「暗黒女子」のネタバレあらすじ結末

暗黒女子の紹介:2017年4月1日公開の日本映画。読んでイヤな気持ちになるミステリー“イヤミス”というジャンルで人気となった秋吉理香子の小説を映画化。とある女子高で起きた美少女転落事故を巡り、女子高生たちの知られざる一面が明らかになっていく様が描かれる。謎の死を遂げるいつみを飯豊まりえ、事件の真相を探る小百合を清水富美加が演じるなど、注目の若手実力派が集結。

予告動画

暗黒女子の主な出演者

澄川小百合(清水富美加)、白石いつみ(飯豊まりえ)、高岡志夜(清野菜名)、ディアナ・デチェヴァ(玉城ティナ)、小南あかね(小島梨里杏)、二谷美礼(平祐奈)、北条先生(千葉雄大)、いつみの父親〔学院経営者〕(升毅)

暗黒女子のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①1学期最後の定例会、文学サークルでは学期途中で死んだサークルの会長いつみの死をテーマに、メンバーが小説を読む。各メンバーは他のメンバーが犯人だと示唆する内容。 ②小百合がいつみの小説を代読。メンバーは皆都合のいい嘘をついており、いつみも死んでいなかった。しかし凡庸な女になりさがったと幻滅した小百合がいつみを殺害し、4人に食べさせた。小百合がいつみの座に就く。

【起】- 暗黒女子のあらすじ1

ミッション系の女子高、聖母マリア女子高等学校。通称:聖母マリア女子学院。
この学校はお金持ちのお嬢様が通う、由緒正しい学校でした。

1学期最後のこの日、文学サークルで定例会が催されます。
定例会では、毎年恒例となっている闇鍋をした後に、自作小説の朗読会が開かれます。
闇鍋の材料は各々が持ち寄り、冷蔵庫に入れておきます。それを鍋奉行、兼、朗読会の司会進行役の澄川小百合(すみかわ さゆり)が、鍋に入れました。鍋の中身を知っているのは小百合のみです。

闇鍋の時には、朗読会が終わるまで不要な発言は禁止されています。
司会進行役の小百合だけが話し、あとは自作の朗読だけが許されます。

・白石いつみ…故人。3-A。聖母マリア女子学院の経営者を父に持ち、この文学サークルの会長でもある。カリスマ的な存在感と美貌の持ち主で、他の生徒から羨望の眼差しで見られていた。学園祭の翌日に、スズランの花を持って屋上テラスから花壇に転落死。
・澄川小百合…3年生。文学サークルの副会長。いつみとは親友。いつみの死の謎を解くために、今回のサークルの自作小説のテーマを「白石いつみの死」と設定した。
(以下、朗読順に)
・二谷美礼…1-A。特待生として高等部から学院に編入。自宅が貧しくてアルバイトをしたいといつみに相談、年の離れたいつみの妹の家庭教師をしていた。
・小南あかね…2-B。和風料亭〝こみなみ〟の娘だが、本人は洋食とスイーツに興味を示している。文学サークルのキッチンでスイーツを作って、みんなに振る舞うのが好き。
・ディアナ・デチェヴァ…ブルガリアからの留学生。いつみがブルガリアに短期留学をした時のホームステイ先の娘。双子の姉に代わって日本に留学しにきた。
・高岡志夜…2-C。中学3年の時『君影草』で作家デビュー。いつみは『君影草』の翻訳にこだわっていたが、志夜は次回作を書きたがっている。

闇鍋を食べ終わったことを確認した小百合は、あらかじめ皆に伝えて会った、その日のテーマ「白石いつみの死」の自作小説の朗読会を始めると言います。
白石いつみは学院の皆から憧れ、慕われる存在でした。しかし1学期の途中、屋上テラスから謎の転落死を遂げていました。その手にはスズランの花が握られていました。
やがて文学サークルの中の誰かが、いつみを殺したのではないかという噂が学院内で流れます。
そこで小百合は皆に小説にすることで、少しでもいつみの死が分かるのではないかと、テーマにしたと告げました。
順番に、自作の小説を朗読してもらいます。

