「時計じかけのオレンジ」のネタバレあらすじ結末

サスペンス映画

時計じかけのオレンジの紹介:1971年製作のアメリカ映画。スタンリーキューブリック監督が映画化した作品で有名だが、原作者にはとても気に入られていない作品(小説版の完結版の最後の章を映画版に取り入れていないため、ラストが変わってしまうから)。スタイリッシュで奇をてらったファッションなどにも注目。

予告動画

時計じかけのオレンジの主な出演者

アレックス(マルコム・マクダウェル)、 ディム(ウォーレン・クラーク)、 ジョージー(ジェームズ・マーカス)、 ミスター・フランク(パトリック・マギー)、 フレデリック(アンソニー・シャープ)

時計じかけのオレンジのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①アレックスは悪友と4人で悪さばかりしていた。ある日悪友に裏切られたアレックスは、老女を殺してしまい逮捕され14年の懲役を言い渡される。2年後ある更生療法を受ければ即釈放と聞いたアレックスは志願した。 ②ルドビコ式療法により、アレックスは暴力・性・大好きな第九で吐き気を催すように。アレックスは釈放されるが過去の者たちに復讐される。自殺を図ったアレックスは助かり、しかも洗脳が解けていた。

【起】- 時計じかけのオレンジのあらすじ1

…イギリス・ロンドン。近未来のお話。
アレグザンダー・デ・ラージことアレックスは、15歳の少年です。
アレックスは仲間のジョージー、ディム、ピートを率いて、小さなギャング集団を結成していました。彼らは白いブラウス、白い吊りベルト、白いズボン、黒い帽子で杖を持って歩きます。
アレックスは右目だけ、つけまつげをしていました。これはオシャレです。
アレックスはクラシック音楽が好きで、特にルドウィヒ(ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン)の交響曲第9番、通称:第九の第4楽章をこよなく愛していました。
アレックスが嫌いなのは、酔っ払いと老醜をさらすことです。

その夜も河原でアレックスたちは、酔っ払いの男を叩きのめしました。河原には労働力とならない老人が、数多くたむろしています。
その後、対抗する4人グループ『ビリー・ボーイ』たちと戦いました。『ビリー・ボーイ』はアーミー服を着ています。
『ビリー・ボーイ』を叩きのめした時、パトカーのサイレンの音を聞いたアレックスたちは、車を奪って逃げました。そしてサプライズ訪問をします。
見知らぬ家を訪問して、交通事故を起こしたので電話を貸してくれと言って、その家に入りこむ手口です。
入り込んでしまった後は、好き放題に振る舞います。ご機嫌なアレックスは『雨に唄えば』を口ずさみつつ、親切な作家フランク夫婦の妻の口をガムテープでふさぎました。
初老の男性作家・フランクは叩きのめし、夫の前で妻の服をハサミで切り、乱暴を働きます。

明け方に帰って来たアレックスは、つけまつげを外してペットのヘビと遊ぶと、眠りました。昼間の学校はサボります。
アレックスは市営団地に住んでいました。両親は健在で、アレックスはひとり息子です。
とりたてて金銭に困っておらず、両親に愛されてアレックスは幸福な暮らしをしています。
パートに出て行った母親と交代で、部屋に更生委員のミスター・デルトイドが訪問しました。
デルトイドは表向きは真面目さを装うアレックスの裏の顔を見抜いています。
『ビリー・ボーイ』一派が病院送りになったことを告げると、「申し分ない家と両親があり、頭も悪くないのに」と嘆きました。
証拠がないので逮捕できませんが、デルトイドはアレックスに目をつけているのです。
レコード店に行ったアレックスは、そこでナンパした2人の若い女性を部屋に連れ帰り、3人でのセックスにふけりました。

満足して団地の階段を降りると、1階に他のメンバーが待ち受けていました。
4人グループのリーダーはアレックスなのですが、最近それを不満に思う傾向があり、ディムが反論します。しかしアレックスは、黒幕はジョージーだと見抜きます。
誰がナンバーワンかを明らかにしておくには、暴力の制裁が必要だと考えたアレックスは、道を歩きながら隙を見てディムとジョージーを川に落とし、川べりに差し伸べたディムの手首にナイフで切りつけました。
これで反乱は収めた…そうアレックスは考えていました。
その夜、ディムたちが計画していたプランを実行に移そうとアレックスは考えます。
ディムに聞くと、ヘルス・ファームにネコ屋敷があり、そこには老女ミス・ウェーザーズとたくさんの猫と、金銀宝石があるのだそうです。そこを襲えば、今までみたいに小さな犯罪をおかさなくてもいいと聞き、アレックスは行きました。

