「罪の余白」のネタバレあらすじ結末

罪の余白の紹介:2015年公開の日本映画。娘の死の謎を追う行動心理学者と、彼の前に現れた人の心理を操る女子高生が心理戦を繰り広げる、内野聖陽主演のサスペンス。第13回全日本国民的美少女コンテストでグランプリに輝いた吉本実憂が主人公を心理的に追い詰めていく悪魔のような少女を熱演する。

予告動画

罪の余白の主な出演者

安藤聡(内野聖陽)、木場咲(吉本実憂)、小沢早苗(谷村美月)、笹川七緒(葵わかな)、新海真帆(宇野愛海)、安藤加奈(吉田美佳子)、西崎真(堀部圭亮)、宮崎知良(利重剛)、高山満(加藤雅也)

罪の余白のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①妻亡き後、大学で行動心理学を教える安藤は男手ひとつで娘・加奈を育てていた。親子仲は順調に思えたが、ある日加奈が学校で転落死して自殺と処理される。安藤は娘の悩みを見抜けなかった自分を責める。 ②加奈の日記を見つけて咲と真帆によるイジメがあったと知った安藤は、咲に会おうとするが、学校側に拒否される。咲から追いつめられた安藤は世間的にも不利に陥る。 ③本気で咲と対決する決意をした安藤は準備して咲に挑み、わが身を投げ出して勝負に出た。安藤は勝ち、咲は少年鑑別所に送致された。

【起】- 罪の余白のあらすじ1

安藤聡は千葉県の徳稜大学の行動心理学の講師をしています。妻に先立たれ、17歳の高校生になる娘・加奈を男手ひとつで育てていました。
安藤と加奈の親子仲は良好です。互いに殺し合うから1匹ずつ小さな水槽に入れられている闘魚に興味を示した加奈に、安藤は青い闘魚を買ってプレゼントしました。
何の悩みもないように見えた加奈が、ある日通っていた女子高校のベランダの手すりから落ちて死にます。現場は多くの同級生が目撃しており、加奈が自発的にベランダの手すりに立って、よろけて転落死したと明白でした。加奈の死は自殺として処理されます。
加奈の転落の時、安藤は大学の心理学の講義の最中でした。矛盾する異なる選択肢が2つあり、どちらかを必ず選ばなくてはならない時に発生するストレスを二重拘束(ダブル・バインド)と言い、その蓄積の結果が統合失調症になるという講義の説明です(注:映画では触れられないが、加奈が陥っていたのは咲によるダブルバインド)。
講義を終えて携帯を見ると、24件もの不在着信が入っていました。安藤よりも年下の独身女性の助教授・小沢早苗が「大学の事務所に緊急電話があり、加奈さんが事故で重態です」と安藤に知らせます。
安藤は急いで病院に行きますが、加奈は死んでいました。
後日、加奈の葬儀が開かれ、担任の女教師・岩崎が加奈へのメッセージをノートに書けと生徒の間で回し、葬儀の席に持っていきます。
岩崎先生は葬儀の席で安藤にノートを渡しながら、お悔やみを言いました。
当初は自殺とされたので、安藤は思い詰めます。行動心理学の講師をしながら、なぜ娘・加奈の異変に気づいてやれなかったのだろうと自分を責めた安藤は、大学に辞表を提出しました。
娘のことすら理解できなかった無力さを嘆きますが、大学教授は安藤を休職扱いにし、「教壇に立てそうになったら戻ってこい」と言います。
早苗も「何かあったら言ってくれ」と安藤に言いました。早苗は安藤に思いを寄せており、その後も安藤宅をこまめに訪問して、手作りの食事を差し入れます。
休職した安藤は加奈の部屋を調べて自殺の原因を探りますが、遺書らしきものも見つかりません。ただパソコンにロックがかかっており、解除のパスワードが分かりませんでした。
妻の死後、唯一の生きがいだった娘・加奈の死で、安藤はぼうっとする時間が多くなりました。早苗が部屋を訪問して食事を差し入れてくれますが、安藤は酒びたりになって、ほとんど食事にも手をつけません。
加奈の死は確かに事故でしたが、そこにはある力が働いていました。木場咲の力です。
加奈と同じクラスの咲は容姿端麗で成績も優秀で、高校内でも一目置かれる華やかな存在でした。皆が咲に憧れ、咲のようになりたいと思っています。そして咲自身も、自分がそういう存在であることをよく自覚しており、周囲の人間を翻弄して遊ぶ癖がありました。
咲の家は金持ちでしたが、両親は海外出張ばかりで咲は孤独でした。その鬱憤を咲はクラスメイトにぶつけます。
新学年になってからの咲のターゲットは、加奈でした。とはいっても、すぐに分かるイジメをするわけではありません。
咲はまず加奈に優しく接し、唯一無二の親友のような扱いをします。女子の友人関係の行動グループが固定する頃まで加奈を拘束し、自分に縛り付けました。

