ミスト

「ミスト」のネタバレあらすじ結末

ミストの紹介:スティーブン・キングの同名小説(和訳タイトル『霧』)が原作の、パニックホラー映画。フランク・ダラボン監督にとって、キングの三作目の映像化作品。うっそうとした霧の中、未知の生物と人間同士の集団心理に追い詰められていく恐怖を描く。原作と異なるラストは世界中で賛否両論を引き起こした。

映画「ミスト」のネタバレあらすじを結末まで解説しています。まだ映画を観ていない方は「ミスト」のネタバレあらすじに注意ください。

予告動画

ミストの主な出演者

デヴィッド(トーマス・ジェーン)、ステファニー(ケリー・コリンズ・リンツ)、ビリー(ネイサン・ギャンブル)、ダン・ミラー(ジェフリー・デマン)、ミセス・カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)、アマンダ・ダンフリー(ローリー・ホールデン)、アイリーン(フランシス・スターンハーゲン)

ミストのネタバレあらすじ

【起】- ミストのあらすじ1

デヴィッド・ドレイトンは妻・ステファニーと8歳の息子・ビリーと3人で、アメリカの都市郊外にある湖の近くに住んでいます。
デヴィッドは自宅の2階の一室をアトリエにしており、ニューヨークやワシントンではそこそこ名の通った有名な画家でした。
ある夜、デヴィッドたちの住む地域を大嵐が襲いました。激しい雷雨に加えて雷鳴がとどろき、家は停電します。
翌朝、嵐はやみましたが、アトリエは倒木で窓ガラスが割れ、絵が台無しになっていました。
締め切りを延ばしてもらうために電話をかけようとしたデヴィッドは、電話線が通じていないことに気づきます。停電も復旧していません。
裏庭にあるボート小屋も、倒木でぺちゃんこになっていました。湖の上には、大きな霧がかかっています。
締め切り延期の電話をかけるのと修理用具の買い出しをするため、デヴィッドは息子・ビリーとニューヨークで一流の弁護士をする隣人の黒人男性・ノートンを車に乗せ、町の大型スーパーに出かけました。妻・ステファニーは留守番をします。
スーパーに行く途中で、デヴィッドたちは電力会社や軍隊の車とすれ違いました。ノートンとデヴィッドは、じき電気も復旧するだろうという会話をします。
スーパーマーケットに行ったデヴィッドは敷地内の駐車場に車を止め、息子・ビリーに買い物メモを渡すと、ノートンと先にスーパーに行かせ、公衆電話を使いました。しかし公衆電話も通じず、締め切りを延ばす連絡ができません。
店内に入ったデヴィッドは、スーパーにいつもより客が多くいるのを見ました。どうやら皆同じく買い出しのために集まっているようで、レジも盛況です。
『史上最大の雷雨』の文字が新聞記事の一面を飾り、混雑する店内は客のおしゃべりで騒然としていました。休暇中の軍人3人もいます。
スーパーの外をサイレンを鳴らしながらパトカーと消防車が通過し、その後、警報のサイレンが鳴り響きました。
サイレンと共に鼻血を出した初老の男性・ダンが店内に駆け込みながら、「霧(ミスト)の中から何かが現れた!」と言います。
外を見ると早くもスーパーの駐車場が霧で覆われ始め、あっという間に町が濃霧に包まれました。ダンと入れ替わりに外に出た男性の悲鳴が聞こえ、皆はスーパーの扉を閉めます。
スーパー全体が突然、揺れました。揺れは1分ほどでやみましたが、天井の板が剥がれ落ち、天井にぶら下げた蛍光灯が派手に揺れました。
情報が錯綜します。「地震だ」と言う人もいれば、「霧は隣町の工場から出た化学物質の雲で、化学薬品が爆発した衝撃で揺れたのだ」と言う人もいます。
狂信的な女性信者・カーモディは「とうとう最後の審判の日がきた」と声高に叫びました。
弟の面倒を8歳の娘にみせているという女性が家に残してきた子どもたちを心配し、誰か家まで送ってくれと呼びかけますが、誰も反応しません。女性は制止を振り切って、霧の中を去っていきました。

