「白ゆき姫殺人事件(白雪姫)」のネタバレあらすじ結末

白ゆき姫殺人事件の紹介:2014年公開の日本映画。ある美人OL殺人事件を巡って、容疑者とされた女性にまつわる“噂”が、インターネット上で炎上したり過熱報道されたりするさまを描いたサスペンス。

予告動画

白ゆき姫殺人事件(白雪姫)の主な出演者

城野美姫(井上真央)、赤星雄治(綾野剛)、長谷川(染谷将太)、狩野里沙子(蓮佛美沙子)、三木典子(菜々緒)、篠山聡史(金子ノブアキ)、小沢文晃(草野イニ)、谷村夕子(貫地谷しほり)、満島栄美(小野恵令奈)、前谷みのり(谷村美月)、間山(宮地真緒)、城野光三郎(ダンカン)、城野皐月(秋野暢子)

白ゆき姫殺人事件(白雪姫)のネタバレあらすじ

【起】- 白ゆき姫殺人事件(白雪姫)のあらすじ1

長野県諏訪市にある、木々や小川の綺麗なしぐれ谷国定公園内で、「日の出化粧品」の会社員・三木典子(24歳)が、全身を10ヵ所以上刺された後、灯油をかけて燃やされる殺人事件が発生しました。
ワイドショーの契約ディレクターの赤星は、普段はグルメ情報などの番組を手がけています。プライベートでも、ツイッターで訪れたラーメン店の評価をして流すほどです。ハンドル名は「RED-STAR(赤星)」でした。
ある日、同じ大学の卒業生の里沙子から電話がかかってきます。そう親しくない相手なのでツイッターをしながら電話の応対をしていた赤星は、里沙子が「警察の事情聴取を受けた」と言うのを聞いて、耳を傾けます。
赤星は最初知らなかったのですが、「しぐれ谷の事件」とツイッターでつぶやくと、すぐに「滅多刺し」とあちこちから反応が返ってきました。里沙子はその被害者女性・典子と知り合いでした。
2つ年上の先輩で、すごく綺麗な女性だったと里沙子は言います。日の出化粧品という会社では、新入社員に1年間仕事のやり方などを教える〝パートナー制度〟という教育係の制度を設けており、典子は里沙子のパートナーでした。
さらに里沙子は、事件後から出社していない女子社員が怪しいと言いました。「これはモノになる」と考えた赤星は、急いで長野へ移動し、取材を開始します。
ツイッターが大好きな赤星は、知り得た情報を逐次アップしていきました。反応が返って来るのが楽しかったのです。
〔狩野里沙子 ♯1 同僚〕
事件直後から行方不明の、城野美姫が怪しいと里沙子は言います。
里沙子の情報によると、美姫は恋人の篠山係長を典子に奪われていました。篠山からのプレゼントかと思われる、Sというイニシャルの入ったマグカップを割ったら美姫はショックを受けていました。
事件当日は間山という女性の送別会で、典子は熱っぽいとかで一次会で帰宅していました。美姫も一次会のみで帰ります。
会社の取引相手は、美姫の車に乗り込む典子を目撃しており、また男性の同僚も、東京行きの電車に駆け込む美姫の姿を見たと言います。
事件の翌日、美姫は「母が危篤だ」という電話をして休みを取り、以降、欠勤を続けているそうです。
生前の典子に美姫が恨みを持っている…里沙子が最初から「美姫が犯人」という前提で話をすることから、赤星もそう思い込みました。
ツイッターでは、日の出化粧品の目玉商品「白ゆき」石鹸の名から、いつしか事件を「白ゆき姫殺人事件」と呼びました。
以降、赤星は「美姫が犯人」というスタンスで取材を進めていきます。ここに大きな間違いがありました。
〔満島栄美 ♯2 同僚〕
栄美は里沙子と同期の新入社員で、栄美のパートナーは美姫でした。
「美姫は特徴がないのが特徴」みたいなものだと栄美は言い、篠山と美姫の弁当の中身が同じだったことを言います。篠山と典子の関係については「付き合ってなかったと思う」と述べました。
会社では盗難が相次いでおり、典子のボールペンが盗まれたこともあります。それは芹沢ブラザーズというヴァイオリン2人とピアノのトリオのもので、5000円ほどするものでした。
栄美は、ボールペンを盗んだのは美姫で、間山の送別会で車に乗せる口実を作るためにボールペンを盗んだのではないかと言います。