〔朗読小説「太陽のような人」一年A組 二谷美礼〕
美礼は昔から聖母マリア女子学院に憧れを持っていました。そこで猛勉強し、特待生として入学します。
しかし金持ちだらけのクラスメイトの中に、美礼の居場所はありませんでした。
美礼の憧れは、経営者の娘である白石いつみでした。いつみにはいつも澄川小百合が寄り添っており、美礼は「いつみが太陽ならば、小百合は月のような存在だ」と思っています。
ある日、屋上にいる美礼に、憧れのいつみが話しかけてきました。文学サークルに誘われます。
有頂天になった美礼は、素敵な文学サークルにも目を見張りました。
そこにはゲランのミュゲの新作香水を身にまとう志夜や、マドレーヌを作るあかねがおり、優雅な世界でした。
いつみの分のマドレーヌをもらった美礼は、ラム酒に酔ってトイレで吐きます。
文学サークルの顧問は北条先生という、眼鏡をかけた若い男性教師でした。
文学サークルは女性だけとはいえ結構あけすけで、谷崎潤一郎『癇癪老人日記』を読んで感想を言い合う際にも、男性器という言葉を躊躇わずに口にするので、北条先生が思わず中座するほどでした。
ところで入学したものの、美礼は家が貧しく、アルバイトをせねばなりませんでした。学校では禁止されているので、いつみに相談します。
するといつみは、白石家の家庭教師ならば許されると言い、自分の家の年の離れた妹の家庭教師を紹介してくれました。小学低学年の妹の家庭教師を、美礼はすることになります。

いつみの家は豪邸でした。そこに、いつみと学院経営者の父、妹の3人で暮らしています。
美礼以外にもう1人、家に出入りしている者がいました。中学で作家デビューした志夜です。
いつみは『君影草』の翻訳に力を入れており、その関係で志夜が家を出入りしていたのです。
アルバイト代は法外な料金で、美礼は多すぎると辞退しました。するといつみは「ではもっと貧しい人にお返しをしてあげて」と言います。
そこで美礼は、お年寄りをケアするボランティアを始めました。病院に行き、足腰の悪いご老人を外に連れ出す役目を担います。

ある日美礼は、いつみが父に連れられて車で立ち去るのを見ました。その後いつみは、表向きは肺炎で入院したことになります。
しばらくして家でいつみを見かけた美礼が話しかけると、いつみは「殺したい人物がいる」と物騒なことを言い出しました。
いつみの父が誘惑されたそうです。書斎を探っていつみが見つけたものは、学院の刺繍が入った白いハンカチでした。
そのハンカチはゲランの香水のかおりがしました。それはまだ市販されておらず、使っているのは志夜だけです。
父を誘惑している相手は志夜だと告げたいつみは、このことは内緒にしておいてくれと美礼に言いました。

学院では、春のイースターとペンテコステ(聖霊降臨日)を一緒に祝う学園祭があります。
その日、いつみの父と志夜が親しげに寄り添っているのを、いつみが睨んでいるところを、美礼が目撃しました。思わず美礼は泣いてしまいます。

【承】- 暗黒女子のあらすじ2

いつみが苦しむのを見ていられないと言うと、いつみはつけていたバレッタ(髪留め)をくれました。美礼の髪の毛に留めながら、「これを私だと思って、ずっと持っていてちょうだいね」と口にします。
その後、いつみは花壇から転落死しました。
いつみが手にしたスズランは香水の香りのことで、ゲランを意味しているのではないか…つまり、いつみを死に追いやった犯人は高岡志夜ではないかと美礼は示唆します。