いつもの手口「ノックをし、ひどい事故を起こしたので電話を借りたい」と言うと、老女・ウェーザーズは警戒して扉を開けませんでした。というのも、今朝の朝刊に同じ手口で作家夫婦が重傷を負った記事が載っており、警戒したのです。

【承】- 時計じかけのオレンジのあらすじ2

訪問者が去った後、念のためウェーザーズは警察に電話をかけて、新聞と同じことを言った奴がいると報告しました。警察はパトカーを見回りに寄越すと答えます。
その間にアレックスたちは裏口に回っていました。アレックスがひとりで先に窓から中へ入り、玄関の扉を開けると他の者に言います。
ちょうど電話を切った時に、アレックスが部屋へ入ってきました。警察に通報した老女・ウェーザーズは、強気に出て、アレックスの反感を買います。
アレックスは男性器をかたどったオブジェで、ウェーザーズを殴りつけました。腹部を殴りつけますが、ウェーザーズは死んでしまいます。
仲間を入れようと玄関を開けると、まだ不満を抱えていたジョージーとディムらの裏切りに遭い、アレックスは牛乳入りの瓶で殴られました。
視界を奪われ、痛みで動けないアレックスだけが逮捕されます。ジョージー、ディム、ピートは逃げて無罪放免となりました。

逮捕されたアレックスに、大人たちはそう甘くはありません。
今までさんざん悪さをしてきたアレックスは、警官や更生委員のデルトイドに「逮捕に抵抗した」という名目で、暴力を振るわれます。
その時、アレックスは老女・ウェーザーズが死んだと知りました。過失致死だと訴えますが、「人殺し」と言われます。
こうしてアレックスは裁判の後、14年の懲役刑が下されました。刑務所に入れられます。

あっという間に2年の月日が経過しました。
アレックスは模範囚として振る舞い、日曜礼拝の牧師の手伝いをして、早く釈放されたいと思っています。
ある日アレックスは、牧師に質問しました。このところ刑務所内の囚人たちの間で、新たにできた療法があると、アレックスは小耳にはさんだのです。
牧師はその療法の名がルドビコ式心理療法だと教えました。やはり新療法は存在したのです。
その新療法を受けると、短期間で釈放されると聞いていたアレックスは興奮しました。
14年の刑を受けたアレックスは、この2年の刑務所暮らしですっかり懲りています。
模範囚として減刑されたとしても、釈放がいつになるか分かりません。
「私は完全な善人になりたい。そのために、新たな療法を受けてみたい」とアレックスは言いました。
ところが新療法には危険が伴うため、この刑務所内では反対していると神父は言います。
アレックスは落胆しますが、その頃内務大臣の視察がありました。アレックスは内務大臣の目に留まるよう、声をかけます。
内務大臣はアレックスを呼び出しました。アレックスが英国教会のキリスト教徒だと知った内務大臣は、アレックスの犯罪が殺人と知り、うってつけだと思います。
そのくらい重い罪の方が、更生した時の世間へのアピールが効果的だと考えた内務大臣は、アレックスを被験者にしました。
その実験を受けると、わずか2週間で釈放されると聞き、アレックスも喜びます。

こうして翌朝、アレックスは郊外の地に移送されました。バーンズ看守長は、アレックスが模範囚を装っていると見抜いているメンバーのひとりで、不満ながらもアレックスを連行します。
ルドビコ式療法は、いたって単純なものでした。毎食後、お尻に薬剤を注射するものと、映画を見せるだけのものです。アレックスは拍子抜けしました。
ところが実際にそれを受けたアレックスは、とんでもないことだと気付きます。

【転】- 時計じかけのオレンジのあらすじ3

拘束衣をつけられ、頭にさまざまな器具を取りつけられた後、まばたきを封じるための固定器具が目につけられたのです。
そうやって目を閉じられないようにした後、初日は残忍な暴力シーンとレイプ映像を見せられました。目が乾くので、目薬も点眼します。
注射の薬剤の副作用で、吐き気がします。見せられる映像は残忍なものばかりで、つまりは「暴力や性行為に対して、生理的な拒絶反応を引き起こすよう暗示をかける」ものでした。

