「無限の住人」のネタバレあらすじと結末の感想

無限の住人の紹介:2017年の日本映画。講談社「月刊アフタヌーン」で連載された沙村広明の同名原作漫画をもとに、『クローズZERO』『サラリーマン金太郎』『忍たま乱太郎』など数多くの人気漫画の実写化で知られる三池崇史が監督した。配給はワーナー・ブラザース。主演は元SMAPの木村拓哉で、『武士の一分』以来2度目の時代劇となる。不死身の人斬りと武力のみを信条とする剣客集団との血塗れの死闘を描き、日本ではPG12指定で公開された。

予告動画

無限の住人の主な出演者

万次(木村拓哉)、浅野凜/町(杉咲花)、天津影久(福士蒼汰)、尸良(市原隼人)、乙橘槇絵(戸田恵梨香)、黒衣鯖人(北村一輝)、百琳(栗山千明)、凶戴斗(満島真之介)、司戸菱安(金子賢)、八百比丘尼(山本陽子)、偽一(北代高士)、閑馬永空(市川海老蔵)、吐鉤群(田中泯)、伊羽研水(山崎努)

無限の住人のネタバレあらすじ

【起】- 無限の住人のあらすじ1

万次という一人の剣士が追ってくる敵と戦っていました。万次は町という妹を連れて逃げていましたが、彼女は馬の糞をおはぎだと言って差し出してきます。
たまたま万次が河原で休んでいたところに、八百比丘尼と名乗る老婆が話しかけてきました。万次は自分の妹が気が触れていることや、それは自分に原因があることを話し、妹を守るために自分は死ねないと語ります。ふと気づくと、町の姿がありません。
町を探していた万次の前に、大勢の手下を連れた賞金稼ぎの司戸菱安という男が現れます。司戸は町を人質にし、万次に武器を棄てるよう要求しました。やむなく万次が従うと、司戸は町を斬り殺してしまいました。万次と司戸の手下たちの戦いが始まります。大勢の男たち相手に万次は一歩も引かず、次々と斬り殺していきました。しかし、片腕を切り落とされ、満身創痍になってしまいます。手下たちを全員殺し、司戸と相打ちになった万次は倒れてしまいましたが、そこにあの八百比丘尼が現れました。八百比丘尼は万次に止めを刺すよう頼まれましたが、これだけのことをして死ぬことは許されないと言い、万次の胸に傷をつけて「血仙蟲」という寄生虫を移植します。すると切り落とされた万次の腕が接合しました。万次は不死身になったのです。
それから50年後、江戸にある無天一流の道場では、統主・浅野虎厳の一人娘・浅野凛が女だてらに剣の稽古に励んでいました。母親はそんな凛の勝ち気さを心配していましたが、凛は聴く耳もちません。
ある夜、浅野家が家族三人でいるところに逸刀流と名乗る剣客集団が押しかけてきました。その統主である天津影久は、自分たちは力による剣術の統一を目論んでいるといい、浅野に対して自分の配下に加わるよう命じました。浅野は即座に拒否し、天津と立ち合います。しかし天津の実力は圧倒的で、浅野はあっさりと斬り捨てられてしまいました。そして配下の者たちに、凛の母を自由にして良い、ただし年端もいかない娘は見逃せと命令します。凛の母はその場で乱暴され、逸刀流の者たちに連れて行かれたのでした。
それから2年後、父の墓前で手を合わせ、剣の素振りをしていた凛の前に、八百比丘尼が姿を現しました。八百比丘尼は凛が復讐しようとしているのを知ると、笑いとばしながらも不死身の用心棒を雇えと言います。その男は江戸にいる、と。
凛は江戸のあちこちで話を聞き、ようやく河原にある掘っ立て小屋で暮らす万次を見つけました。万次は凛の姿を見て驚きます。かつての妹・町とそっくりだったのです。凛は用心棒をするよう依頼しますが、万次はすぐには引きうけません。金はいらない、覚悟を見せろと凛を挑発します。凛が思いつめたように帯をほどき、服を脱ごうとしているのを見て万次は「冗談だ、馬鹿」と言い、ようやくその依頼を引きうけたのでした。