…美礼の朗読が終わったのを確認し、小百合はスズランの別名は『君影草』だとも、指摘しました。
続いて、あかねを指名します。

〔朗読小説「マカロナージュ」二年B組 小南あかね〕
あかねは最初、いつみのことが苦手で、本音を言うと嫌いでした。華やかすぎるのは品がないと思っているあかねにとって、いつみの華やかさは下品だと思ったのです。
あかねの父は料亭〝こみなみ〟の三代目でした。店を継ぐのは兄と決まっており、あかねはその反発からから、洋食に傾倒していきました。将来は洋食屋を開きたいと考えており、常日ごろからレシピをノートに書きつけています。
北条先生から感想文を褒められた後、いつみが話しかけてきました。あかねを文学サークルに誘います。
あかねが惹かれたのは、サークルにキッチンがあるということでした。誘われて見に行きます。
嫌いだと思って避けていたいつみは、話してみると存外朗らかで気さくな人間で、人気があるのも頷けるとあかねは感じました。あかねはいつみと打ち解けます。

その日、家に帰ると料亭〝こみなみ〟が燃えていました。
店が定休日だったので死傷者はいませんでしたが、火元は厨房ではなく放火の疑いが濃厚です。
力になれないかと言ういつみに、あかねはサークルへの入会と文学サロンのキッチンを使うことを願いました。叶えられます。
やがてメンバーも増え、あかねは毎回洋食スイーツを作る楽しみを覚えました。
ある時いつみが暗い顔をしていたので、あかねは話を聞きます。
新入生の美礼がいつみの家で家庭教師をしているのですが、美礼が来ると、物がなくなるのだそうです。疑いたくはないと、いつみは言います。
しかし徐々にいつみは塞ぎこむようになりました。そんないつみを元気づけようと、文学サロンでは志夜がレコードを聞こうと言いますし、ディアナはブルガリアのマッサージをします。あかねはスイーツを作りました。

学園祭の夜、サークルの部屋にいつみがいました。
いつみはあかねを見ると、亡き祖母が特注してくれたスズランのバレッタがなくなったのだと言います。盗まれたのです。
さすがにいつみは耐えかねて、美礼に手紙を書いたそうです。翌日の放課後、屋上のテラスに呼び出す内容の手紙です。
しかしその後、転落事件が起きました。
いつみが持っていたスズランは、バレッタのことだと思う、つまり犯人は美礼ではないかと示唆して、あかねの小説は締めくくります。

…聞き終わった小百合はなるほどと言い、次にディアナを指名しました。

〔朗読小説「女神の祈り」留学生 ディアナ・デチェヴァ〕
ディアナには双子の姉・エマがいます。ブルガリアに住むエマとディアナのところへ、ある夏にいつみがホームステイにやってきました。
引率の北条先生は町のホテルに宿泊し、いつみがディアナの家に滞在します。
ディアナの亡くなった母は日本人だったので、言葉の壁はありませんでした。ディアナは流暢に日本語を話せます。
初めて会った時、湖を見て泳がないかと言ったいつみは、その場で着ていた服を脱いで自ら水へ入っていきました。その姿を見て、まるでヴィーナスのようだとディアナは思います。
あっという間に時が過ぎ、別れの時、ディアナはいつみから人形をもらいました。

帰国したいつみは、今度は代わりに母校にディアナたちを留学生として招待します。
しかし定員枠は1名でした。ディアナは姉のエマに譲ります。
ところがエマはツアーガイドで行った世界遺産のネセバルで誤って階段から落ち、日本へ行くことができなくなりました。
(倒れた姿しか映さないので、エマが死んだかは謎。単に骨折などで入院した可能性もあり)
ディアナはエマの代わりに日本へやってきます。
言葉は通用しても慣れない日本での生活、そして何よりも、女子だけの学園ということに、ディアナは戸惑いました。困惑するディアナにいつみが声をかけ、文学サークルに誘ってくれます。
調理室には、左腕に四つの斑点のような火傷を持つあかねがいました。
あかねは自宅が火事に遭い、夢が叶わなくなったと説明しながら、いつみはあかねの痣を見て「スズランのようね」と言います。

間もなく、いつみは体調を崩しました。ディアナはいつみのために、ブルガリアのローズオイルでマッサージします。志夜はアマデウスのレコードをかけました。
しかしそれでも、いつみの体調は日に日に悪くなる一方です。

