「64(ロクヨン)前編」のネタバレあらすじ結末

64(ロクヨン)前編の紹介:2016年5月公開の日本映画。横山秀夫のベストセラーを前後編の2部作として映画化したミステリーの前編。わずか7日間しかなかった昭和64年に発生し、未だ未解決となっている少女誘拐殺人事件の解明に挑む刑事と、彼を取り巻く人々のドラマが描かれる。

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予告動画

64(ロクヨン)前編の主な出演者

三上義信(佐藤浩市)、三上美那子(夏川結衣)、三上あゆみ(芳根京子)、諏訪(綾野剛)、蔵前(金井勇太)、美雲(榮倉奈々)、松岡勝俊(三浦友和)、望月(赤井英和)、漆原(菅田俊)、柿沼(筒井道隆)、幸田一樹(吉岡秀隆)、日吉浩一郎(窪田正孝)、村串みずき(鶴田真由)、辻内欣司(椎名桔平)、赤間(滝藤賢一)、石井(菅原大吉)、二渡真治(仲村トオル)、荒木田(奥田瑛二)、落合(柄本佑)、雨宮芳男(永瀬正敏)、秋川(瑛太)

64(ロクヨン)前編のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①わずか7日間で幕を閉じた昭和64年に群馬県で小学1年の女児・雨宮翔子が誘拐され、殺害される事件が起こった。翔子は後に遺体となって発見。昭和から平成の転換期に起きたこの事件・ロクヨンは天皇崩御のニュースにまぎれ、未解決のまま時効が迫っていた。 ②元刑事の三上は現在は警務部で広報官をしている。記者クラブとの折衝に奔走する合間にも、警察庁長官視察に向け雨宮家遺族との慰問許可を得た。その矢先、ロクヨンを彷彿とさせる誘拐事件が発生した。

【起】- 64(ロクヨン)前編のあらすじ1

昭和64年1月5日。
まだ年始の松の内も過ぎないうちから、その事件は起きました。
群馬県玄武市の漬物工場・雨宮漬物店経営の雨宮芳男(あまみや よしお)宅の長女・翔子(しょうこ)が誘拐されたのです。
翔子は誘拐当時、色とりどりのメーダマを持っていました。メーダマとは枝に繭の形をした餅やだんごをつけたものです。これを「どんど焼き」と呼ばれる、正月のしめなわを燃やす行事の時にかがり火にかざし、あたためて食べる風習があります。
小学1年生だった翔子はどんど焼きを楽しみにしており、ですから時期はまだ先なのですがメーダマを作って持ち歩いていたのです。
誘拐の一報を聞いた群馬県警はすぐに工場の搬入口から入り、自宅班(対策班)を作りました。逆探知もできるよう手配します。
犯人からは現金2000万円を用意しろという要求が出されていました。現金は丸越百貨店にある一番大きなスーツケースに入れろという指示もあります。
逆探知は自宅に設置していたのですが、6日の午後にサトウという名で漬物工場の事務所に電話がありました。葵町の喫茶あおいで16時半に約束のものを受け取りたいという伝言がなされます。
父・芳男の車の後部座席には追尾班長の松岡が、外からは見えないように毛布の下に寝そべり、さらに追尾班も8台用意しました。
犯人は次々に落ち合う場所を変えます。喫茶あおいに行くと電話がかかり、「国道を北に進み、フルーツパーラー四季で待つ」と言われ、次には雀荘アタリ、八杉市の純喫茶チェリー、カットサロン愛々、大里村野菜直売所、6軒目は根雪山の旅館を指定されました。
その頃にはすっかり日も暮れていました。山間部に追尾車を何台も連ねるわけにはいかず、1台に減らします。三上刑事はその1代の追尾車両に乗っていました。
6軒目で「500m前の橋に戻ると水銀灯の1つにビニール紐が結び付けられてある。その真下にスーツケースを落とせ」という指示があります。
犯人の言われた通りに、雨宮芳男はスーツケースを落としました。

