「私の男(2013年)」のネタバレあらすじ結末

サスペンス映画

私の男(2013年)の紹介:2013年制作の日本映画。桜庭一樹の第138回直木賞受賞作の映画化。第36回モスクワ国際映画祭コンペティション部門の最優秀作品賞に選ばれ、主演の浅野忠信が最優秀男優賞を受賞。ラストはじめ原作と異なる点が見られる。

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予告動画

私の男(2013年)の主な出演者

腐野淳悟(浅野忠信)、腐野花(二階堂ふみ)、腐野花〔10歳〕(山田望叶)、田岡(モロ師岡)、大塩小町(河井青葉)、美郎の先輩(三浦誠己)、タクシー会社の事務員(広岡由里子)、小町の先輩(安藤玉恵)、大輔(三浦貴大)、尾崎美郎(高良健吾)、大塩(藤竜也)

私の男(2013年)のネタバレあらすじ

【起】- 私の男(2013年)のあらすじ1

北海道南西沖地震直後に奥尻島を襲った津波によって、花は両親と2人のきょうだいを失いました。幼い花は孤児になります。
避難所は生き残った人たちが集まっていました。ペットボトルの水を分け与えられた花は眠れず、あてどなく歩き回ります。
避難所の裏の体育館には、遺体収容施設があり、両親たちの遺体もそこにありました。死をまだ理解できない花は、母の死体を蹴ってみます。
ふと何かに引き寄せられるように、花はひとりの男の背に近づきました。背は振り向きます。
それは遠い親戚・腐野(くさりの)淳悟でした。惇悟は「俺の子だ」と言って、花を引き取ります。災害救助のボランティアに来ていた大塩は花に「(生き残った)あんたはすごい」と言いました。
車中、父に負われて津波から逃げる記憶が夢に出てきて泣きじゃくる花に対して、淳悟は「俺はお前のもんだ」と言いました。
…数年後。中学生になった花をいつも気にかけてくれるのは、地元の名士で遠縁でもある大塩老人です。
淳悟は海上保安官で、1度海に出ると10日ほど家を空けます。大塩はそんな腐野家を案じ、よく花の様子を見に来ていました。
大塩の孫・小町は惇悟と交際しています。
海から戻った後、札幌に行ってきたという惇悟とホテルで密会した小町は、惇悟のコートをあさってプレゼント用にラッピングされた小箱を見つけました。中にはピアスが入っています。
明らかに自分向けではないピアスの箱を、帰り道、小町は捨てました。
小町は惇悟との結婚を周囲に急かされていますが、惇悟にその素振りはありません。
親戚の寄り合いでも話題にされますが、花を連れて来る惇悟は、花の前でしか笑顔を見せませんでした。
花と惇悟が互いの指をしゃぶっているのを見て、小町は生理的嫌悪を覚えます。
海辺で同級生らと遊んでいた花が、小町を見つけてやってきました。制服を着た花は中学生らしい無邪気さをたたえています。
しかし花は惇悟から誕生日プレゼントとして貰ったピアスを舐めており、「まだ早いって。でも買ってくれた」と言いました。 この映画を無料で観る