【承】- ミストのあらすじ2

デヴィッドはビリーを抱っこしてあやしながら、霧が晴れるまで様子見でスーパーの中に留まることにします。
スーパーの客はてんでに座って休み始めました。デヴィッドは学校教師をする金髪女性・アマンダと、眼鏡をかけた初老の女性・レプラーと同じ場所で休みます。
ビリーは不安で赤ちゃん返りし、少し発熱しています。携帯電話も通じずラジオもない状態で、店内は不安で満たされました。
ビリーに毛布を用意しようとスーパーの裏手倉庫に回ったデヴィッドは、発電機がショートして煙を出すのを見つけて、停止させます。発電機を停止させたので、倉庫内は停電が起きました。
携帯電話のライト機能で照らしながら倉庫をチェックしたデヴィッドは、シャッターが何かに押されて波打っているのを見ます。
発電機から煙が出たのは、外の排気口が詰まっているからだとし、若い男性店員・ノームがシャッターを開けて外に出ようとしました。開けたら何か入って来るとデヴィッドは忠告しますが、中年男性・マイロンとノームはデヴィッドの発言を無視します。
シャッターを1mほど開けたところで、外から巨大なタコの触手のようなものが現れて、ノームの足に絡みつきました。その触手は吸盤の代わりにトゲが生えており、巻きつかれると肉が削げ落ちます。
慌ててデヴィッドはノームの手を取り、デヴィッドと親しいスーパー副店長・オリーが斧で触手を退治しようとしましたが、間に合わずにノームは霧の中に飲み込まれました。
シャッターを慌てて閉め、最後に挟まった触手をオリーは斧で切断します。発電機を再稼働させることは断念しました。
濃霧の外に何か異形の物体がいることを客に告げようと、デヴィッドとオリーは考えます。それには説得力を持つ人物が必要で、ニューヨークの一流弁護士・ノートンに頼もうとデヴィッドは考えました。
しかしノートンは異形の物体の存在を信じず、証拠を見せるから倉庫に来てくれと言っても応じません。
副店長・オリーが店にいる客に「霧の中に危ない何かがいる」と説明しますが、抽象的すぎてやはり誰も信じませんでした。店長・バドは客を動揺させるなと、オリーを叱ります。
バドはじめ有志4人が倉庫にある触手を見に行き、事態を信じて態度を豹変させますが、後の客は不安に苛まされるばかりでした。
客の中に4つの派閥ができます。
・外に出たい人たち…ノートン筆頭に十数名
・状況を把握して、臨機応変に対応したい人たち…デヴィッド、ビリー、オリー、アマンダ、レプラー、バド、ダン
・最後の審判の日を受け入れる人たち…カーモディ筆頭に
・特に何も考えていない人たち…無所属、これが目下大半(のちにカーモディに合流)
最初は「特に何も考えていない」派が圧倒的多数です。カーモディは終末論を騒ぎ立てますが、誰も聞いていません。
スーパーの表口が前面ガラス張りなので、客は手分けして肥料袋やドッグフードを土嚢代わりに積みました。

