映画:手をなくした少女

「手をなくした少女」のネタバレあらすじと結末

手をなくした少女の紹介:2016年制作のフランス映画。グリム童話に収録されている「手なしむすめ」を基にしている。監督はフランスの新鋭セバスチャン・ローデンバックで、「クリプトキノグラフィー」という独特の表現手法を用いて、彼が一人で完成させた。日本公開は2018年。

あらすじ動画

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手をなくした少女の主な出演者

少女(アナイス・ドゥムースティエ)、王子(ジェレミー・エルカイム)、悪魔(フィリップ・ローデンバック)、庭師(サッシャ・ブルド)、父(オリビエ・ブロシュ)、母(フランソワーズ・ルブラン)

手をなくした少女のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 手をなくした少女のあらすじ1

手をなくした少女のシーン1 あるところに、父・母・娘からなる粉ひき屋の家族がいました。
彼らは水車小屋で暮らしていましたが生活は貧しく、川の水も枯れ果て、日々の食料にも困る日々が続いていました。

そんなある日のことです。
薪拾いに森へ出かけた父が、腹を鳴らして辺りを見渡すと豚がいました。彼は豚を斧で仕留めて食べようとしますが、それを年老いた男が止めます。
男の正体は悪魔で、水車小屋の裏にあるものと引き換えに黄金を与えようとささやきます。てっきり小屋の裏に生えているリンゴの木のことだと思った父は、その申し出を引き受けました。
すると悪魔は瓶を差し出して、中の液体を飲めば金持ちになれると言います。父が液体を飲み終えると悪魔は姿を消して、周囲の様子が一変します。
今まで干からびていた川に猛烈な勢いで黄金が流れ込んできたのです。娘(以降、少女と表記)は喜んで父へ報告に行きますが、母は「光り輝く黄金が汚く見える」とつぶやくのでした。
その夜、悪魔が欲しているのはリンゴの木ではなく、そのとき木に登っていた少女のことだと、母は父に伝えました。
それは少女の耳にも入ってしまいます。

家族は黄金を元手に大金持ちとなり、水車小屋の隣に黄金でできた城を建てました。
父は少女のために豪華絢爛な部屋を作りますが、彼女は「この木と運命を共にする」と言って、リンゴの木から離れようとしませんでした。
その夜、悪魔の使いである豚が視察にやってきました。

翌日、少女が川で水浴びをしていると、ふくよかな婦人に姿を変えた悪魔が、約束を果たさせるために現れます。
しかし、少女は体を清めていたため、悪魔は近寄ることができませんでした。悪魔は黄金を失いたくなければ少女に水を使わせないようにと父に言い残して、去って行きました。

悪魔に二者択一を迫られた父は、水で身を清めていた少女を連れ出します。
そしてリンゴの木の上に追いやり、降りてこられないように獰猛な野犬と豚を放って放置しました。
父は「悪魔は娘を大事にしてくれるはずだ」などと言って現実から逃げますが、母は反対します。貧乏からはいずれ抜け出せるので、悪魔に黄金を返すよう説得しますが、父は聞く耳を持ちませんでした。

【承】- 手をなくした少女のあらすじ2

手をなくした少女のシーン2 母は少女を助け出そうとしたところを、野犬に食い殺されてしまいます。少女は目の前で母が襲われても、恐怖から見殺しにするしかできませんでした。
翌日、今度は少年に姿を変えた悪魔が再び姿を現しました。何日も木の上で過ごした少女は悪臭を放っており、悪魔は父に娘を渡すよう迫ります。
父の呼びかけに応じず、木から下りようとしない少女に焦れた悪魔は、木を切り落とすように命じます。父は悪魔に従って木を切り倒し、少女は落下してしまいました。
しかし、汚れた体の少女にも悪魔は近寄ることができませんでした。母を想って流した涙が、彼女の手を清めていたからです。

業を煮やした悪魔は「娘の手を切ってしまえ」と命じました。さすがの父もひるみますが、さもなければお前をさらって行くと脅されて、追い詰められてしまいます。
すると少女は「父さんと不幸にしたくない」と言って、窮地の父の前に自らの両手を差し出しました。少女は斧で両手を切り落とされ、悲痛な叫びを上げます。
ところが、少女の涙で傷口が清められて結局悪魔は近寄れず、再会を示唆してその場を去って行くのでした。
泣いて身悶える少女は、何故守ってくれなかったのかと父を責めます。父は憔悴しきった様子で「黄金はお前にやる」と告げますが、少女はそんな彼に見切りをつけました。
黄金にあふれた家を離れて、一人放浪の旅に出ることにしたのです。