アレックスにとって不運なことが、2日目の午後に起きます。
それまで見せられていた映像は音声が出ず、クラシックがBGMとして流れていたのですが、2日目の午後になんとアレックスが一番好きなベートーベンの第九が流れたのです。
アレックスは思わず「そんなの罪だよ、ルドウィヒを使うなんて」と音楽に罪はないと訴えますが、それを見た医者はこれこそが効果的だと考えました。
実験をおこなうオルコット博士は、以後わざと第九を流します。思った以上に効果があり、アレックスは第九を聞いても吐き気を催すようになりました。

治験が終わり、お披露目会が開かれます。
そこにはマスコミだけでなく、関係者各位も出席していました。アレックスを目の敵にする、バーンズ看守長や刑務所長、牧師も席に座っています。
ステージにアレックス以外に男性が現れると、アレックスを罵倒し、一方的に暴力を振るいました。
アレックスはそれに抗いたいと思うのですが、暴力を連想しただけで吐き気がします。空げっぷ(えずき)を繰り返すだけで、アレックスは一方的に乱暴を受けました。
アレックスに暴力を振るった男は、座席から拍手喝采を受けて引っ込みます。
続いてステージの奥から、上半身裸の女性が出てきました。久しぶりに見る女性に、アレックスは胸へ手を伸ばそうとします。
ところが触る前に気持ち悪くなり、すぐアレックスはうずくまりました。拍手を浴びるのは女性の方です。
この結果には、バーンズ看守長は大満足でした。
ひとりだけ、アレックスを知る牧師が反駁します。これでは単なる肉体的な苦痛を伴う拷問であり、本人にその選択の余地がないと指摘しました。
ところがその場のムードは「犯罪抑圧のため」ということで、大勢には受け入れられます。
こうしてアレックスはただの機械人形、『時計じかけのオレンジ』になりました。
(注:『時計じかけのオレンジのように奇妙な(queer as a clockwork orange)』=「なにを考えているのか分からない変人」という英語の言い回しがある)

翌日、アレックスは釈放されました。
アレックスのことは新聞記事にでかでかと書かれ、誰もが知ることとなります。
アレックスの両親は、釈放当日の朝刊を見て、息子の釈放を知りました。そこへアレックスが帰宅します。
両親はアレックスが逮捕された後、ジョーという若者を下宿人として住まわせ、わが子同然に愛していました。ジョーの方もアレックスの両親に対し、実の親のように接しています。
ヘビのペット・バジルは死んで、自分の荷物は警察に没収されたと知ったアレックスは、ジョーがいることで居場所がないと感じました。家を出ます。
あてもなく歩いていると、老人が近づいてきて小銭をせびりました。
その老人は以前、アレックスたちが暴力を振るった相手です。アレックスの正体に気づいた老人は、仲間の老人とともに、アレックスを攻撃しました。
抵抗しようとしても、吐き気が襲ってくるだけです。

【結】- 時計じかけのオレンジのあらすじ4

やがて警察官がやってきて制止しますが、なんと警官はディムとジョージーでした。彼らは就職年齢に達し、警官になったのです。
2人はアレックスを郊外へ連れていき、アレックスの顔を水につけて警棒で殴りつけました。
そのまま放置して去ります。

なにをされても無抵抗なアレックスは、ぼろきれになって郊外で打ち捨てられました。
ふもとで助けを求めますが、その家はかつてアレックスたちが襲った作家夫婦の家です。
アレックスは家の中に入ってから気付きましたが、幸いと作家の方は気づいていませんでした。アレックスはとぼけます。
アレックスたちの襲撃を受けた作家・フランクは車椅子の生活を余儀なくされ、妻は事件の直後、自殺していました。フランクはボディガードの男性・ジュリアンを雇っています。
作家・フランクはアレックスに風呂へ入れとアドバイスしました。そして友人に電話します。
フランクはアレックスが新聞記事に出ていたルドビコ式療法の被験者だと気付いていましたが、かつて自分たちを襲った相手とまでは、分かっていませんでした。襲った時にアレックスたちはマスクをかぶっていたので、そこまでは分からなかったのです。
犯罪抑止の手段を問わない現行政府のやり方に不満を持っていたフランクは、アレックスに取材を受けさせるための手配の電話をかけました。
ところがその後、アレックスが風呂場で口ずさんだ『雨に唄えば』で、自分たち夫婦を襲った犯人だと気付き、怒りがこみあげてきます。