【承】- 罪の余白のあらすじ2

それから一転し、加奈に冷たく接します。そうすると加奈は不安になって、自分の行動の何が咲を傷つけたのか考え始めます。
そして加奈が限界を感じ始めた頃、再び咲は優しく接し始める…この飴と鞭の戦法で、咲は加奈をすっかり洗脳していました。
同じようにして咲のとりことなっている親友・新海真帆もいました。真帆は加奈と同様に咲に翻弄されていますが、以前から咲の取り巻きだったこともあり、自分がナンバーワンだと自負しています。
咲は真帆と加奈を天秤にかけるようなこともしており、真帆が加奈を敵視する一幕もありました。
そうやって咲は、学校で君臨していました。
そうやって加奈を追いつめ、自分への忠誠心を試す形で加奈をベランダに立たせたのです。加奈は自発的にベランダの手すりに立ちましたが、咲がそう仕向けました。
見える形のイジメではないものの、実際に加奈を心理的に追いつめたのは咲でした。真帆もそれに加担した形になっています。
手すりに立った加奈がバランスを崩して落ちて亡くなったのは咲にとって計算外でしたが、だからといって罪悪感はありません。自分にとって「関係ない」ことだと思っていました。
加奈の死に動揺した真帆はうろたえますが、咲は「加奈が自分でやったことだよ、違う?」と言い「悩んでたのかも。お互い、強くなろう」とすでに他人事です。
ところが咲はあることを思い出しました。少し前に「日記をつけてる」と加奈が言っていたのです。日記に自分たちのことを悪く書かれていたら不利になると考えた咲は、安藤の家を訪問して確かめようとしました。
安藤宅を訪問した咲は、快く思っていない同級生・笹川七緒と名乗って家に入りこみます。
初めて訪れて仏壇に手を合わせた咲に、安藤はいそいそとジュースを入れます。加奈の友達が訪れてきたのが嬉しく、加奈の自殺の手がかりが得られたらと思ったのです。
加奈とは「正直、喋ったことがない」と言った咲は「遺書とか残されてなかったんですか。日記とか」と話の水を向けますが、「色々探してみたけど、何もなかった」という安藤の答えを得て安堵し、すぐに辞去しようとしました。「加奈の話を聞かせてくれ」と父・安藤が迫っても、用事があると言って立ち去ろうとします。
安藤がノートパソコンを持って来て、ロック解除ができていないと告げました。「パスワードをかけてるってことは、誰にも見られたくないってこと」と咲が言いますが、安藤はそれでも知りたいと思います。
考えた安藤が亡くなった妻の命日を入れると、パスワードが解除されました。それを知り、咲も内容に興味を示します。
パソコンの中には加奈の日記がありました。そこには加奈の気持ちが赤裸々に綴られてあります。
日記は4月から始まっていました。同級生の咲を褒めちぎる内容、咲が自分だけに話してくれた「将来、女優になりたい」という秘密…それが、7月になった頃から「咲と真帆が冷たい」という内容に変わっています。
ところが8月になって再び咲から電話が入り、以前のような仲良しの付き合いが復活しました。
ところが9月になってから母の形見の財布がなくなったことや、咲と真帆に誘われてクラブに行ったものの、途中で帰ろうとすると責められたことなどが書かれています。