学園祭の日、いつみは15万円の売り上げを貧しい国の子どもたちに寄付したいと言い、卒業したらサークルの解体を考えていると、ディアナに打ち明けました。
話の途中であかねがやってきて、まだそんなことを言っているのかと血相を変えます。

【転】- 暗黒女子のあらすじ3

自宅が焼けて夢がなくなったあかねにとっては、文学サロンは自分の料理の腕を振るうチャンスであり、サークルのキッチンはサンクチュアリ(聖域)なのです。
それを取り上げられるように感じたのでしょう。

学園祭の打ちあげであかねがサークルメンバーに作ったのは、『ヴィーナスの乳首』という名のお菓子でした。アマデウス由来のお菓子です。
フランスに住んでいたことがある志夜が、「『ヴィーナス』の腕というのもある」と言います。
その日、各席に配られたスイーツは、いつみのものが大きいと話題になりました。
前にいつみの分のマドレーヌをもらって吐いたという話を美礼がし、それを聞いたディアナは、あかねがいつみの食べ物に毒を盛っているのではないかと思います。
ブルガリア語で咄嗟に「決して許しはしない」と言ったディアナは、おまじないとごまかしました。
しかし翌日、いつみは屋上から落ちて死んでしまいました。
あのスズランは火傷の痕を意味していると言い、ディアナはあかねが犯人だとにおわせます。

…次は中学生で作家デビューを果たした志夜の番だと、小百合が促しました。
志夜が席を立ち、朗読を開始します。

〔朗読小説「紅い花」二年C組 高岡志夜〕
志夜が作家デビューを果たしたのは、中学3年の時でした。『君影草』という作品でデビューしたと知り、いつみが志夜に文学サークルに声をかけます。
いつみに声をかけられるのは光栄でしたし、経営者のいつみの父が後押ししてくれるので、志夜はありがたいと思いました。その時に、志夜は香水をプレゼントしてもらいます。
いつみの厚意はありがたいと思いつつも、ひとつだけ迷惑なことがありました。
いつみはしきりと『君影草』の翻訳を勧めてくるのです。
志夜は翻訳よりも、次回作に力を入れたいと思っていました。なのにいつみは強引に勧めてくるのです。

そんな時、ディアナが留学生として日本へ、学園へやってきました。
最初に志夜がディアナを見た時、本の中のラミアー(ギリシア神話ならびにブルガリアの民話に出てくる怪物)にそっくりだと思い、恐怖を覚えます。
ある時、ディアナが故郷の花だと言ってスズランを植えているのを見た志夜は、ディアナはあるいはいい子なのかと思い直しました。
ところがディアナは「いい子ではなく計算高い」と訂正します。
留学生であるディアナがいい影響を学院に与えれば、来年以降も村からの留学生を招致してくれるからだそうです。
それを聞いた志夜は、おかしいと思いました。いつみは、もう留学生を呼ばないと言っていたからです。

やがて夜、ディアナが人形を木に押し当ててナイフで刺し、「エロイム、エッサイム」と悪魔召喚の呪文を唱えているのを偶然見てしまった志夜は、恐ろしいと思いました。
その頃から胸が苦しいと、いつみが言い出します。
裏切られたディアナがいつみを恨んでいるのだと、志夜は感じました。

学園祭の頃には、いつみは「聖堂には行けない、恐ろしい」と言い出します。十字架が怖いのだそうです。
翌日、花壇に倒れたいつみの姿が発見されました。スズランの花だけでなく、首には2つの紅の花が咲いていたそうです。
その血の痕こそが吸血鬼・ラミアーを彷彿とさせました。スズランはディアナの故郷の花です。

…作家の志夜の今までのタッチとは異なる、ミステリアスな演出がなされていたと小百合は評しました。
最後に小百合の小説を読み上げる番なのですが、ここで小百合は「私が書いたものではない。いつみ本人のもの」と言います。みんなは驚きました。