両手を失った少女は、雨が降りしきる森を歩き続けます。
行き着いた先で光り輝く梨の木を見つけた少女は、流れが急な小川を渡ろうとしますが、足を滑らせて溺れてしまいます。
川底に沈んでいった彼女を救ったのは、女性の姿をした川の精でした。「死にたいのか?」と問われた少女は、生きるために梨を食べようとしたと答えました。
梨の木はこの辺りを統治する王子のものであること、少女がそれを求めるのは運命であることを、川の精は語りました。
少女は川の精によって梨の木まで導かれ、実っていた梨を一つだけ食べるのでした。

その様子を目撃していた王宮の庭師は、天使が現れたと王子に報告します。
それから王子たちは、木の近くで少女が倒れているのを発見しました。無断で梨を食べたことへの許しを乞う少女に、王子は「君を助けたい」と話しかけます。
王子は夢で見たお告げ通りだと少女を見初めており、彼女も木の上であなたのことを夢見ていたと語ります。少女が腕を差し出すと、王子は優しく口づけをしました。

少女は王子の妻となり、結婚式では丹念に作られた金色の義手をプレゼントされました。
少女は何一つ不自由のない幸せな日々を送り、やがて子どもを授かります。

【転】- 手をなくした少女のあらすじ3

手をなくした少女のシーン3 その矢先に国境で戦争が始まり、王子は戦地に赴くことになりました。
「妻が赤ん坊を産んだらすぐに手紙で知らせてくれ」と庭師に言い残して、王子は去って行きました。

ある日、庭師は少女が梨の木の下で佇んでいるのを見つけます。
少女は木の上に登ろうとしますが、黄金の義手では上手くいきません。義手を投げ捨て、様子を見に来た庭師に「王子がくれた手は役に立たない」と愚痴をこぼします。
庭師は王子が中々戻らないのは無事な証拠だと言って、彼女をなぐさめるのでした。

やがて少女は、王子がいない間に元気な男の子を産みました。
彼女は勢いよく母乳が出ることに歓喜しますが、悪魔が再び暗躍し始めます。

さっそく庭師は王子に報告するために「母譲りの唇、父譲りの手のお子様が生まれて、城が活気づきました」と手紙を書きました。
ところが、悪魔が出産の知らせの手紙を書き換えてしまいます。戦地にいる王子は「鯉のような唇、犬のような手の化物が生まれて、城が震え上がっている」という文面を読み、愕然とするのでした。

喜びに包まれる少女でしたが、黄金の義手では赤子を抱き上げることができません。
赤子は乳母が育てることになり、自分で子どもを育てたいのに何もさせてもらえない少女は、フラストレーションを溜めていました。
胸が張って苦しんでいた少女に、庭師は子ヤギを与えてやりました。

手紙を読み終えた王子は、庭師に妻子の世話を託して「いつも家族のことを想っている」と返事を出しました。
しかし、悪魔は王子の手紙も偽装します。庭師をだまして母子共に殺してしまうよう仕向けて、子どもの目玉をくり抜いて川へ捨てるように書いたのです。

その夜、庭師は少女の寝室に忍び込み、彼女と一緒に眠っていた子ヤギを殺します。そして子ヤギの目玉をくり抜いて、証拠として保管しておきました。
少女は王子がそのような命令を下すことを信じられませんでしたが、庭師は一刻も早く子どもを連れて遠い場所へ逃げるように伝えます。
少女は庭師から新世界の魔法の種を渡され、赤子を抱えて王宮から逃げ出すのでした。

人目につかない山を目指して歩き続ける少女は、王子は戦争で気が触れてしまったのだと赤子に言い聞かせます。
「心配しないで」と赤子に優しく語りかけて、小川にやってきました。少女は使い勝手の悪い黄金の義手を外して、すがすがしい表情を浮かべます。
それから自分の口や腕を使って赤子のおしめを替えてやり、義手を川に放り投げてしまいました。
少女は川が自分の味方をしてくれるはずだと信じて、川を辿って歩みを進めるのでした。

