「世界で一番ゴッホを描いた男」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

ドキュメンタリー映画

世界で一番ゴッホを描いた男の紹介:2016年制作のオランダ・中国合作のドキュメンタリー映画。中国・大芬(ダーフェン)の街で、フィンセント・ファン・ゴッホの複製画を20年間描き続けている男性が、本物のゴッホの絵を見るためにオランダを訪れるまでを描いている。日本公開は2018年。

あらすじ動画

世界で一番ゴッホを描いた男の主な出演者

チャオ・シャオヨン、チョウ・ヨンジウ

世界で一番ゴッホを描いた男のネタバレあらすじ

【起】– 世界で一番ゴッホを描いた男のあらすじ1

世界で一番ゴッホを描いた男のシーン1

画像引用元:YouTube / 世界で一番ゴッホを描いた男トレーラー映像

フィンセント・ファン・ゴッホが、弟のテオドルス・ファン・ゴッホに宛てた手紙の一文が紹介されます。

「親愛なるテオ 僕は近くへと歩んでいるつもりだが、それは遠いのかもしれない」

上半身をむき出しにした男性の画工たちが、狭い工房で『ひまわり』などのゴッホの名画を黙々と描く姿が映し出されます。

中国南部の深圳(しんせん)市にある大芬(ダーフェン)は、世界最大の「油画村」と呼ばれていました。1989年に香港の画商の黄江(ホアン・ジエン)が、20人の画工を連れてきたことが村の始まりとされており、現在では1万人以上の画工が働いています。

ダーフェンの工房で作られた数百万点の油絵は世界中で販売され、その総額は2015年時点で6500万ドルを超えていました。

湖南省出身の趙小勇(チャオ・シャオヨン)も、油絵制作の工房を持つ主人です。これまでに10万点以上ものゴッホの複製画を、家族や弟子と共同で制作してきました。

シャオヨンは1996年に出稼ぎでダーフェンを訪れ、そこで初めてゴッホの存在を知り、テレビや本を見て彼の筆使いを学んだといいます。

シャオヨンはオランダのアムステルダムにある画廊と、長年取引していました。

ある日、『夜のカフェテラス』が200枚、『ひまわり』が100枚以上、『星月夜』も100枚以上と、大量の注文が入ります。彼は筆を動かす画工たちに期間は40日以内だと声をかけて、自身も黙々とゴッホの自画像を描いていくのでした。

シャオヨンは20年間独学でゴッホの油絵を描き続けたことで、本当に勉強になったと話します。

また、扇風機が数台あるだけの狭い工房で、家族や弟子たちと寝食を共にしていることも語りました。

広東省出身の周永久(チョウ・ヨンジウ)の工房でも、30万点もの複製画が作られてきました。

ヨンジウがダーフェンへの移住を決めた1991年、周囲には大勢の絵描きがいたものの、彼自身は油絵を見たことすらなかったといいます。

多忙を極めていた頃は、一日中流れ作業のようにゴッホやモネの作品を描き続けていました。

ある日、画工たちが大量の複製画を外へ運び出します。

絵を1枚ずつ重ね合わせて巻き上げたり、額に入れたり、段ボールに詰める作業が手際よくおこなわれます。これらは全てアムステルダムへと送られていくのです。

シャオヨンはアムステルダムの顧客と出会い、いつかゴッホ美術館へ行く夢ができたと語ります。彼は本物の絵からゴッホの当時の心に触れて、何らかの気づきを得ることが、今後の目標を明確にする手立てになると考えていました。

しかし、シャオヨンの妻はオランダ行きを猛反対します。

今さらあきらめられないと食い下がるシャオヨンでしたが、妻は現在の経済状況で渡航費を捻出できるはずがないと諭すのでした。毎日家族全員で絵を描いて稼げるお金が月に数千元で、渡航費には2万元必要だったのです。

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