1月7日、午前11時すぎ。
スーツケースを回収しに現れた人物を、張っていた刑事たちが確保しようとしますが、その人物は無関係でした。
スーツケースの中身はすでに空になっており、あとで調べると琴平(ことひら)橋の下流300mのところに「龍の穴」と呼ばれる水中洞窟があり、その穴の手前で犯人は現金を回収し、再びケースだけを流したのではないかと思われました。
この日の早朝、昭和天皇の崩御(亡くなること)のニュースが、全国で大々的に流れます。87歳でした。
天皇崩御の知らせは大きく、午後には続いて「平成」という新たな元号が、当時の内閣官房大臣・小渕恵三によって墨書で示されます。
その後、翔子は廃車場の車のトランクの中で、遺体で発見されました。
しかしこの事件は昭和と平成という時代のはざまで、注目されることもなく埋もれてしまいました…。

平成14年12月4日。
三上義信(みかみ よしのぶ)はこの日、時間を確保して妻・美那子(みなこ)と雪国の警察署の遺体安置室に通してもらいました。
身元不明の女性は、自分の娘・あゆみではありませんでした。安堵の表情を浮かべた三上は、遺体に向かって合掌します。
あゆみは思春期に入り、刑事の父である三上の「刑事ならではの目」を憎むようになりました。やがてそれは自分自身の容姿にも跳ね返ります。
高校生になって不登校に陥ったあゆみは部屋に閉じこもるようになり、ある日、美容整形を望みました。三上が反対すると、あゆみは家出しました。現在は行方不明です。
先日、三上の家に無言電話がかかりました。ちょうど三上が帰宅した直後のことで、妻の美那子が取った電話を奪うように取った三上は、無言電話の相手があゆみだと思い、必死で説得します。電話はしばらく無言を続けてから切れました。
三上家では、その無言電話はあゆみからのものだと思っています。
それ以来、妻の美那子はいつあゆみから電話がかかってきても大丈夫なように、家の中でも常に子機を持ち歩いていました。寝るのもソファで、子機を持っているくらいです。
(劇中で触れられないが、美那子の子機持ち歩きが執拗なこと、歯科治療痕の提出を頑なに拒むことを鑑みると、あゆみが家出してからの期間は1年以内だと思われる。「歯科治療痕の提出」=「娘の死を認める」という抵抗感を除外したとしても。
原作ではあゆみの家出は「半年前」)

12月5日(木)。
警視庁に戻った三上は、部下の諏訪と合流しました。諏訪は「記者クラブは怒っている」と報告します。
かつては刑事部に所属し、刑事だった三上義信は、現在は警務部の秘書課広報室広報官の任務に就いています。 この映画を無料で観る

【承】- 64(ロクヨン)前編のあらすじ2

広報室の仕事は主に、警察に詰めているマスコミたち「記者クラブ」に対し、群馬県警が扱った事件や事故の情報を吸い上げて、情報を精査したうえで提供するというものでした。
情報は当然、「警察が把握していても記者クラブには話せないこと」というものも存在します。
今まさしくその事態に直面していました。
ある主婦が自家用車を運転し、ある老人を撥ねて重傷を負わせる事故が発生しました。
被害者の男性老人は酒に酔い横断歩道ではない場所を通行しており、加害者の主婦は妊娠8か月で母体に障ってはならないとして、加害者の主婦を匿名にしています。
しかし記者クラブは匿名にすることに、何か意味があるのではないかと抗議しました。三上は「書かれない権利もあるのではないか」と言いますが、東洋新聞のキャップ・秋川が他のメンバーを煽って「実名発表をしろ」と訴えます。
加害者を匿名にするというのは群馬県警の上層部の決定事項で、食い下がられても三上には言えません。そもそも名前を知らされていません。
上司である警務部長の赤間からは記者クラブを抑えろと言われ、記者クラブは報道の自由を奪っていると言われ、両者の間に挟まれて三上たち広報室は困っていました。赤間は三上の娘・あゆみの家出事件に「配慮」することで、よけいにプレッシャーを与えます。
赤間が「来週、警察庁長官が視察に来る」と三上に伝えました。通称、ロクヨンの視察です。

ロクヨンとは、雨宮家の少女・翔子の誘拐殺人事件のことでした。14年も前のことで、たった7日間しか存在しなかった昭和64年の出来事なので、「64(ロクヨン)」と呼ばれているのです。その名称には、犯人を検挙できなかった警察側の無念もこもっています。
時効を間近に控えたロクヨンを今一度クローズアップさせる、警察側の熱意を見せるなどの意味も込めての警察庁長官・小塚英克の視察でした。
赤間は三上に、被害者遺族宅への長官の慰問許可を取りつけてくるよう命じます。
三上も当時は刑事として、ロクヨンの捜査に関わっていましたから、雨宮漬物工場は知っています。
14年ぶりに訪問する雨宮家は、精彩を欠いていました。生気の抜けた芳男と会った三上は、芳男の妻・敏子が6年前に脳梗塞で倒れ、昨年他界したことを知ります。
お悔やみを述べた後、三上が用件を話すと「ありがとうございます。ですが、けっこうです」と断られました。断られると思っていなかった三上は、ここで注目されれば新たな情報が寄せられるかもしれないと食い下がりますが、芳男はそれでも断ります。
その態度を見た三上は、芳男が警察のことは眼中になく、むしろ恨みを抱いているのではないかと感じました。

