「淵に立つ」のネタバレあらすじ結末

淵に立つの紹介:2016年10月公開の日本&フランス合作映画。第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞を受賞した、深田晃司監督の人間ドラマ。下町で金属加工業を営む夫婦のもとに風変わりな一人の男が現れ、共同生活が始まるが、やがて平凡で幸せな家庭を築いてきたかに思われた夫婦の秘密が徐々に暴かれてゆく。

予告動画

淵に立つの主な出演者

八坂草太郎(浅野忠信)、鈴岡利雄(古舘寛治)、鈴岡章江(筒井真理子)、山上孝司(太賀)、設楽篤(三浦貴大)、鈴岡蛍〔10歳〕(篠川桃音)、鈴岡蛍〔18歳〕(真広佳奈)

淵に立つのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①妻・章江と10歳の娘・蛍と暮らす小さな金属加工工場経営の利雄のところへ、出所した昔の旧友・八坂が現れる。住み込みで働く八坂は自分の罪をプロテスタントの章江に告白、章江は警戒心を解き八坂に好意を寄せるように。章江を押し倒すのに失敗した八坂は娘の蛍に暴行を加えて失踪。 ②8年後。蛍は障害者となり、章江は蛍の世話を一身に引き受ける潔癖症になっていた。工場の新人・孝司の父が八坂と判明、再び利雄たちは八坂の影に翻弄される。八坂目撃情報の町へ行って疲れた章江は蛍を連れて川に飛び込み、利雄と孝司は助けようとする。生き残りそうなのは利雄と章江。

【起】- 淵に立つのあらすじ1

ある土地の郊外。
鈴岡利雄は小さな金属加工工場を経営する中年男性です。工場の2階から上には住居があり、妻・章江と10歳になる娘・蛍がいました。
利雄は普段、黙々と仕事をしています。
妻・章江は敬虔なプロテスタント(キリスト教徒)で、その影響で娘・蛍も信者でした。食前の祈りを捧げる章江と蛍とは対照的に、信者ではない利雄は食事をすぐに食べます。
章江は蛍を深く愛しており、オルガン発表会で着るドレスも手作りしていました。
利雄は妻子を愛してはいるものの、それをおおっぴらに表現することはありません。ただ家族のために必死で働いています。
朝食の時、章江は蛍にクモの話をしました。あるクモは子グモが生きるために親グモがわが身を提供し、食べさせるというものです。親グモは天国に行けるだろうと、章江は自己犠牲の精神を教えていました。
章江と蛍がクモの話をしている時、利雄は一切口を挟みませんが、聞いてはいます。

そんな鈴岡家に、ある日、八坂草太郎という男がやってきました。妻子が留守で、利雄がひとりだけ工場にいた時のことです。
八坂は利雄の古い友人でした。殺人罪で11年前に服役しており、つい最近出所しました。
八坂の私服は白いシャツに黒いズボンで、たたずまいも姿勢がよいものです。長年の友人である利雄に対しても「です」「ます」口調を使うのは、長年の服役生活が影響しているのかもしれません。
利雄は八坂が服役している間に結婚し、蛍を儲けていました。若い頃には反発していた父の工場も利雄は継いで、働いています。
そんな利雄の状況を、八坂は手紙で知っていました。八坂の家族は服役中に死んでいます。
八坂は利雄に、3週間だけ住み込みで働かせてくれと言いました。
利雄はそれを、妻の章江の承諾なしに勝手に決めます(つまり利雄は八坂に逆らえない弱みを握られている)。

妻の章江が所用から戻ってくると、工場に白いつなぎを着た八坂がいました。利雄は八坂を「昔の友だち」と言い、しばらく雇うことを話します。
夕食の時、利雄が蛍に話しかけました。子グモに食べられた親グモは天国に行ける…そう章江が話していましたが、子グモはどうなのだろうと、利雄は言います。
親を食べるという罪を犯した子グモは死後、地獄に落ちるのではないかと、蛍は指摘します。
そんな話をしている最中に、八坂が戻ってきました。
妻の章江は、八坂が住み込みまでするというのをその時に初めて知り、戸惑いを覚えます。章江に八坂は「迷惑はかけません」と言いました。
風呂でひげを剃った八坂は、蛍の電子オルガンの練習に付き添う章江を見ます。
夜中、蛍の発表会用のドレスを縫っていた章江は、八坂の部屋に電気がついたままなのを見て、消しました。すると反射的に八坂が叫びます。
「真っ暗なところで眠れないもので」と言う八坂に、章江は豆電球ならどうかと聞きました。豆電球なら八坂は眠れます。

