映画:キリクと魔女

「キリクと魔女」のネタバレあらすじと結末

アニメ映画

キリクと魔女の紹介:多数の国際的な映画賞を獲得した、1998年公開のフランス、ベルギー、ルクセンブルクの映画。アニメーション映画としては、フランス映画史上で歴代興行収入第1位のヒットを飛ばした。日本公開は2003年。

あらすじ動画

キリクと魔女の主な出演者

幼少期のキリク(ドドゥ・ゲイエチャ)、カラバ(アウ・セヌザー)、キリクの母(マイモウナ・エヌジャイエ)、山の賢者(ロベール・リンソル)

キリクと魔女のネタバレあらすじ

【起】- キリクと魔女のあらすじ1

アフリカの小さな村のある家で、若い妊婦が赤ん坊を出産しようとしていました。
すると、母親の胎内から「母さん、僕を産んで!」と声が聞こえてきます。母親は驚きますが、「お腹の中で話す子は自分一人で産まれるの」と語りかけます。
すると、赤ん坊は自力で産まれてきて、へその緒を切って「僕の名はキリクだ」と告げました。

キリクは産湯に浸かりながら、母親に父親はどこだと尋ねます。
母親は、キリクの親戚は母親の弟(キリクの叔父)以外は、魔女に食べられてしまったと答えます。
この村は、魔女カラバの呪いにかけられていました。泉は枯らされ、黄金は奪われ、耐えかねた村の男たちがカラバに戦いを挑みます。
しかし、皆食べられてしまい、村は瀕死の状態にありました。

それを聞いたキリクは、カラバに戦いを挑んだ叔父を助けに行くことにします。
彼はまだ産まれたばかりなのに、自慢の俊足で叔父の元へと向かいました。叔父は追いかけてきた小さいキリクを見て驚き、子どもを戦いには連れて行けないと言います。
キリクは一旦村へ引き返し、長老から借りた帽子の中に隠れてついて行くことにしました。

カラバの家の前まで辿り着くと、邪悪な魔女らしき女が登場します。
カラバは村へ危害を加えない代わりに、黄金を全て自分に渡すように命じます。叔父が返答に困っていると、キリクが帽子の中からアドバイスをしました。
それを見たカラバは、しゃべる魔法の帽子だと思い込み、交換条件の品として望みます。叔父は渋々キリクの入った帽子を置いて、一人村に戻るのでした。

しかし、キリクは途中で脱走します。カラバはただの帽子であったことに気づき、激しく怒ります。
そして、カラバの使い魔である鬼たちが村にやってきて、全ての黄金を渡すように要求します。
村の女たちは仕方なく黄金を差し出しますが、隠し持っている女がおり、彼女の家は焼き払われてしまうのでした。

キリクの母親は「黄金はなくても生きていけるが、水と愛する者がなければ生きていけない」と呟きました。

【承】- キリクと魔女のあらすじ2

キリクが村で唯一の川に向かうと、子どもたちが戯れていました。彼らと一緒に遊ぼうとすると、身体が小さいという理由で拒否されてしまいます。
すると不思議な模様の丸木舟が流れ着きます。子どもたちは喜んで乗り込みますが、キリクはカラバの差し金であることを見抜き、早く降りるように警告します。
ところが、子どもたちはキリクの言うことをまるで聞こうとしません。彼らを乗せた丸田舟は急発進し、キリクは大急ぎで短刀で舟底に穴を開けて、沈めることに成功します。
こうして子どもたちはキリクの機転によって救われます。

子どもたちは「キリクは大きくない、でも勇敢だ」と、彼を賞賛する歌をうたいます。
キリク一行が森へ向かう最中、見たことのない実がなっている木を見つけます。
興味津々の子どもたちは木の上に登ろうとしますが、キリクはカラバの罠だと言って止めます。
しかし、彼らはキリクが小さいことを馬鹿にして、木に登ってしまいます。すると木は突然走り出して、子どもたちはまたもやカラバにさらわれそうになります。
キリクは猛ダッシュで木を追いかけ、間一髪のところで彼らがカラバの手に落ちるのを防ぎました。