【承】- 私の男(2013年)のあらすじ2

プレゼントは小町が捨てたのに…「あいつ、また買ったんだ」と小町はつい口に出してしまいます。
花は小町に「あの人(惇悟)ね、淋しくてじっと我慢してるの。家族っていう心が欲しいんだよ」「他人じゃ駄目なの、分かる?」と言いました。
惇悟と花の濃密な関係に異様なものを感じ、花の惇悟への執着にそら恐ろしさを感じた小町は、惇悟と別れて東京に出ました。
惇悟と花は肉体関係にありました。
冬の初め、紋別に流氷が来たというテレビニュースが流れます。3年前に流氷に流された観光客の話題にも触れていました。
海から帰ってきたばかりなのに、また出かける惇悟に対して拗ねた花は、朝一番にカーテンを開いたまま交わります。
その現場を、何かと気にして花の様子を見にくる大塩老人が目撃しました。
その日の帰り道、花は大塩老人と会います。一瞬身構えた花ですが、屈託なく話しかけると、大塩老人の方も何事もなかったかのように気さくに応じてくれました。
しかし、大塩老人に伸ばした手は、さりげなく振り払われます。
さらに大塩老人は「旭川まで行ってきた」と言いだしました。会話の先が読めて、花は海の方へ逃げます。
停泊している港の漁船を抜け、沖の流氷近くまで、大塩老人は花を追ってやってきました。
旭川に父方のいとこがいるから、高校を出るまでそこに身を寄せろと告げる大塩老人に、花は反発します。
大塩老人は花に事実を告げようとしました。惇悟は花の実の父親なのです。
花はとうに気づいていました。気づいていて、関係を持っていました。
大塩老人と花は揉み合いになり、花は大塩老人を突き飛ばします。
「(近親相姦を)神様が許さない」と言う大塩に「私が許す!」と返した花は、「何したって、あれ(惇悟)はあたしの全部だ!」と絶叫しました。
大塩老人の乗った流氷は流れていき、大塩は花に助けを求めます。「泳げばいい。あんときのあたしみたいに」と花は言い、花自身も乗った流氷から海にダイブして、凍えながら家に帰りました。

【転】- 私の男(2013年)のあらすじ3

花はその後、ひとりで寝込みます。捜索隊が駆り出され、大塩老人は後日、流氷の上で凍った遺体となって発見されました。
花は地震に遭った時に惇悟に引き取られ、戸籍上は義理の娘となっています。
惇悟が高校生の時、かっとして母の首を絞めたことがあり、半年間だけ奥尻の親戚に預けられたことがありました。惇悟はその時、花の母が大好きで肉体関係になり、できた子どもが花でした。
実の父というのは本当のことです。
海から戻ってきた惇悟が、大塩老人の死を告げました。「それ、私がやったの」と告げた花は「しよう」と惇悟を台所で誘います。
惇悟は、花の眼鏡がなくなっていることに気づきました。大塩老人と揉み合いになった時に、落としたのです。
大塩老人の葬儀に参列した2人は、東京に出て派手に(ケバく)なった小町を見つけました。
惇悟と花はその後、逃げるように紋別を去り、東京へ出ます。惇悟はタクシー運転手になりました。
花を高校に通わせながら働く惇悟の元に、ある日、元刑事・田岡が現れました。刑事だった頃に比べ、崩れた服装をしています。
田岡は花の眼鏡を見せました。花が大塩老人の死に関わったことを知る田岡に、惇悟は殴りかかり、シチューをかけた後、包丁で首を刺して殺します。
帰宅した花は、台所にうずくまったままの惇悟と田岡の死体を見て、すべてを理解しました。
花と惇悟は互いの殺人の共犯となります。
それ以来、惇悟はぬけがらのような状態になりました。毎日ぼうっと暮らしています。「死ぬほど後悔」しています。
高校を卒業した花は、大手企業の受付嬢の派遣社員となって働き始めました。
親会社の専務の息子・尾崎が花に接近しました。どこかミステリアスな雰囲気を持つ花に、尾崎は惹かれていきます。
花も尾崎に自分の家の事情を話した後「自由って飽きるんですね」「きっと見ていたものが違うんです」と謎めいた言葉を吐きました。