翌日の朝食、八坂は祈りには参加しないものの、章江と蛍が祈りを終えて食べ始めるのを待って、一緒に食べ始めました。食べる速さは異様なもので、蛍が生卵をかきまぜる間にすべて食べ終わります。
誰よりも早く食べ終わった八坂は、進んで食器洗いをしました。
利雄と同じく、八坂も言葉数は少ないものでした。しかし礼儀正しい態度に、章江の警戒は少しずつ薄まります。
娘の蛍も同じでした。オルガンをさぼったところを八坂に見られましたが、八坂はなぜさぼったのか質問します。
蛍は「オルガンは好きだけど、先生が嫌い。すぐ怒るから」と答えました。
章江が戻って来ると、八坂が蛍にオルガンを弾いてみせていました。蛍はその曲を気に入り、発表会で弾きたいと言い出します。
仕事の合間に蛍のオルガンの練習をみると、八坂が申し出ました。章江はありがたがります。
章江がプロテスタントと言い当てた八坂は、宗教はサル型かネコ型かに分かれると言いました。サルは「子が自分から親にしがみつく」、ネコは「親が子を咥えて運ぶ」…この場合の親が神様のことで、子が信者のことです。
章江はネコ型だと指摘した八坂に、何も考えずに親に運ばれている存在に見えるかと答えながらも、章江は徐々にこの無口な八坂に好感を覚えていきました。

屋上で煙草を吸う利雄のところへ、八坂がやってきます。利雄は八坂に煙草を勧めますが、久しぶりの煙草なので八坂はむせました。
古い友人というのは事実で、八坂と利雄の間に流れる空気は親しいものでした。
八坂は利雄に「やさしいな、お前は。あんまり甘やかすなよ、俺を」と言います。
その言葉を利雄は単なる感謝の念に受け取りますが、八坂から発するものには「含み」がありました。

【承】- 淵に立つのあらすじ2

章江と蛍が通うキリスト教の日曜学校に同行した八坂は、章江に告白をします。
自分は独善的な人間で、4つのあやまちをしたというのです。
1つは「約束を守ることが、命よりも法律よりも勝るものだという、歪んだ価値観を持ってしまったこと」。
2つめは「当然、他人もそのように生きていると思いこんでしまったこと」。
3つめは「私は間違えないという自分の頑なさを信じてしまったこと」。
4つめは「そういった、私自身の歪んだ価値観を根拠に、人を殺めてしまったこと」です。
突然の八坂の殺人の告白に戸惑いながらも、それを真っ正直に自分に告白する八坂に、章江はまた好感を持ちます。
八坂は、殺人は一瞬の出来事ですぐに悔いたことや、裁判の席で遺族から罵声を浴びせられると思っていたのに、被害者の母は自分で自分の頬を叩き、堰を切ったように泣きだしたと話しました。自分の頬をぶった被害者の母を見た瞬間、八坂は取り返しのつかないことをしたと初めて実感したと言い、これからの自分の人生は遺族に預けられたものだと思っていると告げます。
胸中をさらけだす八坂を見て、章江はすっかり警戒を解きました。
(これこそが八坂の作戦。博愛主義者のキリスト教徒である章江を丸めこむために、効果的な話をした)
娘の蛍も、オルガンを教わることですっかり八坂に懐きます。

章江は夫の利雄に、八坂の服役と殺人のことを聞いたと話しました。利雄は、言う理由がないと思ったから、と答えます。
章江は今や八坂を救うことが使命だと思っていました。「彼のような人こそ、神に愛されなければならない」と言います。
遺族へ手紙を書いている八坂のところへ行った章江は、その手紙を見せてもらいました。八坂の達筆を褒めます。
そして、週末に行く予定の川遊びに誘いました。八坂も誘いを受けます。

