「雨の午後の降霊祭」のネタバレあらすじ結末

雨の午後の降霊祭の紹介:マーク・マクシェーンの同名原作の映画化作品で、霊媒師の妻が自分の能力を世に知らしめたいがために策略した誘拐計画を、その助手を務めていた夫は阻止できず、ついに実行に移してしまうが…という、1964年制作のイギリスのサスペンス映画。監督/脚本は「紳士同盟」「チャーリー」のブライアン・フォーブス。共同製作はビリー役を務めたリチャード・アッテンボロー。音楽は「冬のライオン」のジョン・バリー。1999年にTVM「降霊KOUREI」(黒沢清監督)としてリメイクされたモノクロ作品である。

予告動画

雨の午後の降霊祭の主な出演者

マイラ(キム・スタンレー)、ビリー(リチャード・アッテンボロー)、ウォルシュ警視(パトリック・マギー)、クレイトン氏(マーク・エデン)、クレイトン夫人(ナネット・ニューマン)、その娘アマンダ(ジュディス・ドンナー)、ビードル刑事(ジェラルド・シム)など。

雨の午後の降霊祭のネタバレあらすじ

【起】- 雨の午後の降霊祭のあらすじ1

水曜日、雨の午後。ロンドン郊外の住宅街の2階では、1本の蝋燭を囲んで座る数人の男女が手を繋いで目を閉じています。霊媒師のマイラは目を閉じ、誰かに優しく話し掛け、やがて若い娘が手を振ってる、とても安らかだと言い、メンバーの1人が泣き出したところで蝋燭を消します。
彼らを見送ったビリーはこんな日に雨なんてとこぼし、マイラと2階の子供部屋に行きます。マイラは窓をはめ板で塞がせ、今夜外から見ないと判らないけど、アーサーが”2人に祝福を与える”と言ったから大丈夫と微笑みます。
ビリーは手持無沙汰にベッドを弄りながらこのベッドは寝心地がいいと言い、マイラにアーサー専用なのにいつ寝たの?と責められます。が、彼がここは病室に見えると言うと、私たちは天才ね、きっと計画通りに行くわと満面の笑みを浮かべます。
夜になり、マイラは外から子供部屋を確認し、リビング居間で布と小瓶を見てレコードをかけます。ビリーはホコリにイラつき、使用人たちは海外で休暇だ、このまま解雇しようと憤慨していましたが、彼女は遠いほど好都合よと言い、まだ迷っている彼に、今さら遅いわ、後は使用人が戻る前に計画通りに実行するだけ、欲しがってた車も買えるじゃないのと説得します。
また、私の能力は軽視されるべきものじゃない、全てはアーサーのため、彼も私の能力を認めさせたいはずよ、でもあなたはそう思ってない!と興奮しレコードを止めます。が、ふと話を止め静かになった、あなたが止めたの?と聞きます。彼は小声で止めたのは君だと言いますが、彼女がイラついたため仕方なく自分だと認めます。

彼女は、あなたは弱い人間で私を必要としていたから結婚した、悲しみばかりだったけど全てが変わるわと言い、時々心から”普通の人”になりたいと思う、でも”他人の不幸で自分の幸せは買えない”のよね、誰の言葉か知ってる?と聞きます。彼は、アーサーだ、君から聞いたんだと答えます。
彼女はその答えに満足し、彼を感じる事が出来るのは私だけ、あなたには力が無いから仕方ないと憐れみ、だから母は私にこの家を残したの、私たちが揉めるのはいつもこの家の事だけど埋め合わせはしたわと言い、私が必要?ちゃんと目を見て言ってと笑います。彼が「愛してなかったらここにはいない」と言うと、なのになぜ迷うの?と話を戻されます。
彼女は、能力の無い自分を卑下する彼に、幼い頃、この力に最初に気づいたのは叔母で、親族が集まる日曜には乞われて力を披露したものよ、だから日曜日が待ち遠しかった、特別って最高の気分よ!と言いますが、突然彼を振り返り、今までの事は全部本当でお芝居じゃない、この能力は降霊会でお金を得たり、空缶に小銭をもらうためのものでもない、それじゃ足りないわ、だから勝負に出るのよとすがり、泣き出します。
彼は「アーサーは本気なのか?」と聞き、小瓶を見つめ、彼のためだと呟きます。

