映画:ブラックサンデー

「ブラックサンデー」のネタバレあらすじと結末

ブラック・サンデーの紹介:パレスチナの過激派「黒い9月」のメンバーが、ベトナム戦争の後遺症で母国に恨みを持ったアメリカ人と手を組み、スーパー・ボウルに詰め掛けた大観衆を惨殺するテロ計画を企てる。着々と進むテロ計画の推移と、計画を阻止しようと奔走するイスラエル特殊部隊の男の活躍を描く。完成度の高い娯楽作として興行的にも期待されていたが、日本では1977年の公開前に劇場爆破予告が入り、やむなく上映中止となった。その後2006年にビデオが発売され、2011年「午前10時の映画祭」で、ようやく日本劇場初上映が実現した。

あらすじ動画

ブラックサンデーの主な出演者

デヴィッド・カバコフ(ロバート・ショウ)、マイケル・J・ランダー(ブルース・ダーン)、ダリア・イヤッド(マルト・ケラー)、コーリー(フリッツ・ウィーヴァー)、モシェフスキー(スティーブン・キーンツ)

ブラックサンデーのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- ブラックサンデーのあらすじ1

ブラックサンデーのシーン1 1976年、11月。ベイルートに集まったパレスチナの過激派「黒い九月」のメンバーが、新たなテロ計画を立てていました。その計画は、大勢のアメリカ人が集まる場所で、大量殺戮をするというものでした。計画のリーダーである女性メンバー・ダリアは、計画実行後に全世界へ向けて発表する声明を、テープレコーダーに吹き込み始めます。
そこへ、イスラエルの特殊部隊「モサド」のメンバーが突入してきます。激しい撃ち合いの中、モサドの指揮を取るカバコフ大佐は、侵入した部屋でシャワーを浴びていた女性を見つけますが、全裸で怯えるこの女性を、そのまま見逃します。この女性こそ、テロの首謀者であるダリアだったことを後から知り、カバコフは後悔することになるのでした。

ダリアと数名のメンバーは逃がしてしまいましたが、カバコフは声明を録音したテープを持ち帰ります。声明の中には、「新年の流血事件は、私たちにとってもつらい決断でした」という言葉が吹き込まれていました。テロ計画は、新年早々に実行される。何とかこれを未然に防ごうと、カバコフはFBIのコーリーたちの協力を得て、計画の全貌を知るため奔走し始めます。

ダリアは、元アメリカ海軍の少佐で、今はアメフトのスタジアムでTV中継用の飛行船を運転している、ランダーという男と手を組み、テロの準備を開始します。ベトナム戦争にも出兵していたランダーは、戦場で数多くの殊勲を上げていましたが、ベトナムで捕虜になってから精神を病み始め、解放されて母国へ戻ってからも強制的に離婚させられたり、復員施設で冷たい仕打ちを受けたりと、母国への強烈な恨みを抱いていました。母国への復讐を誓うランダーと、アメリカ国内で大規模なテロを行おうという黒い九月=ダリアの思惑が一致したのです。

【承】- ブラックサンデーのあらすじ2

ブラックサンデーのシーン2 ダリアとランダーは、日本国籍の船からテロに使用する大量の爆薬を受け取ります。その後2人は逃げ延びましたが、荷物を受け渡した船の船長は、カバコフとFBIの取調べを受けます。しかし、船内は治外法権だ、船長の承諾なしに捜査は出来ないと追い返されてしまいます。
その夜、カバコフと相棒のモシェフスキーは船に潜入し、銃で脅して強引に荷物を渡した2人の人相を吐かせます。そこに電話が入り、船長が受話器を取ると、受話器が爆発し船長の頭も吹き飛びました。ランダーが遠隔操作で受話器に取り付けた爆弾を操作、船長の「口を封じた」のでした。

船長の傍にいたカバコフもケガを負い入院することになりますが、事件を報じたニュースを見て、ダリアとランダーはカバコフの存在に気付きます。ダリアは看護婦に化け、カバコフの入院している病院へ潜入。カバコフの毒殺を計りますが、モシェフスキーに怪しまれて断念。代わりに、モシェフスキーに毒の入った注射をして逃げ去ります。
長い間共に戦ってきたモシェフスキーの死を聞いて、カバコフは点滴を外してベッドから飛び起きます。モシェフスキーの亡骸を空港で見送ると、これまでも「目的のためには手段を選ばぬ血も涙もない冷徹な男」と言われてきたカバコフは、今まで以上に非情な捜査を始めるのでした。