週末。
利雄、章江、蛍、八坂は川遊びに行きました。
男2人で釣りをしつつ「お前のことは話してない」と八坂は利雄に言います(11年前の殺害に利雄も加わっていた)。
唐突に八坂は態度を豹変させ、「お前はほんとに小せえ野郎だな。俺がクソみたいな生活してる時、女作って、ガキまで作って。なんでお前の生活が俺のじゃねえのかって思うよ」とぶちまけました。しかし直後、冗談めかしてごまかします。
章江と山に行った八坂は、カラスの鳴き声をまねて章江を笑わせました。章江にキスした八坂に、章江も応じます。
川べりで眠っていた利雄と蛍に加わり、八坂と章江は並んで眠る4人の写真を撮りました。

八坂という異分子を入れたことで、「章江&蛍」「利雄」という離れた存在は、八坂を介してまとまりかけていました。
そんな矢先、衝撃的なできごとが起きます。
発表会用の赤いドレスができました。嬉しい蛍はすぐに着て、八坂に見せに行こうと外に出ていきます。
2人きりになったわずかの間にも、八坂は章江の唇を求めました。章江はそれ以上は許しません。
昼食を取った後、利雄が出かけるのを見た八坂は、家に章江がひとりきりだと思い、つなぎの上半身を脱ぎながら工場に戻ります。
そして台所にいた章江を、腕ずくで押し倒しました。初めて乱暴的なことをしました。
章江は八坂を蹴って拒否します。
拒まれた八坂が外に出ると、赤いドレスを着た蛍がいました。

疲れてソファで眠った章江は、利雄に言われて蛍が帰宅していないことに気付きます。
利雄が探しに行きました。公園で八坂と蛍を見つけます。
蛍は後頭部から血を出して、あおむけに倒れていました。八坂はその傍らでたたずんでいます。
利雄が半狂乱になって救急車を呼ぼうとしているあいだに、八坂は姿を消しました…。
(現場は描かれていないが、蛍に暴力を振るったのは八坂だと思われる。性的ないたずらまで働いたかは不明)

…8年後。
八坂は忽然と姿を消したまま、行方不明です。
暴行による脳損傷が原因で、蛍は障害者になっていました。植物状態に近いもので、眼球は動き意味のない声も発し、多少の意思疎通はできるものの、自力での移動や摂食は無理です。蛍の面倒を、母の章江が献身的にみていました。
章江は極度の潔癖症になっています。使う石鹸も他者とは違うものにし、常に手を洗っています。
信仰がどうなったかは不明ですが、少なくとも祈る時間はなくなりました。信者であることをやめたのかもしれません。
(八坂の言う通り章江はネコ型で、信仰にしがみつくサル型ではなかった模様)
利雄の工場は金属以外も手がけるようになり、ボタン作りなども受注しています。
自宅の2階台所の机には、いつでも駆け付けられるよう、蛍の部屋を映したカメラが置かれています。

【転】- 淵に立つのあらすじ3

従業員の設楽篤が辞め、代わりに新人の山上孝司が入ることになりました。
利雄は興信所のヤスイを雇い、八坂の行方を探しています。
章江はもう探すのを辞めたらどうかと言いますが、利雄は調査の継続を依頼しました。
(利雄はなぜそんな事態になってしまったのか、詳細をきちんと知りたいと思っている。章江はそれを知ったところで蛍の状態が変わるわけではないので、無意味だと思っている)
利雄の中ではまだ気持ちの整理がついておらず、蛍が18歳になったという実感がないので、蛍へ買ってくるものは幼児用のぬいぐるみです。
それに対し、新人の孝司は蛍にイヤリングを買ってきました。章江は受け取ったものの、すぐに洗います。「気を悪くしないでね」と言いながら。
孝司は素直な青年でした。すぐに利雄、章江に受け入れられます。

工場で働きながら、孝司が利雄に八坂のことを聞きました。利雄はなぜなのか聞き返します。
この家で起きた惨事を知らないので、孝司は屈託なく話しました。一度も会ったことはありませんが、八坂は孝司の父なのだそうです。
利雄は驚きましたが、孝司は話を続けます。
病気だった母が死に、遺品整理をしていると、この工場の住所が書かれた八坂からの手紙を見つけ、それで孝司は工場への就職を決めたそうです。
利雄はあぜんとしながらも「誰にも言うな! 章江にも!」と語気を荒らげながら孝司に言いました。「大変な時に辞めちゃったから」とあとでフォローを入れます。