〔朗読小説「死者のつぶやき」三年A組 白石いつみ〕(代読・澄川小百合)
自分が主役でない小説はつまらないと、いつみは常に考えていました。
ブルガリアへホームステイに行った折、いつみは北条先生と肉体関係を持ちます。
日本へ帰国すると、それは教師と生徒という禁断の関係になりました。
幼少期から大親友の小百合には、いつみは全て話しています。だから小百合はいつみのことを全て知っています。

その頃いつみは、自分がだんだん腐っていく感じがしていました。名状しがたい鬱屈した思いを抱えたいつみは、北条先生との密会の場を設けるために、文学サロンを作ります。
文学サロンは、北条先生との愛を育てる場所となりました。
しかし一方でいつみは何かが足りないと思うようになります。その答えが分かりました。
美しさには時間制限があるのです。
そして足りないものは、文学サロンを舞台にして、自分を主役とした時に必要とされる「脇役」でした。
美しい高校生活を文学作品として仕上げるのならば、いつみを主役として引き立たせるための脇役が必要不可欠です。
脇役のレベルが高ければ高いほど、主役も引き立つのです。

そこでいつみは、脇役を用意し始めました。屈服させるには「秘密」が必要です。
最初に用意したのは志夜でした。デビュー作『君影草』がフランスの古い作品に似ていると言うと、志夜はサークルの会員になりました。脅しの材料を見つけるわけです。
続いてはあかね…あかねは、店を継ぐことができないコンプレックスで、自分の家である料亭〝こみなみ〟に放火をしていました。その時に、左の腕に火傷の痕ができたのです。
火傷の痕を指摘し、脅しの材料にしました。文学サークルに引き入れます。
さらに美礼…彼女は簡単でした。貧しい家庭の美礼は、学校に黙ってアルバイトをしていました。

【結】- 暗黒女子のあらすじ4

病院のご老人にボランティアをしている風を装い、美礼は男性の老人に性的な奉仕(一種の援助交際、映像では口でのサービスのみに見える)をしていました。
公衆トイレの現場を押さえ、文学サークルに招待します。
ディアナはいつみに会いたいがために、姉・エマを突き落としていました。それを脅しの材料にします。

こうして4人の女子生徒を脅し、屈服させることで、北条先生とのロマンスがより一層盛り上がるといつみは考えていました。
クライマックスは北条先生とのラブストーリーにしようと思ったいつみは、妊娠を報告します。北条先生は結婚しようと言いました。
中絶できない時期まで待って話せば、父は認めざるをえないだろうといつみは考えます。
赤ちゃんの名前は、すずらんにしようと北条先生が決めました。
体調が悪かったのは、つわりのためです。小百合ももちろん、妊娠のことを知っていました。

しかしある日、父に露見しました。父は密会写真とエコー写真を持ち、いつみに怒ります。
父は北条先生をクビにして、町から追い出すと言いました。
いつみは父に車へ入れられ、父の経営する病院で中絶手術を受けます。
ブルガリアでの逢瀬写真を撮影できたのは、ディアナです。つわりによる食の好みの変化に気付けたのは、あかねでしょう。エコー写真を手に入れたのは、ボランティアで病院に簡単に入れる美礼です。
密告のチャンスがあったのは、父との接点が多かった志夜でした。
つまり、4人全員の裏切りにより、いつみは陥れられたと思います。

小百合は、北条先生の新たな携帯電話とメールアドレスを、いつみに渡しました。先生との橋渡しの役目もしてくれるそうです。
北条先生との愛のあかし、赤ちゃんがいなくなったいつみにとっては、4人への復讐が生きる喜びとなりました。
学園祭の翌日、4人を屋上へ呼び出したいつみは、自分でスズランを手に持ち、彼女たちの目の前で投身自殺をします。
小百合はその後、学園内で「いつみを殺したのは、文学サークルのメンバーだ」という噂を流しました。そうして自作小説のテーマをいつみの死にしておけば、みんなは各々、必死でスズランの意味を探し、小説に仕立て上げるだろう…いつみはそう考えたのです。
スズランが、生まれてくる赤ん坊の名だとは、誰も知りませんから。