【転】- 罪の余白のあらすじ3

さらに咲に死ねと言われたことや、母を殺したのが自分なのだったら、なぜ生まれてきたのかという自問、弁当の中に虫が入れられていたこと…10月に入ると「なんかもう、全部疲れた」と書かれていました。
安藤はそれを呼んで泣き、咲と真帆という同級生を知っているかと問います。あまり話したことがないと言って逃げるように去った咲は、真帆に電話して今後の対処を考えました。
翌日咲と真帆は岩崎先生に呼ばれ、亡くなる前に加奈と喧嘩したかと聞かれます。イジメがあったのではないかと、安藤から問い合わせの電話が入ったのです。
親友だと思っていたのにショックだという演技をして、咲は切り抜けました。咲と真帆に会わせろと安藤は要求しますが、学校側は拒否します。
安藤は外部の人が入れる文化祭を利用して、咲に会いに行きました。クラスに行き七緒を呼び出してもらうと、先日家に来たのと全く違う生徒が出てきて、安藤は驚きます。そして七緒と名乗った生徒こそが咲だと知りました。
なんとか咲と接触して真意を確かめたいと安藤は考えますが、校門で待ち伏せした安藤は通報され、警察に連れて行かれます。
帰宅した安藤を早苗が待っていました。安藤は早苗に日記を見せます。真帆が母を殺したと書いたくだりを読んだ早苗は疑問をぶつけ、安藤は答えました。
安藤の妻の妊娠と子宮がんが同時期に発覚しました。すぐに切除すれば問題はなかったのですが、妻は加奈の出産を優先して治療を拒否したため亡くなりました。
その頃学校では、加奈の父・安藤がおかしくなったという噂が流れます。七緒を呼び出した咲は何を聞かれたか問い詰めると、キリスト教の七緒に「イエス様好きで傍にいたいなら、行けば(死ねば)いいじゃん」となじりました。
安藤が学校の外で待ち伏せしますが、咲は真帆を連れて逃げ、傷つけられた七緒は安藤に「咲は頭のいい子なので気をつけてください」と言います。
真帆のことは守るから学校をしばらく休めと言い、咲が安藤に立ち向かいます。深夜人目のあるコンビニで安藤に接近した咲は、「怯えた小鹿みたい」「親子揃ってつまんない」と挑発する言葉を吐き、逆上した安藤に殴らせて傷害事件に持ち込みました。
咲は警察で被害者面で泣き落としをすると、迎えに来た岩崎先生には「親友の加奈のお父さんだから、今日のことは公にしないでくれ」と配慮をみせます。もちろん計算です。そして真帆に電話し「明日から学校に来てもいい」と言いました。
さらに学校で「加奈は父親から性的虐待を受けていた」という噂も流します。
安藤が料理を捨てていると知った早苗は「料理、まずいですか」と聞き、安藤はつい頷いてしまいます。早苗は料理教室に通い始めました。
加奈が安藤に性的虐待を受けていた噂を受け、児童相談所の女性が安藤を訪問して「執拗に身体に触るなど、娘が嫌がることをしていなかったか」と聞きます。安藤が昼間から酒を飲んでいたことも咎められ、安藤は不利になりました。
見かねた早苗が咲を訪問します。咲は真帆を教室に帰すと、早苗に予約なしで来た無礼を咎めました。そして早苗のコンプレックスを見抜くと攻撃します。