思ってもみなかったところから八坂の手がかりを得たので、利雄は働きながら孝司に八坂のことを聞きました。
八坂と孝司の母は結婚しておらず、籍は入れないままだったそうです。
孝司の母に手紙があったのも、8年前に八坂が工場で働いていた時が最後でした。孝司は手紙に同封されていた「河原で4人が横になる写真」を見せます。
利雄の家で起きたことを全く知らないので、孝司は父のことを少しでも知れたらと思っていました。
全く知らずに平然としている孝司を、思わず利雄は平手打ちします。した後、「すまん。すまん」と言って立ち去りました。
孝司は驚きながらも、立ち去った利雄にそれ以上聞けませんでした。

孝司は絵心があり、蛍をモデルに絵を描いていました。章江もそれを許します。
描きながら、章江は孝司の母のことを質問しました。孝司は、自分の母も潔癖症だったと言います。
孝司の母は厳しく、昔から帰宅した孝司は正座をさせられて、その日の総括を話させられたそうです。「総括」という言葉に章江は笑いました。
後年、寝たきりになった時に母はつらかったらしく、何度も孝司に「殺してくれ」と懇願したそうです。
その話をした時、孝司は謝りました。寝たきりの母と障害のある蛍とを一緒に連想したためです。
(母の最期について孝司は触れずじまい。孝司が殺した可能性もありか)
父親についての話を章江に促されましたが、利雄に口止めされている孝司は「会ったことなくて…」と濁しました。
蛍が吐いてけいれんを始めたので、気を使った孝司は中座します。
その時、孝司のバッグから写真が出てきました(孝司が部屋を出ていく時、バッグを蹴ってしまった)。それを見た章江は血相を変え、孝司に詰問します。
孝司は「隠すつもりはなかった」と言ったうえで、「やくざ者で、俺が生まれた時にはもう刑務所の中でした。母はベタボレでした。仲間のことは口を割らなかったそうです」と言い、利雄に口止めされていたことも話しました。
章江はそれを聞いてすぐ台所へ降り、夫の利雄の携帯に電話をかけますが、出ません。
台所のカメラを見た章江は、孝司が蛍におおいかぶさっているのを見て、血相を変えて駆け付けました。孝司は蛍に少し触れようとしただけですが、章江は「何かしてたでしょ。出てって!」と孝司を部屋から追い出します。
(但し孝司が本当に「触れようとしただけ」なのかは謎。首を絞めていた可能性もあり)
入れ代わりに利雄が帰宅しました。

意識から追い出そうとしていた章江は、孝司のことがきっかけで、再び八坂のことを思い出します。
洗濯物を屋上に干していた章江は、シーツをかき分けて八坂がやってくる幻影を見ました。
好意を抱きかけていた八坂に、わが子・蛍を障害のある身にされた章江は、胸中複雑でした。
孝司が工場に出勤せず、利雄がアパートの部屋を訪ねますが、留守です。設楽から電話があり、孝司が工場を辞めるつもりだと分かりました。

【結】- 淵に立つのあらすじ4

章江は孝司が辞めてもいいと思いますが、利雄は工場に置いておきたいと思います。孝司を足がかりにして、八坂の行方がつかめるかもしれないから、というのが、利雄の主張でした。

章江が「共犯者がいたんだって」と孝司から聞いた言葉を話すと、利雄はしばらく間を置いた後、「それ、俺だよ」と言います。
利雄の突然の告白に、章江は驚きます。
首を絞めて被害者を殺したのは八坂ですが、利雄は被害者の足を押さえていました。八坂はずっとそれを黙って、ひとりで服役していました。
「8年前、俺たちはやっと夫婦になったんだ」と利雄は言いますが、章江は利雄の頬を張ります。
(罪を贖わず隠し続けて生活していた利雄だったが、8年前に八坂により「蛍を障害者に追いやられる」ことにより贖罪になったと利雄は言いたい。またその罪を共有することで本当の意味で家族になったとも言いたいのだろう。
8年前の親グモを食べた子グモが地獄行きになるかという発言も、これに関係している。一蓮托生、親の罪を子が背負ってもいいのではないかという風に、利雄は解釈したか。
しかし章江側からすると、自分と蛍はなんら罪を犯してもいないのに、夫・利雄たちのせいで障害の残る蛍とそれを介護する側に立たされてしまった。その怒りもあり、利雄を叩いた)

