とれます。
翌日。
当然兄のイルミは話題になりました。下請け業者の誰かが勝手にやったことだろうと文句を言う業者に聞き込みしていた津奈子刑事は、爽子の遺体発見現場に、そこらから摘んできた雑草のお供えがあるのに気づきました。
すぐそばで物音がし、津奈子は幼い証言者を見つけました。温人を呼び出します。
「死亡推定時刻に現場にいた子どもたちが見つかった」という知らせを受けて温人が警察に行くと、そこにはかつて駅のワンダーランドの模型を壊した少年2人がいました。あの日は逃げる姿しか印象に残りませんでしたが、少年たちは兄弟のようです。
少年の兄の方が告白します。
「ひろきがね、観覧車の階段から降りそうになった時、助けようとしてくれて、おばちゃんが…落ちちゃった」
意外な顛末に、温人は驚きます。
閉園後の無人の遊園地に忍び込んだ少年たちをかばい、母・爽子は死んだのでした。自殺ではなく、事故死でした。
少年の弟の方が温人に声をかけます。
「はるとっていうんでしょ、おにいちゃん。おばちゃんね、僕のこと、はるとって(呼んだよ)」
その瞬間、温人は完全に20年前のことを思い出しました。
20年前の観覧車の階段から落ちた時も、母・爽子は駆け寄ってきてくれたのです。ケガをした温人を抱きしめて「大丈夫、大丈夫」と声をかけてくれたのです。
それを思い出した温人は、その場に泣き崩れました。

星ガ丘には雪が降っていました。
兄に電話をかけた温人は、「謝りたくて」と言います。電話を切った後、立ち去る当時の母の面影を雪の中に見つけた温人は、「さよなら、母さん」と呟きました。

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みんなの感想

ライターの感想

この映画は好き嫌いが分かれると思う。プラス、判らない人はどうやっても理解できないと思う。
話を見て行くうちに徐々に謎が解明されて行く仕組みなので、ミステリー。
しかし全編見終わったあとも、語られなかった謎が残るのも確か。見終わったあとも理解できない人がいるだろうことも確か。
印象的なのは「人物を後ろから撮る」手法。このおかげ(せい)で、父・藤二を演じているのが松重豊だと知ったの、なんと1時間経過してから(笑)。
その撮り方もたぶん「温人の視野の狭さ、見ているようで見ていない面」を描きたかったのだろう。
遠回しの手法と、深い科白なのに補足説明が加えられない「残された方の気持ち、考えたことねえんだろ」という兄・哲人の発言。
これらをすべて読み取れないと、たぶん映画の深さの半分強しか理解できない仕組み(半分強は理解できるのだけど)。
せっかくキャストも豪華に揃えたのだから、もっと万人に理解できるストーリーにしたほうがよかったかもしれない。
評価が低いのは、理解が難しいから。

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