警視庁に戻ると記者クラブが揉めており、「明日の夕方までに加害者の主婦の実名を出さなければ、警察本部長に抗議文を出す」と言います。赤間には「記者の管理が行き届いていない」と責められます。
匿名報道に他に理由があるのかと赤間に聞くと、「加害者は県警公安委員の加藤卓蔵の娘」だと判明しました。やはり隠す理由があったのです。
赤間は「妊婦が撥ねた老人は1時間前に死んだ」と付け足しました。
三上は記者クラブを煽動する東洋新聞を懐柔する作戦を考えます。秋川の上司・梓という支局のデスクに連絡をし、別の事件でスクープを与えると交渉しました。
梓は話に乗ってきました。三上は、「美術館の談合事件で八閣建設の専務を聴取に呼んでおり、逮捕は時間の問題だと秋川に伝えてくれ」と言います。

12月6日(金)。
東洋新聞の秋川は、態度を硬化させたままでした。東洋新聞は談合事件のネタで他者を抜きます(スクープを出した)。
三上が秋川懐柔のために出したネタは、身体を壊して異動になる前の梓が自分の餞別として利用しました。秋川の手柄を梓が横取りしたわけです。
実名は出せず、記者クラブのメンバーは大挙して本部長のところに押しかけました。
入ろうとする秋川たちを制止しようとした三上は、揉み合いになった際に不可抗力で抗議文を破ってしまいますが、これが記者クラブの怒りを煽り、マスコミたちは翌週の警察庁長官の視察のぶらさがり(記者が長官を取り囲んで取材すること)をボイコットすると言って立ち去ります。

12月7日(土)。
広報を部下の蔵前に頼み、三上は被害者遺族の説得に回ります。
雨宮がなぜ警察に心を閉ざしているのか知りたい三上は、父親の死を契機に早期退職し、農業をしている当時の捜査員・望月に会いに行きました。そこで、意外なことを聞きます。
自分よりも先に警務部警務課調査官・二渡真治(ふたわたり しんじ)が望月に会いに来ており、望月は三上のことを「二渡を追い払ったから出てきたんだろう」と思っていたのです。「幸田メモを聞きに来たのか」と言われた三上は、幸田メモなるものを調べようと考えます。
(映画『64(ロクヨン)』では三上が主人公なのであまり触れないが、二渡シリーズも有名。二渡は人事権を持ち、簡単に言うと警察内部のことを調べる仕事に就いている)

【転】- 64(ロクヨン)前編のあらすじ3

三上はその足で、ロクヨン時代に追尾班長を務め現在は刑事部捜査一課長の松岡勝俊(まつおか かつとし)に会いに行き、幸田メモのことを尋ねました。幸田メモが緘口令を敷かれている(口外してはならない)ことを知ります。
廊下でロクヨン担当だった婦警・村串みずきに会った三上は、雨宮家で当時、科捜研から派遣された日吉浩一郎が泣いていたと聞きました。日吉の自宅へ行きます。
日吉の母は、日吉がロクヨンの事件以降14年間もひきこもったままだと答えました。自分たち家族も会っていません。
人の役に立ちたいと言ってNTTから転職した日吉は、どうやら現場で無能呼ばわりされたそうです。
廊下で会ったみずきが三上の携帯に電話してきて、妻・美那子のことを聞きました。美那子も元婦警で、当時の捜査でも現金受け渡し場所で客の振りをしていました。
(村串)みずき宅、松岡宅、美雲にも今年に入って無言電話があったと聞きました。