【転】- ミストのあらすじ3

夜が近づこうとしていました。デヴィッドたちは液体燃料とモップでたいまつを作ります。アマンダが夫に持たされた護身用の銃を、州の射撃チャンピオンの腕前を持つオリーが持つことにしました。
ノートンは陣営を作り、救援を求めに出て行くと言い出しました。意志の固い一行を止めることができず、デヴィッドたちは陣営の最後の初老男性の腰にロープを巻きつけます。どこまで行けるかを確かめるためでした。
ノートンを先頭にした十数人の人たちは、一列になって町の中心部めざして歩き始めます。最後の人が消えてからも、ロープはしばらく動いていましたが、ある時急にぽとっと垂れさがりました。次の瞬間、ロープはスピードを増し、持っていたデヴィッドの手が切れるほどの勢いで動きます。男数人でロープを引っ張るつなひき状態で、やがてロープは宙高く持ち上げられます。
反応がなくなったロープをおそるおそる手繰り寄せると、ある地点から血染めのロープになり、先端についていたのは男の下半身だけでした。皆はおろおろし、ドアを閉めます。
夜になりました。灯りは緊急用に取っておこうということになり、ろうそくの火で夜を過ごします。
スーパーの駐車場は別回線になっており、タイマーで駐車場が明るく照らされました。ただし濃霧なので何がいるかは見えません。
駐車場の光に誘われて、異様な物がやってきます。体長50cmを超す巨大イナゴ(但し足は8本で別に翅もあり)や、それを捕食しようとする翼竜のようなもの(体長2mほど)が店内に入りました。
スーパーの若いレジ店員・サリーは巨大イナゴに首を噛まれ、毒でぱんぱんに腫れて死にます。ジョーがたいまつで翼竜に火を放ちますが、ジョー自身も火を浴び、翼竜は炎をあげつつ店内を飛び回ったので、消火に追われました。たいまつプランはよくないと判断をくだします。
短髪の初老女性・ハティは服毒自殺しました。動揺を悟られまいと、ハティの遺体はこっそり隠されました。
やけどを負ったジョーのために、抗生物質や痛み止めの薬が必要になります。薬局は隣にありました。
デヴィッドはジムとオリー、レプラーらと共にゆっくり薬局へ移動しました。薬を手に入れましたが、薬局内にMP(アメリカ軍陸軍憲兵隊)の黒人男性が蜘蛛の巣に絡め取られており、まだ息がありました。
救おうとしたデヴィッドたちですが、MPの男性は蜘蛛の糸で頑丈に柱に固定されており、男性は謝罪し続けます。やがて男性の腹や口から大量の子蜘蛛が孵化しました。親蜘蛛は50cm~1mほどあります。
蜘蛛が放つ糸は固く、触れると布が溶け、1mの巨大蜘蛛を初老女性・レプラーがスプレーとライターで退治し、慌てて退散します。

【結】- ミストのあらすじ4

薬局から戻ると、店内のムードはすっかり変わっていました。精神バランスが崩れ、終末論を唱える中年女性・カーモディが客を支配するようになっています。
デヴィッドたちは店を出て、デヴィッドの車で脱出しようと考えました。そのために詳しい情報を得たく、MPの軍人が謝罪していたことから、休暇中の3人の軍人に聞きにいきます。
軍人のうちモナレスとドナルドソンは首吊り自殺していました。ジェサップ2等兵は「MPの話をしたら、死にたいと言っていた」と言います。
カーモディの信者になったビルに連れられたジェサップ2等兵は、皆のいる前で「アローヘッド計画」について説明させられました。
この世界は異次元の世界に囲まれていて、そこに「窓」を開けて観察しようというのが計画の内容です。ところが事故で「窓」が「扉」となってしまい、向こうの世界の生き物がこちらの世界に来てしまったのでした。
カーモディはジェサップ2等兵を責め立て、ビルがジェサップ2等兵の腹を包丁で刺すと、客たちが胴上げしてジェサップ2等兵を店の外に出します。高さ5~6mある超巨大カマキリの前足に捕らえられ、ジェサップ2等兵はガラスの扉に手の痕だけ残して消えました。
いよいよまずいと思ったデヴィッドは、皆と早朝に逃げ出すことを決めます。朝早くに食料を持って逃げようとしたデヴィッドは、包丁を持って見張っていたカーモディと信者に取り囲まれました。信者たちは少年・ビリーを生贄に差し出せと言います。
オリーが発砲し、弾はカーモディの腹と眉間に当たりました。信者が呆然としている隙に、デヴィッド、ビリー、オリー、アマンダ、レプラー、ダン、マイロン、バド、コーネルが逃げ出します。
駐車場でオリーが巨大カマキリにやられ、巨大蜘蛛にマイロンとコーネルが倒されます。バドは車に間に合わず、店内に引き返しました。
車に乗れたのはデヴィッド、ビリー、アマンダ、ダン、レプラーです。
デヴィッドは妻・ステファニーを迎えにドレイトン家に行きましたが、妻は蜘蛛の巣に絡め取られて既に死んでいました。大嵐でアトリエのガラスが割れたのを修復できずにいたので、家の中にいても災難から逃れられなかった模様です。息子・ビリーは疲れて眠っており、母の死を知りません。
そのまま一同はガソリンの続く限り車を走らせました。道中、スクールバスやパトカーがありますが、みな蜘蛛の巣が張られています。
地響きがして車を止めると、数十メートルはあろうかという6本足の何かが通過していました。胴体にはひょろ長い毛が生えていますが、高すぎてどんな形状をしているのか見えません。
やがてガス欠になりました。車内に重い沈黙が立ちこめます。ビリーは眠っており、あとの大人が考えることは皆同じ…自殺…でした。
しかし銃弾は4発しかありません。デヴィッドは「僕は何とかする」と言い、他の4人(息子・ビリーも含む)を射殺します。
4人を殺して号泣するデヴィッドは、車外に出て「来い!」と生き物に向けて声を限りに叫びました。遠くで鳴き声のようなものが聞こえます。
やがて…ゆっくりと戦車が姿を現しました。事態を呑み込めずあっけにとられるデヴィッドの横を、軍が救助した人たちの車や装甲車が次々と通過します。
救助された中には、霧が出た時に最初に家にいる子どものために店を出た女性の姿もありました。
軍隊は火炎放射器で、蜘蛛の巣を焼き払いながら進みます。最初に霧も晴れてきました。
もう少し救助が早ければ、いや、もう少し自殺を待っていれば…そう思いながら慟哭するしかないデヴィッドを、救助の軍人2人が後ろで困りつつ見守っていました。