利雄と八坂の秘密を知った章江は、徐々に淵に立たされます。蛍の状態がいつまで続くか分からない、先の立たない生活の中で、生きていても甲斐がない絶望感が、章江を襲い始めました。
利雄は八坂がひとりで服役した時から、常に淵に立たされている状態です。どう転ぶか分からない心境でした。

そんな時、興信所から新たな情報が入ります。八坂に似た男の目撃情報が入ったのです。
もういいと言う利雄に対し、章江は電話を取り、詳しく聞きたがりました。
そして孝司を連れて4人で車に乗り、八坂を見たという町へ行きます。
車中で章江は「八坂を見つけたら、あいつの前であなたを殺す」と孝司に言います。
孝司はそれに対し「いいっすよ。俺、殺されてもいいっすよ。それで気がすむなら、俺、死にますよ」と答えました。「気安く言うなよ。死ぬ気もないくせに」と章江は返します。
該当する地域に入り、写真を手がかりに利雄は聞き込みをしました。
オルガンの音が聞こえ、利雄、章江、孝司はその民家に入りこみます。
そこには男性と少女の後ろ姿がありました。3人はその後ろ姿に見入ります。
ところが民家に入りこんだことを咎められ、確かめる前に利雄は「道、間違えました」とごまかして、章江と孝司を引き立てて帰りました。確かめないままです。
(振り返った男性は別人っぽい。しかし詳細は不明。
大事なのは「それを利雄が追及せず、途中であきらめて立ち去った」こと)

八坂がどこにいるのか分からず、疲れたのは章江でした。
章江が座るベンチに、健康な蛍がやってきて座り、その場が海辺に変わる…そんな夢を章江は見ます。
夢から目覚めると、車内で相変わらず蛍は動かないままでした。絶望が章江を襲います。
利雄と孝司が飲み物を買っている間に、章江は蛍を連れていなくなっていました。利雄と孝司は探します。
章江は蛍を連れて、川にかかる鉄橋の淵に立っていました。そのまま蛍を道連れにして、川に飛び込みます。
寒いなか利雄と孝司は川に飛び込み、利雄は章江を、孝司は蛍を助けました。章江を助けながら利雄が見たのは、自力で泳いで水面に上がる娘・蛍の幻影です。
章江をかついで岸へ行くと、蛍を助けた孝司は倒れていました。利雄はその横に章江をおろし、蛍と孝司の様子を見ます。
蛍も孝司も息がありませんでした。章江はかろうじて息があります。
寝転がった4人の姿は、人物こそ八坂が孝司に置き換わっていますが、8年前に川辺で横たわった4人の姿と重なります(順番も異なる)。
利雄は必死で蛍の蘇生措置をおこないます。いつまでも行ないます…。

(謎の多い映画で、その分、想像力をかきたてられる、のびしろのある映画。
八坂が殺した被害者との関係性も分からず。
かぎりなくクロではあるが、八坂が本当に蛍に暴行を働いたのかも不明。ぼかされている。
寝たきりの孝司の母の最期もあやふやで、孝司が本当に殺した可能性もあり。
だとすると、蛍の上にかぶさっていた孝司の行動もあやしくなる。
目撃情報のあった土地で八坂だったのかどうか、突き止めないまま。
ラストシーンも誰が助かるか不明のまま。利雄と章江は助かりそうだが、孝司と蛍は絶望的っぽい)

みんなの感想

ライターの感想

『葛城事件』ばりに重たい映画。見終わっても、いい気分には、なれない。見るには、覚悟がいると思う。
あれこれ語る映画が多いなか、これは「言わない」「描かない」ことにより、想像させるという力を持っている。
あらすじも本当は、あっさりテイストにしておいたほうがよかったのだろう。いろんな解釈ができる余地が残されているから。
ミステリーのカテゴリーに入るのだが、この「一見、ふわっとしてる」「でも底辺に流れるのは、どろどろしたもの」…ホラーでも通じる。
浅野忠信が、なんともこのミステリアスな人物を上手に演じている。

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