映画:奪還者

「奪還者」のネタバレあらすじと結末

奪還者の紹介:「アニマル・キングダム」などで知られるデヴィッド・ミショッド監督によるアクション映画。世界経済の破綻から10年が経過したオーストラリアを舞台に、愛車を盗まれた男とその強盗団の弟との交流を描く。日本公開は2015年。

あらすじ動画

奪還者の主な出演者

エリック(ガイ・ピアース)、レイ(ロバート・パティンソン)、ヘンリー(スクート・マクネイリー)、アーチー(デヴィッド・フィールド)、兵士1(アンソニー・ヘイズ)、祖母(ジリアン・ジョーンズ)、ドロシー(スーザン・プライアー)

奪還者のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 奪還者のあらすじ1

奪還者のシーン1 世界経済の崩壊から10年後、広大なオーストラリアの土地は荒廃していました。
髭を伸ばし、薄汚い身なりをした中年男エリックは、自分の命よりも大切な車で荒れ地をさまよっていました。
エリックは車から降りて、寂れたバーに入ります。店内は中国の歌謡曲が大音量で流れており、中国系のゲイのカップルが見つめる中、エリックは水を飲みます。

その頃、軍を相手に強盗を働き逃走していたヘンリー一味が、猛スピードでエリックがいるバーまで近づいてきます。
ヘンリーは負傷しており、撃たれてしまった弟のレイを現場に置き去りにしたことで、仲間と揉めていました。ヘンリーはレイを助けに戻りたいと主張しますが、ほかの2人はとっくに死んでいるから戻っても無駄だと断言します。
さらに、後部座席の初老の男が「一人前の男なら潔く死ぬべきだ」と言い放ち、逆上したヘンリーは車内で暴れます。その反動で車はバーの前で横転し、タイヤが鉄骨に挟まってエンストを起こしてしまいます。
咄嗟に3人は近くに停めてあったエリックの車に乗り込み、急いで立ち去るのでした。

それを見たエリックは、すぐさまヘンリーたちが乗り捨てていった車を動かして、追跡を開始します。
エリックは様子を窺いながら少しずつ距離を詰めていき、やがて彼らの車と並走して姿を目に焼きつけます。銃を向けられて減速しますが、確実に後ろをついて走るのでした。
追っ手の目的がわからないヘンリーたちは、車を停車させてエリックと対峙します。彼らは銃を突きつけますが、エリックは全く恐れることなく近づいていき、車を返すように凄むのでした。
それを拒否されると、エリックは初老の男に掴みかかります。しかし、一味の男に後頭部を殴られて気絶してしまいます。

その頃、重傷を負って犯行現場に置き去りにされていたレイは、軍用のジープを奪って逃走を図るのでした。

【承】- 奪還者のあらすじ2

奪還者のシーン2 意識を取り戻したエリックは、再びヘンリーたちの後を追います。
途中寂れた売店に立ち寄って彼らの目撃情報を求めますが、店主からは知らないと告げられました。
続いて民家を訪ねますが、そこでは少年が売春をおこなっており、場違いなほど上品な老婦人がエリックに孫の売春を勧めてきました。
エリックはヘンリー一味の行方を聞き出そうとしますが、彼女はエリックの名前を尋ねるだけで、まるで話になりませんでした。

一旦引き下がったエリックは、銃を入手しようとします。
別室で小男が銃を販売しており、エリックは離れの小屋に連れて行かれます。300ドルで取引を持ちかけられますが、エリックにはそんな金はなく拒否します。
そしてエリックは何のためらいもなく小男を射殺して、銃を手に入れるのでした。

エリックは老婦人の元に戻り、銃で脅しながらヘンリーたちを見たかどうかを再度尋ねます。
老婦人は動じることなく、彼らが通り過ぎていった姿しか見ていないと答えました。
それから彼女は、何故そこまで車にこだわっているのかと聞きます。エリックは言葉を詰まらせて、目に涙を浮かべるのでした。

エリックが車に戻ると、車体のあちこちに血の手形がついていました。
その場に座り込んでいたレイは、ヘンリーの車を見つけて勘違いをして待っていたのです。レイは立ち上がれないほど弱っていましたが、エリックに何故兄の車に乗っているのかと聞きます。
エリックは銃を突きつけて、ヘンリーたちの居場所を問いただします。しかし、レイは出血多量で気絶してしまうのでした。
エリックはひとまずレイを車に乗せて、売店で医師の所在地を教えてもらおうとします。店主は先に商品を買うようにライフルで脅し、エリックは仕方なく缶詰を購入します。

夜、エリックたちは医師のいる家に辿り着きます。
すると女医のドロシーと男がエリックを包囲して、銃を捨てるように命じます。彼は要求に応じて、レイの治療をしてほしいと頼みました。
ドロシーは治療を無償でおこない、金がなくても幸せになれると言いました。
その後、エリックは別室で狭いケージに入っているたくさんの犬を見つけます。そこへドロシーがやってきて、住民が食べないように保護しているのだと説明します。
経済が破綻して以降、彼女はいつか飼い主が戻ってくることを信じてかくまっていたのです。

翌朝、回復したレイはドロシーの手当てを受けます。
目を覚ましたエリックは、レイに拳銃を突きつけてヘンリーたちの行き先まで案内するように脅します。
すると、射殺した小男の仲間がやってきて、ドロシーの家を襲撃しようとします。エリックはドロシーに銃を持ってくるように指示して、彼らを瞬殺するのでした。
惨劇に耐えかねたドロシーはレイをかばおうとしますが、エリックは彼女にも暴行を加えます。そして、レイに一緒に来るように命令するのでした。
エリックに恐怖したレイは、おとなしく従いました。