【承】- 白ゆき姫殺人事件(白雪姫)のあらすじ2

〔篠山聡史 ♯3 同僚〕
篠山はまず、里沙子や栄美らの言うことは信じない方がいいと告げました。
里沙子に弁当を作ってもらったことは認めます。それは白ゆき石鹸が売れて忙しい日々が続いた時に、篠山が立ちくらみを起こしたことがきっかけでした。
篠山は1回だけのつもりが、里沙子は連日持ってくるようになり、やがて休日にも弁当が家の郵便受けに届いていて、恐ろしくなったと言います。
「彼女ができて」という嘘で遠ざけました。典子に誘われて交際したのは事実ですが、3か月もしないで別れたそうです。
〔小沢文晃 ♯4 同僚〕
小沢は事件当日の夜、駅で21時頃に美姫を見かけたと言いました。大きなカバンを抱えて、猛ダッシュで走っていたそうです。
…赤星はこれらの取材をもとにして、コメントを都合よく切り取って編集をし、あたかも美姫がすでに犯人であると決まっているかのように扱いました。実名は伏せて、「Sさん」と表記します。
赤星が作った映像はワイドショーで流され、他社よりも先んじて情報を流しています。「グルメレポート以外でもいけるんじゃない」とツイッターでコメントされた赤星は、有頂天になりました。
〔前谷みのり ♯1 大学の同級生〕
T女子大学で、美姫と大学の寮が一緒だったみのりは、美姫を「心優しい人間だ」と言います。
美姫に好きな人ができたと知ったみのりは、料理が得意な美姫に対して「胃袋を掴んでみれば? まずは3日間」とアドバイスしました。
…この頃、赤星はツイッターで呟いているのがテレビ局にバレて、厳重注意を受けます。
〔島田彩 ♯2 尾崎真知子 ♯3 同級生〕
高校の卒業文集で、美姫が「犯罪を起こしそうなランキング」の2位に美姫が入っていたことと、中学の時には「呪いの城野」と呼ばれていた情報を流します。
「呪いの城野」と呼ばれることになったのは、ある男子生徒のことがきっかけだそうです。
〔江藤慎吾 ♯4 同級生〕
中学の時、江藤はサッカーが得意な選手でした。
掃除の時間に、雑巾をサッカーのボールに見立てて蹴っていたところ、それが同じクラスの美姫の頭に乗ってしまいます。
申し訳なく思った江藤は謝りますが「許さない」と言われ、1週間後、交通事故で大けがを負いました。
〔八塚絹子 ♯1 近所の住人〕
14年前に、祠が火事になり明神様が燃やされました。それは美姫の仕業だということです。
〔谷村夕子 ♯2 近所の住人〕
美姫と同級生だったあかねは、美姫と親しく付き合っており、家の窓でろうそくをもやして本をかざし、合図を送る遊びをしていました。
同級生だった夕子は、美姫と「呪いの儀式」を行ないました。人がたを切って針をさし、燃やすというものです。
小学当時、夕子(ゆうこ)は永沢町で一番の美人と言われていたのですが、それをやっかんだ八塚あかねが、夕子を「タコ」と読めると指摘し、以来学校では夕子は「タコ」と呼ばれ続けます。
占いの雑誌で「呪いの儀式」を読んだ美姫と夕子は、あかねを呪う儀式をしました。結果、祠が燃える火事となり、両者の親が互いに遊ばせないようにしました。
美姫と夕子は火事以来、もう十年以上、会っていません。