カバコフはまず、ダリアとランダーが受け取った荷物の手配をした男の元へ乗り込みます。銃を男の口にねじ込んで脅し、荷物の中身や金の出所を吐かせます。それでもまだ「ベイルートで見逃した女」の身元にたどり着けないカバコフは、最後の手段に出ます。なんと、これまでずっと敵対関係にあった、アラブ某国の幹部に接近したのです。アメリカ国内で大きなテロが起きれば、どちらの国も国際的な非難を浴びるのは避けられないと、カバコフはその幹部にダリアの身元を調べるよう要求します。
後日幹部が、ダリアの情報をカバコフへ伝えます。まだ幼い頃にイスラエルを追放され、長い難民生活が続き、家族はイスラエル軍に殺された。その後黒い九月に入りテロ活動を開始したダリアのことを、幹部は「お前たちが、彼女を作ったんだ」と、カバコフに向かい言い放つのでした。

【転】- ブラックサンデーのあらすじ3

ブラックサンデーのシーン3 ダリアとランダーの準備は最終段階に入り、テロで使用する爆弾の実験を行います。寂れた飛行場の格納庫でテストを行い、瞬時にして何万発ものダート弾(矢の形状をした弾丸)を発射出来ることを確認します。格納庫の四方の壁に、ダートによる穴が無数に開き、そこから差し込む日の光を見て、ランダーは「美しい」と感動するのでした。

すると、ダリアの元に黒い九月のメンバー、ファジルがやって来ます。ダリアの身元がモサドに知れたことがわかり、テロ計画を中止するよう伝えに来たのです。しかしダリアはこの計画に命を賭けており、簡単に中止は出来ないと突っぱねます。ファジルの動きをFBIも察知し、ダリアのいるホテルの監視を始めます。そこに戻ってきたファジルはホテルの中の様子がおかしいことに気付き、ロビーにいた警察官を射殺、女性客を人質に取って逃走します。追跡劇の末、ファジルはカバコフによって射殺されます。

結局またダリア本人にはたどり着けませんでしたが、ダリアが借りていたホテルの部屋で、カバコフはある雑誌を見つけます。その表紙は、新年に行われるスーパーボウルの写真が使われていました。何万人もの人間を、新年早々に殺害する。テロが行われる場所はここに違いないと、カバコフもFBIのコーリーも確信します。
早速、スーパーボウルの行われるマイアミの会場の警備強化が行われます。更に、アメフトのファンである大統領も試合を見に来る予定だということがわかります。カバコフもFBIもそれは辞めさせろと忠告しますが、選挙を控えた大統領陣営は、絶好のアピールの機会だと観戦を強行します。

スーパーボウルを間近に控えた新年、ダリアはなぜかランダーが落ち込んでいるのを見つけます。問いただすと、ランダーはスーパーボウル当日も飛行船を操縦する予定でしたが、爆弾の準備に追われ休暇を取っているうちに、別の操縦士が担当することになったというのです。爆弾は飛行船に取り付けること前提で作られていたため、操縦が出来なければ全ては水の泡です。もうダメだと諦めるランダーにダリアは激怒しますが、思いなおし、ランダーを励まします。ダリアとランダーは、当日に飛行船を強奪する計画を立て始めます。

【結】- ブラックサンデーのあらすじ4

ブラックサンデーのシーン2 そして迎えた、スーパーボウル当日。早朝からスタジアム全体を警官隊が見回り爆弾を探すなど、これ以上ない厳戒態勢が敷かれる中、カバコフとコーリーはスタジアム内で怪しい人影を見逃すまいと目を光らせます。その頃ダリアは、飛行船を操縦する予定のフォーリーのいるホテルに向かい、朝食を届けに来たフリをして、容赦なくフォーリーを射殺します。
操縦士の制服に着替えたランダーは、飛行船の操縦メンバーやTVクルーに、「昨夜フォーリーから電話があって、女とトラブって操縦が出来なくなった、済まないが操縦を代わってくれってことだった。このことはナイショだぞ」と説明し、納得させて飛行船の元へ向かいます。

飛行船は発着場を出発、ダリアは爆薬を車で発着場へ運びます。スタジアムには大統領も到着、8万人の大観衆で埋まる中、試合が始まります。ランダーは計器を操作し、飛行船のエンジンが故障したと見せかけ、発着場へ引き返します。そこでダリアが持ち込んだ爆弾を、TV用の機材だと偽って飛行船に装着。ちょうどその時、ホテルでフォーリーの死体が発見され、発着場にも連絡が入ります。ランダーは、電話を受けた男を射殺。ダリアも、何事かと驚く他のクルーを次々に撃ち殺し、ランダーとダリアの2人と爆弾を載せた飛行船は、スタジアムに向け再び発進しました。