翌日、ビリーはメガネ付きのヘルメットをかぶりサイドカー(側車付きバイク)で出掛けて行き、マイラは降霊会の部屋の絵の裏にある覗き穴から、隣の子供部屋を確認します。
彼はサイドカーを町外れの廃屋の影に隠し、バスで小学校に向かいます。学校はちょうど終業時間で、大方の生徒が走って行く中、運転手付きの高級車が迎えに来ている少女がいました。
ビリーは少女が乗り込むのを見て、運転手にクレイトンさんですか?と聞き、「校長が手紙を渡したいと言ってる」と騙して離れさせ、少女を乗せたまま車を奪います。少女は境の透明板を叩き叫びますが、車は猛スピードで廃屋に向かい停まります。少女はドアを開けず手こずりますが、隙を見て薬で眠らせ、サイドカーに乗せ連れ去ります。
少女は帰宅した後も子供部屋で昏々と眠り、マイラはそれを覗き穴から確認した後、1階の居間に行き、切り抜きで作成した脅迫文をビリーに読み上げさせます。
手紙には、娘は無事で証拠の髪を一房入れる、新聞広告に洗礼名でロングフェロー宛に“喜んで従う”と載せ、2万5千ポンドをバックに準備せよ、受け渡しは追って指示する、金を受け取れば娘は無傷で返す、指示に逆らったり身代金を取りに行った男を拘束した場合、娘の命の保証はないとありました。
ビリーは過激すぎると落ち込み、子供を”借りた”だけだと言い張るマイラに世間ではこれを”誘拐”と言うんだと言いますが、彼女は彼にキスをし、眠る少女の髪を一房切り取ります。
彼女はそれらを封筒に入れ、投函したら冗談じゃなくなるんだぞ!と困り果てるビリーに、最初から本気よ、これは目的達成の手段なの、金も取らず子供も無傷で返すんだから!と言い張ります。
彼はそれでも失敗した場合誰が信じるんだ?と怯えますが、マイラはもっと前向きに考えてと言い、愛してる?と聞きます。彼は小声で愛してると言い、私が必要なんでしょ?あなたが帰る場所は私のところしかないのと言う彼女に、投函してくるよう言います。
彼女が出かけた後、彼は「手遅れになる前に彼女を召したまえ」と小声で祈ります。

【承】- 雨の午後の降霊祭のあらすじ2

翌朝、新聞には”クレイトン産業会長の一人娘が行方不明に”と言う記事が出ますが、マイラは予想通りだと言い、少女に出す朝食の準備をします。
彼女はナース服に大きなマスクを着け、スクランブルエッグとトーストとミルクをトレーに載せて部屋に入り、覗き穴を出し、体温計を振りながら「気分はどう?アマンダ」と声を掛けます。
少女はようやく目を覚まし、なにかとはぐらかそうとするマイラから、女がジョンソンと言う名の看護師で、自分は”2度目の特殊な風疹”のため、学校から病院に運ばれ隔離入院中だと聞き出し、検温時間が短いと訝しがり、親友のキャロラインが入院すると死ぬと言ってたわと話します。
ビリーは疲れ果てて出て来た彼女を「どうしてすぐ帰れると言わない?!子供だから安心させてやらないと!」と責めますが、「あなたが子供の何を知ってるの?!子供は店で売ってるペットと同じで、持ち帰ってエサをやればすぐ慣れるわ!」と言い返され納得します。
また彼女は、アーサーだってそうだった、子供は優しくされるから病気になりたがるものなのよとも言いますが、ビリーは言い返しませんでした。