【承】- 無限の住人のあらすじ2

最初に万次が対決したのは、逸刀流の一人、黒衣鯖人という男です。黒衣はあの夜以来、凛に思いを寄せるようになっていて何度も文を送りつけていたのでした。凛の文によって呼び出された黒衣に万次が挑みます。黒衣はその特異体質で万次の攻撃を退け、逆に斬り捨ててしまいました。凛が慌てて短剣を投げると、布に覆われた黒衣の体の一部が裸出します。そこには凛の母の生首が縫いつけられていました。その時、「血仙蟲」の力によって復活した万次が黒衣を斬り捨てます。万次と凛は最初の勝利を収めたのでした。
数日後、凛は万次の武器を研ぎに出した際、刀鍛冶のところに奪われていた家宝の刀があるのに気づきます。それを取りに来た男こそ逸刀流の一人・凶戴斗でした。凛から話を聞いた万次は、先回りして凶を待ち伏せし、対決します。地の利を得た凶の戦い方に苦戦するものの、なんとか勝利します。止めをさせず凶には逃げられたものの、万次は凛の刀を取り返したのでした。
感謝した凛は自分が万次の亡くなった妹に似ていることを知り、「お兄ちゃん」と声をかけます。万次は憮然としつつ「そこは『兄さま』だ」と言い返しました。
一方、負傷して逸刀流の隠れ処で治療を受けた凶は、不死身の剣士が敵に回ったことを天津に報告していました。
逸刀流の手がかりを求め、江戸の剣法道場を訪ね歩いていた万次と凛は、山道の茶屋に立ち寄りました。すると万次の前に、閑馬永空という男が現れます。閑馬もまた逸刀流の剣士でしたが、万次に手を組んで天津を倒そうと誘いをかけます。万次は閑馬の胡散臭さに拒否し、戦いになりました。あっさり万次の剣に胸を貫かれ、勝負がついたかと思われましたが、なんと閑馬は平然と立ち上がってきました。彼もまた八百比丘尼によって不老不死となった存在で、自分と同じ境遇の万次に共感を覚えていたのです。そして血仙蟲の働きを弱める薬を塗った刀で万次に手傷を負わせ、立ち去りました。
万次は血仙蟲によって維持されていた体の傷が裂け、あちこちから血が噴き出しました。凛は慌てて医者を呼ぼうと駆け出したものの、待ち伏せしていた閑馬に囚われてしまいました。
縛られた凛に、閑馬は復讐のために血仙蟲を分け与え不死身の体にしてやろうと言いますが、戸惑う凛の姿に冗談だと言いました。「そんなことで移せるのなら苦労はせぬわ」彼は不死身のため、今まで大勢の友や妻を失ってきたのです。
薬の効き目が弱まり、ようやく回復した万次は、閑馬の呼び出しに応じてやってきました。互いに死ねない体で生きるのに飽いた二人の対決でしたが、閑馬は血仙蟲を殺す薬を刀に塗り、万次に挑んできます。今度こそ死ぬことが出来ると一瞬思った万次でしたが、凛を助けるため戦い、生き延びる道を選びました。閑馬から刀を奪い取ると、その身体を八つ裂きにして止めを刺します。閑馬は「虫どもも愛想をつかしたようだ」と言い、息を引き取ったのでした。
その頃、江戸のあちこちで逸刀流の剣客たちが次々と殺される事件が起きていました。その現場から金髪の女と坊主頭の男が立ち去る姿がありましたが、天津は万次の仕業だと考えます。しかしその頃、天津たち逸刀流は江戸中の主要な道場をほとんど潰し、その実力を示したことで、幕府の剣術指南役となる話が持ち上がっていました。軽々に動けない天津は、万次を相手に刺客を送ることを決めます。遊郭を訪れた天津は、一人の遊女と会いました。
その遊女は乙橘槇絵といい、天津を越える剣の腕をもちながら逸刀流に加わっていなかったのです。しかし天津の頼みを受け、その障害となる万次に戦いを挑んできました。槇絵の実力は凄まじく、万次はまるで歯がたたずに敗北してしまいました。止めを刺そうとした槇絵は立ちすくみ、自分が本当は人斬りに向いてないことを明かします。さらに戦いに気づいて駆けつけてきた凛が万次を庇ったため、槇絵はそれ以上なにも出来ずその場から立ち去ったのでした。