キリクが立て続けに自分の邪魔をしたことを知ったカラバは、怒り狂うのでした。

キリクはカラバによって枯らされた「呪われた泉」に出向きます。
泉が枯れた原因を調べるために、キリクは小さな身体を活かして、水源地につながっている穴の中に入っていきました。
水源地には、はち切れそうなほど大きな怪物がいました。怪物は泉の水を吸い込んでおり、キリクは退治できるのは自分しかいないと身を奮い立たせます。
一旦引き返し、村のおばさんから刀を借りて怪物に突き刺します。怪物が破裂すると大量の水があふれ出し、キリクは溺れてしまいます。

異変に気づいた村人たちが泉にやってくると、再び水が流れるようになっており、大喜びします。
キリクは意識を失った状態で、穴の中から出てきました。キリクの母親は彼を抱きかかえて、皆で作ったキリクの歌をうたいます。
続けて村人たちも歌い出すと、キリクは息を吹き返しました。今度こそ勇者になったキリクは、村の人気者になります。

水の問題が解決すると、キリクはカラバが何故村に意地悪をするのか疑問が沸きます。
キリクは村人たちにその理由を尋ねますが、誰も答えることはできません。母親に尋ねると、「相手を苦しめたい人はどこにでもいる」と答えました。
そして、山の賢者なら答えを知っているかもしれないと告げます。山の賢者というのは、山の反対側で暮らすキリクの祖父のことです。
彼のところへ行くためには、カラバの家の屋根で四六時中監視している鬼に気づかれずに、山に辿り着かなくてはなりませんでした。

【転】- キリクと魔女のあらすじ3

山の賢者のところへ行くことを決意したキリクは、母親に協力してもらい、カラバの家の近くまでやってきます。
母親はキリクに父の形見である短剣を渡します。そして、キリクは地面下の生き物たちの抜け道に入ります。あっという間に魔女の家の地下を通り抜けたキリクは、短剣を使って穴を掘りながら先へ進んでいきます。
道中、スカンクに攻撃されたり、リスに威嚇されて渋々後退します。しかし、リス一家がスカンクに襲われたときは、身を挺して彼らを守るのでした。

どうにか地上に出たキリクは、待ち受けていたリス一家から感謝の品物を受け取り、彼らと触れ合います。
キリクは鬼の監視から逃れるために、草花を身体に巻きつけて、鳥に変装して山へ向かいます。
途中、ちょっかいをかけてきた鳥の背中に飛び乗ったキリクは、どんどん奥へと進んでいきます。
やがて岩山に辿り着いたキリクは、今度は凶暴な巨大イノシシに行く手を阻まれてしまいます。しかし、イノシシの隙をついて背中に飛び乗り、見事移動の足にしてしまうのでした。

ようやく山の賢者のいる場所へとつながる、大アリ塚まで辿り着きます。
キリクはイノシシを解放し、簡単には開かないとされる扉の前に立つと、すぐに開きました。
大アリ塚の中に入ると、青く美しい空間が広がっていました。奥の玉座で、山の賢者がキリクを待っていました。
キリクは山の賢者に挨拶をして、「大きくしてほしい」と頼みます。すると山の賢者は、「小さいときは小さいことを喜んで、大きいときには大きいことを喜びなさい」と答えました。

キリクはまず呪われた泉にいた怪物について尋ねます。
山の賢者は、あの怪物はたまたま入り込んだもので、カラバの使い魔ではないと話します。怪物は元々小さな生き物で、穴から侵入して水を飲み続けて巨大化したのでした。

そして山の賢者は、カラバが男たちを食っていないことを明かします。カラバは村人たちにそう思わせておくことで、自分がますます強くなれると考えていたのです。
キリクは何故カラバが意地悪をするのかと尋ねます。山の賢者は、自分が苦しいから皆にも苦痛を与えたいのだと答えます。
カラバは村人たちを苦しめてきましたが、同時に自身も日夜苦しんでいました。カラバの背骨には、昔男たちに打ち込まれた毒のトゲがあり、抜くときに恐ろしい苦痛が伴うのです。