同じ頃カバコフも操縦士殺害の連絡を受けており、急いで発着場へ向かいますが、飛行船は飛び立ってしまいます。ちょうど発着場にいたヘリの操縦士に半ば強引に頼み込み、カバコフとコーリーはヘリに乗り込んで、飛行船を追跡させます。
飛行船の操縦席から銃撃してくるのを避けるため、飛行船の背後の死角から接近したヘリは、操縦席の横へと並びます。互いに銃を構え、目と目が合うカバコフとダリア。ダリアは、目の前の男が「自分を見逃した男」だと認識し、それまで多くの人を容赦なく撃ち殺してきたのがウソのように、撃つのを一瞬ためらいます。その瞬間、今度はカバコフがためらうことなく銃撃。ダリアは倒れ、ランダーも銃弾を受けます。

傷つき息絶え絶えにながらも、ランダーは飛行船を操縦し、スタジアムへ乗り込んで、爆弾の導火線に引火します。スタジアムは、照明塔をなぎ倒し、客席スレスレに飛んでくる飛行船に大パニックに陥り、試合は中断され観客は逃げ惑います。カバコフは飛行船をスタジアムの外へ運ぼうと、ヘリから降ろしたロープを飛行船のフックへ繋ぎます。導火線が爆弾へ達する寸前、飛行船はヘリに引っ張られてスタジアムの外へ、そしてマイアミの海辺へ。飛行船は大爆発を起こし、放たれたダーツ弾は全て海の中へと消えたのでした。

みんなの感想

ライターの感想

1977年の公開当時、予期せぬ「お預け」を食ってしまった、リアルタイムでこの映画のTVスポットや予告にワクワクしていた世代にとって、忘れがたい思い出の詰まった映画です。午前10時の映画祭、初回上映の終わった時に、客席から拍手が起こったというエピソードには目頭が熱くなりました。いや、マジで。
映画そのものはもう、文句なしの「超一級品の娯楽大作」です。「ジョーズ」で鮫を追うことに執念を燃やしたロバート・ショウが、本作ではテロを追いつめるために手段を選ばぬ男を見事に演じます。「冷酷無比」と言われながら、前半は相棒との会話に人間味も見せていたショウが、その相棒が殺された後は名実ともに「非情に徹して」テロを追う姿は凄みに満ちています。
ブルース・ダーンは戦争で心身ともに傷ついた男を好演、翌年の「帰郷」でもベトナム後遺症の男を演じてましたね。格納庫の壁に開いた無数の日の光を「美しい」と見つめるところは、まさに名シーン。当時一番乗っていた時期だったマルト・ケラーの、美しく冷酷なテロリスト。ためらいなくバンバン人を殺しまくってきた彼女が、ロバート・ショウと目が合い、ほんの一瞬引き金を引く手が止まる。この瞬間の、胸を刺すような映画的刹那。
クライマックスは名匠ジョン・ウィリアムズのスコアが緊張と興奮を盛り上げてくれますが、中盤黒い九月のメンバー・ファジルが町中を逃走する場面では、ニュースフィルムを見るようなドキュメンタリータッチの映像に合わせて、全く劇伴が流れない。名匠の音楽をあえて鳴らさない、この思い切った演出!
NFL(と、自社の飛行船がテロに使われる設定を承諾した太っ腹のGOOD YEAR)の全面協力を得て、迫力満点、200万点くらいの臨場感溢れるスタジアムのシーンが実現。カメラが遠目に、スタジアムの外周を爆弾を牽引しながら走るダリアの車を映し、それからカメラがすっと引いて、大観衆で埋まったスタジアムの観客席を映す。カメラの視線はそのまま下に降り、グラウンドで目を光らせるカバコフの姿を捉える。この、奇跡のようなワンカット!!
ラインバッカーの如くグラウンドの隅をひた走るロバート・ショウの雄姿は、ジョン・フランケンハイマー監督の前作「フレンチ・コネクション2」で町中を走り回ったポパイ=ジーン・ハックマンを思い出させます。思えば銃を突きつけて強引に吐かせるやり方は、アメリカの警察ではなくイスラエルの特殊部隊という設定だからこそ出来たんでしょうけど、「ダーティーハリー」と「フレンチ・コネクション」のポパイ、2大「悪党どもは許さねえ!」的な型破り刑事が登場した後の作品なんですよね、そういう時代的影響もあるのかもです。
さすがに観衆の大パニックシーンは実際の試合が行われた日ではなく、エキストラを集め「別撮り」したそうですが、実際2時間半の映画の中でほんの数分のシーンなんですけど、そうとは思えないくらい目に焼きついて離れないド迫力。このクライマックスで予算を使い過ぎたせいで、ヘリの爆発シーンなどは「取ってつけたような」特撮になっちゃってますけど、そんなことはこの際どうでもいい。
「ベン・ハー」の壮絶な騎馬レースと同じく、現代では撮影不可能だろう圧巻のスペクタクルを見せてくれる、娯楽映画史上に残る傑作だと思います。これからご覧になる方は、出来るだけ大きな画面で、ぜひ。

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