【転】- 無限の住人のあらすじ3

ある日、凛は森の中で天津が素振りをしているのを目撃します。好機とばかりに攻撃をしかける凛でしたが、多数の短刀を一機に投げる彼女の必殺技「黄金蟲」は天津には通用しません。天津は逸刀流の開祖が、かつて凛の祖父と同じく無天一流の後継者の座を争っていたことを明かします。彼は実力では上回っていたものの、異国の剣を使った邪道の技を使ったため破門されてしまったのです。その怨みから実力本位の逸刀流を立ち上げたのでした。そして天津は凛を見逃して踵を返しました。凛は天津を呼び止め、どうして自分を殺さないのかと訊ねます。天津は、お前の技は無天一流では邪道とされるもので、お前は我々に近い存在だと言い、立ち去るのでした。
そんな中、万次と凛はあの金髪の女と坊主頭の男から誘いを受けます。彼らは「無骸流」と名乗り、逸刀流と戦うために手を組もうと申し出ました。万次は胡散臭い話だと警戒しましたが、凛の希望で取引に応じることになりました。さっそく彼らは天津が女装をして江戸を出て加賀に向かうという情報を得たことを伝えます。
無骸流たちは手分けして天津を待ち伏せすることとなり、万次と凛は無骸流のひとり、尸良と組んで待ち伏せ箇所に向かいました。すると天津の女装と思しき姿が現れます。さっそく尸良が向かいましたが、それは雇われた女性でした。そして逸刀流の刺客たちが万次と尸良に襲いかかります。逸刀流は情報漏れに気づき、逆に罠を張ったのでした。尸良は賞金がフイになったと激怒し、自分に向かってきた刺客を倒します。彼らは金のために逸刀流と戦っていたのです。そして尸良は、万次が別の刺客と戦っている間、天津のふりをしていた女性を暴行しはじめました。凛はそれを止めようとしましたが、尸良は自分の欲望を邪魔されて激怒し、逆に凛に刀を突きつけます。そこに戻ってきた万次が鎖鎌を飛ばし、尸良の片腕を切断しました。尸良は逃げ去ってしまいます。結局、万次と凛は無骸流とは袂を分かつこととなりました。
一方、逸刀流の方では幕府との話がまとまっていました。天津はその話を配下の者にまかせ、自らは加賀へと向かいます。一門を率いる伊羽研水という人物と会い、その門下を逸刀流に参加させるという交渉でした。
凛は自分の正しさに自信を失っていました。万次はそんな凛に、妹を死なせた経緯について語ります。かつて万次は旗本の命令で私腹を肥やす悪人を斬ったのですが、実は私腹を肥やしているのは旗本の方でした。騙されていたと知った万次はその旗本を殺し、さらに追ってきた刺客の中にいた妹の夫を彼女の目の前で斬り殺してしまったのです。
凛はこれ以上は万次に甘えられないと感じるようになり、一人で天津を追うことを決意、置き手紙を残して万次の小屋を出て行きました。
加賀に到着し、伊羽の道場を訪れた天津でしたが、伊羽は話を流してくれと言い出します。仕方なく道場を後にした天津は、伊羽の弟子たちに襲われました。彼らは公儀からの命令により、天津と敵対するしかなかったのです。伊羽はひとり、道場で腹を切り、弟子たちは全員、天津に返り討ちになりました。
江戸でも逸刀流の者たちが、剣術指南就任を祝う宴に招かれたものの、毒を盛られて公儀の役人・吐鉤群ら誅殺されてしまいました。
加賀に向かっていた凛は、加賀より戻ってきた天津と偶然出会います。動揺する凛でしたが、天津は巻き添えにされたくなければ逃げろと言いました。天津はさらなる追っ手の追撃を受けていたのです。凛は成り行きのまま天津と行動を共にしてしまいました。

