映画:スーパー!

「スーパー!」のネタバレあらすじと結末

スーパー!の紹介:「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のジェームズ・ガンが、2010年に監督した作品。自分はヒーローになるべきだという神の啓示を受けた冴えない中年男が、強引にヒーローとなっていく様を、狂気に満ちた描写と共に描き出す、問題作。

あらすじ動画

スーパー!の主な出演者

フランク/クリムオン・ボルト(レイン・ウイルソン)、リビー/ボルティー(エレン・ペイジ)、サラ(リヴヴ・タイラー)、ジョック(ケヴィン・ベーコン)

スーパー!のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- スーパー!のあらすじ1

スーパー!のシーン1 冴えない中年男のフランクは、これまでの人生で、たった2回だけ起きた「完璧だった出来事」を絵に描いて壁に貼り、毎日それを見ることで自分を励ましていました。ひとつは妻のサラと結婚したこと、もうひとつは泥棒を追いかけている警察官に道を教えたことでした。しかし2つのうちのひとつ、妻のサラがフランクを置いて出て行ってしまいます。サラはフランクと知り合う以前は麻薬常習者で、やっと薬を絶つ日々を送れるようになり、フランクと結婚したのでした。しかしいつの間にか再び麻薬に手を出すようになり、町で麻薬を仕切っている、ギャングのジョックという男の元へ行ってしまったのでした。
警察に相談に行っても、「奥さんが自分で決めたことでしょう」と取り合ってもらえません。失意に沈むフランクは、ペットショップに行きウサギを飼おうかと考えますが、自分の手の中で何の疑いもなく佇む小さなウサギを見て、「自分といるのは可哀想だ」と飼うのを断念します。フランクはその夜、たまたま見ていたテレビで放送していた、ヒーローの番組に見入ります。そのヒーローは、「私が強いのではない、神のパワーが助けてくれるのだ」「戦う前から諦めていてはダメだ!」と、まるで今のフランクに語りかけるかのように決めゼリフを発するのでした。
これにすっかり感化され、フランクは、思い切ってジョックの元へ向かいます。ジョックと店から出てきたサラは、麻薬の打ちすぎで目もうつろになっていました。なんとかサラを連れ帰ろうとしますが、ジョックの部下たちにより、フランクはボコボコに殴られてしまいます。

【承】- スーパー!のあらすじ2

スーパー!のシーン2 傷だらけで家に帰ったフランクは、その夜幻覚に襲われます。小さい頃から家の中にキリストがいたり、いじめをする同級生の顔が悪魔に見えたりと、幻覚をよく見ていたフランクでしたが、この日の幻覚はケタが違っていました。部屋の壁から伸びた触手がフランクの頭を「パカッ」と切り開き、むき出しにした脳みそに、大きな「神の手」が伸びてきて、指先で触れたのです。テレビに出ていたヒーローが、フランクに「神の指先が、わずかだが君の脳に触れた。これは偉大な出来事だ」と告げます。
幻覚から覚めて、フランクは全ては妄想だったのかと思いましたが、幻覚の中でヒーローが示してくれた図形だけは覚えていました。それは、赤いマスクの形をしていました。そして、テレビの中でヒーローが主張します。「私は特別ではない。悪を憎む心が、私をヒーローにするのだ。」フランクは、これは神の啓示だと信じ、テレビのヒーローが示した赤いマスクを元に、自分だけのヒーローの衣装を作ります。お手製の真っ赤な仮面とコスチュームに身を包んだフランクは、「クリムゾン・ボルト」と名乗り、町の平和を守るために立ち上がるのでした。
まずフランクは、街角に潜んでじっと「事件」が起きるのを待ち続けましたが、あいにくこれといった事件は起きません。そこでフランクは、麻薬の取引がよく行われているという場所を調べ、そこへ向かいます。物陰で待ち伏せていたフランクは、売人が若者に麻薬を渡したところへ殴りかかります。しかし、そこへやってきた売人の仲間と共に、ボコボコにされてしまうのでした。

【転】- スーパー!のあらすじ3

スーパー!のシーン3 武器が必要だと考えたフランクは、コミックの販売店に行き、店員に「特別なパワーのないヒーローが、武器を使う漫画があるか」と聞きます。若い女性店員は、フランクに色々と親切に、武器を使うヒーローについて教えてくれるのでした。
フランクはでかいレンチを武器に、町の「悪人」たちをブチのめし始めます。一度はやられたヤクの売人、車イスの女性を脅していた男、少年を買おうとしていた中年男、そして映画館の列に、強引に割り込んだ男など。悪人を容赦なくレンチで殴りつけるその手段はテレビで取り上げられ、「謎の凶行」として犯罪者扱いされるのでした。
そんな日々の中、コミックショップの女店員が、フランクの仕事場に訪ねてきます。彼女はヒーローの本を買いあさっていたフランクが、テレビで話題の「凶行犯」だと疑っていたのでした。リビーというその女店員は、「あたしも割り込みは嫌いよ」と言い、良かったら自宅で行うパーティーに来てねとフランクを誘います。
悪人と報道され、自分の「ヒーローとしての行動」に迷いを感じ始めたフランクでしたが、その時再びTVのヒーローが、フランクを勇気付けます。そしてフランクは、サラと出会った頃のことを思い出していました。フランクの働くバーガーショップのウエイトレスをしていたサラは、それまで麻薬依存で刑務所にも入ったこともあり、ようやく立ち直ってきたところでした。
「幸せな日々なんて、一度もなかった」というサラに、フランクは「幸せな奴っていうのは、傲慢な奴だよ」と言います。そんなフランクに、サラは心惹かれ、結婚を決意したのでした。依存症を知っている姉が結婚に反対しても、「彼が唯一、私を救ってくれる人かもしれないじゃない!」と譲らなかったのです。そしてフランクはその言葉を思い出し、ジョックの屋敷へ乗り込み、サラを救い出すことを決意します。