【結】- 私の男(2013年)のあらすじ4

花をタクシーで家まで送った尾崎は、父・惇悟が外で花のマフラーを巻いて立っているのに気づきます。
惇悟は花の肩を抱くと優しく家に連れ帰り、尾崎にも「始発までうち来いよ」と声をかけました。
家の中で、惇悟は花を布団まで連れていき、コンタクトレンズを取ってやります。その様子を見た尾崎は、居心地の悪さを感じました。
その後、惇悟は尾崎に「あんたさ、裸になれないか? 上(上半身)だけでいいんだよ」と言います。初対面の相手に、突拍子もないことを言われたので尾崎は戸惑います。
しかし惇悟に薄気味悪さを感じた尾崎は、素直に上着を脱いで、上半身のみ裸になりました。
惇悟は尾崎の胸に口を寄せ、さらに手の指を舐めます。薄気味悪さより怖さがまさった尾崎は、逃げるように台所で手を洗いました。
「おめえには無理だよ」と惇悟は告げ、尾崎は帰ります。尾崎が去った後、惇悟は「俺は親父になりたいんだよ」と呟きました。
花は惇悟の元を去ります。
…3年後。
花は大輔という男と結婚を決めました。結婚式の前夜、父・惇悟を呼び出した花は、高級レストランで3年ぶりの再会を果たします。
背広にサンダル姿で登場した惇悟は、花の結婚相手・大輔に「お前には無理だよ」と言い放ちます。
テーブルクロスの下で、花は靴を脱いだ足で、惇悟の足の甲を愛撫します。
2人だけになったテーブル席で惇悟と花は見つめ合い、花は口だけで「おめでとうは?」と言いました。
惇悟と花の関係は続きそうな気配です。
(惇悟は花の実の父ではあるものの、元々「家族」の築き方を理解できなかった。
そのため、肉体関係という形で血の絆を確認していた。
一方の花も惇悟との血の繋がりを、肉体関係に求めた。
初めは惇悟主導であったろう2人の生活は、途中から逆転し、花主導で動くようになっていた。
「俺は親父になりたいんだよ」という言葉は本音。しかし軌道修正の方法が惇悟には分からない。
花と距離と時間を置いてみたものの、再会するとやはり離れるのは無理だと分かった)

みんなの感想

ライターの感想

桜庭一樹原作小説を映画を鑑賞する前に読んでいましたので映画冒頭部分で違和感を感じました。
まず原作の小説と映画とでは時系列がまったく逆なのです。もちろん映画だけで読み取ることも十分に可能ですが、原作を知っているだけに噛み合わなさやここで合致するのか、ともどかしさを終始感じました。また人物像や、話の中心であるなぜ近親相姦を行っているかということも荒削りである印象を受けました。
二階堂ふみが演じる娘の花の甘い蜜や生気を浅野忠信が演じる花の養父淳悟がすべて吸い尽くしている映画という感覚であまり物語性を感じることができませんでした。

ライターの感想

桜庭一樹の原作小説を読んでから映画を視聴しました。私は小説を読むときに人物像を自分の中でわりときれい目に想像しながら読む癖があるので実写化を知ったときには配役がどうなることか不安でした。ですが浅野忠信と二階堂ふみという名前を見たときにがっかりするどころかわくわく感でいっぱいになりました。
実際に映画の中でも浅野忠信演じる淳悟は原作小説以上にどうしようもない人間であってくれました。原作と映画とでは時系列が真逆だたのでさらに強く感じたのかもしれませんが淳悟の娘離れできない、大人気なさがうまく演じきられていました。
さらに二階堂ふみ演じる娘の花の成長の過程もすばらしいです。乳臭そうな少女時代~成熟して結婚を控えた大人の女性までかわいらしく美しく妖艶で最初から最後まで目が釘づけでした。

ライターの感想

直木賞を受賞した原作とは、かなりテイストが異なる。
原作ではストーリーが現在から過去に遡って進行していくスタイルなのに対し、今作品では時系列順に並んでいる。
その他にも、眼鏡やラストの婚約者など、違う点がいくつか。結末も異なる。
原作のラストは「花がハネムーンから戻って来ると、惇悟は家を出ていなくなっていた」「もう惇悟は戻って来ないという確信を、花は得た」なので
これひとつとっても、だいぶ違う。
また原作では惇悟の育った背景が描かれていたが、この映画ではほぼ全カット。
それもあり、映画だけを見た人にとっては、少々理解不能なところもある。
惇悟は花という娘を得て、本当の家族というものを築きたかったのだが、歪な形になってしまった。
気づいた時にはもう遅く、引き返せなかった。
花のほうは…少なくともこの映画では、惇悟との関係に満足していそうな気配である。
(原作では、父から離れようとして結婚を決める素振りあり)

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