【転】- 白ゆき姫殺人事件(白雪姫)のあらすじ3

「人の記憶は捏造される」「人は都合のいいことしか言わない」「惑わされるな、分かったか、RED-STAR!」…夕子は最後に赤星にそう言います。
夕子のこのアドバイスは的確なものだったのですが、赤星はびびりながらも、学習しませんでした。
〔城野光三郎 城野皐月 両親〕
自分は危篤ではないから美姫は嘘の電話をして欠勤をしているわけだが、美姫がそんなことをする筈がないと、母・皐月は言います。
しかし光三郎は、土下座して「すみません!」と謝罪を始めました。
…編集をしながら、編集マン・長谷川が「みんな本当のこと言ってるのかな」と首をかしげます。
赤星はまた編集をし、2回目の放送を流しました。美姫の父が土下座するシーンで終える編集は、効果的でした。
…そのワイドショーを見ながら、美姫は「私は私が分からない。これが城野美姫という人間なのでしょうか。できることなら、もう一度あの夜に戻ってやり直したい」と遺書を書き始めます…。
〔城野美姫 当事者〕
幼い頃から『赤毛のアン』が好きだった美姫は、辛い時には想像の世界に入ることで現実をやりすごし、「いいことあるよ」が口癖の人間でした。親友の夕子とは2人の時は「アン(美姫)」「ダイアナ(夕子)」と呼び合います。
初恋は中学の時、サッカーが上手だった江藤でした。頭に雑巾を乗せられた時、江藤をギルバートに見立てて「許さない」と言います。許さないと言うことで、江藤が毎日声をかけてくれる…それが美姫にとって快感でした。
江藤が事故で右大腿骨骨折と聞かされた時も、空想に浸っていた美姫はつい笑顔を浮かべてしまいます。これを同級生に見られて誤解されるのですが、美姫は知りません。
入社して典子と会った時、美姫が思ったのは「この手の人間はたちが悪い」ということでした。小学の同級生のあかねのように、他者を陥れることをしそうだと感じたのです。
案の定、女性上司の間山が着ていた服を真似をする典子は、それでもうわべの美しさで男性社員をとりこにします。
しぐれ谷のバーベキューの席で、居眠りする典子を見てほめちぎる男性社員に、美姫はつい「幼馴染みの夕子が一番綺麗」と反論しました。これが典子の怒りを買い、美姫は典子のターゲットとなります。
篠山に弁当を作ったのは頼まれたからで、篠山は弁当を喜んでくれました。休日に差し入れた時には「来たなら、なんで寄ってくれなかったの?」と言われ、篠山と美姫は肉体関係になります。
それに勘付いた典子は、篠山にアタックして横取りしました。それでも平静を装う美姫に、典子は何とかダメージを与えたいと思います。
芹沢ブラザーズのマグカップ(「S」というイニシャル)を里沙子に割られた時、顔色を変えてしまったのがきっかけで、美姫は芹沢ブラザーズをかぎつけました。早速会社にCDを持ちこんで、典子は自分が芹沢ブラザーズという音楽トリオを発掘したような素振りを見せます。
それでも美姫は「いいことある」と耐えました。落ち込んだ時には芹沢ブラザーズの曲を聞いて、心を落ち着けるようにします。
ファンクラブの掲示板に「芹沢ブラザーズの雅也の恋人はミキノリコ」という書き込みがあり(注意:典子が書き込んだと思われる)、典子に聞くと「父のレコード会社に知り合いがいて…」と典子は否定しませんでした。