翌日、マイラは記者が大勢たむろしているクレイトン家に行き、警官にも物怖じせず、クレイトン氏の心配事に関する話があると言い面会を許されます。彼女はクレイトン氏にマイルズ・サヴェージと言う名刺を渡し、夫妻と3人だけで話をする事に。クレイトン氏は、マイラが夢の話しを始めた途端そういう善良な方は大勢いると訝しがり、夫人は逆に続きを聞きたがります。
マイラは、夢に出た少女は迷子で、周囲に泥が見えたと言い、泥(クレイ)=クレイトンとお名前に繋がりがあるし、また”キャロライン””ヘッジ”と何度も言ってたと話します。
夫人はキャロラインは娘の親友だし、ヘッジーは娘が大事にしてるハリネズミの人形だと言い、プロの霊媒師だと胸を張るマイラに頼ろうとしますが、クレイトン氏は、そういった情報は簡単に手に入るし、重大な事だと思うならなぜうちではなく警察に行かなかった?望みは何だ!と怒りだします。
マイラは残念そうに席を立ちますが、夫人に「安心してください、娘さんは無事です」と言い、クレイトン氏に「妻に変な期待をさせるな!ならば言ってやろう!娘は身代金目的で誘拐されたんだ!」と怒鳴られます。
帰り際マイラは、謝罪し身代金が目的なら娘は無事よね?とすがる夫人に、娘さんは無事です、私の夢に誤りはないと断言し部屋を出ます。
クレイトン氏はその間にも電話で怒鳴り、ひどい連中だバカ女の戯言だと激昂しますが、夫人は娘が無事に帰るなら私は気にしないと涙ぐみます。

その夜、警官が家に来たため、2人は電気を消し居留守を使いますが、ようやく去ったと思われた瞬間、子供部屋で何かが壊れる音がし、アマンダが大声で2人を呼び始めます。
2人は息を詰め様子をうかがいますが、警官は戻らず、ビリーが白衣にマスクで子供部屋に向かいます。物音はトレーが落ちた音で、アマンダも問題はありませんでしたが、ビリーは臭いがしないけど本当の医者なの?と聞かれぎょっとします。
彼はキッチンでココアを作っていたマイラに、あの子は利口だ、警官は誘拐に気づいていて戻ってくる、絶対失敗するから今夜あの子を返そう、今なら逃げられると懸命に訴えますが、彼女は「何の見返りも求めてないのに逃げる必要はないわ!」と声を荒げ、聞き込みは形だけで、明日の朝にはあの子はいないから問題ないと聞き流されます。
が、彼女は突然スプーンをシンクに投げ、計画は美しく完璧だ、私たちは勇敢で誰も傷つかず滑り出しは順調、身代金を手に入れたら全紙が書き立て、私がアマンダと(奪った)現金のありかを教える、そして全てが思い通りになるわ!とまくし立てます。
それがあなたの望みでしょ?あなたは私の輝かしい未来をずっと望んでたはずだわ、と。
ビリーはそれを認め、練習通りに実行すると約束します。
その夜、地下鉄の車内で、新聞の通信欄に指示通りの記事が載った事を確認したビリーは、公衆電話からクレイトン邸に電話し、用意した金をレスター・スクエアの電話ボックスに運び中で待つよう指示します。会話は盗聴のため引き延ばされますが、ビリーが次の客に急かされたため電話を手短に切り、失敗します。

【転】- 雨の午後の降霊祭のあらすじ3

翌日、彼は変装の衣装を持ち、薬で眠らせたアマンダをサイドカーに乗せ、町外れの駐車場に隠してバスで取引現場に向かいます。
マイラは、彼と警察が鉢合わせしないよう目印のシャツを干し、子供部屋を元に戻し待機していました。
やがて自宅には刑事のビードルが聞き込みに来て、夫妻の事をあれこれ聞き、部屋を見て回ります。昨夜訪ねてきたのも彼で、マイラは冷静にその時は不在だったと言い、夫は喘息のため無職で、子供部屋は夫の発作の時に使うためホコリが大敵なのだと説明します。
ビードルは、降霊会の部屋では深い世界らしいと感心し、車庫にも別段問題は無く、夫はバイクにしか乗らず名前はウィリアム・ヘンリーだと言い、話しを終えます。彼女はビードルを見送りながら、密かにほくそ笑み、目印のシャツをしまいます。
一方、受け渡し場所にいたクレイトン氏は刑事に尾行されていたため、ビリーは別の公衆電話から彼をピカデリー・サーカス駅に誘導、彼自身は隣のレスター・スクエア駅から列車でピカデリー・サーカス駅に行き、乗客の波に紛れてクレイトン氏のバッグを奪って列車に飛び乗り、車内でバッグを紙袋に詰め、2重に着ていたコートの1枚と市場で買ったオレンジで隠し、レスター・スクエア駅に戻りバスに飛び乗り、まんまと逃げ切ります。
帰宅したビリーは身代金を庭の石炭庫に隠し、マイラは眠ったままのアマンダをベッドに寝かせますが発熱している事に気づきます。ビリーはひどく心配し、子供はよく熱を出すものだと平然としているマイラに声を荒げ、逆ギレされます。彼は愕然とし、私たちは異常だと呟きます。
その夜、アマンダは目覚めぬまま高熱を出し、ビリーは医者に診せないとと焦りますが、マイラはバカなこと言わないでと本を調べようとします。また、頭ごなしに怒る彼に、医者に”誘拐した子供を診てくれ”と言うの?!取り越し苦労よ、明日薬を買うから暖かくしてれば平気よ!と逆ギレします。彼はもう何もかもわからないと言い、ただおろおろとアマンダに付き添うだけでした。