12月8日(日)。
幸田というのは、ロクヨンの事件当時に捜査員として自宅班に配置された幸田一樹のことだと思った三上は、「幸田メモ」=「幸田が出した報告書」と推理します。
同じく当時の事件を担当していた柿沼に会いに行った三上は、柿沼の視線の先に、警察を辞めてスーパートクマツの警備員をしている幸田を見つけました。柿沼は14年間、幸田を見張っていたのです。
観念した柿沼は、幸田メモの内容を話しました。
これはごくごく一部の者しか知りませんが、ロクヨンの事件発生当時、犯人の声を録音し損ねたミスがありました。
公式発表では犯人からの電話は「自宅に2回、工場に1回」とされていますが、本当はもう1本あったのです。それは追尾班到着の少し前でした。
逆探知を始めようとした日吉が機械トラブルを起こし、手間取っているうちに父・芳男が電話を取ってしまいました。
警察がその事実を隠蔽したことから、芳男は警察に不信感を抱いていました。
ミスをした日吉は漆原から「娘がもし万が一のことになったら、お前のせいだ」と罵られました。無能呼ばわりの中身です。
幸田はその報告を上層部にあげたのですが(これが「幸田メモ」)、自宅班長・漆原が「ホシが挙がれば丸く収まる。口外するな」と揉み消します。
そして余計なことを言わないよう、警察を辞めた幸田を見張ることが、歴代刑事部長の申し送り事項となりました。
あまりにもひどい警察の仕打ちに三上は憤りを覚えつつ、幸田に会います。話しかけますが、幸田の家族が迎えにきたために、あまり話をできないままでした。しかし幸田は三上に笑顔を見せました。

三上は再び雨宮宅に行きます。改めて仏壇に手を合わせると、そこには幸田の香典がありました。幸田は今でも雨宮に挨拶に行っているようです。
新たに知った幸田メモなどの事実、警察のあまりにすげない態度…。家出した娘・あゆみの安否を知りたい三上は、娘を亡くした芳男の気持ちが痛いほど理解できました。
仏壇に手を合わせながら思わず咽び泣いてしまった三上は、このままでは警察官として職務を全うできないと思い(私的な感情が混じってしまったため)、「出直してまいります」とこうべを垂れ、辞去を乞いました。
雨宮が三上を追って門扉まで来ました。雨宮も気づくところがあったのでしょう。「お子さんは?」と三上に問いかけ、「ひとり、娘がおります」と答えた三上に対し「構いませんよ。木曜日でしたね。お待ちしております」とてのひらを返すように前言を撤回し、警察庁長官の視察を受け入れました。
(注:本当は理由が別にある。雨宮は三上家の事情を知っており、娘のあゆみが家出していることも知っている)
難航するかと思われた遺族への説得があっけなく通ったことに、三上は安堵しつつ拍子抜けもしていました。
記者クラブとの関係がどうなったか諏訪に電話をすると、諏訪は通信2社を接待している最中でした。部下の婦警・美雲も接待に参加しています。
それを聞いた三上は、直接的には言いませんが美雲をホステス代わりに使うなと叱咤しますが、美雲の意志で参加したと聞きました。
三上は美雲を連れ戻しに店まで行きますが、美雲に責められます。「汚い警察内部の中で、私を綺麗な部分に使わないでくれ」と言われました。

12月9日(月)。
「警官が女性拘置人にわいせつ行為」という内容が古川署からのリークで、東洋新聞の秋川に流れました。先日、談合事件の内容を警務部が洩らしたことへの、刑事部の意趣返しです。

【結】- 64(ロクヨン)前編のあらすじ4

刑事部と警務部には確執がありました。事件の捜査をする刑事部に対し、人事や警察職員の不祥事を取り締まる仕事もする警務部は、煙たい存在でした。それもあって2つの部署は互いに疎んじています。
刑事部長の荒木田に呼ばれた三上は、今度の長官視察の真の目的が「ロクヨンの解決」などではなく「群馬県警の刑事部が東京の天領となる」契機なのだと知りました(ロクヨンを解決できないことを名目にして、群馬県警の刑事部長に現場の叩き上げの刑事を据えるのではなく、警察庁人事によってキャリア組を配置しようとしている)。
やけ酒を煽って三上が自宅に帰ると、家の前で幸田が待っていました。
幸田は三上に「僕は今、長い悪い夢から覚めた気分です」と言って去ります。どういう意味か三上が聞いても、幸田は答えませんでした(発言の意味は後編で判明)。
妻の美那子に結婚を悔いていないか聞いた三上は、美那子に「私は人に好かれたくて警官になった。あなたは違った。人のことを、自分のことのように考えていた」と言われます(人間的に最大限に尊敬しているという意味)。