【結】- 白ゆき姫殺人事件(白雪姫)のあらすじ4

美姫にダメージを与えるには芹沢ブラザーズが効果的だと知った典子は、さらに追い打ちをかけます。
入手困難な東京のライブのチケットを手に入れ「代わりに行かない?」と持ちかけました。手に入れられなかった美姫は喜び、間山に調べてもらって21:10発の東京への特急券を買います。
しかし当日、典子は「体調がよくなったから行く」と言い出しました。さすがに美姫はダメージを受け、給湯室で落ち込みます。落ち込む美姫に声をかけたのは里沙子で、美姫はつい一連の出来事を洩らしました。
里沙子は「チケットを奪って逃げてやれ」とそそのかしました。眠くなる風邪薬を里沙子が典子に勧め、間山の送別会の席でビールを呑ませます。
特急券を渡すと言って車に乗せ、眠りこんだ典子を車ごとコインパーキングに停めた美姫は、ためらいながらもチケットを奪って東京へ行きました。憧れの雅也がコンサートの会場入りする瞬間に出くわし、喜んだのもつかのま、たいへんなことが起きました。
殺到したファンに突き飛ばされ、雅也に伸ばした美姫の手が、図らずも雅也を押した形となったのです(注意:美姫の後ろにいる眼鏡の女性が突き飛ばしている)。雅也は階段から落ち、重傷を負いました。
ショックを受けた美姫はその場から逃げ、ビジネスホテルに宿泊します。ネットでファンクラブを見ると、雅也を押した女がその場から立ち去ったと騒動になっており、犯罪者扱いされた美姫は怖くてたまりません。
翌日もホテルでしょんぼりしている時に、典子の遺体発見のニュースが入ってきました。コインパーキングに置き去りにした後ろめたさから、これまた美姫は自分を責めます。
…遺書を書き、美姫がホテルの一室で首吊り自殺をしようとした時、速報で犯人逮捕のニュースが流れます。
犯人は里沙子でした。
盗癖があった里沙子は、些細なものを盗んでは大げさに騒ぎ立てることで、日頃のストレスを解消していました。それを典子に知られて、不安に陥ります。
その時に給湯室で美姫が落ち込んでいるのを見て、話を聞いた里沙子は「使える」と思いました。美姫を巧妙にそそのかし、陥れたのです。
典子を滅多刺ししただけでは飽き足らず、燃やしました。事件後すぐに大学の同級生・赤星に連絡を取ったのも、警察の捜査の目をそらすためでした。
こうして事件は収束し、ツイッターでは一転して美姫擁護の動きになります。雅也と典子の噂もデマだと判明しました。
祖母の葬式で帰った美姫は、2階へ閉じこもります。美姫を励ましたのは、家の窓から見える夕子の「ろうそくのあかり」でした。美姫も急いで夕子に返します。
〔赤星雄治 赤の他人〕
やがてツイッターでは、ワイドショーで美姫を犯人のように扱い、つぶやきをアップしていたRED-STARこと赤星をターゲットにして攻撃が始まります。
赤星はテレビ局との契約更新もならず、一転して不利な立場となりました。城野家の両親に謝罪に出向きますが、門前払いを食らいます。
落胆して帰る赤星は、車と接触しそうになります。運転手は美姫でしたが、赤星は気づきません。
自分を心配する美姫につい赤星は「自分が自分でなくなる感じ」を訴えました。美姫は口癖の「いいことありますよ」と言って去ります。同行した長谷川は美姫だと気づきますが、最後まで赤星は気づかないままでした。

みんなの感想

ライターの感想

ミステリーなのだが、犯人が誰かという謎解きの要素よりも、「全く異なる人物がいかにして犯人として扱われていくか」に重きを置いた作品。
夕子が劇中でいう「記憶は捏造される」「人は自分に都合のいいことしか言わない」…順に見て行くと、それがよく分かる。
実はこのスタイルならびに「人によって証言内容が異なる」というものは、過去に黒澤明・監督の
『羅生門』(内容としては芥川龍之介の『藪の中』に近いのだが)という作品で既に扱われている。
いちばん顕著なのが篠山の証言。まったくもって、本人に都合のいいことしか言っていない。
これは劇中のラストの「美姫」の証言から、事件の真相が明らかになっていくのであるが、
…深読みすると、この美姫の証言自体も、事実なのか怪しいんだよね。なにせ「記憶は捏造される」んだから。
その意味ではこわーい作品。
殺人事件の謎解きを期待して見ると肩透かしを食らわされるが、マスコミやツイッターの無責任な報道、噂の拡大など
興味深いことを扱っている。
主人公のひとり・赤星が「軽い気持ちで」ツイッターにアップしているこの言動も、じゅうぶんありうる展開。
ネットの世界の怖さについて警鐘を鳴らす作品に仕上がっている。

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