みんなの感想

ライターの感想

「セブン」に並ぶ救いのない作品です。こういうモンスターものは、主人公がモンスターをやっつけてメデタシメデタシが定番だと思うのですが、そういう展開は全く期待できません。スーパーに閉じ込められた極限状態での人間の醜さ、特に狂信的な人物が最初は皆から馬鹿にされているのに、状況悪化と共に徐々にカリスマ性を持ってゆく所が最高に恐ろしいです。
そして、主人公は、生き残る可能性を信じて精神的にまともな人と共に勇気を出して脱出します。しかし、結局、主人公は、一緒に来た人間(息子も含む)を殺し、自分だけ生き残る事になってしまいます。そして霧の向こうから軍によって助けられた人々が彼の目の前に。まさに衝撃のラスト。原作はそういう結末ではないのですが、キングはこの映画の結末を賞賛したそうです。
現実の世界では正義や勇気も不条理の前で意味をなさない方が多いもの。その事を暗示しているようで、最高に後味の悪い作品です。

ライターの感想

見終わったあと、やりきれない思いになる作品です。それは結末に集約されるわけですが、それに至る過程においても随所にみられます。
閉鎖された空間、外で何が起きているか情報が入って来ない重苦しさ、それがいつまで続くか判らない不安感と焦燥感、
その中で徐々に皆の精神が崩れていき、普段だったら流れない方向に容易に傾いてしまう。
主人公と対極の立場にあるのがカーモディです。カーモディは最初から声高に世界の終末論を唱えます。
最初は耳を傾けなかった人たちも、何度も聞かされているうちに徐々にその気になる。
さらに(あらすじでは触れませんでしたが)巨大イナゴがカーモディに止まったのに刺さなかったという偶然。
(刺されたサリーは首筋の皮膚に直接止まったイナゴ。カーモディの場合は「服」に止まった。
衣服に止まったから刺されなかったのではないかと、私は推測する)
そういうのも相俟って、徐々に皆カーモディを盲信するようになってしまう。
生理的な嫌悪感を想起するグロテスクな昆虫も出てきますが、本当の怖さは
「人々が得体のしれない恐怖に陥れられたときに、いとも簡単に自我が崩壊する」怖さを描いたところにあると思います。

    くろちゃんさんの感想

    いままで見た映画のなかで、一番後味の悪いシナリオです。

    安曇野ベースさんの感想

    アメリカの映画で、ハッピーエンドじゃない映画を、初めて見ました。

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