翌日は、水曜の午後定例の降霊会でした。ビリーは新聞でクレイトン夫人が消えた事を知り、降霊会を止めようと言いますが、マイラは習慣を変えるのはまずいからいつも通り行うと言い、アマンダには売薬を飲ませるから、あなたは皆を案内したら、彼女に付き添っててと指示します。
ところが、常連客の後にクレイトン夫人が現れ、焦ったビリーは子供部屋にいた彼女に、隣に子供がいるんだぞ!どうする気だ?!と迫ります。マイラは「思った通りよ!これで絆が深まる!彼女を救えるのは私しかいない!証明する時が来たのよ!」と浮かれていました。
マイラはいつも通りの作法で降霊会を始め、1人目を言い終え、アマンダの話を始めます。
「あなたが思い悩んでいるのは、教会…いえ子供の事よ…でも娘さんは大丈夫、3人に面倒を見られて幸せそうに遊んでる」…クレイトン夫人は涙を流しマイラの顔を見つめます。隣室では、熱に浮かされたアマンダが何度も母親を呼んでいて、ビリーが静かにと額を撫でていました。
クレイトン夫人は泣きながら、いつ娘と再会できるの?と聞きますが、マイラは突然「アーサー、止めて!」と叫んでトランス状態になり「死ぬわ」と言い残し昏倒します。
降霊会は中止となり、マイラは皆に支えられ寝室に連れて行かれます。常連の夫人があなたが「死ぬわ」と言ったのは誰の事?と聞きますが、マイラは死んでないわと話していました。
クレイトン夫人は娘に全く気付かぬまま、帰り際、ビリーに代金を聞き、奥さまは私に希望を与えてくださったと大粒の涙をこぼします。ビリーは代金を辞退しますが、妻の言葉は必ず実現しますと励まします。

ビリーが彼女を見送りうなだれたところに、マイラが髪を直しながら軽い足取りで現れます。彼女は降霊会の後は空が輝いて見えると浮かれ、今日はアーサーをとても近く感じた、彼は”彼女を幸せにしたい”と言ってた、部屋を貸して気に入ったみたいねと笑います。
ビリーは愕然としてそれはアマンダの事かと聞きますが、彼女は続けて彼は”やっと答えが見つかった”とも言ってた、彼女は帰りたくないそうよ、彼と幸せに暮らすのと言い、笑いながらせわしなく髪をとかします。そして「皆が私に注目し、世間も私を無視できなくなるわ。全てが重要になるのよ」と続け「彼が何度も言うのよ、幸せは自分と共にあると」と話します。
ビリーは自信たっぷりの彼女の目を見て、それはアーサーじゃない、君が自分の考えを言ってるだけだ、アーサーは最初から死んでる、死産だったんだ!君には見せなかったが私は彼を見たんだ!全て君なんだよ!!少女の死を願ったのも、全て君自身の考えだ!と怒鳴ります。そして、あの部屋もアーサーも全て君の妄想だ!アーサーは死んだと言え!と迫ります。
彼女は必死で抗い、アーサーが死んだことは解ってる、でも話しかければ応えてくれる、それまで否定しないでと泣き出し、私は特別だから彼が見える、アマンダは彼と私の媒介なの、理解してとすがります。ビリーは愕然とし、どうしたらいい?と困惑します。
その時アマンダが起き出してきて、何を怒鳴ってるの?ここは病院じゃないわと言います。ビリーは彼女を抱き上げ子供部屋に戻し、もうすぐ帰れるからベッドに入っていなさいと言い聞かせドアを閉めます。
マイラは2人を冷たい目で階段下から見上げ、「あなたの顔を見られたわ。私の言うとおりにして。そうしたら永遠に安全よ」と呟きます。