さらに、その毒のトゲがカラバに魔力を与えていることもわかります。彼女は元々魔女ではなかったのです。
真実を知ったキリクは、カラバの毒のトゲを抜くことを決意します。
それからキリクは、山の賢者の膝の上に座って少し休みます。山の賢者にお守りがほしいとねだると、彼はそういうものを持とうとしない自由な知性が大切だと教えました。

【結】- キリクと魔女のあらすじ4

カラバはキリクの息の根を止めようと、躍起になっていました。
山の賢者と別れたキリクは、抜け道を通ってカラバの家に侵入します。こっそり壺に隠された黄金を奪い返すと、カラバの使い魔のヘビが飛び出し、キリクを追いかけてきてきます。
キリクはどうにかヘビから逃れますが、地上では黄金を奪ったキリクを始末するために、カラバがいきり立っていました。

カラバは呪いの剣を手にして、ついに家の外へ出て行き、森の中へ入っていきます。カラバが通った道は、魔力によって瞬く間に草花が枯れていきました。
先回りしていたキリクは、奪い返した黄金を木の下に隠して、カラバをおびき寄せました。
カラバの様子を木の上から観察していたキリクは、隙を突いて彼女の背中に飛び乗り、ひと思いに毒のトゲを引き抜きました。
カラバは痛みに絶叫し、森一帯に叫び声が響き渡ります。

しばらくすると枯れた草花たちが息を吹き返し、鮮やかな色を取り戻していきます。
魔力を失ったカラバは、未だかつて見たことがないほどの穏やかな表情になりました。そして、長年の苦痛から解放してくれたキリクに感謝します。
するとキリクは、お礼に結婚してほしいという、思いもよらないお願いをします。しかし、カラバは過去の壮絶な体験から結婚を嫌悪しており、「男の召し使いにはならない」と断ります。
キリクは召し使いにはしないと反論し、「僕の唇にお前の唇を重ねてくれない?」と、今後はキスをねだりました。
カラバが優しい口づけを与えると、キリクの身体は劇的に成長し、突如美しい青年になりました。大きくなったキリクは「お前の力は消えたわけではない」とカラバに語りかけます。
愛が芽生えたキリクとカラバは、そっと抱き合いました。

一方村では、皆が帰らぬキリクを案じていました。これまでキリクに感謝の気持ちを伝えなかったことを、悔やむ者もいました。
そこへ成長したキリクとカラバが現れ、村人たちは驚愕します。村人たちはカラバに怯えて、青年をキリクと信じずに警戒心をむき出しにします。
村人たちの反応に傷ついたキリクは、母親に向かって「僕を見分けて」と叫びます。すると、母親がゆっくりと近づいてきて、キリクを優しく抱きしめました。

キリクの正体がわかっても、これまでにたくさんの男を奪われた村人たちは、カラバを許すことができませんでした。
怒り狂った村人たちは団結し、カラバを殺そうと襲いかかりますが、そのとき遠くから男たちの声と太鼓の音が聞こえてきます。女たちの夫や恋人、息子たちが帰ってきたのです。
男たちを連れてきたのは、山の賢者でした。カラバに食われてなどいなかった彼らは、使い魔の姿に変えられて、今まで働かされていたのでした。
村人たちは再会の抱擁を交わして、キリクは自分の父親と対面します。そして、カラバもキリクの恋人として受け入れられる場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

とにかく絵が美しく、エキゾチックで鮮やかな風景に惚れ惚れとさせられました。冒険活劇のようなファンタジー要素が強いですが、集団心理の恐ろしさなどのリアルな人間の心理表現も組み込まれていて驚きました。なかでも魔女の男性に対するトラウマ描写は、現代的なテーマだと思いました。キリクは物語の中で「どうして?」という言葉を絶えず発しますが、探究心を持つことの大切さも教えられました。ほかにも、キリクの母親の思慮深く愛にあふれた言動や、山の賢者の核心をつく言葉など、心に残しておきたいシーンがたくさんありました。

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