「白い暴動」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

ドキュメンタリー映画

白い暴動の紹介:2020年製作のイギリス映画。1970年代後半イギリスにて起きた、人種差別撤廃や不平等への反抗を訴える運動ロック・アゲインスト・レイシズム(RAR)を追う社会派音楽ドキュメンタリー。ザ・クラッシュらが賛同、約10万人による世紀の大行進と音楽フェスを実現した若者たちの活動に迫る。監督は、 BBC でドキュメンタリーを手がけてきたルビカ・シャー。第70 回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門正式出品作品。BFIロンドン映画祭 2019最優秀ドキュメンタリー賞受賞。ブロードキャスターのピーター・バラカンが字幕監修を担当した。

あらすじ動画

白い暴動の主な出演者

レッド・ソーンダズ ロジャー・ハドル ケイト・ウェブ ザ・クラッシュ トム・ロビンソン シャム69 スティール・パルス

白い暴動のネタバレあらすじ

【起】– 白い暴動のあらすじ1

白い暴動のシーン1

画像引用元:YouTube / 白い暴動トレーラー映像

「RAR(説明は後述)」という文字のネオンサインが輝きます。ステージの上で、数人の男性が小競り合いをしています。「これは文化活動だ」と主張する男もいます。「カーキ色の奴らに占領されていいのか。我々の国を取り戻せ」と語気荒く語る者もいます…。

(映画タイトル)

第2次世界大戦後、イギリスでは海外からやってくる移民の受け入れを行なっていました。そのあとさらに時間が経過し、1970年代のイギリスは経済が長期的に停滞していました。国全体に閉塞した感情が蔓延し、国民には不安と不満が蓄積しました。「英国病」と呼ばれるほど、経済が破綻していたのです。

その気鬱なムードをどこかに責任転嫁しようと考えて台頭したのが、「NF」ことイギリス国民戦線です。極右政党のNFは、のちに当時の国民らに「ネオナチ」とも呼ばれることになりました。

NFが掲げたのは「白人至上主義」です。白人が多いイギリスの国では、戦後の経済悪化の原因を「海外からやってきた移民たち」「有色人種」のせいだとしたのです。そう思わせることで、NFはイギリス国民のガス抜きを行なおうとしたのです。

下院議員の政治家イーノック・パウエルは、その主張を声高に訴えました。白人至上主義を掲げ、移民を受け入れ続けるといずれ移民らにイギリスが占領されてしまうと非難したのです。パウエルの主張はいまでは極端なように思えますが、1970年当時の国民らにとっては好意的に受け取られ、NFは支持率が上昇しました。

NFに影響を受けて、同じようなことを言うミュージシャンも現れました。エリック・クラプトンなどがそうで、彼はステージの上でライヴの最中に白人至上主義に関して賛成の意を表しパウエル議員を支持すると表明していました。

クラプトンは観客に「この国は10年後に植民地となる」と発言したそうです。

デヴィッド・ボウイなども、当時は差別発言をしていました「ファシストを国のリーダーにする時期だ」などと言ったそうです。

パウエルは策士でした。当時のパウエルのデモ行進のルートも巧妙に計算されていたのです。移民たちのことを「侵略者」と言い、群衆の気持ちを煽ることに長けていました。

NFを支持する者たちはその勢いに乗じ、有色人種、殊に黒人たちに差別を行なうようになります。「ネオナチ」と言われるゆえんでもありますが、彼らは有色人種を蹂躙し、人権を無視する振る舞いをしていました。とにかく徹底した排外主義に偏っていました。

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