【結】- 雨の午後の降霊祭のあらすじ4

翌朝早く、ビリーはサイドカーで出掛け、毛布にくるんだアマンダを森の中の大きな木の下に置き去りにします。その近くではボーイスカウトたちがキャンプ中で、走り去る彼に気づきます。
家では、マイラがオレンジのポマンダーを作りながら、呆然としている彼に「簡単だったでしょ?彼女は苦しまず安らかに眠りについた、全てあなたのおかげだわ」と話しています。ビリーは彼女の目を見ず、無言でした。
彼女は「これで何時間か後に私が彼女の居場所を言えば、ママの言葉通り全てが実現する、遠くに行きましょ、ここで暮らす必要はないわ」と言い、ビリーに、もう2度と逆らわないしあなたに尽くす、愛してる?と聞きます。彼は力無く「わかってるだろ」と言いますが、彼女はうきうきと言い当てる際の台本の確認を始めます。

その時ノックの音がして、ビリーが応対に出ます。やってきたのはウォルシュ警視とビードル刑事たちで、クレイトン夫妻に情報を提供されたと聞き、あなたの能力をお借りしに来たと言います。
中でもウォルシュは、私は霊を信じてるし、地元の心霊研究団体の会長でもあり、クローナーの実験に関する論文を2冊出したと自慢げで、ぜひこのメンバーで、今から降霊会をして頂きたいと頼まれます。
戸惑っていた彼女は、あなたの並外れた能力は評判になってるとおだてられ、つい「娘さんの正確な居場所を言い当てろと仰るの?」と口にします。ウォルシュは捜査は完全に行き詰っていて、手掛かりだけでも収穫だ、残された時間は無いのですと急かします。
彼女は2つ返事で承諾し、彼女とビリー、ウォルシュとビードルの4人で降霊会を始める事に。彼女は完全に心を解放し集中してくださいと話し、皆に手を繋がせ、術に入ります。
マイラはすぐにトランス状態になり、幼い頃の思い出、死産だったアーサーに会えなかった事、拠り所はビリーだけなのに彼にはアーサーが見えない事、暗い木の下にアーサーがいてアマンダを待っている事、そして誘拐をビリーに指示し、彼女がビリーを見てしまった事、アーサーのために殺害までをも命じた事を泣きながら吐露していき、最後にはひざ掛けを丸めて胸に抱き、揺らし始めます。
ウォルシュはビリーに身代金はどこだと聞き、彼は庭の石炭庫にあると答えます。
またビリーは彼に「アマンダは?見つかるように置いたんだが」と聞きますが、彼は黙って頷くだけでした。

その時、正気に返ったマイラはビリーの手を握り、「ちゃんとできてた?」と聞きます。
彼は初めて微笑み「もちろんだよ」と答えます。彼女は涙で濡れた頬を輝かせ微笑んでいました。

みんなの感想

ライターの感想

イギリス公開が1964年だったにも関わらず、日本公開は同監督の「インターナショナル・ベルベット/緑園の天使」の公開に合わせた1979年、奇跡の邦訳DVD化は2003年で、黒沢清監督の「降霊KOUREI」がドツボだった身としては、一生見れないだろうと思っていた作品でした。
ちなみに、降霊術そのものはさほど重要な要素ではないし、亡霊やオバケ(映り込み含む)などの特撮は一切ありません。
どちらも子供を持ったことの無い夫婦なので、誘拐などよりともかく子供の扱いがまず怖い。本作では発熱を切り抜けた段階で、ビリーと共にとりあえずホッとさせられる。
しかもこの少女は「降霊」の子供より出番も多く、賢く利口で口も達者なため、計画は始めから破綻していて、本来なら助かるはずが、マイラが完全にイッてるため惨い結末へと転がり落ちていく。
キム・スタンリーの壊れた妻も素晴らしいですが、R・アッテンボローのビリーがともかくいいんですよ。
「降霊」の時も思いましたが、夫婦ってなんなんでしょうかねぇ。
子供も無く地味で真面目に暮らしていた中年妻の慟哭があまりに切実で、身に染みるのはやはり邦画の「降霊」でしたが、逆に一度得た子を失い、その時点で夫が優しさから妻に辛い現実を見せなかったことに端を発して狂気に陥って行くこのマイラの苦悩もわからなくもない。
どちらにしても犠牲となったいたいけな子供たちには心からの合掌を。

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