【結】- 無限の住人のあらすじ4

万次はといえば、凛の後を追って江戸を出ようとしたところ、逸刀流の剣士に3人がかりで襲われます。本来なら逸刀流は一対一での勝負を掟とするはずでしたが、彼らもまた追いつめられていたのです。万次は逸刀流剣士たちの奇抜な技に片手を拘束されて苦戦しましたが、自らの腕を切り落として逆襲し、もう片腕を切られながら2人までを倒します。3人目が向かってくる前に切り落とされた腕を戻そうとしましたが、先日の毒から回復してないせいか、血仙蟲が十分に機能しません。3人目の逸刀流が迫ってくる寸前、万次の叱咤に反応したかのようにようやく血仙蟲が彼の腕を繋ぎ、万次は辛くも勝利をおさめたのでした。
先を急ごうとする万次でしたが、体の自由が利きません。やはり血仙蟲が弱っている上、連戦につぐ連戦で万次の体に無理が生じていたのです。
その頃、廃村を逃げる天津と凛の前に、吐鉤群の率いる公儀の侍たちが立ちふさがりました。周囲を取り囲まれ、さしもの天津も逃げる隙がありません。凛は一人を相手に多勢を繰り出す卑劣さを見かね、天津の前に飛び出して抗議しました。吐鉤群は面倒だ、その女も斬れと部下たちに命令します。その時、近くの廃屋の屋根の上に万次が姿を現しました。
「凛、俺はだれを斬ればいいんだ?」と訊ねる万次に、凛は「私を斬ろうとする人!」と答えます。万次はそれでいいと言い、用心棒として公儀の侍たちに挑みかかっていきました。天津もまた別の場所で戦いはじめます。二人とも獅子奮迅の戦いで敵を次々と切り倒していきますが、相手の数は圧倒的で次第に追いつめられていきます。追いつめられた万次と凛。凛はとっさに必殺技・黄金蟲を繰り出して万次を援護しましたが、短剣の一本が万次にも命中してしまいました。
吐鉤群は天津と万次が繰り広げる死闘を、握り飯を食べながら高見の見物していました。
そんな乱戦の最中、尸良が馬に乗って戦場に乱入してきました。彼は凛をさらい、逃げていきます。万次は公儀の侍たちに阻まれつつも、彼らを斬り捨てて尸良を追いました。
尸良は万次に片腕を斬られたことで復讐鬼となり、斬られた腕の骨を削りだして鋭利な武器にしていました。その激痛のあまり黒かった髪まで白髪になっていたのです。
そして尸良は凛を人質に、武器を捨てるよう命じました。万次は町の時を思い出し「またかよ」とつぶやきつつも、言われたとおりに武器を近くの井戸に投棄します。しかし帯の背中側に一本だけ凛の短剣を隠し持っていたのです。隙を見て万次はその短剣を投げました。尸良は軽くその攻撃をかわしましたが、万次の狙いは凛を縛っていた縄でした。凛に逃げられ動揺する尸良に、万次は素手で飛びかかりました。そして尸良を崖に突き落とします。尸良は蔦にしがみつきつつ、必ず復讐してやると喚きました。しかし万次があっさり蔦を切ると、尸良は落下し崖下で血しぶきが上がったのでした。
一方、こちらも追いつめられていた天津のもとに、槇絵が駆けつけて彼を救います。さらに槇絵は火薬の臭いに気づき、吐鉤群が繰り出した鉄砲隊の銃撃から天津をかばいました。銃弾を受けた槇絵でしたが、そのまま鉄砲隊のもとに駆け寄り、彼らを全員斬り倒してから息絶えました。
ついに公儀の侍たちは壊滅し、一人のこった吐鉤群は自ら剣を抜いて天津に向かってきました。その実力は確かなもので、消耗した天津は苦戦を強いられますが、最後は吐の胴を切り落とし、勝利をおさめたのでした。
そこに万次と凛が戻ってきます。すべての決着をつけるため、万次は天津と対決しました。互いに満身創痍となった二人でしたが、血みどろの戦いの末、勝利したのは万次でした。天津は体力を失って座り込んでしまいました。万次はとどめを凛に任せます。しかし凛は剣を構えたものの天津に向けて振り下ろすことができませんでした。激しくためらう凛を残し、天津はよろめきながらも立ち上がりました。その際、天津は自分があくまでも力にこだわると言い、「何年たとうが、子孫の代になっても望みを叶えてみせる」と言い残します。それを聞いた凛は激昂し、天津に斬りかかります。天津はその攻撃を予期し、返り討ちにすべく剣を振るいました。とっさに万次がその剣を受けます。凛は天津に剣を突き立て、ついに敵討ちを果たしたのでした。
気力を使い果たした万次もその場に倒れます。ついに不死身の万次にも最後の時が訪れたかに思われました。凛は彼に駆け寄り、懸命に呼びかけます。「おにいちゃん」と。すると万次は静かに目を開け、「そこは、『にいさま』だろ。ばか」と悪態をついたのでした。

みんなの感想

ライターの感想

あのキムタクが「無限の住人」を演じる、ということで一部話題となったこの作品、ことキムタクに限っていえば割と良かったと思います。いつものチンピラ風演技が荒んだ万次のキャラとうまく噛み合っていて。原作の万次の達観した雰囲気とは微妙に違うような気もしますが、この辺は好みの問題かと。
天津を演じた福士蒼汰の悪役ぶりも悪くないんですが、なんといっても尸良役の市原隼人のインパクトは強烈。原作の殺人狂キャラに勝るとも劣らない存在感を見せつけてくれます。もっとも話の都合であっさり退散したのは残念なんですが。
とにかく長大な原作ですんで、その一部を映像化したとはいえ、かなりのエピソードを詰めこんだんで、ずいぶんと駆け足の話になっちゃったなあという印象です。原作を読んでればいろいろと補完できるんですが、未読の人にはちょっとキツかも。
閑馬永空に毒を盛られたのを引きずって以降、万次が弱体化したままなのは話がまとまった反面、不死キャラの爽快感がなくなったのが痛し痒しといったところ。原作だと適当な薬をいろいろと飲んだらたまたま解毒してしまったといういい加減な展開で、それはそれでどうかといった感じでしたが。

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