【転】- 奪還者のあらすじ3

奪還者のシーン3 エリックは車を走らせて、日が暮れるとモーテルに立ち寄りました。
レイに目的地を話すように脅すと、彼はカールーンだと答えて、モーテルにいた中国系の女に行き方を尋ねます。
自分も一緒に連れて行ってほしいレイは、詳しい行き先を明かそうとしませんでしたが、ヘンリーと鉱山で働くつもりだったと説明します。そして、ヘンリーは急いでいただけで、自分のことを待っていてくれているはずだと語るのでした。
そんなレイに対して、エリックは「お前は兄に見殺しにされたんだ」と辛辣な言葉を浴びせます。
レイはショックを受けて、その場を立ち去るのでした。

レイが一人でモーテルの部屋にいると、軍用のジープを追ってきた警官が近づいてくるのが見えました。
続いて誰かが部屋をノックして、動揺したレイはドアに向かって発砲しますが、外で倒れていたのは年端もいかない少女でした。
少女を殺めてしまったことに混乱していると、今度は警官が部屋に向かって発砲してきます。レイはすんでのところで死角に隠れますが、警官の銃撃は容赦なく続きます。
銃声を聞いたエリックは急いで部屋へと向かい、警官を背後から射殺しました。そして「戦おうと思ったんだ」と嘆くレイを連れて、モーテルを逃げ出すのでした。

野宿中、レイはエリックの素性を尋ねます。
エリックはかつて農夫だったと答えて、射撃の腕は軍で磨いたのかという質問には口を閉ざしました。
レイは自分も農場で育ったと語り、昔の思い出話をエリックに聞かせますが、彼は何の反応も示しませんでした。
重苦しい空気が漂う中、レイは撃ってしまった少女のことが忘れられないと吐露します。するとエリックは、自分の過ちに苦しみ続けるようにと、厳しい言葉をかけるのでした。

翌朝、レイが用を足しに行っている間に、外で眠っていたエリックが兵士に連行されてしまいます。
拘束されたエリックは、移送手続きをおこなう兵士に向かって射殺すればいいと煽ります。
兵士は挑発に乗りませんでしたが、エリックは10年前妻と浮気相手を殺害して、庭に埋めたことを打ち明けます。
罪を犯したのに誰も捕まえに来なかったことは、命の軽視であるとエリックは絶望していたのです。しかし、兵士はエリックの話に聞く耳を持ちませんでした。
すると、そこへレイが単身で現れて、兵士を瞬殺します。エリックは拘束を解かれて、外に出ると2名の兵士の死体がありました。レイはフェンスの下に穴を掘って侵入して、兵士を次々と射殺したのだと説明します。

その後、ガソリンを給油する際、アメリカドルを所有していないエリックに変わって、レイが支払いを済ませます。
途中、レイが傷口が痛むと告げると、エリックは車を停めて処置をしました。

【結】- 奪還者のあらすじ4

奪還者のシーン2 エリックとレイはヘンリーたちのアジトまで辿り着き、翌朝襲撃することにしました。
エリックに触発されたレイは、ヘンリーに会ったときは自分が殺すと宣言します。エリックは複雑な表情を浮かべながら、彼の言葉を聞いていました。

明け方、エリックとレイはヘンリーたちのアジトにやってきます。
家の前にはエリックの車が停めてあり、エリックは車に乗り込んでしばしの間考え事をします。しかし、今さらレイを見捨てることはできず、車から降りるのでした。

アジトの内部に侵入すると、そこではヘンリーを含む4人の男が眠っていました。
エリックは銃を突きつけながら、男2人を起こして一箇所に集めます。レイはヘンリーと老人が眠る部屋に突撃して、ベッドから出るように命令します。
ところが、ヘンリーは指示に従わず、隠していた銃をレイに突きつけて、銃を下ろすように命じるのでした。
レイは激しく動揺しながら、自分を置き去りにしたヘンリーを責め立てます。そしてレイの銃が暴発してしまい、身の危険を感じたヘンリーは引き金を引いてしまったのです。
銃弾はレイの首に命中して即死し、倒れ込む彼を見たエリックは、目の前の2人を射殺してヘンリーに銃口を向けます。
ヘンリーは泣きながら弟に何か吹き込んだのかと訴えますが、エリックは何もしていないと答えて、ヘンリーを撃つのでした。
残された老人は、銃を突きつけられても顔色一つ変えずエリックを見つめます。そんな老人の前でエリックは涙を流しました。

エリックはレイたちの遺体を庭に出して、一箇所に集めて火を点けました。
燃えるのを見届けてから、ようやく取り返せた自分の車で荒野へと向かいます。
それから彼は、車のトランクから愛犬の亡骸を取り出します。そして、スコップを固い地面に突き立てる場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

経済が崩壊した世界という、今後起こるかもしれない絶望的な状況で繰り広げられる人間模様は、妙にリアリティがあって引き込まれました。言葉による説明が排除された作品ですが、登場人物の表情などから心の動きが伝わってくるので、決してわかりにくい訳ではありません。常識や道徳が通用しなくなった世界で、人を殺し続けたエリックが最後にとった行動を見て、彼のそれまでの日々を想像することができました。孤独感や寂しさを感じ取れたと同時に、少し救われたような気持ちにもさせられました。

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