少女が喉を潤すために湧き水を飲んでいると、突然川の精が現れました。
川の精は岩の向こうに世捨て人が昔住んでいた家があり、そこなら何不自由なく暮らせるはずだと告げて、消えていきました。
言われた通り岩山を越えると、自然豊かな美しい場所に家がありました。家の前には大好きなリンゴの木もあり、少女は大喜びします。
少女は庭師からもらった魔法の種を植えて、自給自足の生活を送ることを決意します。自らの腕で血を流しながら地を耕し、種を舌で舐めとっては土の上に吐き出して植えました。

一方、戦争に敗れた王子が王宮に戻ってきました。
王子は真っ先に妻子に会いたがり、庭師は悪魔の仕組んだ手紙と目玉を見せて、言いつけは守ったと伝えます。
嘆き悲しむ王子の姿を見て、手紙が偽物であったことを確信した庭師は、事の顛末を告白するのでした。
王子は庭師に感謝して、妻子を探すため再び旅に出ました。

【結】- 手をなくした少女のあらすじ4

手をなくした少女のシーン2 時は流れ、王宮を出るときには赤子だった息子も立派に成長しました。
新世界の種からは、にんじんやトウモロコシなどの野菜が実り、少女は息子と一緒に収穫します。
息子と並んで排泄したり、水浴び中に追いかけっこをしたりなど、母子は幸せな暮らしを送っていました。

何年も旅を続ける王子は、痩せた土地をひたすら進みながら、もう妻子には会えないのかと悲観していました。
いつしか少女の生家に辿り着きます。切り倒されたリンゴの木からは、新しい命が芽生えていました。
彼女の父は誰もいなくなった豪邸で、黄金の縄で首をくくり、ひっそりと生涯を終えていました。
黄金の川のほとりに少女に贈った義手が流れ着き、王子は「犬が母を食い殺し、父が私の一部を切り取った」と呪文のように繰り返す彼女の声を聞くのでした。
さらに、少女の白骨化した両腕を見つけた王子は、骨のひとかけらをつまんで飲み込みました。
その後、王子は誰も必要としていないのに流れ続ける黄金をせき止めます。すると川から少女の歌声が聞こえてきて、王子は斧を持って声のする方向へ進んでいきます。
未だにあきらめていない悪魔も、王子の後をついて行くのでした。

息子と木に登って果実を収穫していた少女は、近づいてくる王子に気づきます。ひげ面に斧を持った姿は、彼女の父とそっくりでした。
少女は王子に王宮から追い出されたと思い込んでおり、自分たちを殺しにきたのだと誤解します。
彼女は息子を守るために木の上から王子に飛びかかり、彼の話を聞かずに戦おうとします。そして王子が持っていた斧を振り上げた瞬間、いつの間にか両手を取り戻しており、息子が近づいてきました。
それから王子と冷静に話し合い、少女はやっと手紙が悪魔に偽装されたものであることを知るのでした。王子は「変わらず君を愛している」と想いを伝えます。

一部始終を見ていた悪魔は怒りを爆発させて、黒い鳥の姿となって襲いかかってきます。
愛する息子と王子の命を奪われそうになった少女は、悪魔に向かって斧を振り下ろしました。悪魔はもがき苦しみながら豚へと姿を変えますが、少女は豚の首もはねてとどめを刺しました。
黒い影だけになった悪魔は、「お前にはこりごりだ」と悔しそうに言い捨てて去って行きます。その後、二度と姿を現すことはありませんでした。

こうして少女と王子は再び一緒になれました。
王子は自分を助けてくれた少女に感謝して、城に帰ろうと伝えます。少女は「城には戻りたくない。ここにもいたくない」と言って、息子と共に鳥のようなものに姿を変えて飛び立ちました。
それを王子が追いかけるような形で飛んでいき、3人で新しい地へと旅立っていく場面で、物語は幕を閉じます。

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みんなの感想

ライターの感想

クリプトキノグラフィーという手法は、本作の監督であるセバスチャン・ローデンバックが独自に生み出したものだそうです(「暗号」を意味するクリプトグラフィーと、「映画」を意味するキノを組み合わせた言葉)。作画に特異性はあるものの見づらいということはなく、生命力が感じられる大胆なタッチは、この物語にぴったりだと思いました。グリム童話を基にした作品ですが、地に根を張るようにたくましく生きる少女は非常に現代的なキャラクターです。また、悪魔を含めた登場人物からも学ばなければならない点がたくさんあるように思いました。せめて庭師のように他者への思いやりを忘れずに生きていきたいです。

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