ところでいつみは、死ぬつもりはありませんでした。
入院はしますが、いつみは書き置きを残して北条先生と駆け落ちするつもりです。
そうしておけば、経営者である父は体面を気にして、隠しておくことでしょう。
親友の小百合が「机に花を飾る」という行為によって、学園内ではいつみが死んだという噂が、まことしやかに流れます。
4人の女子生徒が定例会をした折に、スズランを食べて集団で自決を行なう…スズランには強い毒を持っています。それを闇鍋の具材にすれば、小説の意図はそのまま遺書になる、このサロンが女子生徒たちの棺になる、これがいつみの考えたクライマックスです。
それをいつみはこっそりと、部屋のどこかに隠れて見ていたい…そう考えていました。
脇役は、いつみが主人公の物語から出られないのです。

…いつみの小説の終盤で、いつみが死んでいないことが明らかになった瞬間から、4人の女子生徒は怯えました。部屋のあちこちを見まわします。
さらに闇鍋にスズランが入っていたと聞き、吐く者もいました。
読み終えた小百合は、笑いながら否定します。

(ここからが小百合の物語)

…今朝、サロンにいつみが来たところまでは事実です。いつみは4人の女子生徒の最期を見届けにやってきました。
小百合はいつみの一番の親友で、一番の信奉者でした。いつみが非情でしたたかで美しいことを喜び、そうなるよう小百合は常に傍らで見守っていました。憧れを重ねていたのです。
しかしそのいつみが、今朝、凡庸な女になりさがろうとしていました。
北条先生と駆け落ちしたいつみは、左手の薬指に指輪をはめ、北条先生とのささやかな暮らしを語り始めたのです。
コストコで買い物をし、豚の生姜焼きを作ってあげたなど、美しき究極のエゴイスト・いつみには、あってはならないことだと、小百合は猛烈に反発しました。
今まで孤高の存在であったいつみが、平凡な女になりさがっていることに、小百合は幻滅したのです。

お茶を淹れなおしてくると言った小百合は、鏡を見てふと気付きました。
自分も充分美しい…そう思った小百合は、スズランの花をお茶に混ぜ、いつみを殺します。
いつみは美しい姿のまま、この世を去りました。
今までは「いつみの物語」でしたが、それを「小百合の物語」に変えればいいのです。簡単なことです。

差し当たっては、4人には脇役になってほしい…そう言った小百合は、口直しのデザートとして、志夜が言っていた『ヴィーナスの腕』というものを見せます。
それは、切断されたいつみの腕でした。みんなは絶叫します。
闇鍋で4人の女子生徒が食べたのは、いつみの身体でした。これでいつみとみんなは一心同体になりました。


…2学期が始まります。
髪型をいつみに似せた小百合が登校すると、かつてのいつみのように羨望のまなざしで生徒たちが見ました。
文学サークルでは、美礼、あかね、ディアナ、志夜は健在です。
新たに見つけた女子生徒に、小百合は声をかけました。文学サークルへと誘います。
主役は、いつみから小百合にチェンジしていました。

(エンド後)サロンのシャンデリア。物語の舞台。

みんなの感想

ライターの感想

…闇鍋が出て来た時点で、オチが読めてしまった自分は、なんとホラー慣れしてしまったのだろう…反省。
とはいうものの! けっこうこのラストを読めた人は多いのではないか。
この手のミステリーの映画を見る人って、どんでん返しに慣れてる。
どう見たって小百合が犯人っぽいし、オープニングから闇鍋って言われたら、そりゃタブーなものを想像しちゃうよ。
というわけで、煽り文句が「驚愕のラスト24分」と書かれた段階で、一定程度オチが読めてしまうという哀しさ。
むしろ、そういうの書かないほうが、たぶん無心で見られて驚くのに…。
それを置いておいて、お嬢様の女子高のムードはなかなかよかった。

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