「お墓がない！」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想（1件）

お墓がない！

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岩下志麻（出演）,袴田吉彦（出演）,安達祐実（出演）,大森寿美男（Writer）,原隆仁（監督）,鈴木光（プロデュース）

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価格・情報の取得：2022-11-13

1997年。東京。

新春映画『宣告』の制作発表の記者会見が行われます。マスコミのカメラの前にいるのは、大女優の桜咲節子と人気絶頂の若手女優・一風弓でした。節子は押しも押されぬ看板女優で、彼女が出るならヒット間違いなしと言われるほどです。

弓はテレビドラマで大活躍してお茶の間の人気者の女優ですが、それを聞いた節子は「テレビ、見ませんの」と牽制しました。それを聞いた弓も内心腹を立て、大女優との共演の感想を聞かれて「すっごい人なんで、すっごく光栄でーす」とわざと棒読みで答えます。

「ガンの娘を持つ母親の役」という映画の撮影にあたり、節子は病院に自ら検査に行くほど情熱をもっていました。検査の感想を聞かれた節子は、少しことばに詰まったあと「貴重な体験でした」と言います。

節子と弓は撮影を開始しました。スタジオには病室のセットが組まれ、そこで母親役の節子とガンを患った娘・弓が演技を戦わせます。

撮影の合間、節子は先日のことを思い返していました。

…（回想）それは勉強のために検査をした結果を聞きに行ったときのこと。節子は田部井医師に「貧血気味ですね。MRI検査もこの際だから受けますか」と言われたことばを聞いて、自分はガンで嘘をつかれているのだと思い込みます。「私は女優です。下手なお芝居は通用しませんよ」と言って余命を聞くと、田部井医師は思ってもみなかった反応に動揺し言い淀みました。その反応を見て節子は、余命半年なのだと思い込みます。田部井医師は「ただの貧血です」と否定しますが、逆効果でした。節子は「判りました」と席を立ちます…。

ガンで余命半年なのだと思った節子は、残された時間をどう過ごすべきか考えながら撮影に臨んでいました。撮影の合間に弓が能天気に大あくびをしているのを見て、腹を立てます。「ガンはあくびしません」と言われた弓は、節子に八つ当たりされたと憮然とします。撮影序盤、2人の女優の仲は最悪でした。

翌日は「撮休」でした。お盆の時期だからです。死を扱う映画なので祖先を敬って墓参りに行けという映画監督の指示で、スタッフたちは各々の家の墓の話をしていました。

それを聞いた節子は、はっとします。スタッフに先祖の墓は大きいのだろうと聞かれた節子は適当に答えると、マネージャーの松江敏子に「私はきっちりと人生のケリをつける」と宣言しました。（映画タイトル）

翌日、敏子は映画配給会社RAIDENの社長・白鷺幸三に付き合って、墓参りに出かけていました。白鷺は妻を亡くしてもう5年になると話します。白鷺の墓は、東京の一等地にある大きな寺の敷地内にありました。老女に変装した節子がすれ違いますが、白鷺も敏子も気づきませんでした。節子は喜びます。

寺の住職に墓について聞くと、檀家になる必要があると言われました。死んだあとも墓を守る墓守がいないと駄目だと言われ、節子は「マネージャーならいる」と答えます。住職に苦笑されたのを見て、節子は墓が簡単に手に入らないと気づいて焦ります。

節子はマネージャーの敏子にも明かしていませんでしたが、実は孤児なのです。17歳からお嬢様女優として大成功を収めたので隠していましたが、だから先祖代々の墓も持っていないのです。死ぬのは怖くないけれど、死んだあとに自分のファンに忘れられるのは怖い、そのために墓が必要だと考えた節子は、なんとしても死ぬ前に映画スターにふさわしい立派な墓を得ようと考えました。

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