【結】- スーパー!のあらすじ4

スーパー!のシーン2 ジョックの屋敷へ侵入し、窓から様子を覗くと、ジョックは取引に使う大量の新しい麻薬を仕入れたところでした。それを見られたジョックは手下に命じてフランクを追跡、フランクは「クリムゾン・ボルト」の変装を見破られた上、足を撃たれてしまいます。身元を知られたフランクは、やむなくリビーの家に身を寄せます。クリムゾン・ボルトの衣装を着たフランクを見て、テンションの上がるリビー。やがてリビーは自分もコスチュームを作り、クリムゾン・ボルトの相棒「ボルティ」になる!と、強引にフランクのヒーロー活動に同行し始めます。
トンチンカンな上に成敗する相手を殺しかねない危険なボルティの相棒ぶりでしたが、その無軌道さのおかげで、フランクはジョックの手下から逃げることに成功します。その夜、ボルティのこともテレビで報道されたことで、リビーは興奮。「妻がいるから」と断るフランクと、強引にSEXに及びます。リビーとのSEX後、フランクは改めて、サラを救い出す決意を固めます。腕に仕組んだ飛び出す刃物、お手製の爆弾、買い込んだ重火器を抱えて、クリムゾン・ボルトとボルティは、ジョックの屋敷へ向かいます。
麻薬の取引相手が来ているらしいジョックの屋敷を見て、リビーは日を改めようかと言いますが、フランクの決意は変わりません。2人で屋敷の外にいる見張りたちを倒すと、屋敷から出てきた手下たちに発砲されます。フランクは防弾チョッキで助かりましたが、リビーは顔面を撃ち抜かれ、即死していました。顔の半分を抉られたようなリビーの死に顔に、フランクの怒りが爆発します。
もはや迷いのなくなったフランクは、次々とジョックの手下たちを殺していきます。そして遂にジョックと1対1で対面、麻薬の取引相手に売られようとしていたサラは、フランクを見て泣き付きます。ジョックが「俺を殺せば、世の中が良くなると本当に思うのか?」とフランクに問うと、フランクは「それはわからない。しかし、やってみる価値はある」と、ジョックにとどめを刺します。
その後サラは、しばらくフランクと一緒に暮らしていましたが、それは自分を救ってくれたというサラの「義務感」だとフランクは気付いていました。やがてサラはフランクの家を出て、他所の土地で結婚し、子供を作ります。フランクは、自分がヒーローになることではなく、サラという女性を救うことを神様は命じられたのだと、納得します。再び一人きりになったフランクでしたが、迷っていたウサギを飼い始め、そして今は、サラやリビーと作った「完璧だった出来事」の絵が、2つどころか壁いっぱいを埋めるように貼ってあるのでした。

みんなの感想

ライターの感想

公開時期と、お手製のコスチュームに身を包んで、町の悪を退治する!という設定から、「中年版キック・アス」と思われがちですが、さにあらず。鏡に向かって決めゼリフを繰り返す、腕に仕込んだ飛び出す刃物、悪の巣窟から女性を救い出すという「勝手な使命」に燃えて大量殺戮を引き起こす・・・そう、これは、中年版「タクシー・ドライバー」なんですね!
「タクシー・ドライバー」のトラヴィスにはまだ「ベトナム帰り」というエクスキューズがありましたが、本作のフランクは「子供の頃からの妄想癖が高じて、神の啓示を受けたと信じて」という、完全にいっちゃってるキャラクター。それが、麻薬の売人や児童愛好者はともかく、列に割りこんだ奴の額をレンチで勝ち割り、あげく連れの女性も「顔面をレンチで」殴り飛ばしますからね!庶民ヒーローの微笑ましさを期待していた観客をドン引かせる、かつてないほどの極悪極まりないヒーロー像。
で、その相棒となるボルティが輪をかけて常識外れ、極悪だからもう手のつけようがない。この2人をこのまま野に放っておいていいものか?と思えるほど。それゆえに、この映画はどんな「ヒーローもの映画」よりも、最高の映画だと言えます。
フランクは、自分の両手の中で、このままあっさりと握り潰してしまえそうな、ただプルプルと震えるだけの無垢なウサギを見て、何を思ったのか。そこに、何を見たのか。顔の左半分が吹っ飛んだボルティの死に顔に、何を感じたのか。ラスト、ウサギを「飼える」ようになったことは、成長の証なのか、何かを悟った後の、無我の境地なのか。万人にお勧めする、万人が高く評価するような映画ではないですが、一部の者にとっては間違いなく、「己の魂に焼きつく」名作です。
「裏キック・アス」とも言えるこの作品が、アメコミ原作ではなく、ジェームズ・ガンのオリジナル脚本だっていうのが凄いですね!ジェームズ・ガン、やっぱり才能ある監督だなと。「スリザー」に出ていたネイサン・フィリオンやグレッグ・ヘンリー、「ガーディアンズ~」にも出演しているマイケル・ルーカーやショーン・ガンなど、「ジェームズ・ガン組」が顔を揃えているのも嬉しい限り。で、ガンさん、「ムービー43」というしょーもない映画では、某「口の悪いクマさんのぬいぐるみ映画」の「裏バージョン」を皮肉たっぷりに映像化してますので、興味のある方は、ぜひ!

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