入浴後、食事をするアレックスにフランクはワインを勧めました。
作家・フランクのところへ1組の男女が来ると、アレックスにいろいろ質問します。問われるまま、治療を受けた時には気分が滅入り、自殺をも考えたと言ったアレックスは、取材の直後、机に突っ伏します。ワインには睡眠薬が盛られていたのです。
目覚めたアレックスは、階下から聞こえる大音量の第九を耳にして、自殺しようと窓から飛び降りました。

…アレックスは死にませんでした。意識不明の後、全身ギプスで覆われたアレックスは目覚めます。
アレックスがこん睡状態の間、形勢が変わっていました。ルドビコ式療法がひとりの青年を自殺に追いやったとして、内務大臣を非難する世論ができあがっています。
アレックスは個室で、非常に贅沢な病院生活を送ります。両親もやってきて、わが息子が大変な被害者になっていたと知ったと、嘆きました。
女性の精神科医・テーラーが簡単な心理テストを行なうと言います。
イラストを見せ、その状況に応じたセリフを口にしろと言われたアレックスは、もうすっかり洗脳が解けていました。暴力的なことや性的な言葉も口をついて出ます。
それを見たテーラー医師は「順調に回復している」と答えました(皮肉な意味で)。

検査の後、内務大臣が訪問します。
アレックスに個室を手配し、贅沢な待遇をさせていたのは内務大臣でした。
内務大臣は、自分たちに不利になった世論を取り戻すべく、アレックスに協力してくれと言います。アレックスは頭が悪いわけではないので、内務大臣の言わんとすることを理解しました。
「世論は変わりやすい」と告げながら、アレックスは内務大臣とかたい握手をします。
病室へ大きなスピーカーが入って来ると、第九が流れました。それを聞いてもアレックスはもう、吐き気を催すことはありません。
カメラを携えたおおぜいのマスコミの前で、アレックスは内務大臣と仲が良いパフォーマンスをしました。
フラッシュを焚かれるアレックスは、性行為を思い浮かべながら、不敵な笑みを洩らして「完璧に治ったね」と思いました。

みんなの感想

ライターの感想

スタンリーキューブリックの有名作『時計仕掛けのオレンジ』は、終始主人公がアンチヒーローという形で私たちに善悪とは何かについての判断を委ねてくる作品です。見ていて気持ちのよくない描写がふんだんにあり、主人公のことはどうしても好きになれません。
鬼畜な主人公を更生させるために行った電気ショック療法というものはこの当時の社会問題になっていたそうです。精神に問題が有る患者を隔離し、精神の自由を奪う荒治療が行われていることを痛烈に批判した作品だそうです。
たとえ悪人であっても、精神の自由を奪う権利は果たしてあるのであろうか更生のためならなんでも良いという意向はよろしくないというメッセージ性の込められた作品です。

ライターの感想

印象的だったのはアレックスが「雨にうたえば」を口ずさみながらお金持ちの小説家のおじいさんを蹴り飛ばすシーン。なぜこの曲かというと、主演のマルコム・マクダウェルが歌える曲がこの曲しかなかったからだそうです。陽気に歌いながらバイオレンスを繰り広げる、そのギャップがこの映画の魅力です。
また、この小説家のモデルは原作者自身だそうで、実際に奥さんが暴行されるといった辛い経験からこの作品を書いたとのこと。一見スタイリッシュな映画ですが社会問題を揶揄したメッセージ性のある作品でもあります。

ライターの感想

これは、たぶんどんなに内容が分かっていても「見て損はない映画」。間違いなく名作。
劇中のファッションひとつとっても、斬新なものだし、使われている音楽(主にクラシックだが)もすばらしい。
アレックスが使う独特の言い回しに最初混乱するが、それも長くはない。
このワールドのスラングはすぐに理解できると思う。
主人公がたどるストーリーは、ほんとに吃驚することばかり。決して飽きることはない。
気持ち悪い感じを上手に出していて、ラストは主人公が「回復」するという話。
「回復」…つまり暴力的な人間に戻っちゃっているというこの奇をてらったストーリーは衝撃度高し。
  • 凛子さんの感想

    吐き気がする。もう二度と見ない。18禁にしてもいい映画なのに、
    どうして名作品になっちゃってるの?
    でも、人間の内部にとどめている欲望がすごい表れている。
    北野映画は、これを求めてるわけ?
    気持ち悪い。

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