【結】- 罪の余白のあらすじ4

幼少期から消極的でイジメを受けていたことや、早苗に恋愛と男性経験がないことを看破した咲は「研究室にこもって心理学の勉強をしていた方がいい」と言い放ちます。
早苗は安藤に咲と会ったと報告すると「あの子は強い信念や目的があり、それで加奈を追いつめたのだと思う」と言いました。
泣く早苗を見て、考えた安藤は家にあった酒を全部捨て、戦法を変えて咲に立ち向かう決意をします。
安藤は咲を尾行して弱点を探しました。休日、スカウトされた芸能事務所のマネージャーと会う咲を見た安藤は、加奈の日記の通り咲が女優志望だと知ります。
液晶画面が割れた加奈のスマホを携帯ショップに持ち込み、データを活かしたまま修理する手配をしました。
早苗に加奈のノートパソコンを渡して「何かあったら新聞社の友人に持って行ってくれ」と頼みます。
登校した咲は自分の椅子に貼られた茶封筒を見つけ、放課後、教室に居残りました。安藤が教室にやってくると「君は気づいたら牢屋に入れられている」と言います。
ベランダの加奈の事故現場を見た安藤は「こっから加奈が落ちた時、どう感じたのか教えろよ」と聞きますが、咲は口に指を立てて言わないというジェスチャーをしました。
安藤は教室で暴れて男性教諭が取り押さえ、不法侵入を咎めます。より安藤が不利になったと咲は思いますが、これも実は安藤の作戦でした。
携帯ショップに行って娘のスマホを受け取ると、安藤は中身を閲覧して咲と真帆に電話をしました。咲と真帆の携帯には「加奈」という着信の名が浮かび、2人は加奈の携帯が復活したことを知ります。
呼び出しを受けて真帆は不安になりますが、咲は「私、真帆と一緒にいたからこれまでやってこられた。これからもずっと一緒にいたい」と言うと、真帆にキスします。
安藤の家を訪問すると、咲は「録音されてると嫌なのでベランダで話したい」と先手を打ちました。ベランダで3人は向かい合い、安藤は加奈が自殺した日に何があったか質問します。
咲は安藤に責任がなかったのかと聞きますが、安藤はもう動揺しませんでした。逆に咲を詰問し、横で真帆は恐れて失禁します。
安藤と咲の会話から「咲が女優になりたいという夢を加奈に話していた」ことを知ると、聞いていなかった真帆は驚いて咲を問い詰めようとします。
安藤は意味ありげに加奈のスマホを取り出すと、こっそり録画ボタンを押しました。そして咲に不利な情報がスマホに入っているかのようにアピールすると(口では何も言わない)「学校も警察も駄目ならば、マスコミに言うしかないなあ」と告げます。
それは女優志望の咲にとって最も効果的な痛手でした。マスコミに言われるのは嫌で、そうすると目の前にいる安藤の口封じをしなければならない…このダブル・バインドに陥った咲は、録画されていることを知らないまま、安藤をベランダから突き落とします。
その頃、異変を感じ取った早苗は、安藤宅を訪問しようと車でやって来て、外の駐車場に車を止めていました。早苗の車の上に、安藤が転落します。
…安藤は頭部、左腕、右足に重傷の怪我を負いながらも、一命を取り留めました。まだ完治していない安藤は大学に行くと、加奈に買った闘魚を大学構内の水槽に入れて去ります。
咲は逮捕され、少年鑑別所に送致されましたが、目の力の強さは失っていませんでした。

みんなの感想

ライターの感想

咲は確かに可愛い。が、映画の煽り文句「究極の心理戦」…というほどのことは、なかったと思う。
それはたぶん2時間ですべてを描かないとならないからなのだろう。日記が見つかるまでの時間を短縮するなり、思い切って早苗をカットするなりして、その分、咲の悪女っぷりを全面に出したら少しは違ってきたのかも。
原作のほうでは「一貫して悪」の咲なのだが、映画版はちょっとぬるい。原作まで徹底して悪を描くと吉本実憂のイメージダウンにつながると思って避けたのかな…とつい穿って考えてしまう。
個人的に…早苗は健気ではあるのだけれども、映画の演出だと「気持ち悪く」も感じる。せっせと尽くしてるのは感じたけど裏目に出るというか。
毎回、手料理を持参してくるって、かなり怖いよ。
  • オカダ・カズチカンさんの感想

    咲は「金八先生」兼末健次郎君の女子版みたいですね。

  • 詩人の余白さんの感想

    映画の咲は残念ながらサイコパスには至っていませんね。
    頭の良いかまってちゃんレベル。
    「ダブル・バインド」がキーワードなのでしょうが、吉本実憂に真の悪を演じさせられない製作サイドがダブル・バインドに陥ったのではないでしょうか…。

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