12月10日(火)。
三上は出勤前に日吉宅へ置き手紙を託しました。母は日吉の部屋の扉の下からそれを差し入れます。
開いた日吉はただ一行「君のせいじゃない」という文字を見て号泣しました。
自動車事故の主婦の匿名問題はこじれにこじれていました。
三上は、記者クラブに実名発表を原則とする約束をしようと決めます。蔵前、諏訪や美雲は土下座でお茶を濁し、玉虫色(うやむや)がいいと言いますが、三上の決意は揺らぎませんでした。
記者クラブの前に立ち、三上は「これからは実名を原則とする」と言い、交換条件はない(長官のぶらさがりを強要しない)と言います。三上の判断で決めたとも添えました。
但し「原則」としたのは、「たとえば俺は、レイプ被害者の名を言いたくない」と例を挙げます。
東洋新聞の秋川は「『原則』を外せ」と突っぱねますが、他のメンバーは「一考に値する」と態度を軟化させました。
県警の誠意をみせろといわれ、三上は先の主婦の実名を発表します。
被害者は銘川亮次、加害者は菊西華子、華子はキングセメントの会長の娘で、被害者が死亡したことも赤裸々に述べ、華子は事故のショックで錯乱状態だと付け加えました。
やっぱり都合の悪いことを隠していたと秋川は食ってかかりますが、三上は「じゃあ次の奴(三上が辞任して次に広報官になる人物)と一からやりあえ(戦え)」と流し、さらに詳しい情報を述べます。
出勤前、三上は日吉宅だけでなく、被害者の銘川宅も見に行っていました。
被害者の銘川は北海道苫小牧出身で、二十歳前に群馬に職を求めてやってきて、以来ねりもの工場に40年勤務し、現在は年金暮らしをしていました。
8年前妻とも死別し、子はおらず、賃貸のアパートに住んでいました。
月に1度の楽しみが立ち飲み屋で飲むことで、その帰り道に事故に遭いました。
姉はすでに死亡しており、遠縁は遺骨の受け取りを拒否しています。
多くの人が銘川の死を知らない…ここまで話したところで、三上は話題をロクヨンにスライドさせます。
雨宮家の少女誘拐殺人事件は天皇崩御にまぎれ、知られずに時間だけが経過したこと、しかし遺族はまだ昭和64年の7日間に取り残されている、そう訴えた三上は「長官の取材を受けてほしい。俺個人のお願いだ」と言って場を去りました。
記者クラブのメンバーは三上の熱弁に心を打たれ、「長官の取材は承諾する、新しい広報官は必要ない、それがクラブの総意」という結論を出し、質問書を提出します。

12月11日(水)、視察前日。
今一度、視察当日の長官のスケジュールを確認していた三上の耳に、刑事部捜査一課の机がもぬけの殻だという知らせが入りました。
三上は、何か大きなヤマ(事件)が起きたと感じ、捜査一課に走ります。
残っているのは電話番1名・橋元のみで、部長以下全員がいませんでした。
刑事部の部長と捜査一課長がこそこそしている場所に行った三上がドアを開けると、警務部以外の全セクションがフロアに集合していました。
刑事部捜査一課次席の御倉(みくら)が「報道協定を締結してほしい。誘拐事件発生。犯人はサトウと名乗る人物で2000万円を要求している。丸越百貨店の一番大きなスーツケースを指定しています」と言います。
三上はその言葉を聞きながら、これはロクヨンの再来、再現だと気づきました…(映画『64(ロクヨン)後編』に続く)。

(引き続き映画『64(ロクヨン)後編』の予告。6月11日(土)全国ロードショー)

みんなの感想

ライターの感想

原作を知らなくても充分ついていける内容にしているのが、すごい。
キャストも豪華。
実のところ…原作では『64(ロクヨン)前編』はこの映画でカットされた「刑事部と警務部の確執」がびっしりねっとり描かれている。
その分、ストーリーの勢いは原作はそがれてしまっている。それを映画では上手にカットしているため、無駄がない。
ロクヨンの事件の把握、記者クラブとの騒動、刑事部と警務部の確執…これらが全部盛り込まれているので、大変っちゃ大変。
でも理解しておくと、後編はぐっと理解しやすいし、後編は誘拐事件について扱うぶん、面白いと思う。

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